kagemiya@ふたば

「アハ、アハハハ...　アッハハハハ！！　もうカビの生えた使命やら記憶やらを押し付けられない！」
「ワタシは楽しく「今」を生きるの。だからもう二度と、邪魔しないでね？」

「今日の朝食は焼きたてのトーストにイチゴのジャムを塗って、ボイルドエッグにソーセージ。それに、ミルクも欠かせないわ。そうやって献立を楽しみに吟味するの」
「ワタシのしてる事は言うなれば、そういうコト。誰だって満足で贅沢な食事をしたいでしょう？」
　
「さ、禁忌の箱を開けたことを精々後悔してね？」
「悪霊が肉体を蝕む黒き霊障。　さ、貴方を面白愉快なシマウマにしてあげる」
「ジャパニーズ朝食の、オニギリみたいね！」　
　
「だから違うのよ、根本的にナニもかも」
「生きたいと切実に願う綺麗な貴方達とは、考え方も思想も全部、ぜーんぶね」
「一般的な理論を並べ立てた糾弾も、説得も何もかもぜーんぶ無駄！」
「別にワタシは最初からこういうコトが正しいだなんて、微塵も思っていないから」

「アナタはこれから、苦しんで死んじゃうのよ　分かる？」

「タルティーヌに、甘い甘いカフェオーレ、目移りする沢山のフルーツ。…それを全部、全部、軽く味わってあげるのがフランス式の朝食の贅沢で好きな部分よ」

「切り刻んだトマトとレタスに、ハムとたっくさん焼いた目玉焼き。それを苦みのコーヒーを流しながら頂くのね。ルーマニアの朝食もとってもオシャレだわ」

「…箸ってとっても使い辛いのね」

...しかし実際の所、余程彼らに聖杯が渡る事さえ無ければ、その願いが叶うことはない。
ロザリアは多量の悪霊をこそ取り込んでいるが、ヨシュア翁の娘である本来のロザリア・ヘリックスの人格もしっかりと取り込み残されている。
外身では悪意を振りまきながらも、彼女の残された人格は体内の悪霊一人一人と対話しては、時間をかけて彼らを納得させ彼らを人形の肉体から、半ば成仏という形で出している。
そして最終的には自身も人形から出る事で、人形としてのロザリア・ヘリックスを只の人に愛されるべき人形に戻す事が、娘の悪霊ロザリアの願いである。
多分彼女のルートとかがないと語られる事もない。