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磐陀巨岩に咲いた金石の花。花びらが風と踊り、生気が宿るように感じられる。
硬い岩の隙間から花が咲き、
それは岩の精が集まる美しい生命。
民の間でこう言う話しが流れた。
昔、誰かか岩君に、枯石に命はないと言った。
すると岩君は金色の花を、岩の中から咲かせた。
岩の神が誠にこのような諸行を成したことがあるかもしれない、
若しくは、この地に散らばった無数の伝説の一つにしか過ぎない。
しかし、怒りの海に向き合って、
高い山に成長するのは、
こうこういった眩しい花であろう。
磯岩巨鳶の硬い羽根、玄石の羽先が露を凍らすことがたまにある。
山の峯に残された片羽は、
青色の頂のように鋭かった。
天地がまだ今の形ではない古代、岩君が山を抜いて巨鳶を作ったと言われる。
鳶は玉と岩で作られ、形を取ると空へ飛び立ち、
九天まで至り、数多くの山峯を彫り出した。
そして、岩の鳶は海へ飛び、
槍のように落下し、
海獣へと沈んだ。
今も海の岩柱が鳶たちを吸い寄せていると言われる。
丸一枚の圭璧を彫って作られた日時計、模様は無数の星が連なっているように見える。無言のままに時間の流れを記録している。
崖で彫られた日時計は、
黙って光と時間を追う。
いくら硬い岩であろうと、結局時間の流れで崩壊し、砂になってしまう。
伝説によるば、岩君は星を時計に作り、先祖たちに時間の大切を教えた。
時間が経ち、日時計は人間界に流れ込み、まだ書生であった昆吾の手に入った。
「少年は幼い時から学問を学び、須弥山へ辿り着くことを願った」
「偶然に時計を手に入れ、その精密さに驚き、毎日手放さなかった」
「少年は遂に師と分かれ、時計の主に挑むため、匠の道を選んだ」
華麗さと荘厳さを併せ持つ杯、千年前は美酒に満ちていた。
山の岩で杯を作り、
中に注いだのは至高の酒。
玄石は極めての硬さでなければならなく、水晶も極めての玲瓏さでなければならない、
世間の歩くには、極致の快楽を求めるべし。
昔、民の間で岩王飲酒についての話しが流れていた。
岩王は玉碑を骨にし、
玉釧を胆にして、酒の杯を作った。
杯は元々七つあるべきだと、古籍を知る者が言った。
玄石を彫って作られた荘厳な仮面、形のない両眼が冷たく永遠に前方を凝視する。
伝説によるば、神魔が混戦する時代、岩神は殺戮の相を見せたと言われる。
神たちの争いで、岩神から優しさを見出すことはできなかった。
いつも正しい判断をつけることができて、反目した友人にも冷静に刃を向けることができた。
伝説時代の岩王帝君の顔に、一つの波乱が起きることもなかった。
その岩のような顔を取り外したのは、すべてが落ち着いてからだった。
そしてそれも、「契約」を守るためであった。
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