最終更新: nevadakagemiya 2020年03月25日(水) 08:58:33履歴
「つまりね、人間は元々空を飛べるように出来ているんだよ」
「いや、その理屈はおかしいです」
A group to observe how Lucrezia flies in the sky.
通称『GOLF』。………だなんて、誰が最初に言い出したんでしたっけ。まあ、なんでもいいですね。
21世紀が訪れて、何年か立った頃。“あなた”はとあるパブへと足を踏み入れた。
ロンドンにある魔術師たちの総本山、時計塔―――から、軽く歩いたところにある古い店である。
店内の何もかもが絶妙な感じに古ぼけた、居座って何時間か粘るには実に居心地良さそうなパブだ。
どれも一昔前の流行といった調度品で彩られた店内を進む“あなた”は、その片隅がやけに盛り上がっているのを見た。
その集団はだいたいが若者たちで構成されている。そして“あなた”であれば、彼らが常人とは違うことも分かるはずだ。
そう。彼らはその全員が魔術師だ。時計塔のいずれかの派閥に籍を置く、若い魔術師たちの集まりである。
彼らは口々に論を重ねたり、あるいは他愛ないことを喋ったり、あるいは酒盃を煽ったり、あるいは料理に手を付けたり。
魔術師である、ということを除けば、実に今どきの若者らしい振る舞いをしていた。
………“あなた”が近寄ったことに気づき、集団の端でゆったりと彼らを眺めていた女魔術師が振り返る。
眼鏡をかけた、地味そうな栗毛の女の子だ。盛り上がっている輪の外側から“あなた”に話しかけてきた。
「すみません、少しうるさいでしょう?ここではいつものことでして。こんばんわ。
………ええ、だってあなたは魔術師ですよね?私はそれほど実力のない魔術師ですが、それくらいは分かります。
だって魔術師でなければ私たちの騒ぎはあってないようなものにしか思えないはずですから。軽い結界が張ってあるんです。
この集まりですか?ええと、なんて説明したらいいか………」
少し悩んだふうにした女魔術師は、輪の中心で何やら意味不明な理屈を並べている別の女魔術師を指差した。
「ええと、ルーシー……ルクレツィア、今まさにわけのわからないことを言ってる子ですが。
彼女、トーコトラベルに次ぐ新しくて画期的な飛行方法を編み出したいんですよ。
ご存知です?近年はトーコトラベル以上に独創的な方法が生まれていないことを。……ああ、そうですか。
ともかく、最初はルーシーの愚痴の吐きどころというだけだったんですけれども。
気がつけば時計塔の色んな派閥の若い魔術師たちが集まって、垣根を超えた意見交換の場になってたり、単に飲み会になってたり………。
まあ、その、時計塔に巣食う毒婦たちの溜まり場となってる感は否定しませんが。
そんな感じで、毎晩自由にやっている集まりなんです」
そう説明し終えて、栗毛の女魔術師は手元の酒盃からビールを飲んで喉を湿らせた。
そうこうしているうちに魔術師たちの会合は明後日の方向へ話が移り変わり、もはや混沌としてわけがわからない。
しかし、そこにいる皆の表情は楽しげなものであり、何かしらの充実を感じさせるものだった。
それをどこか満足げな顔で見遣った女魔術師は、“あなた”へこう告げる。
「別に輪の中に入るのに規則とか掟とか、そんなものは一切ないんですけれどもね。
毎晩気が向いた人たちが集まってこうやってだらだらしているんです。良ければ、いつでも来てください。
歓迎しますよ。多ければ多いほど、こういうのは楽しいものですから―――」
ロンドンにある魔術師たちの総本山、時計塔―――から、軽く歩いたところにある古い店である。
店内の何もかもが絶妙な感じに古ぼけた、居座って何時間か粘るには実に居心地良さそうなパブだ。
どれも一昔前の流行といった調度品で彩られた店内を進む“あなた”は、その片隅がやけに盛り上がっているのを見た。
その集団はだいたいが若者たちで構成されている。そして“あなた”であれば、彼らが常人とは違うことも分かるはずだ。
そう。彼らはその全員が魔術師だ。時計塔のいずれかの派閥に籍を置く、若い魔術師たちの集まりである。
彼らは口々に論を重ねたり、あるいは他愛ないことを喋ったり、あるいは酒盃を煽ったり、あるいは料理に手を付けたり。
魔術師である、ということを除けば、実に今どきの若者らしい振る舞いをしていた。
………“あなた”が近寄ったことに気づき、集団の端でゆったりと彼らを眺めていた女魔術師が振り返る。
眼鏡をかけた、地味そうな栗毛の女の子だ。盛り上がっている輪の外側から“あなた”に話しかけてきた。
「すみません、少しうるさいでしょう?ここではいつものことでして。こんばんわ。
………ええ、だってあなたは魔術師ですよね?私はそれほど実力のない魔術師ですが、それくらいは分かります。
だって魔術師でなければ私たちの騒ぎはあってないようなものにしか思えないはずですから。軽い結界が張ってあるんです。
この集まりですか?ええと、なんて説明したらいいか………」
少し悩んだふうにした女魔術師は、輪の中心で何やら意味不明な理屈を並べている別の女魔術師を指差した。
「ええと、ルーシー……ルクレツィア、今まさにわけのわからないことを言ってる子ですが。
彼女、トーコトラベルに次ぐ新しくて画期的な飛行方法を編み出したいんですよ。
ご存知です?近年はトーコトラベル以上に独創的な方法が生まれていないことを。……ああ、そうですか。
ともかく、最初はルーシーの愚痴の吐きどころというだけだったんですけれども。
気がつけば時計塔の色んな派閥の若い魔術師たちが集まって、垣根を超えた意見交換の場になってたり、単に飲み会になってたり………。
まあ、その、時計塔に巣食う毒婦たちの溜まり場となってる感は否定しませんが。
そんな感じで、毎晩自由にやっている集まりなんです」
そう説明し終えて、栗毛の女魔術師は手元の酒盃からビールを飲んで喉を湿らせた。
そうこうしているうちに魔術師たちの会合は明後日の方向へ話が移り変わり、もはや混沌としてわけがわからない。
しかし、そこにいる皆の表情は楽しげなものであり、何かしらの充実を感じさせるものだった。
それをどこか満足げな顔で見遣った女魔術師は、“あなた”へこう告げる。
「別に輪の中に入るのに規則とか掟とか、そんなものは一切ないんですけれどもね。
毎晩気が向いた人たちが集まってこうやってだらだらしているんです。良ければ、いつでも来てください。
歓迎しますよ。多ければ多いほど、こういうのは楽しいものですから―――」
名前の記入をお願いします | 学部名はどこです? | この飲みか…集会に対するスタンスは? | ところで何を注文します? |
今朝霧今日風(19歳) | 現代魔術科です! | 最初はパブにお夕飯を食べに来ただけだったんですけどね……いつの間にかあの二人をはじめとしたみんなに巻き込まれちゃいました。でも、みんなで一つの事についてあれこれお話しするのは楽しいです。……ルーシーのあれですか?そうですね、思い付いて即自分で試す前に綿密にシミュレーションや実験するべきだと思いますよ。特に飛行使い魔に引っ張って貰うって言うのはアニメじゃないんですから | ビーフ・アンド・エール・パイで!お酒は少ししか飲めないのでシードルをお願いします |
高飛車なウェイター | "元"法政科 | なぁに? わたくしに尋ね事ですの? オーホッホッホ!! 良いでしょう! 下賤の望みを叶えるのもノヴレスオブリー…(あ、なんですか店主? あ、はい。はい。うるさい? …給料カット!? いや、給料カットはちょっと…はい…手短に? はい、手短に)オ、オホン、手短にお話しましょう。わたくし、訳合ってこのパブでアルバイトの真似事をしておりまして、彼女らと出逢ったのもそれが切っ掛け。専らお酒を出す側で、あの能天気酔いどれ集団には所属していませんのよ。店主は数杯でやたら粘るだのツケが溜まってるだの溢していましたが雇われの私としてはどうでも──いえ何でもありません。……とにかく、空を飛べたら素敵でしょうね。完成した暁には私もご一緒させてほしいものですわ | スコッ……勤務中なのでお水を |
愛花・松風=クラシルニコワ | 全体基礎科でござる | ルクレツィア殿の論説に感銘を受け、拙者も自分なりに如何にして人体を飛翔させるかを研究したいと考えた次第にござる。 それはそうと、個人的な勉学の場としても利用させていただいているでござる。未だ進路も決まらぬ身、何処に進んでも不自由なきように幅広く学んでいかねばならぬのでござるよ。 | バニラアイスとコーヒーをいただくでござる |
ディナンドリ・エル=ソール | 天体科だが、わけあってエルメロイセンセーに教わってるぜ | いつもみてーに行きつけのパブでラムでもやるかと思ったら、ボロい店にゃ似合いもつかねえ、あの美しい、高貴な紫のカトレアのような 何でも名門貴族だって話だが、なかなかどうして鼻にかけねえ話し振りだったんでよ。酔った勢いで口説きに行ったはいいが、フタを開けてみりゃこいつぁびっくり、飛行魔術の事しか話しやがらねえアホのアヒージョじゃねえか! しかも酔ってんのかシラフなんだか知らねーが、頭にガスパッチョでも詰まってんじゃねーかって案を次々出すんだよ、アンニャローは。さっさと退散するつもりだったんだが…いつの間にか人も増えて、大所帯での定期飲み会だ。俺としちゃ静かな方がいいが、これはこれで悪くねえ。可愛い子も多いしな。 この前はジェット飛行に絡めて、炎魔術による そもそも移動なんてもんは今じゃ文明の利器ってモンがあんだから、車だのヒコーキだの飛ばして行きゃそれでけっこうじゃねえか。 とまあ突っ込みゃキリがねえが、何だかんだここ最近での楽しみにしてんのよ。 | ブランデーをくんな!とっておきの三ツ星のやつをだぜ! |
オルフィリア・プライムストーン | は、恥ずかしい話ですが…… まだ時計塔に入ったばかりで全体基礎科です… | 時計塔デビューを無事に果たし、一息つくために入った店で何やら騒がしい声が響いていた。 公共の場で、それも魔術師たちがけしからーん!これは一声注意をせねば!と近づいたが最後、 あなたも魔術師なのと一目で看破され自己紹介をされるがままに聞いてそして集まっている理由を聞いてそして…… 気付いたときには私は彼女たちの仲間になっていたのだ…… いや全然迷惑ではない……。と、時計塔という場所は陰謀が渦巻く場所と聞いていたから…正直とても怖かったのだ…… そんな中、たくさんのフランクな人たちに囲まれているのは、とても気分がいいと思える そ、それはそれとして!非常識な方法は存分に注意しますからねルクレツィアさん! あと騒がしいのも禁止です!他のお客様の迷惑になりますから! | 未成年ですのでアルコールはなしで…… チーズケーキをお願いします |
アルフィン・グラインドストーン&【エド】(じゅうky…二十歳Ver) | 家の事もあってねー、何の因果か 『とはいえまったく、 | 風の噂で耳にした。 「動物科に面白い女が居る」「それを中心とした奇妙な集まりがある」「そこに石の一族の小娘が巻き込まれた」 真相を確かめるため、我々はNASA…じゃーなくって、件のパブへと向かったのである。巻き込まれた親戚の事も心配だしね!……心配してたのはホントだよ?心配しつつも面白い事になってないかなーって期待してただけで!うん♪*1 で、話を聞いてみればトーコトラベル以上のイカしてる新しい飛行方法を模索するとかナントカ。そんな想像通り面白い話をしながらの酒飲み騒ぎ。その中心が自分の学部の先輩である以上、巻き込まれないのは失礼だろ? 『と、言う訳であるんぬ。時に……何故我輩の背に怪しげなペットボトルロケットを装着するんぬ?しかも水から魔力を感じるんぬ?飛ぶんぬ!?飛ばすんぬ!?誰か動物愛護団体と獣医と弁護士を呼ぶんぬっ!!』 | 今日はスタウトってヤツを試してみよっかなー?……お前、未成年だろって?あれー、そうだったかなぁー?とりあえず一杯飲んだら思い出す事にするよー。 『そして我輩、さりげなくモンプチのチュール添えを所望するんぬ』 |
ダント・ヴォードン | 降霊科……としておこうか。 | ひとつ、例え話をしようか。 毎夜古ぼけたパブに集まって馬鹿騒ぎをする馬鹿共の集まりがある。その中心に立つのは、まだ若いが才能に溢れるひとりの魔術師だ。 周りの顔触れを眺めてみよう。どいつもこいつも脳味噌にドブが詰まってチャポチャポと音を立ててそうな阿呆面を晒してるが、どれ、よく見てみるとこれも名だたる そいつを知った、お偉方は少しざわつく。何、千年を越える歴史に凝り固まった権力の温床は、今更その程度じゃビクともしない。ニュービー共がどれだけ集まっても、なんの痛手にもなりやしない。しない……が。痛くはなくともむず痒いもんだ。 そう言うのを嫌う何処かの誰かも居る。だから、そう言う何処かの誰かが、使いっ走りのクソを走らせて、そいつらを調べさせるってのもまぁ自然な話だろう? 警戒心の欠片も無い阿呆共の集まりに、一人くらい知らない顔が増えたところで、奴らは何も気が付かない。知らぬ間に奴らは権力闘争の最中に派閥として取り込まれ、利用され、捨てられる。 しかし。しかし、だ。困ったことに、その使いっ走りのクソは、阿呆たれどものバカ騒ぎを眺めて……何をトチ狂ったか居心地が良いなんて思っちまった。もう少し、このまま放っておいても構いやしない、と。 だから、そいつは今日も素知らぬ顔で上司に報告するのさ。本日も異常なし、阿呆共は平常運転ですってな。嘘は吐いちゃいないだろ? おっと、俺とした事が、長々と随分つまらん話をしちまった。まあ、俺とお前の仲だ。こいつは秘密にしておいてくれよ?ジョークのセンスが無いと思われるのは御免だからな。 | スピリタスをストレートで頼む。 |
アーヴィン・アッカーソン | 鉱石科と植物科の掛け持ちだ。 | もしも空を飛べたなら、と――誰もが一度は考えたことがあるだろう。 もちろん俺も、その一人だ。 音楽が言葉を超えて人を魅了するように、空もまたあらゆる壁を超えて人を惹きつける。 空が巨大な一枚の譜面だとするならば、空を飛ぶことは差し詰め記譜であり飛行理論とは一つの音楽だ。 だから俺はここにいる。 | アイリッシュコーヒーを一杯、軽めでお願いしよう。 酔って指先を鈍らせるのは、演奏家としては頂けない。 |
ラ・ルーナ・デ・アウストリア=ハプスブルグ(13歳) | 鉱石科ですよ! | まあ、ほら。私はこれでも王族の末裔で曲がりなりにも王女なわけですから?お姫様なわけですよ。 この時計塔だろうとそこらへんの身分の違いは弁えて貰わないと困りますし、礼節というのも大事ですよね! そこにいくと時計塔の魔術師の皆さんは素晴らしくて、なんと私のこの溢れるカリスマに敬意を払ってか、不思議と半径5m以内に誰も近寄ってこないんですよ。 おかげで私も大音量での音楽鑑賞に集中できるというものです!まあ、どうしてもと言うならお話してあげないこともありませんけど? この私から話しかけるなんてことをしてしまったら相手を萎縮させてしまうかも知れませんし、そう、これは機会を皆さんに委ねているだけなのですよ! ……で、そんな私に臆すること無く話しかけ(それも一人の知り合いに話しかけるような無礼さで!)てきた方こそ、彼女ルーシーさんだったわけですね! なるほど、このアウストリア家第三王女であるこの私に話しかけるとはいい度胸です。その勇気に免じて無礼を許しましょう!それで……え、なに?空を飛ぶ?? そんなこんなで(数年ぶりに家族以外と話した緊張で何も覚えていない、なんてわけではないですから!)私は彼女が「空を飛ぶ」のを眺めるという、奇妙な集団の一員になっていたわけです! スーパーマンじゃあるまいし、人間が空を飛ぶなんてあり得るんでしょうかね。まあ私は王女ですし余裕溢れるプリンセスですから?事の成り行きを見守ってあげる器量の深さは持ち合わせていますよ、ええ。 それにお祖父様も言っていました。既存の常識を打ち破って、誰もが諦めたものに挑戦してこそ魔術師なのだと!だから私は彼女を認めて、この会に加わってあげたのですよ! べ、別に?誰とも馴染めなくて寂しかったから、つい嬉しくなっちゃって勢いで入ったとか?そういうんじゃないですから! それにこの会の皆様は私をお姫様として丁重に扱ってくれますからね!ちゃーんと身分の違いを弁えて、敬ってくれているんです!流石は時計塔の魔術師さん達です! …………え、このソイソースですか?いいですよ、この王女に頼み事をするというその度胸に免じて取ってあげます!はいどうぞ! ……あ、私のこのネックレスは特注のものなので、空は飛べないと思いますよ。浮くことは出来ると思いますけどね。多分。 | あー……アールグレイはありますか?90℃で淹れて、そこに輪切りのオレンジを浮かべてください! |
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