架空国家を作ろう

ベンガルを含むインド史は、前2000年頃にアーリア民族の西北インドへの移住に始まる。彼らは次第にガンジス川沿いに東へ進出し、前600年頃ガンジス川中流域に至り、やがて一部が北西ベンガルに達した。東インドのビハールと北西ベンガルを本拠地とするマガダ国はマウリヤ朝の時代に全インドを制する大帝国となった。続くグプタ朝の時代にもベンガルは貿易と農業で栄え、また仏教を学ぶナーランダ学院やブッダガヤの大塔が建てられた。6世紀末、北西ベンガルにガウダ国が現れ、ベンガル出身の王シャシャンカによって北インドに覇を唱えたが、637年の彼の死後は衰退した。750年頃、人々の推挙によって王となったゴーパーラがパーラ朝を創始した。パーラ朝はベンガル、ビハールを含む北インドを広く支配し、「古代ベンガルの最も輝ける栄光の時代」と称される繁栄を誇った。セーナ朝は1160年にパーラ朝を滅ぼし、ヒンドゥー教勢力と結びついて勢力を持ったが、トルコ人の侵略によって滅亡した。

1192年、トルコ人バクチヤルの率いるゴール朝の軍勢がデリーを陥落させ、その侵略の手は1202年にベンガルに達した。デリーでは1206年にイスラム王朝である奴隷王朝が成立し、13世紀以降はショルナガオンを中心にベンガルを支配した。ファクルディン・ムバラク・シャーの時代にチッタゴンがベンガルへ併合され、彼の下で東ベンガルは大いに繁栄した。1342年にはベンガル独立のイスラーム国家としてイリヤス・シャー朝が成立し、続いたヒンドゥー教のラジャ・ガネシュ朝も2代目がイスラームに改宗した。1437年、イリヤス・シャーの子孫を称するナシルディン・マフムードが後期イリヤス・シャー朝を興して王位に就き、やがてベンガル生まれの王フセイン・シャーの下で民族王朝化した。彼はベンガル語の振興やベンガル暦の導入を果たし、中世ベンガルの黄金期を築き上げた。しかし1587年までにベンガルはムガル帝国に併合され、1717年に事実上の独立政権が生まれるまで支配に服した。インドへ進出したイギリスはベンガルを拠点にその勢力を広げ、ムガル帝国も1858年に滅亡した。

1859年、ヴィクトリア女王が出した女王宣言の条件の下で、ベンガルは英領インドの残りの地域とともに、イギリス王室の直接の支配下に置かれた。植民地支配の正当化のために、イギリスは自国を自由な近代社会、インドを不自由な前近代社会と定義づけた。この前提の下に植民地政府は、インドの社会は宗教別、カースト別に構成されていると見なして諸政策を実行していった。その最大の最大のものとしてイギリスは、「ヒンドゥー教徒の」西ベンガルと「イスラム教徒の」東ベンガルにベンガルを分割することを試みた。1903年から8年にかけて、これに反対する激しい運動の結果ベンガルは最終的に再統合されたが、インドではヒンドゥー教徒とイスラム教徒の溝は着実に深まりつつあった。1940年代に入るとその潮流は止めがたいものとなり、北西インドはパキスタンとして独立インドとは袂を別つことが決められた。ベンガル、特にイスラーム教徒の勢力が強い東ベンガルでは、パキスタンへの合流案がたびたび持ち上がった。しかしベンガル州首相ソラワルディによって「統一ベンガル構想」が打ち出され、最終的にベンガルはインドともパキスタンとも異なる第三の国家としてイギリスから独立を果たした。

新生ベンガルはその国名をバンガラ共和国として、1947年に国際社会に参加することになった。しかし共和国は、イスラーム教徒6割、ヒンドゥー教徒4割という人口構成だったにもかかわらず新政府がイスラーム教に傾倒した政治を行ったため、すぐに行き詰まった。政府のポストはイスラーム教徒で占められ、ヒンドゥー教徒は経済面でも苦しい立場に置かれた。こうした国民の不満は、政治的混乱の末に起こった軍事クーデターとその後の軍事政権の誕生によって更に激しいものになった。軍事政府もイスラーム教を重視する立場をとったが、イスラーム教徒の民衆すら軍事政権を激しく非難するようになった。1952年2月、軍事政権に反対する抗議デモに向かって兵士が発砲し、4名の犠牲者を出した。1966年にはかつてベンガルを支配していた太守家の末裔アラウィーが、民主化を求める6項目の要求を政府に提出して民主化運動は激しさを増した。軍事政府は1970年に民政移管を宣言し選挙を行ったが、アラウィーが率いるバンガラ民主連盟がほぼ全議席を獲得する圧倒的勝利を収めると、選挙の無効を決定してしまった。民主連盟に指導された民衆は解放軍を組織し、1971年3月から軍事政府に対してゲリラ戦を展開して抵抗した。彼らは同年12月に、軍事政府を降伏に追い込んだ。

アラウィーら民主連盟が打ち出した新国家の構想は、宗教による差別や軍事政権への反省を踏まえたリベラル色の強いものだった。新国家バンガラ連邦太守国は民主主義、平和主義、人権擁護を憲法の三本柱として掲げ、軍隊の解散という大胆な施策に打って出た。これによって大幅に削減された国防予算は教育、福祉、民間企業への投資に活用され、バンガラ経済の飛躍的な成長を支えた。独立から最初の10年間で貧困は約3分の1減少し、人間開発指数、識字率、平均余命、1人あたりの食料消費量が大幅に改善された。経済は長期にわたって毎年平均6%の成長を遂げ、新国家は世界第2位の繊維輸出国になった。しかし農地の半分以上を富農が保有しているという農村の構造的問題と、ベンガルが洪水、サイクロン、竜巻、地震、河岸浸食、干魃、地滑り、鉄砲水などあらゆる災害の頻発地域であるという事実から、高度経済成長は1990年代に限界を迎えた。その後も緩やかな経済成長は続き、1993年時点から2023年現在までの30年間で新たに1500万人が絶対的貧困の状態(一日1・25ドル未満で暮らす状態)を脱した。しかし世界有数の人口過密国家であるバンガラ国内には未だに多数の貧困者がおり、政府はその対策に苦慮している。

バンガラ連邦太守国は歴史上、様々な王朝や帝国の興亡が繰り返されてきた。しかし現代においては太守と呼ばれる国家元首を戴く象徴君主制国家となっており、議院内閣制を採用している。バンガラ連邦太守国の政治の中心は首相であり、彼が政治上の指導者である。首相は議会の選挙で選ばれ、国務大臣を指名して政権を担当する。首相は太守から指名を受け、議会の信任を得ることで就任する。議会は二院制を採用しており、定数136の上院と定数575の下院に分かれている。現在の与党は左派政党の人民連盟で、首相はディレンドロ・ママンが務めている。バンガラ連邦太守国は完全な民主主義国家であり、平和主義と人権擁護を重視している。国民は選挙権を持ち、自由で公正な選挙が行われる。また、国民の権利や自由を保障する様々な法律が整備されており、国民は宗教や出自に関わらず法の下で平等に扱われる。またバンガラ連邦太守国は国際社会との関係を重視しており、外交政策に力を入れている。特に、隣国との関係を重視し、友好的な関係を築いている。また、地域の平和と安定を守るために、国際連合や地域機関との協力を進めている。バンガラ連邦太守国の政治は民主主義を重んじ、平和主義と人権擁護を基盤にしている。国民の生活水準の向上や地域の発展を目指し、積極的な政策を進めている。

バンガラ連邦太守国の経済は、主に農業と繊維工業に依存している。国土はモンスーン気候に属し、洪水により肥えた土地と降雨を利用した伝統的農業が主要な産業である。バンガラ連邦太守国は、米、ジュート、茶の生産が盛んであり、これらの農産物は国内で消費されるだけでなく、輸出にも利用されている。また繊維工業も発展しており、特にジュートを使用した製品の生産が盛んである。重工業や鉱業は脆弱だが、人件費が安いことからチッタゴンには世界最大の船舶解体場があり、国内で使用される鉄の60%はここからのリサイクル品で賄うことができる。バンガラ連邦太守国の経済はまだ発展途上の段階にあるが、政府が近年積極的な経済政策を実施しており、経済成長がゆるやかに続いている。政府は投資を促進し外国企業との取引を増やすことで、経済成長を促進している。同国の経済成長は、国内の社会的・経済的問題の解決にも役立っている。政府は、貧困削減、医療・教育の充実、インフラ整備などにも力を入れており、経済成長を通じて国民生活の向上を目指している。しかしながら、世界銀行の区分でもバンガラ連邦太守国はまだ発展途上国であり、経済的には脆弱な状態にある。政府は、貧困削減や社会保障の強化などに加え、農業の現代化や新しい産業の育成などを進め、経済の持続的な発展を目指す必要がある。

※バンガラ連邦太守国の国防も参考。
バンガラ連邦太守国は平和主義を重視している国家であり、国防政策においてもその姿勢を反映している。政府は成立後まもなく軍隊を解散しており、代わりに国境警備隊、沿岸警備隊、航空警備隊などの組織が国防を担っている。これらの組織は、武装せずに警備・監視を行うことが主な任務である。バンガラ連邦太守国は、戦車や軍艦、戦闘機などの重火器は保有しておらず、代わりに放水車や哨戒艦、哨戒機を用いて国防を行っている。バンガラ連邦太守国は軍隊を解散し国防を行う組織を警備組織に限定することで、国内における平和と安定を維持することを目的としている。また国際的な紛争に巻き込まれることを避け、友好国家との協力関係を築くことに力を注いでいる。このような国防政策は、一部から批判されることもあるが、多くの政治家や政治学者は、軍隊に代わって警備組織を活用することで国民の生活や福祉に直結する分野に予算を配分することができると考えている。またシビリアンコントロールが徹底されているため、警備組織が過剰な権限を持つことを防止することができる。バンガラ連邦太守国は、軍事力よりも、平和的な手段を重視する姿勢を示しており、国際社会からもその姿勢が高く評価されている。このような姿勢は、地域の平和と安定を促進し、世界の平和に貢献することにつながると考えられる。

バンガラ連邦太守国は途上国であるため、自家用車の普及は限定的で、多くの人々は公共交通機関を利用している。国は公共交通機関の整備に力を注いでおり、都市部ではバス、タクシー、電車、トラムなどの交通機関が利用可能である。バンガラ連邦太守国は地理的にも有利で、国内には長大なガンジス河が流れている。この河川は、内陸部から海岸部まで船舶の交通に重要な役割を果たしている。国内には多くの河川や運河もあり、内陸部でも船舶による輸送が盛んだ。一方、都市部ではリキシャと呼ばれる人力車が広く用いられている。リキシャは人が引く二輪車で、小規模な移動に適している。特に旧市街地では、リキシャが主な交通手段となっている。ただしリキシャは人力で動くため、距離が長い場合や荷物が多い場合には不便だ。また自転車の普及も政府は奨励している。自動車が通るような本格的な舗装道路を全国に行き渡らせるよりも、サイクリングロードを整備する方が容易だからだ。そのため都市部では、レンタサイクルは先進国以上に市民にとって身近な足となっている。バンガラ連邦太守国の交通インフラはまだ発展途上だが、公共交通機関の整備や河川を活用した輸送システムの整備など、国の発展に合わせて改善が進んでいる。また、リキシャのような伝統的な交通手段も根強く残っており、現代的な交通手段とのバランスが取れた交通環境が形成されていると言える。

バンガラ連邦太守国は発展途上国であり、科学技術分野においてはまだまだ発展途上であると言える。しかしながら、政府は医療分野の開発を特に重視しており、その分野においては一定の進歩を見せている。バンガラ連邦太守国は近年、医療機器や医薬品の生産を強化し、医療技術の向上を目指している。また政府はクリーンエネルギーの導入に積極的であり、再生可能エネルギーの普及を促進するために政策を取り入れている。太陽光発電や風力発電などの新しい技術の導入に力を注いでおり、環境問題に取り組む先進的な国として注目されている。このようにバンガラ連邦太守国は科学技術の発展を目指しており、科学者や学生を支援する政策を導入している。研究者や開発者に対する資金援助や税制優遇などの支援策を実施しており、科学技術分野において一定の進歩を遂げている。一方で軍事分野においては、政府はあまり注力していない。軍事開発に関して、研究開発予算が限られているため、他の分野と比べると遅れがちだ。総合的に見て、バンガラ連邦太守国はまだまだ科学技術分野においては発展途上であると言えるが、医療やクリーンエネルギー分野では積極的な取り組みを行っており、将来的には科学技術分野においても発展していくことが期待されている。

バンガラ連邦太守国の宗教は、主にイスラム教とヒンドゥー教に分かれている。イスラム教はバンガラ連邦太守国の最大宗教であり、国民のおよそ60％を占めている。一方、ヒンドゥー教は国民の約35％を占めている。他に、少数のキリスト教徒や仏教徒も存在している。チッタゴン管区などの山間部には先住民がおり、原始的な信仰を維持している。バンガラ連邦太守国は、あらゆる信仰の自由を認めている国であり、国民は自由に宗教を選択することができる。国家の公式宗教は定められておらず、政府は宗教的中立を維持している。また、政府は全ての宗教の施設に補助金を提供しており、あらゆる宗教に平等な支援を与えている。イスラム教徒が最も多く、バイトゥル・ムカロム国立モスクはバンガラ連邦太守国最大の宗教施設であり、非イスラム教徒を含む国民たちに愛されている。このモスクは、モスク内部にある広場を含めて、数万人の信者を収容できる巨大な建物だ。特に、ラマダンの月には、数千人のイスラム教徒が集まり、礼拝を行いる。バンガラ連邦太守国の宗教は、国民の多様性を反映しており、全ての宗教の信仰の自由を尊重している。イスラム教やヒンドゥー教の他、キリスト教や仏教など、様々な宗教が平和的に共存している。

バンガラ連邦太守国は初等教育と前期中等教育を国民に無償で提供しており、この取り組みは教育へのアクセスを改善し、貧困層の子どもたちの教育機会を広げるために重要な役割を果たしている。またバンガラ連邦太守国は公用語としてベンガル語を採用しており、ベンガル文字が広く使用されている。教育においても、ベンガル文字表記のベンガル語が用いられている。しかしながらバンガラ連邦太守国は途上国であり、識字率や大学進学率は先進国ほど高くはあらない。さらに教育に対する政府の投資が不十分であるため、教育制度の質の向上に課題が残されている。こうした問題に対応するため政府は年々教育に対する投資を増やし、教育制度の改善を目指す取り組みを進めている。またバンガラ連邦太守国では、子どもたちに民主主義、平和主義、人権擁護の精神を育むことが重要視されている。このような価値観は国民の自由と尊厳を尊重するために欠かせないものであり、政府は教育を通じて子どもたちが自己決定能力や批判的思考力を身につけ、社会的責任を果たすことができるよう支援している。現在バンガラ連邦太守国では、政府が教育の改善に向けた取り組みを進めることで、国民全体の教育レベルの向上を目指している。ま、子どもたちに重要な価値観を教育することで、社会全体の発展と繁栄を促進することを目指している。