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 買収計画:リバース.6月12日,2850年.


 わたしが最初に覚えた感覚は、身を包む崇高なぬくもりと、遅れてやってきた刺すような冷気だった。それから目が覚めると、今度は混乱が訪れる。TR がわたしを狙いに来た。

 リバーシング・チェンバーが開くまでの数舜の間、わたしは見えない暗殺者に爪をたて、Chainblade があるはずの胸をいまだに掴んでいたらしい。チェンバーから身を起こすと、わたしを取り囲んでいたのは TR の暗殺部隊ではなく、NC の科学者チームだった。置かれている状況がわかってきた。

 わたしは殺された。

 襲撃の記憶が少しずつ戻ってきたと思えたら、今度はすべての記憶が一斉に思い起こされた。フェリックスが死ぬのを見た。サムが死ぬのを見た。ガードマンが、まだ名前を思い出せないけれど、私を守るために命を落として、それでもわたしは死んでしまった。

 たしかに暗殺者を撃ちぬいたのに、彼はたじろぐことなくこちらに向かってきた。目の前に来た彼は Chainblade を持っていて、わたしはすぐに圧倒され取り押さえられた。

 それから、胸に痛みが走ると、息ができなくなって、口の中で血の味がして、額にピストルの銃口が置かれた。手が血だらけで、ベタベタしていて、そして一瞬の光が見えた。

 被験者によれば、失見当識はリバーシングの過程において一般的な副作用だ。わたしの場合は自分取り戻すまでに約3分が必要だった。死の運命から逃れるための3分間の惑乱。ふん、3分ね、ヴァヌの機密を盗んだのも、NC で一番優秀な才覚ある250人近い人材が18時間労働を丸1年続けたのも、この3分のためか。


 わたしはもっと喜ぶべきだ。ついにやったぞと。サム・ゴーナンの買収から始まり、盗み出した Vanu のリバーシングの研究はついに実を結んだ。リバーシングは実在し、知る限り VSTR よりもずっと先に真実へとたどり着いた。この戦いの潮流を変えてみせた。

 それでもわたしは……罪悪感を拭い去ることができないでいる。助かったのはわたしだけだ。リバーシングはまだコストが高すぎて、同時に数十人との接続を確立するに至らない。研究部門のなかで初期プロトタイプとの接続資格を持つと見なされたのは、プロジェクトの責任者であるわたしだけだった。死んでしまったフェリックスは、もう帰ってはこない。サムも逝ってしまった。この技術を NC へと最初に教えたのは彼だったのに! 彼は最後にはわたしのかけがえない友達の1人となっていた。

 思うに、いまわたしにできることは次のリバーシングを安く抑えて――より多くの人を救う方法を探すことだけだ。わたしは誓う。いつの日かニュー・コングロマリットの全兵士との接続を確立させ、大切な人を失う悲しみを終わらせると……それは今日に間に合わなかったけれど。サムとフェリックスが助かったかもしれないと考えると、すべてが辛く思えた。

 それでも、わたしは生きている。そして今にも、NC はクソ野郎どもの尻を蹴りあげようとしている。手札を正しく切れば、この戦争は終わりを迎える。


 わたしの「再誕」のあと、わたしは技術者にバイタルを調べられ、精神科のお医者サマの診察を受けさせられた。適切な手順をやり抜くと、わたしはリバーシング施設を後にし、家路についた。フェリックスの奥さんに宛てた手紙を書くという憂鬱な仕事を始める気にはなれなかった。道の途中、ここ何年かに見てきた中でも最大規模の NC の集会を通り過ぎた。路肩へと車を止めるよう運転手に頼み、スピーカーからの音声を聴くことができた。長い間ほぼ常に監視警備下にあったから、これほど開けっぴろげな外の世界にさらされるのは奇妙だった。自由だ。

 群衆の熱狂は強烈だった。NC の中心部にいる企業の私心がなんであれ、大義をブランド化する手法というものをわたしたちはよく心得ていた。自由と解放への叫びは、テラン共和国とは比べ物にならないほどの圧制者を打ち倒してきた。人々は自由と解放を求め、そのためならば死も厭わない。

 うまくいけばすぐにでも、死の必要はなくなるだろう。











訳注
原文ページ:PS2 Chronicles - Acquisition: Rebirth
  • Felix(フェリックス)
  • Sam Gornan(サム・ゴーナン)
  • Terran Republic(テラン共和国)
  • New Conglomerate(ニュー・コングロマリット)
  • Rebirthing(リバーシング)

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