Starfinder-jp

クラスはキャラクターの専門分野を表す。戦闘力の高いソルジャーであったり、物理学の法則を曲げてしまうテクノマンサーなどである。クラスに応じて幾つかの能力が与えられる。これらの能力は正式な訓練の結果や磨かれた才能であったり、或いは神との直接的な繋がりであったりする。また、ヒット・ポイント、スタミナ・ポイント、武器や防具の習熟、クラス技能、レベル毎に得られる技能ランク、基本攻撃やセーヴィング・スローのボーナスなどの一般データも決定する。以下にスターファインダーの基本クラスを示す。

エンヴォイは個人の持つ魅力と知性を駆使して味方を助け、敵を困惑させたりすることで交渉や政治的手腕で貢献する。

機械の組み立てや改造が得意なメカニックは、高度な人工知能や最先端のロボット・ドローンを常に従えている。

ミスティックは神聖なものに集中したり、生態系を直感的に理解することで、万物を繋ぐエネルギーを魔法のように導く。

オペレーティブは、単純なスパイ活動でも厄介な汚れ仕事でも、隠密性と慎重さを必要とするあらゆる任務を遂行する技能を持つ。

ソラリアンは、星の生涯の過程と真摯に向き合い、そこから力を得る。その技術により、星のエネルギーの粒子を集めて武器や防具を作り出すことができる。

戦闘に用いられるあらゆる武器に精通し、特定の戦闘スタイルに特化した兵士である。有事の際には的に大きな損害を与えることができる。

テクノマンサーは科学技術と魔法の繋がりを理解し、現実を自分の求めに応じて曲げることでそこから力を引き出す。

クラスはキャラクターの能力を決定する最も重要な要素であり、他の全ての要素を構築するための基盤となる。だが同時に、それぞれのクラスはルール上の選択だけに限らず、君の個性や伝えたいと考える物語の面からも、無限のキャラクターを生み出す可能性を秘めているのだ。機械神トゥライユーンの神官として活動するアンドロイドのミスティックと、読心術を使う私立探偵としてサイキック能力を使うラシュンタのミスティックでは、同じクラスであってもプレイ中の感覚や行動が大きく異なるだろう。
次の項目ではスターファインダーの7つの基本クラスについて説明する。この導入部には、全てのクラスの説明に共通で用いられている書式を理解するために必要な説明を記載している。

各クラスの項目では、最初に該当するクラスの典型的な一員が示され、冒険の中でキャラクターがその能力を用いる方法がいくつか提案されている。そのクラスのキャラクターを演じる際には、行動や性格に制限を受けることはなく、前述の通り同じクラスでも全く異なる分野で能力を発揮する特殊なキャラクターを作成することも可能である。しかし、もし君がスターファインダーを始めたばかりで、あるクラスのキャラクターをどのように演じるべきかを決めたいのであれば、そこから始めるのが良いだろう。
スタミナ・ポイント/Stamina Points：1レベルの時点と新たなレベルを得る毎に、この値のスタミナ・ポイント＋【耐久力】修正値（レベル毎の最小は0SP）を得る（22ページを参照）。後に【耐久力】修正値が変動した場合は、全てのレベルのスタミナ・ポイントを調整する。
ヒット・ポイント/Hit Points：1レベルの時点と新たなレベルを得る毎に、この値のヒット・ポイントを得る。これは、1レベルの時点で種族により得られるヒット・ポイントに加算される。

この項目は6つの能力値の中でも、当該のクラスにとって最も重要な能力値を示している。この能力を主要能力値と呼ぶ。最も効果を発揮するためには、通常では主要能力値を最も高い能力値にすべきだろう。特に記載のない限り、クラスの特徴（適切であれば）に対抗する敵のセーヴィング・スローの難易度は、10＋クラス・レベルの半分＋主要能力値の修正値となる。この項目では当該のクラスにとって重要ではあるが、必須ではない他の1つまたは2つの能力値に関しても記載されている。

この項目には、各レベルで得られる技能ランクの値が示されている。この値に対するペナルティの有無に関わらず、常に1レベル毎に最低1の技能ランクを獲得できる。また、この項目にはクラス技能についても記載がある。クラス技能とは、当該のクラスの者が特に得意とする技能のことを指す。クラス技能に1以上のランクを割り当てしていれば、その技能を用いる技能判定に+3のボーナスが得られる。

この項目には、君が習熟している（自動的に使いこなせる）防具の種類が示されている。習熟度がどのように影響するかについての詳細は、第8章：戦術ルールの"防具習熟"を参照して欲しい。

この項目には君が習熟している武器の種類が示されている。習熟度がどのように影響するかについての詳細は、第8章：戦術ルールの"武器習熟"を参照して欲しい。当該のクラスが3レベルに達した時点で武器の《武器開眼》（特技による）を獲得し、ダメージ・ロールにクラス・レベルを加算することができるようになる（詳細は163ページの《武器開眼》を参照）。グレネード、ミサイル、その他の消費武器には開眼ダメージは加算されない。サイバーボウやグレネード・ランチャーなどの武器がそれに該当する。

それぞれのクラスの特徴は、クラスの説明の他の部分で詳しく説明されている。クラス特徴で計算を必要としたり、計算結果に端数が出た場合は、特に記載のない限りは常に端数を切り捨てる。これは、通常の端数処理のルール（243ページを参照）に準じる。
クラス特徴はキャラクター・レベル、クラス・レベル、術者レベル（術者であれば）など、異なる種別のレベルを参照することができる。クラスを1つしか持たないキャラクターの場合、参照するレベルは全て同一となる。もし君がマルチ・クラスを獲得することに決めた場合で、クラス特徴にレベルに基づく効果や前提条件が示されたのであれば、それは常にクラス・レベルを指す。これはキャラクター・レベル（獲得したクラスの全てのレベルの合計）ではないことに注意すること。また、クラス特徴や呪文に術者レベルが示されている場合、それは全ての術者クラスのレベルの合計を指す。但し、1日に発動できる呪文の数や各レベルで習得できる呪文の数は、それを獲得するクラスのレベルにのみ基づく。
クラス特徴は通常、変則的能力、擬似呪文能力、超常能力の3つの何れかに分類される。これらの能力は高度な瞑想法、身体的訓練、生物学的促進、最先端の科学技術装置、実験的なサイバネティック強化、謎に包まれた異星人の技術、最先端の生物工学など、1つに限らず様々な手段によって得ることができる。これらの能力の具体的な源はキャラクターを掘り下げる方法として、自分の好きなように設定できる。出所に関わらず、これらの能力はクラスの特徴であるため奪うことはできないが、他の効果（下記を参照）によって抑制されたり無効化されたりすることがある。

変則的能力（変則）/Extraordinary Abilities (Ex)：変則的能力は非魔法的なものではあるが、誰にでもできるものではなく、特別な訓練なしに習得できるものでもない。魔法を抑制したり無効化する効果や領域は変則的能力には影響しない。
擬似呪文能力（疑呪）/Spell-Like Abilities (Sp)：擬似呪文能力とは呪文に似た魔法的な能力である。この能力は呪文抵抗（265ページを参照）の対象となり、魔法が抑制または無効化される場所では効果を発揮しない。擬似呪文能力は解呪することができる。
超常能力（超常）/Supernatural Abilities (Su)：超常能力は魔法的ではあるが、擬似呪文能力ではない。超常能力は呪文抵抗の対象とはならないが、魔法が抑制または無効化される場所では効果を発揮しない。超常能力の効果は解呪できない。

各クラスの説明には、レベル毎のクラスの様々な特徴をまとめた表が記されている。
クラス・レベル/Class Level：キャラクターが当該の行に記載されている利益を得るクラス・レベルを指す。
基本攻撃ボーナス/Base Attack Bonus：レベル毎の基本攻撃ボーナスの合計で、近接および遠隔攻撃ボーナスの計算で用いられる。
頑健セーヴ・ボーナス、反応セーヴ・ボーナス、意志セーヴ・ボーナス/Fort Save Bonus, Ref Save Bonus, Will Save Bonus：この項目には各レベルでの頑健、反応、意思セーヴィング・スローに対する基本セーヴ・ボーナスが記されている。頑健セーヴには【耐久力】修正値、反応セーヴには【敏捷力】修正値、意志セーヴには【判断力】修正値が加算される。
クラス特徴/Class Features：各レベルで得られるクラスの特徴を一覧にしたもので、詳細は各クラスの頁で説明されている。
1日あたりの呪文回数/Spells per Day：呪文を発動できるクラスの場合、表には各クラス・レベル で1日あたりの呪文の回数（"呪文スロット"と呼ばれる）が示されている。クラスの貢の別な表に示されているように、主要能力値に基づき、呪文の回数が追加される場合もある。ダッシュ記号（-）が付されている場合は、そのレベルの呪文をまだ扱うことができないことを意味する。
その他の項目/Other Entries：クラスがレベルに応じて異なる特徴を獲得する場合は、その他の項目に記載される。例えば、ソラリアンの防具ボーナスやレベル別の武器ダメージは"太陽の発現"の項目で確認できる。これらの能力については各クラスの説明の中に詳細が記されている。

クラスの特徴の説明に続き、クラスを構築するための4つの例を示す。これは、同じクラスであっても、多様なプレイを行える様に、特定の性質を持つキャラクターを作成する際の選択肢を示している。
テーマ/Theme：クラスの構築にふさわしいテーマを示す。
能力値/Ability Scores：この項目では、どの能力値がそのクラスの構築にとって最も重要であるかを示す。
クラスの選択肢/Class Choices：多くのクラスでは特定のクラス特徴（エンヴォイの即興やメカニックの秘訣など）において複数の選択肢が用意されている。この項目では、そのクラスの構築に適した選択肢を、それぞれの選択肢を得ることが可能となるレベルが早い順に並べられている。
呪文/Spells：そのクラスの構築に特に適した呪文の選択は、呪文レベル別に記載されている。
特技/Feats：有用な特技がアルファベット順に記載されている。
技能/Skills：クラスの構築を特徴付ける技能が記載されている。