最終更新: nevadakagemiya 2018年02月05日(月) 01:25:21履歴
【カルデア・マイルーム】
あら。ここにいらっしゃったのですね、ご主人様。
……え? 猫かぶりは良い? ……うふふ、つい癖で。
けれどご主人様。もしこれがわたしなりの照れ隠しだったらどうするの?
素直な想いをぶつけたい。しかしわたしは従僕の身、そんな願いは叶わないのだから、
仮面の下に隠しましょう。事務的で居れば、無機質に振る舞えば、悟られることなどないのだからっ。
嗚呼、乙女心は複雑怪奇。思いもよらない回り道をして、貴方を窮地に追い詰める────かも、しれないのよ?
うふ。そぉんな迂闊なご主人様には、こちらの惚れ薬をプレゼント〜。
え? 話が見えない? そもそも自分はそんなものに頼ったりしない? 知ってるわよぉ、そんなこと。
これはね、わたしが持ってぇ、こうして────グイッ、といくの。あは、飲んじゃった♪
もう、そんなに慌てなくてもいいでしょう? 確かに効き目ばかりはえげつない程だけれど、効果はたったの3時間程度。
今の時刻は21時だから……うふ、まるでシンデレラの魔法のようね?
……そんなことよりその理由? ……言ったじゃない、貴方はとってもウカツだって。コミュ力おばけな貴方とて、
色恋沙汰は経験不足。欲望を知ったマシュちゃんを始め、貴方が応える、ないし捌かなくてはいけない相手は山といるでしょう。
それでも普段は自重するのが彼女たち。貴方を想って、煩わせないように・って子が殆どでしょう。
そんな中、間もなく訪れようとするバレンタイン。想いを伝える貴重な一日。わたし含め並行世界からのサーヴァントもカウントすると、
その数なんと1300オーバー。三年目だからって、ちょぉっと召喚し過ぎたわねぇ。後始末の量、去年の比じゃないわよ?
ふふ。その顔、やっと理解したみたいね。ね、練習台になってあげるわたしの優しさを噛みしめてもいいのよ?
まあ、新プレイお試しの実験台に選んだって理由もあるけどそれはそれ。精神状態はリセットされるから引き摺ることもないし、
だからちょっとした火遊びくらいにしか思ってないなんてこともないから勘ぐらないようにしてちょうだいね☆
……さて、と。
…………。
………………、…………。
……ふふ、気付いた? ええ。今のはぁ、『軽口を叩いていないと平静を保てない』ってシチュエーションでしたー。
あはっ、まあ見抜けるわよねぇ。わたしったら、見なくても分かるほど顔が火照っているもの。
そうね。おまけに、話題が途切れたら頭の中真っ白になっちゃってたし。思春期のような恋心、ってやつよね? 新鮮だわ。
ええ、ええ。
…………。
…………。
……うふふごめんなさいわたし急用を思い出したからお部屋に帰ひゃあーっ!? きゅ、急に腕を掴まないでちょうだいっ。
お、乙女の柔肌を乱暴に扱うなんて、呪われても仕方のないことよ? だからその、早く手を離し……うぅ、じっと見つめるのも駄目ぇ……❤
はぁっ、はぁっ……ああぅもうっ、種が分かってるのではつまらないしーなんて理由であっちのわたしに調薬の依頼なんてするんじゃなかったわ!
確かにっ、確かに効き目すっごいのをって言ったけれど! 正直見くびっていたわわたし! 或いはこの前の仕返しかしら!?
へ? またとないオシオキのチャンス……? ……❤ ……い、いえ、ダメよぉご主人様、ほんとにっ❤ ほんとに今はっ──
──っひゃぁぁ抱き締めちゃだめぇぇぇ!❤❤❤ ……う、ううう嘘ぉわたし幸福感だけで頭ちかちかしてるううっ❤❤
ひぃっ、ひぃぃ!❤ お願いだからっ❤ 許してっ❤ だめ、好き❤ 好きが溢れちゃってっ、これ以上くっついたら離れられなくなっちゃうっ❤
あうっ❤ ……すぅーっ……はぁーっ……❤ あぁぅ、だめ、だめぇ❤ 抱き締めた手が離れない……離したく、ないぃぃ……──❤
◆
────ふあっ!?
……あ。あ、あ、あ。
あーあーあーあー………………あああああああああ!!!!
はぁぁー……き、気絶していたのね、わたし。……うわ、もう夜中。
ふふ、ごめんなさいねご主人様。その、思っていたよりもずっと恥ずかしい姿を見せてしまって。
……ああ、でも駄目ね。やっぱり穴は空いたまま。
──ううん、なんでもないわ。気にしないでちょうだい。
それにしても、建て前の理由すら成せずにトんじゃって……はあぁ、いろいろ自信を無くしてしまったかも。
……え? 「今のは自分の方が調子に乗り過ぎた」? 「悪いと思っている」? ……ふふ。もう、気にしなくていいのに。
…………(ピコーン)。
けれど、そうね。ねえご主人様。わたしのことを想うならば、他の子にも“コレ”を使ってくださらない?
ほら、わたしが抵抗できなかったのも仕方ないほどの薬だーって分かればぁ、わたしも立ち直れるでしょう?
もちろん騙せだなんて言いません。薬の効果を余すところなく──わたしの痴態含め──喧伝するの。
変わり者はたっくさんいるんだもの。明かされた上でも何かと理由を付ければ承諾する子は多いはず。
当然わたしが元気になるため、その光景はカメラに収めて頂きますわ。
なんなら効果を薄めようかしら。効きさえすればいいんですから、激しくなくたっていいのだし。
……渋るわねー。良い子ちゃんなんだからもう。
んー……そうね。でも、ご主人様。
貴方も、────“見たい”でしょう?
理性を捨て貴方を求める堅物の痴態とか。或いは、恋に一歩を踏み出せない少女の後押しとか。
くす。ええ、何も対象をご主人様だけに絞る必要はありませんもの。言ったでしょう? 心が動くかどうか、が大切なんですから。
……ふふ。契約成立ね。
ではご主人様。次に呼ばれる日、心待ちにしておりますわ♪
【コメント】
真面目な話。
相手にしろ自分にしろキルケーちゃんが心を弄ぶのは極論その関係性を「どうでもいい」と思うからであり、
正しく信頼を置くマスターが相手でさえ彼女にとってはその括りに分類されることとなります。
そんな諦観した価値観を持つ彼女が“手を加える”ことを拒否するのはとんでもないグラビティの発露ということ
なのですと言い訳しておきます。
それはそれとしてこのシチュ流行れ。
あら。ここにいらっしゃったのですね、ご主人様。
……え? 猫かぶりは良い? ……うふふ、つい癖で。
けれどご主人様。もしこれがわたしなりの照れ隠しだったらどうするの?
素直な想いをぶつけたい。しかしわたしは従僕の身、そんな願いは叶わないのだから、
仮面の下に隠しましょう。事務的で居れば、無機質に振る舞えば、悟られることなどないのだからっ。
嗚呼、乙女心は複雑怪奇。思いもよらない回り道をして、貴方を窮地に追い詰める────かも、しれないのよ?
うふ。そぉんな迂闊なご主人様には、こちらの惚れ薬をプレゼント〜。
え? 話が見えない? そもそも自分はそんなものに頼ったりしない? 知ってるわよぉ、そんなこと。
これはね、わたしが持ってぇ、こうして────グイッ、といくの。あは、飲んじゃった♪
もう、そんなに慌てなくてもいいでしょう? 確かに効き目ばかりはえげつない程だけれど、効果はたったの3時間程度。
今の時刻は21時だから……うふ、まるでシンデレラの魔法のようね?
……そんなことよりその理由? ……言ったじゃない、貴方はとってもウカツだって。コミュ力おばけな貴方とて、
色恋沙汰は経験不足。欲望を知ったマシュちゃんを始め、貴方が応える、ないし捌かなくてはいけない相手は山といるでしょう。
それでも普段は自重するのが彼女たち。貴方を想って、煩わせないように・って子が殆どでしょう。
そんな中、間もなく訪れようとするバレンタイン。想いを伝える貴重な一日。わたし含め並行世界からのサーヴァントもカウントすると、
その数なんと1300オーバー。三年目だからって、ちょぉっと召喚し過ぎたわねぇ。後始末の量、去年の比じゃないわよ?
ふふ。その顔、やっと理解したみたいね。ね、練習台になってあげるわたしの優しさを噛みしめてもいいのよ?
まあ、新プレイお試しの実験台に選んだって理由もあるけどそれはそれ。精神状態はリセットされるから引き摺ることもないし、
だからちょっとした火遊びくらいにしか思ってないなんてこともないから勘ぐらないようにしてちょうだいね☆
……さて、と。
…………。
………………、…………。
……ふふ、気付いた? ええ。今のはぁ、『軽口を叩いていないと平静を保てない』ってシチュエーションでしたー。
あはっ、まあ見抜けるわよねぇ。わたしったら、見なくても分かるほど顔が火照っているもの。
そうね。おまけに、話題が途切れたら頭の中真っ白になっちゃってたし。思春期のような恋心、ってやつよね? 新鮮だわ。
ええ、ええ。
…………。
…………。
……うふふごめんなさいわたし急用を思い出したからお部屋に帰ひゃあーっ!? きゅ、急に腕を掴まないでちょうだいっ。
お、乙女の柔肌を乱暴に扱うなんて、呪われても仕方のないことよ? だからその、早く手を離し……うぅ、じっと見つめるのも駄目ぇ……❤
はぁっ、はぁっ……ああぅもうっ、種が分かってるのではつまらないしーなんて理由であっちのわたしに調薬の依頼なんてするんじゃなかったわ!
確かにっ、確かに効き目すっごいのをって言ったけれど! 正直見くびっていたわわたし! 或いはこの前の仕返しかしら!?
へ? またとないオシオキのチャンス……? ……❤ ……い、いえ、ダメよぉご主人様、ほんとにっ❤ ほんとに今はっ──
──っひゃぁぁ抱き締めちゃだめぇぇぇ!❤❤❤ ……う、ううう嘘ぉわたし幸福感だけで頭ちかちかしてるううっ❤❤
ひぃっ、ひぃぃ!❤ お願いだからっ❤ 許してっ❤ だめ、好き❤ 好きが溢れちゃってっ、これ以上くっついたら離れられなくなっちゃうっ❤
あうっ❤ ……すぅーっ……はぁーっ……❤ あぁぅ、だめ、だめぇ❤ 抱き締めた手が離れない……離したく、ないぃぃ……──❤
◆
────ふあっ!?
……あ。あ、あ、あ。
あーあーあーあー………………あああああああああ!!!!
はぁぁー……き、気絶していたのね、わたし。……うわ、もう夜中。
ふふ、ごめんなさいねご主人様。その、思っていたよりもずっと恥ずかしい姿を見せてしまって。
……ああ、でも駄目ね。やっぱり穴は空いたまま。
──ううん、なんでもないわ。気にしないでちょうだい。
それにしても、建て前の理由すら成せずにトんじゃって……はあぁ、いろいろ自信を無くしてしまったかも。
……え? 「今のは自分の方が調子に乗り過ぎた」? 「悪いと思っている」? ……ふふ。もう、気にしなくていいのに。
…………(ピコーン)。
けれど、そうね。ねえご主人様。わたしのことを想うならば、他の子にも“コレ”を使ってくださらない?
ほら、わたしが抵抗できなかったのも仕方ないほどの薬だーって分かればぁ、わたしも立ち直れるでしょう?
もちろん騙せだなんて言いません。薬の効果を余すところなく──わたしの痴態含め──喧伝するの。
変わり者はたっくさんいるんだもの。明かされた上でも何かと理由を付ければ承諾する子は多いはず。
当然わたしが元気になるため、その光景はカメラに収めて頂きますわ。
なんなら効果を薄めようかしら。効きさえすればいいんですから、激しくなくたっていいのだし。
……渋るわねー。良い子ちゃんなんだからもう。
んー……そうね。でも、ご主人様。
貴方も、────“見たい”でしょう?
理性を捨て貴方を求める堅物の痴態とか。或いは、恋に一歩を踏み出せない少女の後押しとか。
くす。ええ、何も対象をご主人様だけに絞る必要はありませんもの。言ったでしょう? 心が動くかどうか、が大切なんですから。
……ふふ。契約成立ね。
ではご主人様。次に呼ばれる日、心待ちにしておりますわ♪
【コメント】
真面目な話。
相手にしろ自分にしろキルケーちゃんが心を弄ぶのは極論その関係性を「どうでもいい」と思うからであり、
正しく信頼を置くマスターが相手でさえ彼女にとってはその括りに分類されることとなります。
そんな諦観した価値観を持つ彼女が“手を加える”ことを拒否するのはとんでもないグラビティの発露ということ
なのですと言い訳しておきます。
それはそれとしてこのシチュ流行れ。
コメントをかく