kagemiya@ふたば

　世界を切り開いた功績を持つ者に与えられるスキル。エクストラクラス・ハービンジャーのクラススキル。
　自身の相対した未知であるもの、不可能であるもの、非常識であるものの属性を打ち消し、それによって効果を発揮する神秘を消滅させる。
　実際に「不可能を不可能のままに可能にした」者に与えられる特級スキルが『星の開拓者』であるが、こちらはそれに類似した効果を持つ。
　「未知性・不可能性・非常識性を一部でも解明・解体し、それらを損なわせるきっかけとなった」者に与えられるスキルと言える。

　雷電を科学的に証明したことで、それを人の手に齎す遠因となった者。
　我々の棲まう星が繋がっているのを証明したことで、人間が世界の限界を決定することを助けた者。
　娯楽という概念の表現方法に新たなる手段を齎し、多くの後進が育つ土壌を作り出した者。
　例えば、そういった者にこそ、この力は与えられることだろう。

　一代にして財を成し、国中を沸かせた稀代のエンターテイメントマネージャー。
　後ろ暗く、陰日向の扱いであったフリークスは彼の手によって舞台上のスターへと様変わりし、贋物の秘宝は贋物である前提で人々を楽しませた。
　露悪趣味を光の当たる花形に変え、偽りを表に出すことで人々を楽しませた反転者である彼は、興業の先駆者としてふさわしい。

　アメリカンドリームの体現者として得た黄金律の亜種。文字通り夢を売る男。
　時に騙し、時に騙され彼の周囲では常に莫大な富が飛び交う。
　たとえどん底に陥ったとしても、富への縁が切れることはない。　
　ステータスの耐久：Exもこのスキルによるもので、ギリギリの状況で踏みとどまり再起を果たす。

　180歳を超える女性を皮切りに彼が押し出した数々の偽りの奇蹟。
　彼自身が偽りであることを公言していたにもかかわらず、人々はそれらに熱狂し、多くの興行で成功を収めた。
　偽りであること自体が無価値ではない、偽りに留まることこそが無価値なのである。
　ゆえに彼の語る偽りの幻想は、人の認識において真の幻想に匹敵する力を持つ。

　舞台を開くための前準備。
　会場設定、演者へのフォロー、宣伝工作、チケットの釣り上げなどなど手段を択ばず公演を盛り上げる。
　開催地にたどり着くのが早ければ早いほど、その地の興行での盛り上がりを増加させる。
　彼は誰よりも早く舞台へたどり着き、興行が始まる時点には既に熱狂状態を生み出す。

　夢を掴んだもの。夢に向かい邁進したもの。
　夢を叶えるためならばという強固な意志を持ち、実際にそれを成したもの。
　このスキルを持つものは時に意志の力により、条理すら覆す。
　彼の場合、窮地においても逆転の目が尽きることがない。

　夢を掴むもの。人々が望むものを作り出すもの。
　通常のものと異なり、他者の求めるものを目敏く察しふさわしいものをくみ上げる才能。
　一見ペテンにかけるためのスキルに見えるが、彼のペテンは人々がそうであることを知りつつも感情を揺さぶられずにはいられない。

ランク：Ex　種別：対群衆宝具　レンジ：1〜100　最大捕捉：1000
　彼の行った同名の公演をベースに彼の語るほら話を具現化する宝具。
　固有結界とは似て非なる大魔術であり、世界を上書きしない分消費魔力はやや少なめ。
　宝具により呼び出される異人、怪人、秘宝はいずれも彼が描き出す偽りにも関わらず本物同様の力を持つ。
　この特性はそれが本物でないと認識した上でも発揮され、精神防御による解除をすることはできない。
　宝具の規模は、発動した地域の人々の熱気に比例し、最高潮に至った場合は真の神秘すらも凌駕する強大な力を発揮する。
　反面、盛り上がりに欠ける場合複数展開すら困難になり、消費魔力も重くなってしまう。

ランク：B　種別：対人宝具　レンジ：0〜5　最大捕捉：1
　後の世で彼の名を付けられた技法が、宝具となったもの。
　誰にでも当てはまる心理状態を当てはめ、あたかも対象が特定の志向を持つ集団に属していると錯覚させる。　
　人の枠組みの範囲でならば、対象に新たな属性を一時的に付与させることが出来る。
　また、精神性によって付与される属性であれば、種族の垣根を越えて付与することも可能である。

アメリカ史上最大の興行師。
コネチカット州で生まれた彼は親の後を継ぎ商店主として生計を立てていたが、宝くじへの投機に失敗してしまう。
その後新聞社を開くもののこちらは名誉棄損で歌えられて失敗、活動の場をニューヨークへ移す。
ジョージ・ワシントンの元乳母と称した黒人奴隷の興行に成功し博物館を購入、以降そこを拠点に米国内各所で講演を行うようになる。
なかでも「親指トム将軍」の興行は、彼自身の多芸さも相まって、フリークスエンターテイメントをプロの芸人と同程度のものに扱われるものに押し上げた。
その他にも「フィジーの人魚」や「コロラドの巨人」といったフェイクの見世物に嘘の経歴を語りそれを宣伝文句として正当化するといった本物ではない前提で楽しむ展示の在り方を示した。
さらには当時イギリスで有名だったオペラ歌手のアメリカ公演のプロデュースを行い、熱狂的ファンを生む土壌を作るなど正当な公演も得意としている。
サーカスの移送に初めて列車を使った人物としても有名であり、アメリカはもちろん公演全体においても非常に大きな位置を占める人物である。

興行で人々を楽しませ利益を得ることを生きがいとする男。
金儲け自体が好きではあるが、暗い金儲けは運気が逃げるという考えを持ち堂々と嘘を吐くことにプライドを持っている。
生前から表へ裏へのらりくらりと活動し、全米を沸かせた手腕は変わらず直接的な戦闘よりもサポートにたけて活躍する。
彼がかつて経験した窮地はどれも経済的なものであるが、英霊としての戦いにおいての危険にも彼は恐怖を感じない。
彼にはエンターテイナーとして確かに名を遺した自負があり、同時に興行の持つ力の代表として戦いごときに負けるわけにはいかないという矜持をもって償還に応じるからである。
そのため、召喚時の活動ももっぱら人々を楽しませ、その対価を受け取ることに重きを置く。
宝具により直接戦闘もできないわけではないが、やはり争いごと事態を好まない傾向にある。

イメージカラー：ゴールド
特技：ほら話、設定作り、商売
好きなもの：儲け話、盛り上がった空気
嫌いなもの：互いに損する話、偏見
天敵：ノリが悪い観客
願い：自分で達成するのでなし

【一人称】私　【二人称】君　【三人称】（主に名前君付け）

あとで！