ImgCell-Automaton。 ここはimgにおけるいわゆる「僕鯖wiki」です。 オランダ&ネバダの座と並行して数多の泥鯖を、そして泥鱒をも記録し続けます。

「まったく、お人好しが多いもんだぬ」

 音も無く、消え逝く世界を猫が歩く。

「マスターもお人好しですよね、勝った癖に戻るの放棄して…なんて。
 それで、本当に他の人が助かるんですか?」

 その隣を、音を立てて若者が歩く。

「まっ、我輩は猫だがぬ。 …少なくとも、スペース一つ分でも空くなら融通は効くだろうぬよ。
 …それにだ、我が飼い主(ライダー)」

 猫が歩みを止める。

「こんなかわいそうな生き物が居ない世界線、一つぐらいあっても良いんぬ。
 ほらだって我輩、使い捨て猫だし」

 猫が若者を振り返り、ニャアと笑う。

「かわいそうって自分で言いますか普通?それに、一応は私のマスターなんですから」

 その猫を見て、若者が困り顔をする。

「いやー、そこはおめーアレだ。ハズレマスターを引いたと言う事でぬ?」

 そして再び一匹と一騎は歩み始める。

「…さて、お前はそろそろ帰る頃かぬ。見事、この世界を守護ったサーヴァントよ」
「はい、そろそろ時間ですね。それで、マスターは…」

 問われ、猫は暫し沈黙する。

「それは…他のお人好し次第かぬー? 案外、我輩もお零れ貰えるかも…なんてぬ。
 いやー、あれだけハデにやってた癖に手を差し伸べるとか人間ってヤツは本当に甘いんぬ」
「…マスターも、ですけどね」

 猫の癖に、と付け加え若者は立ち止まる。
 別れの挨拶とばかりに尻尾を振りながら、猫は光となって消え往く若者を置き去りにし、独り歩く。

「所詮は猫一匹分。屁のツッパリにもなれば御の字かぬ」

 音も無く、音も無く、猫が歩く、猫が歩く。崩れる世界を見送るように、猫が歩く。









 某日、何処か。
 中性的な若者を連れた太った男が街を歩く。
 男は若者にあれやこれやと訳の分からない専門用語混じりの言葉を投げ、若者はそれに困ったように笑いながら相槌を打つ。
 …と、ふと若者が立ち止まり、後ろを振り返る。その見遣る視線の先には、シャム猫を抱いた少女の姿。
 少女は若者の視線に気付き、まるで意地悪な猫の様に笑い手を振る。

「どうしたよ?」
「……… いえ、何でもないです、マスター。それより、今回の聖杯戦争、随分小さいって言うけど…」
「あぁ、人数三人か四人の小規模なモンだとよ。それでも聖杯戦争は聖杯戦争、勝てば多少の箔は付くさ」
「小さいんですか。じゃあ、私の願いは叶いそうにないかなぁ… あはは」

 向き直り、男と共に歩む若者。そのまま人ごみの中に紛れ消える少女。
 一度交差し、また分かれる。

 どこかで猫が ニャア と鳴いた。
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https://www9.atwiki.jp/f_go/pages/1341.html
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http://www.hajimeteno.ne.jp/dhtml/dist/js06.html

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