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第2章:キャラクター作成/Character Creation

キャラクター作成の手順/Character Creation Steps

スターファインダー・ロールプレイング・ゲームをプレイするにあたり、君が最初にしなければならないことはキャラクターを作成することだ。これは、ゲームの中の世界で演じることになる自分であり、君が自由にその背景や個性を作ることができる。また、ゲームのシステムに従ってキャラクターを構築し、様々な行動を行うための能力や、冒険の中で使用する特殊能力を決定することも必要となる。

以下の手順では、1レベルのキャラクターを作成することを想定している。これらの手順は推奨される順序で記されているが、好きな順序で自由に完了させて欲しい。
以下の手順の多くではキャラクター・シート(520〜521ページを参照)の記入欄に記載するように示されている。キャラクター・シートはキャラクター作成時よりもゲームのプレイ時に使いやすいように配置されていることに留意して欲しい。例えば、キャラクター・シートの上部に記載されている一部の記入欄は、キャラクター作成手順の最後に決定される仕上げとなる詳細である。
より高いレベルのキャラクターを作成する場合は、まずこの手順を踏んでから26ページにあるキャラクターのレベル・アップの手順に進むとよいだろう。

キャラクター・シート
以下のキャラクター作成手順の各ステップでは、キャラクター・シートの適切な欄に必要な情報を記入する。キャラクター・シートは本書の巻末に掲載されているほか、paizo.comから無料でダウンロードすることができる。

ステップ1:キャラクターを構想する/Step 1: Create a Character Concept


君はどのようなサイエンス・ファンタジーの英雄を演じたいだろうか。キャラクター作成を始めるには、キャラクターの個性の大まかな方向性を決め、過去の詳細を描き、どのように、そしてなぜ冒険するのかを考えると良いだろう。このステップでは、スターファインダーに用意されている種族、テーマ、クラスを確認し、利用可能な選択肢を把握しておくと良い。15ページの補足欄にはこれらに関して簡単に紹介されているため、ここから始めるのも良いだろう。種族に関する詳しい情報は第3章と第13章、クラスについては第4章、テーマについては28〜37ページに記されている。種族とは昆虫のようなシーレンや爬虫類のようなヴェスク、人間やエルフなどのことを指す。 テーマは生い立ち、訓練、宿命など、キャラクターの背景にある要素を表しており、クラスに関係していることもあるが、必ずしもそうである必要はない。クラスは戦闘や冒険の最中にキャラクターが発揮する能力の中心となるものである。テクノマンサーは技術を操って呪文を発動し、エンヴォイは指示を出して味方の勇猛さを鼓舞するなど、様々なクラスが存在する。
選択肢を検討したら、どんなことが得意か(銃を撃つ、スターシップを操縦するなど)といったことを中心に、キャラクターの簡単な説明を考えてみよう。そして、この本のルール要素を使い、どのように形作るのが良いか決める。巨大なレーザー・ライフルを持った巨大なトカゲのクリーチャーを演じてみたいと思わないだろうか?もしそうなら、傭兵をテーマにしたヴェスクのソルジャーが最適だ。喧嘩っ早い二足歩行のネズミがお好みなら、無頼漢をテーマにしたイソーキのオペレーティブが良いだろう。アイデアが浮かばない時は、この本の中に描かれている絵を選び、それに合うキャラクターを作成してみよう。
キャラクター・シート
プレイヤーの欄に自分の名前を記入する。キャラクターの背景をどの程度作成したかにも依るが、キャラクターの名前と性別を記入し、身体的特徴のメモやスケッチを加えるのも良いだろう。

ステップ2:種族の選択/Step 2: Choose a Race

キャラクターの種族は最も重要な特徴の一つである。第3章と15ページの補足欄にはスターファインダーの基本種族(その多くは異星人である)について、第13章には剣と魔法のロールプレイング・ゲームに象徴される伝説的な種族について、それぞれ詳しく記されている。キャラクターは種族によって能力や言語を獲得し、プレイ開始時のヒット・ポイント(HP)の一部を決定する(HPは意識を失ったり死亡するまで受けることのできる傷を表す)。ステップ6での説明の通り、クラスはスタート時のHPの合計にも影響する。
キャラクターの種族は能力値にも影響を与える。これはキャラクターの一般データの多くに影響を与える重要な値であるが、ステップ5まで最終的な決定にはならない。
キャラクター・シート
キャラクター・シートの一番上に君のキャラクターの種族を記入する。開始時の種族毎のヒット・ポイント、言語(あれば)、そして使用できる種族能力を記入する。この段階では種族によって能力値に加算または減算される値は、能力値の横の余白に記入すること(ステップ5で必要になる)。

ステップ3:テーマの選択/Step 3: Choose a Theme

次に、キャラクターの背景や動機の核となる部分を表すテーマを選択する。テーマを設定することで、キャラクターの冒険に対する姿勢を表現することができる。賞金稼ぎなのか、学者なのか、それとも古典的な冒険者を体現しているのか。テーマは特定の背景を反映しているだけでなく、1レベルの時点で適切な技能に利益をもたらし、さらに特定の能力値に1点の追加ポイントをもたらす(能力値の最終決定はステップ5で行われる)。スターファインダーのキャラクター・テーマは補足欄にまとめられており、28ページからはテーマを設定しない場合のルールと併せて詳細を記している。
キャラクター・シート
キャラクター・シートの上部にキャラクターのテーマを記入し、テーマが技能に与えるボーナスを記録する。この段階では、そのテーマが能力値に加えるポイントを、各能力値の横にある余白に記入すること(ステップ5で必要になる)。

ステップ4:クラスの選択/Step 4: Choose a Class

この段階でキャラクターの能力値を決定する準備が概ね整う。能力値はキャラクターの多くの一般データを算出するために必要な重要な値であるが、それを決定するには、まずキャラクターのクラスを選択する必要がある。クラスは一連の英雄的な能力の使用を可能にし、どのように攻撃できるのか、特定の有害な効果をどれだけ回避できるのかを決定する。第4章ではスターファインダーで演じることができる7つのクラスについて詳しく説明し、上の補足欄では各クラスの特徴と役割の概要を示している。
この段階では自分のキャラクターのクラスの特徴を全て記す必要はまだない。但し、自分がどのクラスでプレイしたいのかを把握することで、自分にとって最も重要な能力値を知ることができる。それぞれのクラスには主要能力値と、その他の特に役立つ能力値が記されているが、参照しやすいように19ページの表2-3に全クラスの主要能力値が記されている。
キャラクター・シート
君のキャラクターのクラスをキャラクター・シートの上部に記し、続けて"1"と書くことで、君が1レベルであることを示す。クラスにより得られる他の能力については、ステップ6で扱う。

ステップ5:能力値の決定/Step 5: Finalize Ability Scores

キャラクターに関する最も重要な決定がなされた所で、今度はキャラクターの一般データを記入する。キャラクターの持つ能力の幅広い範囲を決定する能力値は、【筋力】、【敏捷力】、【耐久力】、【知力】、【判断力】、【魅力】の6つの値で構成されている。能力値の計算方法については18ページの"能力値"を参照すること。この項目では能力修正値を決定する方法についても説明している。この修正値はキャラクター・シートや、この項目で後述する多くの値の計算に影響する。
キャラクター・シート
キャラクター・シートの該当する欄に能力値を記入する。能力値の横にはそれぞれに対応する修正値を記入する。

ステップ6:クラスの適用/Step 6: Apply Your Class

それではキャラクターの選択したクラスが1レベルで獲得できる能力、特殊な能力 (クラス特徴と呼ばれる)、その他の主要な一般データを決定しよう。各クラスの項目の始めにある表に記載されている基本攻撃ボーナスは、キャラクターの攻撃の巧みさを決定するのに役立つ。この基本値は近接および遠隔攻撃に加えられる。戦闘については第8章の詳細を参照すること。キャラクターの頑健、反応、意思セーヴィング・スローへの基本ボーナスに関しても記載がある。ステップ9にはセーヴィング・スローについてより詳しい内容が記されている。
更に、キャラクターのクラスは合計スタミナ・ポイント(SP)
に影響する。スタミナ・ポイントは、実際に負傷してヒット・ポイントが減少するまでにキャラクターが許容できる被害を表す。キャラクターは1レベルの時点で、クラス毎に示されるスタミナ・ポイント +【耐久力】修正値を得る。また、1レベルの時点で、種族により得たヒット・ポイントにクラスにより得たヒット・ポイントを加える。ヒット・ポイントとスタミナ・ポイントの詳細は22ページを参照のこと。
最後に、キャラクターのクラスはレベル毎に配分される技能ランクの数に影響し(ステップ7を参照)、防具や武器の習熟も決定する(ステップ8を参照)。
キャラクター・シート
キャラクターの合計スタミナ・ポイントと、開始時の合計ヒット・ポイント、クラスにより得ている基本攻撃ボーナスおよび基本セーヴィング・スロー・ボーナスを記録しておくこと。ステップ9でキャラクターの最終的なセーヴィング・スロー修正値の計算方法を説明している。続いてキャラクターの1レベルでのクラス特徴を記入する。

ステップ7:技能ランクの配分と特技の選択/Step 7: Assign Skill Ranks and Choose Feats

次に、自分のキャラクターにどのような技能を持たせたいのかを検討する。科学技術の活用から荒野での生存能力に至るまで、多様な技能が用意されている。専門知識や技量が蓄積されていくことを表すために、レベルが上がる毎に技能ランクも上昇する。レベル毎に獲得するランクの値は【知力】修正値 + クラスによって決められた値となり(最低でも常に1以上を得る)、そのランクを好きな技能に割り当てることができる。一部の技能はクラスの項でクラス技能と呼ばれている。これはクラスに関連した技能で、技能ランクを加えると自動的に+3のボーナスが得られる。クラス技能ではない技能にランクを加えることはできるが、その場合には特別な+3のボーナスを得ることはできない。訓練されたのみの技能や、防具着用時の技能使用時に受けるペナルティなどの技能とその仕組みについては第5章を参照すること。
キャラクターの技能ランクを配分したら、次は特技を選択する。ほとんどのキャラクターは特技を1つ持った状態でプレイを開始するが、人間は種族ボーナスとして追加の特技を得る。特技は自分のキャラクターに欠けている要素を高めるのに適した方法である。例えば、《追加HP》はスタミナ・ポイントを増加させることができ、《護衛》は近くにいる味方を攻撃から守ることができる。詳しくは第6章を参照すること。
キャラクター・シート
キャラクター・シートにキャラクターの技能ランクを配分する。技能ランクはキャラクター・レベルを超えることはできない。選択された技能のいずれかがクラス技能である場合、該当する技能欄に+3のクラス・ボーナスを記入する。それぞれの技能にはキャラクターの能力修正値を加える。技能にボーナスを与えるものがあれば、その他の修正値の欄に記入する。最後に、習得時のみの技能を除く各技能修正値を合計して記入する。

ステップ8:装備品の購入/Step 8: Buy Equipment

1レベルの時点で、キャラクターは1,000クレジットを所持しており、防具や武器、その他の消耗品に使用することができる(但し、装備品の選択方法については、GMから別途指示される場合もある)。防具と武器は最も重要なものであるが、キャラクターのクラスによって扱える武器や防具の種類が決まることを覚えておいて欲しい。キャラクターの武器は戦闘で与えることのできるダメージを決定し、防具はエネルギー・アーマー・クラス(EAC)とキネティック・アーマー・クラス(KAC)に影響を与える。アーマー・クラスについては、ステップ9を参照すること。更に、プレイ中にキャラクターの助けとなる必需品もある。装備品の種類や価格については第7章を参照のこと。
キャラクター・シート
キャラクターのクレジットを使い終えたら、キャラクターが持つ装備品と残りのクレジットを記録する。武器を該当する行に記入し、それぞれの武器が与えるダメージなどの関連する詳細を記入する。ダメージの計算方法については240ページを参照のこと。

ステップ9:仕上げの詳細の記入/Step 9: Fill in the Finishing Details

この段階でキャラクター・シートに以下の内容を追加する。
属性/Alignment
キャラクターの性格に影響を与える属性を記入する。詳しくは24ページを参照すること。
アーマー・クラス/Armor Class
エネルギー・アーマー・クラス (EAC) とキネティック・アーマー・クラス (KAC)は、君のキャラクターが戦闘中にどれだけ攻撃を受けにくいのかを表す。エネルギー・アーマー・クラスは、レーザーの様なエネルギー攻撃を受けた際に負傷を回避する能力を表す。キネティック・アーマー・クラスは、銃弾などの物理的な攻撃を受けた際に負傷を回避する能力を表す。詳しくは240ページを参照のこと。
EACとKACの初期値は何れも10で、それぞれの値にキャラクターの【敏捷力】修正値を加える。そして、その値にキャラクターの防具がもたらすEACボーナスとKACボーナスを加える。また、戦技に対するキャラクターのアーマー・クラスにも注意が必要で、これは KAC+8 となる。
攻撃ボーナス/Attack Bonuses
ステップ6でキャラクターの基本攻撃ボーナスを記入したが、近接武器、遠距離武器、投擲武器での合計攻撃ボーナスを計算する必要がある。それには近接攻撃と投擲攻撃には【筋力】修正値を加え、その他の範囲攻撃には【敏捷力】修正値を加える。更に、特技やクラス特徴によるその他の修正を適切な攻撃に加える。
運搬能力/Carrying Capacity
これは、キャラクターの【筋力】値に基づく持ち運べる荷物の重さである。【筋力】値の半分を超える荷物を所持している場合は過重状態(275ページ参照)、【筋力】値を超える荷物を所持している場合は過負荷状態(276ページ参照)となる。
神格/Diety
君のキャラクターが崇拝している神があれば、それを記入する。スターファインダーにおける宗教や信条については482ページを参照すること。
描写/Description
まだ済んでいなければ、君のキャラクターについての描写を簡潔に記入する。
故郷/Home World
君のキャラクターが育った場所で、惑星でも宇宙ステーションでも、或いは小惑星でも構わない。着想については第12章を参照して欲しい。
イニシアチブ/Initiative
キャラクターのイニシアチブ修正値はイニシアチブ判定に加えられ、戦闘時の行動順を決定する。イニシアチブ修正値はキャラクターの【敏捷力】修正値に、イニシアチブに影響を与える特技や他の能力による修正値を加えたものとなる。
言語/Languages
君のキャラクターは共通語や自分の種族の言語(もしあれば)、自分の出身地の言語(もしあれば)を話し、読むことができる状態でプレイを開始する。【知力】修正値が正であれば、その値に等しい数の追加の言語を知っている。言語についての詳細と、選択できる言語の表は40〜41ページを参照すること。
リゾルブ・ポイント/Resolve Points
キャラクターは、スタミナ・ポイントを補充したり、クラス特徴や他の能力を強化するなど、多くの重要な目的のためにリゾルブ・ポイントを使用することができる。1レベルの時点では、1+クラスの主要能力値の能力修正値に等しい数のリゾルブ・ポイントを所持している。リゾルブ・ポイントの詳細については22ページを参照のこと。
セーヴィング・スロー/Saving Throws
必要により君のキャラクターは、効果や呪文を回避したり、除去できるかどうかを判断する必要がある。この様な場合、GMは状況に応じて頑健、反応、意思セーヴィング・スローを要求する。
セーヴィング・スローは、d20ロールにキャラクターの適切な種類の基本セーヴィング・スロー・ボーナスとその他の適用可能な修正を加えたものとなる。各種類のセーヴィング・スローに対する基本ボーナスは、キャラクターのクラスによって決定される。さらに、頑健セーヴィング・スローには【耐久力】修正値を、反応セーヴィング・スローには【敏捷力】修正値を、意思セーヴィング・スローには【判断力】修正値を適用する。この時に該当する能力修正値が負の値であっても適用する。最後に、特技や他の能力によるボーナスなど、必要に応じて該当するセーヴィング・スローに追加の修正値を加える。
サイズ/Size
キャラクターは種族によりサイズが決定される(255ページを参照)。
移動速度/Speed
プレイ開始時の君のキャラクターの陸上での移動速度は、それを修正する能力(または防具や遭遇によるペナルティ)がない限り、30フィートとなる。速度と移動についての詳細は第8章を参照すること。
スターシップ/Starship
スターファインダーは、スターシップ・ルールがなくてもプレイすることができるが、ほとんどのアドベンチャーではPCたちがスターシップに共に乗り組むクルーである(若しくは近々クルーになる)ことを前提としている。最初からスターシップを所有しているのか、それともアドベンチャーの一環としてスターシップを手に入れる可能性があるのかはGMに確認して欲しい。スターシップを手に入れた場合、その一般データをGMから聞き、カスタマイズできるかどうかを確認する。スターシップに関する詳細については第9章を参照すること。

ここまでの情報をキャラクター・シートに記入を終えれば、君の冒険の準備は完了だ。

能力値/Ability Scores

キャラクターには基本的な特性と潜在的な能力を表す【筋力】、【敏捷力】、【耐久力】、【知力】、【判断力】、【魅力】の6つの能力値を持つ。これらの値はキャラクターのほぼ全ての能力に反映される。例えば、【敏捷力】は機敏さや照準の安定性を、【知力】は教養や思考力を表すなど、キャラクターの能力を決定する。各能力の内容については、20ページからの"各能力の説明"を参照のこと。能力値は一般的に3〜18の範囲をとり、平均的な値は10である。
君がどの様なキャラクターを演じたいかによって、重要となる能力は変動する。また、各クラスには、そのクラスの特徴を表す主要能力値があり、その役割を果たすために適切な能力を獲得することができるようになっている。19ページの表2-3には、各クラスの主要能力値が記載されている。各クラスの項の最初のページには、そのクラスの主要能力値と、それほど重要ではないにしても、そのクラスに役立つであろう他の能力も記載されている。
以下はスターファインダーの標準的な能力値の生成方法で、能力値購入式と呼ぶ。この方法では能力値を君自身で調整し、思い通りのキャラクターを作り上げることが可能である。これ以外にも次の2つの任意の方法も用意されている。能力クイック選択式は、あらかじめ用意された複数の配列の中から選択するだけの迅速で便利な方法である。一方、上級者向けの方法としては能力値ロール式がある。この方法ではランダムにキャラクターを生成し、時には劇的な長所や短所を持つことがある。尚、これらの方法は組み合わせて使用することは出来ない。いずれの方法を使用すべきかはGMに確認してみて欲しい。迷った場合には能力値購入式を使用するのが良いだろう。

能力値購入式/Buying Ability Scores

これは能力値をポイントで購入して自由に配分する方法である。この方法の目的は自分の好みのキャラクターを作成することで、能力値の配分を開始する前に、まずは自分のキャラクターの種族(第3章)、クラス(第4章)、テーマ(28ページを参照)を決定する。その後、以下のステップを順に進めて行く。
これらをしっかりと理解した上で、以下のステップを順に踏んで行こう。
ステップ1:各能力値の初期値は10となっている。キャラクター・シートまたは便宜用紙に【筋力】、【敏捷力】、【耐久力】、【知力】、【判断力】、【魅力】の各能力を記入し、その隣に10と記入する。
ステップ2:種族によるポイントを加算・減算する。スターファインダーに登場する各種族は、生まれつき一部の能力に秀でていたり、反対に劣る場合もある。 各種族の項の最初のページには、これらの長所と短所が開始時の特定の能力値に加算・減算するポイントとして示されている。また、表2-2には全ての種族の長所と短所がまとめられている。例えば、シーレンは【耐久力】+2ポイント、【判断力】+2ポイント、【魅力】-2ポイントの状態で開始する(つまり、開始時の【耐久力】と【判断力】の値に2ポイントを加えるが、【魅力】の値からは2ポイントを減じる)。人間の様に汎用性が高い種族の場合は、何れの能力にも配分できるポイントを得ることが可能な種族も存在する。
種族修正を確認したら、開始時の値である10にそのポイントを加える。
ステップ3:テーマによるポイントを加える。各テーマからは、1つの能力値に適用できる1点のポイントが得られる。例えば撃墜王のテーマを選択した場合、【敏捷力】に+1のポイントが与えられ、テーマレスを選択した場合は、任意の能力値に+1ポイントを配分することができる。各テーマで付与されるポイントは、テーマの説明や表2-2で確認できる。自分のテーマを確認し、示されたポイントを指定の能力値に加える。
ステップ4:10ポイントを使用して能力値に配分する。種族やテーマによる修正を加えた基礎能力値を確認後に、10の追加ポイントをプールする。このポイントは能力値に自由に配分することができる。その際には1ポイントにつき能力値1の割合で配分できる。例えば、【敏捷力】値が12の時にプールから1を加えると、【敏捷力】値は13となる。後にレベル・アップ や、能力を高める装備を手に入れた場合などでは能力値が18を超えることもあるが、キャラクターが最初に持てる能力値の上限は18となる。プールしておくことはできないため、必ず10ポイント全てを配分すること。
ステップ5:能力値と能力修正値を記入する。全てのポイントを使い切った段階で完了となる。最終的な能力値をキャラクター・シートの該当する欄に記入し、表2-1を参照してそれぞれに対応する能力修正値を確認し、それらについても記入を行う。修正値については21ページの"能力修正値と能力値判定"に記載されている。

能力値購入の例
ヴェスクのソルジャーを作成する場合を例にしよう。27ページの挿絵を見てすぐに、自分の信じる道に従う、ぶっきらぼうだが信義に厚い傭兵を想像した。
君は他のキャラクターと同様に、全ての能力値の初期値は10となっている。表2-2を確認すると、キャラクターの種族は【筋力】と【耐久力】にそれぞれ+2ポイント、【知力】に-2ポイントが与えられていた。これらのポイントを初期値の10に配分すると、君の能力値は次の様になる。
【筋】 12、【敏】 10、【耐】 12、【知】 8、【判】 10、【魅】 10

次に、テーマを適用する。君はこのキャラクターを傭兵にしたいと考えた。表を確認すると、傭兵のテーマは彼女の【筋力】に+1ポイントを与え、適用後の能力値は次の様になる。
【筋】 13、【敏】 10、【耐】 12、【知】 8、【判】 10、【魅】 10

現段階で君の構想は的確で力強さはあるものの、決め手に欠けている。では、いよいよ自由に割り振ることのできる10ポイントを配分してみよう。表2-3を確認すると、ソルジャーの主要能力値は【筋力】(白兵戦のため)または【敏捷力】(射出武器の射撃のため)の何れかである。君はこのキャラクターが大きなアサルト・ハンマーを手にして戦いに挑む姿を想像し、5ポイントを消費して【筋力】を13から18に増やした。同レベルの者の中で比類なき力を発揮する。同時に、このキャラクターが銃を使いたい場面もあるだろうと考え、4ポイントを追加して彼女の【敏捷力】を14にした。残りの1ポイントを使い、キャラクターの種族の弱点を補うために【知力】に加えることを検討したが、【魅力】に加えた方がより楽しいだろうと判断した。その結果、これが最終的な値となった。
【筋】 18、【敏】 14、【耐】 12、【知】 8、【判】 10、【魅】 11

そしてこの値をキャラクター・シートに記入する。次に、上記の表で該当する能力修正値を見つけ、各能力値の隣にある太枠の欄へ18は+4、14は+2といった様に記入する。これで、キャラクター作成の次の段階に進むことができるようになった。

選択ルール:キャラクターの欠点/Character Flaws
能力値購入式では、君のキャラクターが常に平均値に近い状態であることが保証される。種族によっては平均値の10を若干下回ることもあるだろうが、大きな障害とはならない。しかし、時には大きな欠点を持ったキャラクターを演じるのも楽しいものだろう。もし君が自分のキャラクターの能力値を、この方式が通常許容する値よりも下げたいのであれば、それは全く差し支えない。【知力】が5の野生的なソルジャーや、【筋力】が4の麺のような細い腕を持つテクノマンサーを演じれば、楽しいロールプレイができるかもしれない。但し、失った能力値を他の能力に配分し直すことはできない。能力値が低すぎてパーティの他の者についていけなくならないように注意して欲しい。

ヒント:能力修正値/Ability Modifiers
能力修正値は、このゲームをプレイ中にロールや判定を修正する際に最も頻繁に用いられる値である。正の修正は結果に加えられ、負の修正は結果を減じる。表2-1にあるように、能力修正値は新たに偶数の能力値に達する毎にのみ増加する。しかし、奇数の値はあった方が良い。奇数の値であっても特技の対象になったり、次の能力修正の閾値に近付くことができるため、レベル・アップの際に高い値を出得やすくなる。プレイヤーの中には、能力値を調整して可能な限り偶数の能力値を持つようにし、能力修正値が特定の能力に集注しないようにする人もいる。

表2-1:能力値と修正値
能力値能力修正値
1–5
2–4
3–4
4–3
5–3
6–2
7–2
8–1
9–1
10+0
11+0
12+1
13+1
14+2
15+2
16+3
17+3
18+4
19+4
20+5
21+5
22+6
23+6
24+7
25+7
26+8

表2-2:種族とテーマによる能力修正値
種族【筋】【敏】【耐】【知】【判】【魅】任意
アンドロイド+2+2–2
人間+2
カサーサ+2–2+2
ラシュンタ (ダマヤ)–2+2+2
ラシュンタ (コラシャ)+2–2+2
シーレン+2+2–2
ヴェスク+2+2–2
イソーキ–2+2+2
テーマ【筋】【敏】【耐】【知】【判】【魅】任意
撃墜王+1
賞金稼ぎ+1
象徴+1
傭兵+1
無頼漢+1
聖職者+1
学者+1
宇宙放浪者+1
異邦探索者+1
テーマレス+1

表2-3:クラス毎の主要能力値
クラス主要能力値
エンヴォイ【魅力】
メカニック【知力】
ミスティック【判断力】
オペレーティブ【敏捷力】
ソラリアン【魅力】
ソルジャー【筋力】または【敏捷力】
テクノマンサー【知力】

任意の方式:能力クイック選択式/Ability Quick Picks

急いでキャラクターを作成する際には能力値を細かく配分するのが手間と感じることもあるだろう。その様な場合には20ページの配列の中から任意のものを選択し、それぞれの値を好みの能力値に割り当てることができる。
例えば、18、14、11、10、10、10という配列であれば、18をある能力値(恐らくはクラスの主要能力値)に、14を他の能力値に、という様に全ての値が割り当てられるまで繰り返す。この方式では種族やテーマなどの選択は能力値に影響せず、どの値をどの能力に割り当てるのかを選択するだけで良い。"集中型"は専門家、"分割型"は複数の才能を持つ者、"万能型"は万能に対応できる者となる。
集中型 18、14、11、10、10、10
分割型 16、16、11、10、10、10
万能型 14、14、14、11、10、10

この値を割り当てる能力を選択したら、キャラクター・シートの該当する欄に記入する。次に表2-1を参照して対応する能力修正値を確認して記入を行う。これらの詳細については21ページの"能力修正値と能力値判定"に記されている。

能力クイック選択式の例
例として無頼漢をテーマとしたイソーキのテクノマンサーを作成するとしよう。能力クイック選択式では、どの能力が自分のキャラクターにとって最も重要であるかということ以外、何も確認する必要はない。幸いにも、全てのクラスは主要能力値の項でこの点に関する指針が示されている。表2-3にはそれらが簡易的にまとめられている。
今回の場合では自分のキャラクターを専門的にしたいと考え、集中型の配列を選択したとする。テクノマンサーのクラスでは、最高の値(18)を【知力】に、次に高い値(14)を【敏捷力】に割り当てる様に指針が示されている。そして、厳しい冒険に耐えられるよう【耐久力】に11を割り当て、残りの10を【筋力】、【判断力】、【魅力】に割り当てることにした。これらの値をキャラクター・シートに記入し、表2-1を参照して各能力値に対応する能力修正値を記入した後は、キャラクター作成の残りの過程に移る。

任意の方式:能力値ロール式/Rolling Ability Scores

能力値購入式は、全てを自分の思い通りに配分してバランスの取れたキャラクターを作成したい場合には特に有効となる。しかし、時にはランダム性を持たせて、どんなキャラクターを演じるかをダイスに委ねたいこともあるだろう。そのような場合には、この能力値ロール式を使うことができる。この方式を楽しいものとしているのはランダム性であるが、能力値購入式や他のスターファインダーのルールが想定しているよりも、かなり強力な(あるいは弱い)キャラクターを生み出すこともあるという点には注意が必要である。この方式を採用する前に、GMがその可能性を許容しているかどうかを確認すること。
まず、6面体のサイコロを4つ(4d6)ロールし、一番小さい目を捨て、残った3つの目を足して、その合計を便宜用紙に記録する。この作業を6つの数字が出るまで繰り返し、その合計値をそれぞれの能力値に自由に割り当てて配分する。この合計値が、その能力の初期値となる(通常の10ポイントではない)。
続いて、能力値購入式のステップ2と3に従い、種族やテーマに応じたポイントを加算・減算する。この方式の唯一の違いは、各能力値を10から開始するのではなく、ロールして割り振った値から開始となることである。但し、能力値が18を超えることはできない。種族やテーマによるポイントにより18を超えた場合、その値は18のままで、追加ポイントは失われる。失われた分は他に配分することはできない。ここまで完了したらステップ5へと進み、能力値と修正値を記入する。君が自由に配分することのできるポイントを保存しておくことはできない。

能力値ロール式の例
例として、シーレンのミスティックを作成する際に、GMの許可を得て能力値ロール式を適用するとしよう。
まずは開始時の値をロールする。最初のロールは素晴らしいものだった。6が1つ、5が2つ、1が1つ。1を捨てて合計値を16とし、それを記録する。この過程をさらに5回繰り返し、最終的には16、16、15、14、13、5という値となった。ほぼ全ての出目が平均以上だったが、1つだけ大きな欠点もあったのだ。
表2-3を確認すると、ミスティックにとって重要な能力値は【判断力】であるため、16の1つを【判断力】に、もう1つを【魅力】に割り当てる。君のシーレンをリーダーにするため、異星人と友好を深めるのが得意であって欲しいと考えたからだ。15を【耐久力】に、14を【敏捷力】に、13を【知力】に、5を【筋力】に割り当てた(無重力空間にいた間、もっとジムに通うべきだったようだ)。その結果、値は次のようになった。
【筋】 5、【敏】 14、【耐】 15、【知】 13、【判】 16、【魅】 16

ここで、種族とテーマによる修正を行う。君はシーレンをプレイしたいと思っていたため、【耐久力】と【判断力】の両方に+2ポイントを割り当て、【魅力】には-2ポイントを割り当てる。これらの修正を加えると、値は次のようになる。
【筋】 5、【敏】 14、【耐】 17、【知】 13、【判】 18、【魅】 14

君は昆虫の頭をした伝道師の発想が気に入ったため、聖職者のテーマを選択して【判断力】に1ポイントを配分する。
しかし、君の能力値はすでに最大であったため、そのポイントは失われてしまう。このままではいけないと思った君は、【判断力】が16で【耐久力】が15であった当初の配置を入れ替え、もう一度同じ手順を踏むことにした。その後は下記の様に種族とテーマによって【判断力】は狙いどおり18に達し、【耐久力】は1ポイント高くなった。
【筋】 5、【敏】 14、【耐】 18、【知】 13、【判】 18、【魅】 14

以上が最終的な値となり、配分すべきポイントは使いきった。ロールにより、このキャラクターは先程の能力値購入式で作成したヴェスクのソルジャーよりも高い値と低い値の両方を持つことになったことに着目して欲しい。これが能力値ロール式のリスクである。
このミスティックは呪文の扱いや、他の【判断力】に依存する能力を使用することに優れている。反面、【筋力】値が低いことから持ち運べる荷物の量が少なかったり、近接戦闘でダメージを与えることには向かないだろう。

能力の説明/Ability Descriptions

それぞれの能力はキャラクターの別個の特性を表し、様々な能力や行動に影響を与える。
【筋力】 (【筋】)/Strength (Str)
【筋力】はキャラクターの筋力や肉体的な力を表す。【筋力】値が0になったキャラクターは気絶状態となる。キャラクターの【筋力】修正値は以下のものに適用される。
近接攻撃ロールおよび投擲武器(グレネードの様な)の攻撃ロール。
近接武器または投擲武器(グレネードを除く)のダメージ・ロール。
〈運動〉技能判定。
【筋力】判定(扉を打ち壊す場合など)。
キャラクターの運搬できる重量(167ページを参照)。
【敏捷力】 (【敏】)/Dexterity (Dex)
【敏捷力】はキャラクターの敏捷さやバランス、反射神経を表す。【敏捷力】値が0になったキャラクターは気絶状態となる。キャラクターの【敏捷力】修正値は以下のものに適用される。
射出武器とエネルギー武器の他、一部の呪文を含む遠隔攻撃ロール。
エネルギー・アーマー・クラス (EAC) およびキネティック・アーマー・クラス (KAC); 詳細は240ページを参照。
反応セーヴィング・スロー (危険を回避する際)。
〈軽業〉、〈操縦〉、〈手先の早業〉、〈隠密〉技能判定。
【耐久力】 (【耐】)/Constitution (Con)
【耐久力】はキャラクターの健康状態を表す。【耐久力】値の値が0になった生あるキャラクターは死亡する。キャラクターの【耐久力】修正値は以下のものに適用される。
スタミナ・ポイント(22ページを参照)は、キャラクターが実際に傷を負う前に受け流せるダメージを表す。この値が変化して修正値が変更された場合、それに応じてキャラクターのスタミナ・ポイントが増減する。
頑健セーヴ(病気、毒などの脅威を克服する際)。
【知力】 (【知】)/Intelligence (Int)
【知力】はキャラクターの学習能力と論理的思考力を表すもので、知識や教育と結び付けられることが多い。動物の【知力】値は1または2で、言語を理解できるクリーチャーは最低でも3の値を持つ。【知力】値が0になったキャラクターは気絶状態となる。キャラクターの【知力】修正値は以下のものに適用される。
ゲーム開始時にキャラクターが知っているボーナス言語の数。修正によりペナルティを受けている場合でも、キャラクターの【知力】能力値が3以上であれば、開始時の言語を使用することができる。言語についての詳細は40ページを参照すること。
各レベルで獲得する技能ランクの数。レベル毎に最低でも1の技能ランクを得る。
〈コンピュータ〉、〈文化〉、〈工学〉、〈生命科学〉、〈医術〉、〈物理科学〉、一部の〈職能〉技能判定。
テクノマンサーのボーナス呪文数。テクノマンサー呪文の発動に必要な【知力】値は、10+呪文レベル。
【判断力】 (【判】)/Wisdom (Wis)
【判断力】はキャラクターの常識、直感、精神力を表す。【判断力】値が0になったキャラクターは気絶状態となる。キャラクターの【判断力】修正値は以下のものに適用される。
意思セーヴィング・スロー(魔法的な精神操作などへ抵抗する際)。
〈神秘学〉、〈知覚〉、〈真意看破〉、〈生存〉、一部の〈職能〉技能判定。
ミスティックのボーナス呪文数。ミスティック呪文の発動に必要な【判断力】値は、10+呪文レベル。
【魅力】 (【魅】)/Charisma (Cha)
【魅力】はキャラクターの個性、魅力、統率力、外見を表す。【魅力】値が0になったキャラクターは気絶状態となる。キャラクターの【魅力】修正値は以下のものに適用される。
〈はったり〉、〈交渉〉、〈変装〉、〈威圧〉、一部の〈職能〉技能判定。
他者に影響を与えようと試みる際の判定で、エンヴォイの変則的能力も含む。

能力修正値と能力値判定/Ability Modifiers and Ability Checks

表2-1の右欄には各能力値に対応する能力修正値が記載されている。この修正値は技能判定や攻撃など、能力に関連するロールに適用される。ほとんど全てのロールは何らかの形で能力の影響を受ける。場合により他の要素から追加の修正を受けることもあるが、それらは通常、能力値そのものではなく能力修正値を含む。能力値を決定する際には、必ずキャラクター・シートにそれぞれの能力修正値を記入すること。もし能力値が変動してその修正値も変更となった場合、その修正値に依存する全ての一般データも忘れずに調整する。
状況や能力によっては、能力値判定と呼ばれる判定を行う必要のある場面に遭遇するだろう。この様な場合、自分の能力と他の要素(訓練や専門知識を反映した技能やセーヴィング・スローなど)の両方を含む判定を試みるのではなく、1d20+自分の能力修正値だけを使用して判定を試みることになる。これは例えば、扉を蹴破るために【筋力】判定を試みるといった様に、特定の能力について訓練を受けていない生来の才能を使おうと試みることを表している。詳しくは242ページを参照すること。
非常に高レベルなプレイをする場合など、表に示された数値以上の能力修正値を決定する必要がある稀なケースでは、能力修正値は能力値から10を引き、その結果を2で割って決定することが可能である(最終的な結果が端数の場合は切り捨て)。例えば能力値が41の場合、能力修正値は+15となる(41-10=31、31÷2=15.5となり端数を切り捨てて15)。

レベル・アップと能力値/Leveling Up and Ability Scores

5レベル毎(5、10、15、20レベル)に能力値の増加と配分ができる。これらのレベルの閾値に到達する毎に、自分の能力値の内4つを選択して増加させる。その能力値が17以上の場合(パーソナル・アップグレードによる能力値の上昇を除く。212ページを参照)は永続的に1上昇し、16以下の場合は永続的に2上昇する。 同じレベル・アップの機会に同じ能力値に対して複数の上昇を適用することはできないが、1レベルの時とは異なり、上昇によって能力値が18以上にすることもできる。
次のような値でアンドロイドのテクノマンサーをレベル・アップさせる場合を例にしよう。
【筋】 10、【敏】 16、【耐】 10、【知】 18、【判】 11、【魅】 10

【敏捷力】、【耐久力】、【知力】、【判断力】の4つの能力値を増やすことにした。【知力】は17以上であるため、1増えて19となる。他の3つの値は2ずつ増加し、最終的に次の値となる。
【筋】 10、【敏】 18、【耐】 12、【知】 19、【判】 13、【魅】 10

次の能力値を増加させることが可能となる機会に、同じ能力値を再び増加させても良いし、別の能力値を選ぶのも良いだろう。レベル・アップの詳細については26ページを参照のこと。

健康状態と意志/Health and Resolve

スターファインダーは冒険を題材としたゲームである。そのため、この2つの重要な資質が生き残る鍵となる。これらは死亡するまでに受けることのできる負傷の量と、困難に直面した際に自分の意志を貫く能力を表し、ヒット・ポイント (HP)、スタミナ・ポイント(疑呪)、リゾルブ・ポイント (RP) の3つの異なるポイントシステムによって追跡される。
ヒット・ポイントとスタミナ・ポイントは密接に関連している。スタミナ・ポイントは持続的なダメージを受けることなく振り払うことのできる傷や打撲を表し、ヒット・ポイントは意識を保ったままどれだけ実際に傷を負うことができるかを表す。一方、リゾルブ・ポイント (RP) は意志の強さや不屈の精神を表すもので、不利な状況下における肉体的な限界を克服する能力と、訓練の核心部分を掴みとる能力を表す。各ポイントの詳細は以下の通りとなる。
各ポイントのシステムに関する詳細を次に示す。

ヒット・ポイントとスタミナ・ポイント/Hit Points and Stamina Points

ヒット・ポイント(HP)は体の丈夫さや健康状態を表す。ヒット・ポイントの減少は体に受けた傷や病気、その他の深刻な身体的障害を表す。一方、スタミナ・ポイント(SP)は準備と活力を表し、比較的早く、そして簡単に回復することができる。攻撃や呪文、病気などによりダメージを受けた際には、まずスタミナ・ポイントから減少し、残ったポイントを超えるダメージはヒット・ポイントから差し引かれる。スタミナ・ポイントはパンチを振り払う能力の様なものだと考えて欲しい。最初の一発は持続的なダメージを与えないかもしれないが、やがて消耗して痛みを感じるようになる。ヒット・ポイントが0になった場合には瀕死状態となり、容態安定状態にならなければ、永遠の死が訪れるだろう(250ページの"負傷と死"を参照)。
スタミナ・ポイントはリゾルブ・ポイント(23ページを参照)を1ポイント消費し、連続した10分間の休息を取ることで回復する。1日1回まで、連続した8時間の休息を取ることでヒット・ポイントの一部とスタミナ・ポイントを完全に回復することができ(262ページの"常用能力と呪文の回復"を参照。8時間の休息はSP回復のための10分間の休息として数える)、魔法や科学技術を使って回復することもできる。魔法や科学技術による治癒は、その説明にヒット・ポイントとスタミナ・ポイントのどちらを回復するかが記されている。通常、治癒により失ったポイントを回復させることはできるが、上限を超えることはできない。但し、特定の魔法はこの制限を一時的に無視することが可能である(下記の"一時的ヒット・ポイント"を参照)。
ヒット・ポイントの計算/Calculating Hit Points
1レベルの時点で、種族の項に記載されているヒット・ポイントの数値+クラスの説明に記載されているヒット・ポイントの数値を獲得し、種族の総合的な耐久性と訓練で得た頑強さを反映する。
2レベル以降はレベルが上昇する毎に、クラスの説明に記載されている数値のヒット・ポイントを得ることができる。これは鍛え上げられた経験が強靭さに大きな影響を与えていることを反映している。
スタミナ・ポイントの計算/Calculating Stamina Points
スタミナ・ポイントは【耐久力】値とクラスによって決定される。レベル毎にクラスの説明に記載されているSP値+【耐久力】修正値に等しい数のスタミナ・ポイントを得る。この際に【耐久力】修正値が負の値であっても、獲得する合計値が0を下回ることはない。
一時的ヒット・ポイント/Temporary Hit Points
一部の効果では限られた時間のみ持続する一時的なヒット・ポイントを得ることができ、通常のヒット・ポイントの数値を超えることもある。一時的ヒット・ポイントを得ている場合、それが最大値を超えているかどうかに関わらず、スタミナ・ポイントを失うよりも先に一時的なポイントを失う。一時的ヒット・ポイントは治癒によって回復することはできない。
新しく1レベルのキャラクターを作成する場合を例としよう。作成するのは人間のソルジャーとする。君は種族の章(44ページ)で人間の項目を見つけ、人間は1レベルの時点で4のヒット・ポイントを得ることを確認する。次に、クラスの章(110ページ)でソルジャーの項目を見てみると、ソルジャーはレベル毎に7のヒット・ポイントを獲得し、1レベルの時点では合計11ヒット・ポイントになることが確認できる。また、クラスの項目にはソルジャーはレベル毎に7+【耐久力】修正値に等しいスタミナ・ポイントを得ると記されている。ここで自分の能力値を確認しよう。例えば、ロール結果にソルジャーの種族特性を適用した際の【耐久力】値が14で、【耐久力】修正値は+2であるとする。その場合、君のソルジャーは1レベルの時点で9(7+2)のスタミナ・ポイントを持つことになる。ここで注意して欲しいのは、能力値そのものではなく、能力修正値(+2)だけを加えるという点だ。
君のソルジャーが幾度かの冒険に出て十分な経験を積み2レベルに達すると、クラスに応じた追加のヒット・ポイントを得る。今回の場合、獲得できる追加のヒット・ポイントは7となる。キャラクターが種族によるヒット・ポイントを獲得できるのは、1レベルの時点のみであることに注意すること。スタミナ・ポイントについては1レベルの時点と同様に、クラスによるスタミナ・ポイントが7、【耐久力】修正によるスタミナ・ポイントを2加える。結果、君のソルジャーのヒット・ポイントは合計で18、スタミナ・ポイントも18となる。

リゾルブ・ポイント/Resolve Points

スターファインダーの英雄として、君は意志を持っている。これは素質に結びついた決意と幸運の固有の蓄積で、クラスによって強化されることもある。リゾルブ・ポイント(RP)があれば、打つ手がないと思われるような時でも、突破口を開くことを可能にするだろう。
リゾルブ・ポイントの計算/Calculating Resolve Points
君にはキャラクター・レベルの半分(端数切り捨て、但し最低1)+主要能力値(クラスで最も重要な能力値。58ページを参照)の修正値に等しい数のリゾルブ・ポイントが与えられる。修正値が負の値であっても、常に最低1ポイントのリゾルブ・ポイントを得る。
例えば【判断力】値が16(修正値は+3)の1レベルのミスティック(主要能力値は【判断力】)を作成するとしよう。キャラクターのレベルを半分にして端数を切り捨てると通常は0となるが、幸いにも最小値の1となる。【判断力】修正による3を加え、ミスティックのリゾルブ・ポイントは合計で4となる。
リゾルブ・ポイントの使用と回復/Spending and Regaining Resolve Points
リゾルブ・ポイントには行く通りかの使い道がある。能力の中にはポイントの消費を必要としないものもあるが、最低値のリゾルブ・ポイントを保有している間のみ有効となる。多くのクラスではリゾルブ・ポイントを使用してクラス特徴を活用したり、リソースを回復したりすることが可能である。例えば1ポイント以上のリゾルブ・ポイントを保有しているエンヴォイは、ポイントを消費せずにクラス特徴の専門知識を使って〈真意看破〉判定のダイスを1つ増やすことができる。リゾルブ・ポイントは0以下になることはない。瀕死状態になるとリゾルブ・ポイントは失われる。瀕死状態となったことでリゾルブ・ポイントを失い、ポイントが残っていない場合、君は死亡することになる。詳細は250ページの"負傷と死"を参照。
1日に1回、8時間の休息を取ることで、使用したリゾルブ・ポイントが回復する。
リゾルブ・ポイントの一般的な用途/General Uses for Resolve Points
リゾルブ・ポイントはクラス特徴を有効にするために消費する以外にも、いくつかの重要な一般的な目的で役に立つ。リゾルブ・ポイントを保有しているキャラクターはスタミナ・ポイントの回復、重傷を負った際に容態を安定させる、或いは以下に示す通り、戦闘中における奮起や踏ん張りが必要な際にリゾルブ・ポイントを使用することができる。

スタミナ・ポイントの回復/Regaining Stamina Points
リゾルブ・ポイントを1消費して、失ったスタミナ・ポイントを通常の最大値まで回復させることができる。この能力を使用するには10分間の連続した休息が必要である。休息の途中で中断された場合、スタミナ・ポイントは回復せず、リゾルブ・ポイントも失わない。この能力の使用には連続した10分間の休息が必要なため、断続的に取った休息で合計が10分間であった場合は除く。

容態安定化/Stabilizing
瀕死状態にあり、かつ必要に足るリゾルブ・ポイントを持っている場合、最大値の4分の1に等しい値のリゾルブ・ポイント(最小1RP、最大3RP)を自分のターン中に消費し、即座に容態を安定させることができる。この場合、瀕死状態からは抜け出すことができるが、気絶状態のままとなる。瀕死状態を安定化させるのに十分なリゾルブ・ポイントを保有していない場合は、瀕死のルールに従ってリゾルブ・ポイントを失う(250ページの"負傷と死"を参照)。

戦闘継続/Staying in the Fight
容態安定状態で十分なリゾルブ・ポイントを保有している場合、あるいは非致傷ダメージ(252ページを参照)を受けて気絶状態となっていた場合、自分のターン開始時に1リゾルブ・ポイントを消費して1ヒット・ポイントを回復することができる。即座に瀕死状態から復帰して意識を取り戻し、通常通りに自分のターンに行動することが可能となる。リゾルブ・ポイントを消費してヒット・ポイントを回復することができるのは、ヒット・ポイントが0の状態かつ容態安定状態の場合に限られる。この方法で1ヒット・ポイントを超えて回復することはできない。また、同じラウンド中に容態安定化と戦闘継続の両方にリゾルブ・ポイントを使用することはできない。

属性/Alignment

属性とは個人の性格や倫理観、嗜好を端的に表すものである。善と悪、秩序と混沌の2つの軸で構成されている。それぞれの軸は中央に中立の選択肢を持つ分布図のように機能し、2つの軸は自由に組み合わせることができる。結果として9つの属性の組み合わせが可能である。

善と悪/Good Versus Evil

善と悪の軸はキャラクターの道徳観を表している。善のキャラクターは利他的で罪なき者を助けたいという気持ちを持ち、生き物の命と尊厳を尊重する。反対に悪のキャラクターは利己的で、楽しみや利益のために他人を傷つけたり虐げたりすることを厭わず、思いやりに欠ける。中立のキャラクターは自分が道徳的な範疇にないと考えていたり、単に他人を助けるために自分が犠牲を払うことに前向きではない。

秩序と混沌/Law Versus Chaos

秩序と混沌の軸はキャラクターの順応性と規則への尊重性を表す。秩序属性のキャラクターは約束を守り、権威や伝統を重んじ、法律や自身の規範に従い、務めを果たさぬ者を非難する。混沌属性のキャラクターは自由を求め、自ら決断し、権威に不信感を持つ。中立のキャラクターは、この対極の間に位置し、本質的には従うことにも抗うことにも強制されない。秩序属性のキャラクターが必ずしも社会の規則に従うとは限らないことに注意して欲しい。個人的に強い道義心を持っていて社会と対立している場合や、現在訪れている惑星の慣習ではなく、母国の惑星の慣習に従っている場合もあるだろう。

9種類の属性/The Nine Alignments

これらの記述は単なる提案であり、多少なりともキャラクターに応じた、それぞれの属性に沿って行動するだろう。プレイヤー・キャラクターは何れの属性であっても構わないが、通常はパーティの全員が善か中立であることが最も良いだろう。善と悪のキャラクターが混在すれば、不要な争いや不満が生じる可能性も生じる。
秩序にして善/Lawful Good
社会から期待されている善良な者として振る舞う。高潔で慈悲深く、約束を違えず、規律に準じた方法で不正と戦う。健全な社会のためには規則や構造が必要であると考えているが、それは人々が正しいことをするのに役立つ場合に限る。他の属性の者から見れば、短絡的で進歩よりも観念的な清廉さに取り憑かれていると見えることもあるだろう。
中立にして善/Neutral Good
正しい行いをして人を助けることが良いことであると考えているが、その観念を強制することはない。法の番人や反逆者の独善的な意識にはほとんど関心はなく、より大きな善行のために行動している限り、他人から矛盾しているとか、逸脱していると思われても気に留めることはない。
混沌にして善/Chaotic Good
自分なりの考えを持ち、自分の良心に従って行動する。誰かが自分を制限しようとすることに憤りを感じ、正しいことを為すためには、時には規則を破ることも必然であると考えている。基本的には善意を持っているが、人によっては一緒に行動するのが難しく、予測出来ない所もあると感じることもあるだろう。
秩序にして中立/Lawful Neutral
社会的な法律であれ、個人的な倫理であれ、規範に従い、それを進んで破ることはない。秩序と組織こそが社会を支える唯一のものであると信じており、権威を信じてはいるが、それを道徳と混同してはいない。他人はこの融通の利かなさに腹を立てるかもしれないが、少なくとも信頼できる。
真なる中立/Neutral
均衡や中立性に対して漠然とした哲学的な観念を持っていることもあるが、大抵の場合は単純に他の属性に対して決まった傾向を持っていない。悪行よりは善行を好む傾向はあるが、自ら進んでそれを支持するようなことはしない。自己の利益のために行動し、宇宙を前にして人間の信念など無価値であると痛感していることもあるだろう。自我のないクリーチャーは情報に基づいた選択をするといった自意識がなく、単に本能やプログラムに基づき行動するため、常に中立とみなされる。
混沌にして中立/Chaotic Neutral
自己の思いに従って行動し、結果は気にしない。自分を制御しようとする試みを快く思わず、自分の利益のために行動する。それ程に強い信念がある訳でもないため、無秩序を広めることには熱心ではない。その行動は決して出鱈目ということではなく、単に制約がないだけである。他人を傷つけることを好まないが、他人を守るために進んで行動しようとすることもない。今を生きることを信条としており、必要に応じて自分自身を再構築する。
秩序にして悪/Lawful Evil
法律や階層組織、社会的契約に支えられた文明は、本来は混沌とした状態よりも望ましいと考えている。同時に自分が欲しいものを手に入れるためには誰を傷つけようとも、規則を逆手に取ることにも躊躇しない。自分が如何に出世するかを常に考えており、必要であれば他人に仕えることや反旗を翻すことも厭わない。約束を違えず、規則の条文に従う。伝統や忠節、秩序を重視するが、自由、尊厳、生命は重視しない。大義名分を掲げてはいても、最終的には自分だけが得をするよう行動する。
中立にして悪/Neutral Evil
無道徳的な利己主義を体現している。良心の呵責を感じることなく何でも行動に移し、秩序を尊重することもなければ、無闇に争い事を起こすこともない。共感性に欠け、面白半分に他人を傷つけることもある。長期的な計画を立てたり、集団で行動する能力はあるものの、自分の利益のためにはすぐに味方を裏切る。
混沌にして悪/Chaotic Evil
自分の力を発揮する機会を得るために争いや破壊を好む。貪欲、憎悪、欲望に際限なく従うため、残忍で予測不可能な性格である。忠義心を全くもって理解しておらず、愛されるよりも恐れられることを望んでいる。自分を抑制しようとするものを破壊したいという本能的な欲求を持つ。

属性の使い方/How to Use Alignment

スターファインダーにおける属性とは、キャラクターの個性を表現するための手段の一つであり、何ができるかできないかを決める縛りではない。善のキャラクターが悪事を働くこともあれば、悪のキャラクターが善事を行うこともある。場合によっては、ある行動が属性の変化に繋がる程思い切ったものであるとGMが判断することもある(下記の"属性の変化"を参照)。しかし、多くの場合において属性は絶対的なものではないという事実を反映している。生命体以外のキャラクターには完全な善や悪、秩序や混沌はない。文化的慣習や信念体系の違いに加え、同じ価値観を持つ人間(あるいは神々!)であっても、全ての点で意見が一致することはほとんどないため、属性には相反する信念や行動が幅広く含まれることになる。あるキャラクターは一般的に親切かつ寛大で法を遵守しているが、他のキャラクターが忌み嫌う信念や偏見を持っているかもしれない。別のキャラクターは多くの人々を救うために1人の罪のない者を殺すことは、悲しいが仕方のない行動だと判断するかもしれない。このようなキャラクターが秩序にして善と見なされるかどうかは、君も含めたプレイヤーたちに委ねられている。他のルールと同様に、ある属性であることの意味を最終的に決定するのはGMとなるのだ。
キャラクターに対して用いられるだけでなく、クリーチャーや種族のデータ・ブロックにも属性が記されている。記載されている属性はクリーチャーの遺伝子に刻まれたものではなく、その種族や社会で見られる最も一般的な属性の傾向である。エンジェルやデヴィルのように文字通り特定の属性や思想を体現している来訪者を除き、何れの種族の個体もあらゆる属性を持つことができる。また、個々のクリーチャーは通常、種族により特定の属性が示されているが、状況さえ揃えばその傾向に反して全く異なる属性を持つこともある。
属性は、それが表現しようとしている道徳哲学のように、厄介で不確かで、文化的に相反するものだが、スターファインダーの究極の目標は楽しむことである。もし属性ルールによって促進される相互作用を楽しめないと感じるのであれば、遠慮なく完全に無視して構わない。
属性の変化/Changing Alignment
一部の魔法はキャラクターの属性に応じて異なる働きをすることがあり、また神々は自身の属性とは対立する属性の信仰者に魔法を与えることは稀である。しかし、スターファインダーにおける属性はルールというよりも、ストーリーを語る上での補助である。もしプレイヤーの行動が自分の選んだキャラクターの属性を反映していないと感じたら、GMはその旨を伝えるべきだろうし、その乖離があまりにも大きい場合は、プレイヤーにキャラクターの属性を変更することを許可したり、要求したりすることができる。同様に、プレイヤーが自分のキャラクターの変化を反映してキャラクターの属性を変更したい場合は、GMと相談した上で変更すべきである(頻繁に変更となるような場合は混沌属性を表している可能性が高いだろう)。
属性の段階/Alignment Steps
属性に関するルールの中には"段階"という言葉が出てくることがあるが、これは2つの属性間で属性が移行する回数を意味している(上記の属性図に示す)。斜めに隣接する属性は2つの"段階"で区切られていることに注意して欲しい。例えば、秩序にして中立のキャラクターは、秩序にして善の属性から1段階、混沌にして悪からは3段階離れている。

レベル・アップ/Leveling Up

プレイヤー・キャラクターは試練を乗り越えることにより、これまでに学んだことや会得したことを数値化したものとして経験点("XP"と略される)を得る。PCたちは獲得した経験点によりキャラクター・レベルが上昇し、レベルに応じて新たな能力やより強力な能力を得る。表2-4:キャラクター成長の合計経験点欄には、各レベルに到達するために必要な経験点が記載されている。通常、レベルアップはゲーム・セッションの終了時、GMがそのセッションのXPを与えた時、或いはそのセッションの終了から次のセッションの開始までの間に行われる。
キャラクター成長の手順はキャラクター作成とほぼ同じであるが、それ以前に選択した種族、能力値、クラス、技能、テーマ、および特技を変更することはできない。レベルが上昇すると、一般的には新たなクラス特徴、使用できる技能ランクの追加、ヒット・ポイント、スタミナ・ポイント、リゾルブ・ポイントの増加、さらには追加の特技やテーマ利益、あるいは追加の能力ポイントが得られる(表2-4:キャラクターの成長を参照)。
キャラクターを成長させるには次の手順に従うこと。

表2-4:キャラクター成長
キャラクター・レベル合計経験点能力値成長能力
1st特技1回目、テーマ利益
2nd1,300
3rd3,300特技2回目
4th6,000
5th10,0001回目特技3回目
6th15,000テーマ利益
7th23,000特技4回目
8th34,000
9th50,000特技5回目
10th71,0002回目
11th105,000特技6回目
12th145,000テーマ利益
13th210,000特技7回目
14th295,000
15th425,0003回目特技8回目
16th600,000
17th850,000特技9回目
18th1,200,000テーマ利益
19th1,700,000特技10回目
20th2,400,0004回目

ステップ1:任意の能力を上昇させる/Step 1: Apply any Ability Increases

5レベル毎にキャラクターの能力値を増加させ、好みに応じて調整することができる。レベルの閾値(5、10、15、20、表2-4参照)に到達する度に、能力値を4つ選択して上昇させる。選択した値が17以上の場合(パーソナル・アップグレードによる能力上昇を除く。212ページを参照)は永続的に1上昇し、16以下の場合は2上昇する。 同じレベル到達時に、同じ能力値に対して複数の上昇を適用することはできない。キャラクター作成時とは異なり、レベル・アップ時にはキャラクターの能力値を18以上に上昇させることが可能である。
能力値の上昇によって能力修正値が変更となった場合、攻撃ボーナス、セーヴィング・スロー、合計技能ボーナス、リゾルブ・ポイント、スタミナ・ポイント、クラス特徴および呪文の難易度など、その修正に依存している全ての一般データを忘れずに調整すること。尚、能力値の上昇は遡って適用される。キャラクターの能力値の上昇時、リゾルブ・ポイント、スタミナ・ポイント、技能ランクなどキャラクターの能力に基づく一般データの合計値が、前のレベルでも高い値を持っていたかのように増加する。例えば、【知力】能力値が17のメカニックは修正値が+3であるため、各レベルで使用できる技能ランクは7となる(第5章を参照)。レベル5で【知力】能力値が18になった場合、修正値は+4となり、このレベルで使用できる技能ランクは8となるが、最初の4レベルで【知力】能力値が18だった場合のランクを反映し、さらに4の技能ランクを割り当てることが可能となる。能力値についての詳細は18ページを参照すること。

ステップ2:クラス特徴を追加する/Step 2: Add New Class Features

キャラクターは現在のクラスの次のレベルを得る他、別なクラスのレベルを得ることもできる(以下の"マルチ・クラス"を参照)。各レベルでクラスが獲得する特徴については第4章を参照すること。キャラクターのヒット・ポイントをクラスに応じて与えられる値の分を加え、スタミナ・ポイントをクラス毎に示される値に【耐久力】修正値を加えた数を加える。セーヴィング・スローと攻撃ボーナスを調整し、そのレベルで得られるクラス特徴を組み入れる(術者の場合、新たに獲得する呪文を選択することも含む)。新たに得られるクラス特徴に加え、低いレベルで得たクラス特徴がレベルが高くなることで強化されることもあるため、既存のクラス特徴が強化されているかどうか確認すること。

ステップ3:新たな特技およびテーマ利益を追加する/Step 3: Add New Feats or Theme Benefits

キャラクターは奇数レベル毎に新たな特技を得る。これに加えてクラスからもボーナス特技を得られる。新たな特技を選択する際には前提条件を確認し、キャラクターがその特技を獲得できる条件に適合するかどうかを確認すること(第6章を参照)。キャラクターは6レベル、12レベル、18レベルで自分のテーマ(28ページ参照)から新たな利益を得る。

ステップ4:技能ランクを配分する/Step 4: Invest Skill Ranks

キャラクターはレベル・アップする毎に、クラスと【知力】修正値に基づいた数の新たな技能ランクを獲得する(132ページを参照)。ステップ1で説明した様に【知力】修正値の増加に伴って技能ランクを獲得することもできる。これらの新たな技能ランクを技能に配分する(既存の技能でも新たな技能でもよい)が、どの技能のランクもキャラクター・レベルを超えてはならないことに注意すること。ステップ1で能力修正値が増加した場合、それに伴い変化したボーナスを技能判定に反映させること。

マルチ・クラス/Multiclassing

ほとんどのキャラクターは自分が選択したクラスで経験を重ね、より高度な能力を身に付けて行く。しかし、時には自分のキャラクターに異なる訓練をさせ、別なクラスの能力を手に入れたいこともあるだろう。その場合、キャラクターがレベル・アップする際に既存クラスの次のレベルを獲得する代わりに、新たなクラスのレベルを獲得し、そのクラスの1レベルのクラス特徴をすべて既存のクラス特徴に追加することができる。これを"マルチ・クラス"と呼ぶ。
例えば、5レベルのソルジャーが魔術に手を出すことを決め、次にレベル・アップした際にテクノマンサーのレベルを1追加したとしよう(このようなレベルの組み合わせは「ソルジャー5/テクノマンサー1」と記される)。このキャラクターは5レベルのソルジャーのクラス特徴と能力(ボーナス特技、スタイル・テクニック、防具と武器の習熟、その他のクラス特徴)は残したまま、1レベルのテクノマンサーのクラス特徴と能力(1レベルのテクノマンサー呪文を発動する能力、テクノマンサーの呪文保管庫のクラス特徴など)を獲得する。5レベルのソルジャーから得られるものに加え、1レベルのテクノマンサーから得られる全てのヒット・ポイント、スタミナ・ポイント、基本攻撃ボーナス、セーヴィング・スロー・ボーナスが加えられる。このキャラクターは6レベルのキャラクターとして扱われる(キャラクター・レベルは6となる)。
どの効果と前提条件が、キャラクター・レベルとクラス・レベルのどちらに依存しているかを把握しておくことが重要となる。例えば、特技にはクラス・レベルまたはキャラクター・レベルの最小値が必要な場合があるが、ほとんどのクラス特徴は、それが依存するクラスのキャラクター・レベルに基づいている。但し、呪文を発動する場合は例外で、キャラクターは異なる術者クラス(ミスティックやテクノマンサーなど)のレベルを合算して術者レベルを決定する。
マルチ・クラスのキャラクターは主要能力値を一つ以上持つ。各クラスの主要能力値は、そのクラスの通常の値から変化しない(主要能力値に依存するクラス特徴についても同様)。最大リゾルブ・ポイントの決定など、クラスに依存しない主要能力値の計算には最も高い値(最も高い修正値)を持つ主要能力値を用いる。

必要に応じてクラスを得ることに制限はなく、表面上は魅力的に見えるかも知れない。しかし、手を広げればそれなりの代償が伴う。新たなクラスは常に1レベルから開始することになるため、低レベルの能力を多く保有することになる。結果として同レベルの単一クラスのキャラクターの高レベルの能力に対抗できないといった状況になりがちである。例えば、エンヴォイ3/ソルジャー4/テクノマンサー3の持つ能力は充実しているかも知れないが、10レベルのソルジャーにはプリンのように踏み潰されてしまうだろう。また、パーティにいる他の10レベルのキャラクターと比べても劣ってしまうことにもなる。

再訓練/Retraining

通常ではレベル・アップ時に決定したことは永続的なものであり、後から能力値や特技、技能などを変更することはできない。しかし、どうしても自分の過去を変えたい、能力を入れ替えたいというキャラクターには技術的な解決策がある。ニーモニック・エディタという装置を使えば、キャラクターの脳にある古い知識や能力を編集し、新しいものと永続的に入れ替えることが可能である。勿論GMの許可が必要であるが、この方法で自分のキャラクターを部分的に作り直すことができる。詳細については226ページの装置の説明を参照のこと。

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