Starfinder-jp

ハイブリッド装備品は科学技術と魔法の両方を利用するもので、この二つの力は必ずしも同量である必要はないが、両者の力はアイテムの機能にとって極めて重要である。魔法のアイテムと科学技術アイテムに適用される修正効果やその他の効果は、混成アイテムに適用されても機能する。

場合によっては混成アイテムがチャージを必要とすることもある。ただし、そのようなチャージが必要な混成アイテムは一般的に、バッテリーの充電または交換が必要な科学技術アイテムとは異なる仕組みで機能する。混成アイテムのチャージはアイテムの構造に固有のものであり、発電機やバッテリーで補充することはできない。混成アイテムのチャージはアイテムによって日々充填されるか、あるいは充填されないかのどちらかである。

一度に着用できる混成アイテムの数を決定（222ページを参照）する際、混成アイテムは魔法のアイテムとして数える。いずれも正常な機能を有したまま同時に着用できる混成アイテムおよび魔法のアイテムは合計で2つまでとなる。魔法のアイテムと同様に、指輪を除いて同じ種類の混成アイテムを複数着用することはできない。例えば、マインドリンク・サークレットとティアラ・オヴ・トランスロケーションの両方を着用することはできない。同じ種類の魔法のアイテムと混成アイテムを同時に着用することはできない。

表7-31：混成アイテム

アイテム	レベル	価格	バルク
スターストーン・コンパス	1	3	軽
マインドリンク・サークレット・マーク1	2	1,600	軽
エフィシャント・バンドリアー	4	2,000	軽
サイキック・ブースター	4	2,000	軽
デジタル・ハロウ・デッキ	5	3,500	軽
ニーモニック・エディタ・マーク1	5	500	10
零空間チャンバー・マーク1	5	3,050	軽
マインドリンク・サークレット・マーク2	8	11,000	軽
零空間チャンバー・マーク2	9	12,250	軽
ニーモニック・エディタ・マーク2	10	3,000	10
零空間チャンバー・マーク3	13	50,000	軽
マインドリンク・サークレット・マーク3	14	78,000	軽
ニーモニック・エディタ・マーク3	15	20,000	10
零空間チャンバー・マーク4	17	250,000	軽
ニーモニック・エディタ・マーク4	20	125,000	10

"表7-31：混成アイテム"の詳細を以下に示す。

デジタル・ハロウ・デッキは、消滅したゴラリオンに起源を持つ古風な占いの手法を現代化したものである。1日に1回、全アクションとしてこのデッキを起動できる。このデッキは周囲に54枚のカードの揺らめくホログラムを投影する。札読みを始めるには全てのカードを一組に集め、ハロウ・デッキに向かって声を発して質問する。その後、デッキは何百もの高度な擬似神秘学的計算を駆使し、君に3×3のカードを配り、それを使って君の質問に関する解釈を音声で回答する。これはオーギュリイ呪文として機能し、呪文レベルはデッキのアイテム・レベルに等しい。

また、デジタル・ハロウ・デッキを持ち、オーギュリイを修得しているミスティックは、その呪文発動の必要条件であるリゾルブ・ポイントの消費を無視することができる。ミスティックはこれを1日に自分の【判断力】ボーナスに等しい回数行なうことができる。

テクノマンサーはデジタル・ハロウ・デッキを自分の呪文保管庫として指定できる。そうすることでデッキのAIはテクノマンサー自身の意識と統合され、占術呪文と効果について術者レベルに+1のボーナスを与える。さらに、テクノマンサーはテクノマンサー呪文を発動時に即行アクションとしてリゾルブ・ポイントを1消費し、デッキを機能させる演算を利用することができ、呪文のセーヴ難易度に+1の洞察ボーナスを得る。

この弾帯は中型サイズ以上のいずれのクリーチャーでも装着できる。弾帯には5つの区画があり、それぞれが近接武器、小火器、長銃、重武器、爆薬という特定の種類の武器に対応している。それぞれの区画には弾薬やバッテリーを最大1バルクまで収納できるように設計された超次元空間がある（収納できるバルクを計算する際には、10個のバッテリーや個別の弾薬などで"バルクなし"のものは、"軽バルク"として扱う）。この弾帯は区画に収納してもバルクは増加しない。

エフィシャント・バンドリアーにはそれぞれ、弾帯の機械部品を君の要求に合わせて制御できる高度なAIが搭載されている。即行アクションとして、エフィシャント・バンドリアーに命じて最大1バルク分のバッテリーおよび弾薬を引き出させ、アイテムを直接片方の手に置くことができる。

ニーモニック・エディタは複雑な一連の脳内インプラント注入器、デジタル・ハロウ・デッキの自動判別機、幻術のルーン、仮想現実プログラムで構成されている。その全てが魔法で強化された解析コンピュータによって制御され、移動式手術ベッドに取り付けられている。魔法と科学技術の回路網は、ベッドに拘束された対象者の体験を、24時間に渡る一回の過程で除去することができる。技能と知識は除去され、学んだことや身体で覚えたことは忘れ去られる。記憶は完全に失われる訳ではなく、対象者はこれまでの人生で何をして誰に会ったか、経験した瞬間についてどう感じたかを思い出すが、それらの経験の影響は微妙に変化する。その後、この装置は新しい技巧、筋肉の記憶、反射能力、技能を埋め込むという影響を残すことによって、明らかに人工的ではあるが効果のある新たな一連の経験を作り出す。

ニーモニック・エディタを使用する場合、どのクラス・レベルを取得し、どの特技を選択したか、レベルに応じた能力値の上昇をどのように配分したか、新しい技能ランクをどのように割り振ったかなど、2キャラクター・レベル分の決定を取り消すことができる。2キャラクター・レベルを得た結果として行ったあらゆる決定は取り消される。その後、不足していた2キャラクター・レベルを取り戻したかのように、新たなクラス・レベル、特技、技能などを含む新たな選択を行う。この2つのレベルそれぞれで、キャラクターをレベル・アップする際の通常の手順を踏む。

ニーモニック・エディタが使用できるのは一度きりで、その科学技術的な負荷と対象者の過去をほんの僅かでも書き換えるという結果と引き換えに、一回の過程で価値のないガラクタに分解されてしまうのだ。加えて、対象者に加えられた改変は、このような特別な手順を再び受けることをより困難にする。マーク1型のニーモニック・エディタは、過去にこの効果を受けたことのある者には使用できない。しかし、より高度なマーク2型であれば、以前にマーク1型のニーモニック・エディタを使用したことがあっても同様の効果をもたらす。もちろん、マーク2型のニーモニック・エディタの恩恵を受けられるのは一度のみとなる。さらに高度なマーク3およびマーク4の型が存在し、それぞれ下位のニーモニック・エディタを使用後であっても一度に限り使用できる。だが、非常に高価なため、通常は要求に応じてのみ製作される。

GMは、君が以前に行った決定を変更してキャラクターを作り直すことができるかどうか、またそのためにニーモニック・エディタを使用する必要があるかどうかについての最終決定を行う。GMはいかなる手段を用いても作成したり手に入れる術がなく、ニーモニック・エディタが使用できないと裁定することができる。また、プレイヤーとGMがそうすることに意味があると合意した場合、そのような装置を用いずに、GMはプレイヤーに特技やクラス・レベルを変更させることができる。ニーモニック・エディタはキャラクターに加えられた機械的な変更に対して、ゲーム世界における説明を提供する。例えば、エンヴォイで開始したキャラクターが神秘学を学ぶことにした（そして呪文発動ができるようになった）が、エンヴォイとミスティックのマルチクラスは期待したほど楽しくなかった、とプレイヤーが判断した場合、突然その呪文発動能力を失うというもっともらしい理由を提供するなどだ。

マインドリンク・サークレットに似た力を持つアイテムは何千年も前からパクト・ワールドに存在していたが、この便利なアイテムの技術的な構成要素は、その力を容易に利用できるようにした革新的なものである。マインドリンク・サークレットの効果は、以下に示すように型によって異なる。

マーク1：30フィート以内の言語を共有するクリーチャーとテレパシーで交信できる。これはシーレンの種族特性である"限定的テレパシー"と同様に機能する。
マーク2：100フィート以内にの言語を共有するクリーチャーとテレパシーで交信できる。これはシーレンの種族特性である"限定的テレパシー"と同様に機能する。
マーク3：100フィート以内の言語（君が理解できない言語を含めて）を理解できるクリーチャーとテレパシーで交信できる。これはシーレンの種族特性である"限定的テレパシー"と同様に機能する。

零空間チャンバーは円形の装置で、腕や背負い袋に括り付けられるよう設計されていることが多い。側面にあるボタンを押すと、収納空間へ通じる円形の超次元的な裂け目ができる。この裂け目のサイズは、零空間チャンバーの型によって異なる。もう一度ボタンを押すと閉じることができ、空間への入り口は消える。収納されたものは空間内に残り、この装置と共に移動する。零空間チャンバーが開閉できるのは外部からに限定される。

収納空間内の空気は、入口を開けたときに流入するものだけである。収納空間がいっぱいになっても、この装置のバルクは増加しない。零空間チャンバーは、それぞれ特定の異次元空間と繋がっている。零空間チャンバーはそれぞれ一定量のバルクを収納することが可能で、最大バルクを超えると（例えそれ以上の物質を持ち運ぶ余地が残っていても）閉じることができなくなる。別の零空間チャンバーのような異次元空間を含む、あるいは作り出す呪文やアイテムは、零空間チャンバーの収納空間内では機能しない。

零空間チャンバーから読み出された情報によって、収納空間内の全アイテムの目録が自動的に生成される。空間が開いていれば、全アクションとして空間内にあるアイテムを呼び出して自分の手の中に取り出すことができる。

マーク1：この装置の収納空間は3フィートの立方体で、最大25バルクまでを格納できる。中型サイズのクリーチャー1体、または小型サイズのクリーチャー2体が10分間呼吸できる空気を保持できる。
マーク2：この装置の収納空間は6フィートの立方体で、最大50バルクまでを格納できる。中型サイズのクリーチャー1体、または小型サイズのクリーチャー2体が2時間呼吸できる空気を保持できる。
マーク3：この装置の収納空間は9フィートの立方体で、最大100バルクまでを格納できる。中型サイズのクリーチャー1体、または小型サイズのクリーチャー2体が2日間呼吸できる空気を保持できる。
マーク4：この装置の収納空間は12フィートの立方体で、最大200バルクまでを格納できる。中型サイズのクリーチャー1体、または小型サイズのクリーチャー2体が1週間呼吸できる空気を保持できる。

この頭飾りは元々ラシュンタによって設計されたもので、着用者の額にフィットし、（もしあれば）着用者の触角を包み込む。サイキック・ブースターは着用者が本来持っているサイキック能力の力を増幅する。テレパシー能力を持つ場合、テレパシーの範囲は2倍になる。例えば、30フィートの範囲の"限定的テレパシー"を持つ場合、その範囲は30フィートから60フィートに増加する。

この小型の機械式航法機器はアブサロム・ステーションの中心に眠るスターストーンから発せられる神秘的な信号を検知し、謎めいた発信源からの正確な距離と方角を計算する。パクト・ワールズ星系にいる間は、この装置によってアブサロム・ステーションが現在地に対してどの方角にあるかを自動的に知ることができ、パクト・ワールズ星系全域を航行する際の〈操縦〉判定に+2の洞察ボーナスを与える。