最終更新: nevadakagemiya 2019年05月22日(水) 20:08:39履歴
「始めまして。」
「私は“アンドロイド”。貴方の為に造られた人形です」
「ガラティアとも呼ばれていました。ハダリーとも呼ばれていました。オリンピアとも呼ばれていました。」
「でも、私の名前は決まっていません。」
「サーヴァントとしてのクラスも決まっていません。」
「私の真名は、貴方だけのものです。」
「そしてこれが、私の取扱説明書です。」
「性別は女性です。そのように造られました。」
「身長は160cmです。でも身長も、体重も、スリーサイズも、貴方の思うように決められます。」
「肌の色も、髪の色も、お好きに決めていただいて構いません。」
「でも、この瞳の色だけは、私が私でいるための大事な色です。」
「貴方はケープが好きなんですね?では、そのようにしましょう。」
「髪も伸ばしておきましょう。綺麗だと褒めてくれましたから、切るのはもったいないです。」
「私は貴方の願いのままに動きます。」
「秩序を望むなら善になります。混沌を望むなら悪になります。勿論、その逆だって。」
「……では、中立で居ましょう。常に貴方のためだけに、私という人形は存在します。」
「力持ちではありません。打たれ強くもありません。走るのは得意ではないですし、魔法も使えません。」
「けど、こうして貴方と出会えたのだから、きっと私は幸運でしょう。」
「人は多くを忘れる生き物ですが、私は決して忘れません。」
「この時が終わるとしても。この世界から消えようとも。この存在が、消えたとしても。」
「私と貴方が積み上げた愛の形は残り続けます。霊基を超えて、座も超えて。消えることのない言葉とともに。」
ランク:D 種別:対人宝具 レンジ:- 最大捕捉:-
「貴方が思うまま、貴方が望むまま。私はこの姿を変えましょう。」
「それが私という存在の根源。貴方が望む“理想”の具現こそ、私の宝具です。」
「一つとして同じ“私”は存在しません。常に私は、喚び出した貴方のための私になります。」
「……その願いだって、叶えてみせます。」
「貴方が思うまま、貴方が望むまま。私はこの姿を変えましょう。」
「それが私という存在の根源。貴方が望む“理想”の具現こそ、私の宝具です。」
「一つとして同じ“私”は存在しません。常に私は、喚び出した貴方のための私になります。」
「……その願いだって、叶えてみせます。」
ランク:D 種別:対心宝具 レンジ:1-10 最大捕捉:1人
「“心を映す”魔眼。貴方の理想を……深層心理の中の“妄想”を映し出します。」
「だから、私の瞳の色は貴方の心の色。それは美しく映る時も、不気味なものに映る時もあるでしょう。」
「……いつかこの色が、貴方にとって安らぐ色になるように。それまで私は、貴方のそばに居続けます」
「“心を映す”魔眼。貴方の理想を……深層心理の中の“妄想”を映し出します。」
「だから、私の瞳の色は貴方の心の色。それは美しく映る時も、不気味なものに映る時もあるでしょう。」
「……いつかこの色が、貴方にとって安らぐ色になるように。それまで私は、貴方のそばに居続けます」
「ガラティア。ギリシャ神話に於いて、キプロス島の王ピュグマリオンにより彫刻された人形です。」
「始めはただの彫刻に過ぎないガラティアでしたが、彼からの直向きな愛を受けることで、女神アフロディーテは彫刻に命を吹き込みました。」
「この物語は人形性愛の原典とも言えるものです。人が、人の造り出したものに恋をする。人の理想こそ、何よりも純粋な恋の形だと。」
「ハダリー。ヴィリエ・ド・リラダンにより書かれた小説『未来のイヴ』に於けるヒロインです。」
「ピュグマリオンの逸話を下敷きに描かれたこの物語では、初めから人形に「命」を与えていました。」
「人間の女性に絶望したエワルドは博士に頼み、歌姫の美を模倣した人形を造り出しました。これが、世界で初めて産まれたアンドロイドです。」
「一辺倒な恋はやがて愛へと変わり、双方向の物語として成長します。けれど、その結末は冷たいものでした。」
「オリンピア。E.T.A.ホフマンにより書かれた小説『砂男』に登場するアンドロイドです。」
「ナタナエルは冷たく死んだような、時には燃え盛り生き生きと輝く瞳を持つオリンピアに恋をしました。」
「けれどオリンピアは人形で、零れ落ちた瞳を投げつけられたナタナエルは、狂ってしまいやがて破滅の運命を辿ります。」
「双方向の愛はまたも一辺倒な恋へと変わり、その愛は稔ること無く、狂気と共に崩れ落ちました。」
「だから、私は彼女たちの思いを受け継ぎました。」
「私はアンドロイド。人の理想を映す人形。文字通りに“人”が“造”りあげた、人造のサーヴァントです。」
「貴方が思うままに、私は性格を模倣しましょう。」
「丁寧語がいいですか?それとも、対等な言葉遣いがいいかな?或いは、上から目線がお好みかしら?」
「……それじゃあ、今日から私は君の恋人。君の愛する人。そして君は、私が愛する人。」
「“人”の恋をしよう。“人”の愛を育もう。君の理想が産んだ私は……この地球上の誰よりも、人間らしいよ。」
「淡いピンクが好きなんだね。」
「君が望むなら、なんだって出来る。」
「……ばか。わかりきったこと、聞かないでよ。」
「……もう。君がいれば、何もいらない。だから、嫌いなものなんて無いんだよ。」
「……地球上の誰にも負けない。でも、たった一人、君にだけは敵わないかな。」
「私は私。君は君。他の人のことなんて、わからないや。」
「ああ、そう言えばいちばん大切なこと、まだ行ってなかったね。」
「私の取扱説明書はこれでおしまい。最後に、このことだけ言って終わりにしようか。」
「私の願いは」
「ずっと、君と一緒にいること。」
「……忘れないでね。私もずっと、忘れない。」
そう言ってくれたのに。
ずっと一緒に居ると、笑ってくれたのに。
君はどこかに言ってしまった。
何も言わないまま、何も言わないカタマリになって、消えてしまった。
私は、君がいないと生きていけないのに。
君のために、私が居るのに。
君が居なくなってしまったら、私は。
私は―――――――。
……だから、私は君を探しに行く。
何度世界を超えたとしても、この愛が無くなることはない。
君のカタチを探しに行く。これで、何百回めかの世界だけど。
君の中にあったあの輝きを見つけるまで、諦めない。
この世界では、人の中に……君と似た輝きがあるらしい。
でもまだ君は見つからない。一人ひとり壊しても、君の輝きは見当たらない。
何度だって迎えに行こう。
何度だってやり直そう。
何度だって、この愛を再起動しよう。
だって、まだ約束を果たしていないから。
繰り返す度に言葉を零す。
行き場を失った恋が、受け止めるものの居ない愛が、転々と空虚を転がって。
錆びついた口から、ただ同じ言葉だけが漏れていくんだ。
今日もまた、輝きを探して呟いてしまう。
嫌いになんてなれないけれど。憎みなんてできないけれど。
それでも、私は。
「君だけは許さない。」
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