最終更新:ID:ru7ZW01Q4w 2020年09月12日(土) 00:47:56履歴
シュターネンスタウヴ家が修めている魔術。
………なのだが、そもそもヴィルマは急造の当主であり、魔術に関することは基礎的なことしか学んでいない。
よってヴィルマが扱えるのは基礎に毛が生えた程度のもの。全く役に立たないことはないが易く戦局を変えるに至るような術は扱えない。
………なのだが、そもそもヴィルマは急造の当主であり、魔術に関することは基礎的なことしか学んでいない。
よってヴィルマが扱えるのは基礎に毛が生えた程度のもの。全く役に立たないことはないが易く戦局を変えるに至るような術は扱えない。
本人が扱える魔術の拙さに反し本人が内包する魔力量だけは相当なもの。
強力なサーヴァントが全力で性能を行使したとしても燃費の悪い宝具を連発するなどしない限りは尽きることはない。
これだけ見ると優れた能力を持っているように見えるが、生まれつき魔術回路の本数が少ないという魔術師として致命的な欠陥を持つ。
これにより扱える魔術が少なく、今後ヴィルマはどれだけ修練したとしても魔術師として大成することは決して無い。
移植された魔術刻印も未だ修復段階にあり、それはドイツの情勢のせいで遅れている。よってシュターネンスタウヴ家の固有の魔術も使えない。
あくまで伯林聖杯戦記の大勢には影響しない話だが、先天的に回路が少なく扱える魔術の幅が狭いだけでヴィルマが持つ魔術へのセンス自体は結構なものがある。
この素質は後年において驚くべき才覚を示していく彼女の子孫に受け継がれていくこととなる。
強力なサーヴァントが全力で性能を行使したとしても燃費の悪い宝具を連発するなどしない限りは尽きることはない。
これだけ見ると優れた能力を持っているように見えるが、生まれつき魔術回路の本数が少ないという魔術師として致命的な欠陥を持つ。
これにより扱える魔術が少なく、今後ヴィルマはどれだけ修練したとしても魔術師として大成することは決して無い。
移植された魔術刻印も未だ修復段階にあり、それはドイツの情勢のせいで遅れている。よってシュターネンスタウヴ家の固有の魔術も使えない。
あくまで伯林聖杯戦記の大勢には影響しない話だが、先天的に回路が少なく扱える魔術の幅が狭いだけでヴィルマが持つ魔術へのセンス自体は結構なものがある。
この素質は後年において驚くべき才覚を示していく彼女の子孫に受け継がれていくこととなる。
モーゼル社によって開発されたセミオートマチックハンドガン。当然ながら魔術に関する礼装ではない。
32口径。装弾数8+1発。ナチスドイツの将校用に生産された。支給こそされたもののヴィルマはまともに撃ったことはない。
装弾こそされているものの、専ら銃身に彫られた刻印によるアーネンエルベ機関関係者の証明書代わりになっている。
32口径。装弾数8+1発。ナチスドイツの将校用に生産された。支給こそされたもののヴィルマはまともに撃ったことはない。
装弾こそされているものの、専ら銃身に彫られた刻印によるアーネンエルベ機関関係者の証明書代わりになっている。
ダークブロンドの髪をハーフアップに纏めている。肌は白く、明るい色の青い瞳。
適度に整った顔立ちだが、目の下には隈が浮かんでいて不健康そう。常に硬い表情が取っ付きにくさや冷淡さといった印象を与える。
品の良さそうなブラウスと長いスカートの上からナチスドイツ軍における将官の上着だけ羽織っている。
これはアーネンエルベ機関の所属であることを示す特別な軍服であり、市街における軍との遣り取りを円滑にするための証拠となっている。
適度に整った顔立ちだが、目の下には隈が浮かんでいて不健康そう。常に硬い表情が取っ付きにくさや冷淡さといった印象を与える。
品の良さそうなブラウスと長いスカートの上からナチスドイツ軍における将官の上着だけ羽織っている。
これはアーネンエルベ機関の所属であることを示す特別な軍服であり、市街における軍との遣り取りを円滑にするための証拠となっている。
イメージカラー:焦げ茶
特技:料理
好きなもの:独りでいること(好きなものというより楽なこと)
苦手なもの:自分の周りのもの殆ど
天敵:自分の周りのもの殆ど
願い:ヴィルマにそのような希望を持つ余地はない
【一人称】私 【二人称】あなた 【三人称】あなたたち、○○○たち
シュターネンスタウヴ家はドイツの古い貴族であり魔術師の家柄である。1300年ほどの歴史を持つ。
しかし長男・次男に続いて妾が生んだ双子の姉という立場にあるヴィルマにシュターネンスタウヴ家での立場はない。
更に『潜在的に持つ魔力量はかなりのものだが魔術回路の本数が少ない』という才能の欠如を露呈すれば尚更だ。
生まれ落ちたその時からヴィルマは周囲からの陰湿な悪意と共に育った。
母の顔は見たことがない。父は最初からヴィルマに興味はなく、生まれてこの方言葉をかわしたことなどほとんど記憶にない。
シュターネンスタウヴ家の将来の当主として未来が約束されている才能ある長男はヴィルマを嘲った。
長男に万が一があった時のスペアである次男は性格が歪み、ある時からヴィルマに性的虐待を加えるようになった。
双子の妹は上昇志向が強く、当主の座を奪い取る算段を立てながら才能のない姉を馬鹿にし虐げることで心の平衡をどうにか保っていた。
使用人からすら陰口を叩かれて育ったヴィルマの心が腐るのはあまりにも早い段階でのことだった。
ドイツは第1次世界大戦の敗北、深刻な経済危機、そしてナチスドイツの台頭と激流の中にいたが、ヴィルマには関係のないことだった。
飼い殺しも同然に屋敷の中で毎日を過ごし、全てを諦めて無抵抗に悪意を浴びるヴィルマに世情のことなど遠い世界の話に過ぎなかった。
状況が変わったのは第二次世界大戦が勃発した1939年が明けた、1940年の晩冬のことだった。
突如として当主である父を始めとして長男、次男、そして双子の妹が死亡するという事件が起きる。
混乱に陥るシュターネンスタウヴ家において突然次の当主として担ぎ上げられたヴィルマが知ったのは、我が家がナチスドイツに加担していたという事実だった。
それも世界中の神秘を取り扱いそれらの奇跡を戦争に役立てようとして設立されたアーネンエルベ機関にである。
『聖杯』と呼ばれる万能の願望器へ生贄として焚べる『サーヴァント』の研究をしていた当主と長男に対し次男と双子の妹による造反が発生。
共倒れによって双方とも全滅したというのが事件の真相だった。
既にアーネンエルベ機関の研究に両足まで浸かっていたシュターネンスタウヴ家がここでリアイアすることは許されず、なし崩しにヴィルマは関わることになる。
とうに萎えきっている心を宗家当主を担っているという鎧で必死に覆い隠し、表情を氷漬けにして隙間を塞ぎ、冷酷な人間を演じることで面目を保った。
周囲からの『画策して当主の座を奪い取ったのではないか』という根も葉もない噂から来る冷ややかな目線にも耐えた。
ドイツの敗北が濃厚となる1945年2月、とうとう計画は実行され、魔力量の多さからマスター適性の高かったヴィルマはサーヴァントを召喚する。
そして、彼女自身の運命となる聖杯戦争へ身を投じていくのだった。
しかし長男・次男に続いて妾が生んだ双子の姉という立場にあるヴィルマにシュターネンスタウヴ家での立場はない。
更に『潜在的に持つ魔力量はかなりのものだが魔術回路の本数が少ない』という才能の欠如を露呈すれば尚更だ。
生まれ落ちたその時からヴィルマは周囲からの陰湿な悪意と共に育った。
母の顔は見たことがない。父は最初からヴィルマに興味はなく、生まれてこの方言葉をかわしたことなどほとんど記憶にない。
シュターネンスタウヴ家の将来の当主として未来が約束されている才能ある長男はヴィルマを嘲った。
長男に万が一があった時のスペアである次男は性格が歪み、ある時からヴィルマに性的虐待を加えるようになった。
双子の妹は上昇志向が強く、当主の座を奪い取る算段を立てながら才能のない姉を馬鹿にし虐げることで心の平衡をどうにか保っていた。
使用人からすら陰口を叩かれて育ったヴィルマの心が腐るのはあまりにも早い段階でのことだった。
ドイツは第1次世界大戦の敗北、深刻な経済危機、そしてナチスドイツの台頭と激流の中にいたが、ヴィルマには関係のないことだった。
飼い殺しも同然に屋敷の中で毎日を過ごし、全てを諦めて無抵抗に悪意を浴びるヴィルマに世情のことなど遠い世界の話に過ぎなかった。
状況が変わったのは第二次世界大戦が勃発した1939年が明けた、1940年の晩冬のことだった。
突如として当主である父を始めとして長男、次男、そして双子の妹が死亡するという事件が起きる。
混乱に陥るシュターネンスタウヴ家において突然次の当主として担ぎ上げられたヴィルマが知ったのは、我が家がナチスドイツに加担していたという事実だった。
それも世界中の神秘を取り扱いそれらの奇跡を戦争に役立てようとして設立されたアーネンエルベ機関にである。
『聖杯』と呼ばれる万能の願望器へ生贄として焚べる『サーヴァント』の研究をしていた当主と長男に対し次男と双子の妹による造反が発生。
共倒れによって双方とも全滅したというのが事件の真相だった。
既にアーネンエルベ機関の研究に両足まで浸かっていたシュターネンスタウヴ家がここでリアイアすることは許されず、なし崩しにヴィルマは関わることになる。
とうに萎えきっている心を宗家当主を担っているという鎧で必死に覆い隠し、表情を氷漬けにして隙間を塞ぎ、冷酷な人間を演じることで面目を保った。
周囲からの『画策して当主の座を奪い取ったのではないか』という根も葉もない噂から来る冷ややかな目線にも耐えた。
ドイツの敗北が濃厚となる1945年2月、とうとう計画は実行され、魔力量の多さからマスター適性の高かったヴィルマはサーヴァントを召喚する。
そして、彼女自身の運命となる聖杯戦争へ身を投じていくのだった。
冷然としていて何に対しても心を動かさず、表情も変えず、聖杯戦争に参加する魔術師らしい冷酷さに満ちている………ように見える。
それらはシュターネンスタウヴ家当主として振る舞うための仮面に過ぎず、内面は負の感情で満ちている。
器でもないのに当主をしている惨めさ。聖杯戦争に参加してもマスターとしての死、参加しなくてもアーネンエルベ機関による死が約束されている絶望。
処女すらゴミのように失ったことを始めとする生来からの人生経験による腐りきった心。日頃から向けられる周囲からの偏見の目が呼び起こす悲嘆。
そういったものばかりで構築されている心の周りへシュターネンスタウヴ家の矜持でどうにか鎧を作って立ち上がり、平然としているふりをしているのがヴィルマという女である。
故にこの冷酷さも取り繕ったものなのでふとした調子に綻びを見せる。肝心なところで詰めが甘く、つい情をかけてしまう甘さがある。
またサーヴァントほど強靭な精神を持った相手の言葉には抗うことが出来ず、追従してしまう。
そのような自分もまた彼女の自己嫌悪の循環の一部であり、独りになると完全にグロッキーになって突っ伏してしまうこともしばしば。
人前で泣くことは決して―――余程のことが無い限り―――無いが、部屋に独りきりだと心が悲鳴を上げているかのように声もなくぽろぽろと涙を零すこともよくある。
不眠症を患っており、酒に頼らないとまともに眠ることすら出来ない。
人間不信から来る人間嫌いで、誰かと共にいることに居心地の悪さを覚えるが、一方封じ込めた心の奥底の深層心理では自分を預けられる誰かに飢えている。
心の余裕のなさはヴィルマから趣味などの精神的活動に携わる余地を奪っていったが、唯一料理だけは得意。
家族と共に摂る食事は全く気が休まらず、殆ど喉を通らなかったので後でこっそり厨房に立ち自分の分だけ作るという過去がヴィルマの料理の腕前を磨かせた。
独学であり荒削りだが要点は押さえてあり普通に美味しいものを作ることが出来る。彼女自身、何も考えずに調理に没頭する時間はほぼ唯一の救いである。
それらはシュターネンスタウヴ家当主として振る舞うための仮面に過ぎず、内面は負の感情で満ちている。
器でもないのに当主をしている惨めさ。聖杯戦争に参加してもマスターとしての死、参加しなくてもアーネンエルベ機関による死が約束されている絶望。
処女すらゴミのように失ったことを始めとする生来からの人生経験による腐りきった心。日頃から向けられる周囲からの偏見の目が呼び起こす悲嘆。
そういったものばかりで構築されている心の周りへシュターネンスタウヴ家の矜持でどうにか鎧を作って立ち上がり、平然としているふりをしているのがヴィルマという女である。
故にこの冷酷さも取り繕ったものなのでふとした調子に綻びを見せる。肝心なところで詰めが甘く、つい情をかけてしまう甘さがある。
またサーヴァントほど強靭な精神を持った相手の言葉には抗うことが出来ず、追従してしまう。
そのような自分もまた彼女の自己嫌悪の循環の一部であり、独りになると完全にグロッキーになって突っ伏してしまうこともしばしば。
人前で泣くことは決して―――余程のことが無い限り―――無いが、部屋に独りきりだと心が悲鳴を上げているかのように声もなくぽろぽろと涙を零すこともよくある。
不眠症を患っており、酒に頼らないとまともに眠ることすら出来ない。
人間不信から来る人間嫌いで、誰かと共にいることに居心地の悪さを覚えるが、一方封じ込めた心の奥底の深層心理では自分を預けられる誰かに飢えている。
心の余裕のなさはヴィルマから趣味などの精神的活動に携わる余地を奪っていったが、唯一料理だけは得意。
家族と共に摂る食事は全く気が休まらず、殆ど喉を通らなかったので後でこっそり厨房に立ち自分の分だけ作るという過去がヴィルマの料理の腕前を磨かせた。
独学であり荒削りだが要点は押さえてあり普通に美味しいものを作ることが出来る。彼女自身、何も考えずに調理に没頭する時間はほぼ唯一の救いである。
基本的にアーネンエルベ機関やサーヴァントの提示する方針のイエスマン。
食い違った場合はサーヴァントの方に追従する。どちらが脅威であるかといえばサーヴァントの方なので。
聖杯戦争を戦っていく中で彼女なりに何らかの成長を遂げてそれらへ逆らうことがあるかどうか、それはまだ分からない。
食い違った場合はサーヴァントの方に追従する。どちらが脅威であるかといえばサーヴァントの方なので。
聖杯戦争を戦っていく中で彼女なりに何らかの成長を遂げてそれらへ逆らうことがあるかどうか、それはまだ分からない。
分かりやすく媚びへつらうことはしないが、自分が所詮サーヴァントの魔力タンクに過ぎないことは承知している。
逆らったりもしないが、距離を詰めようともしない。どんな状況でも自分が誰かにとって都合のいい道具に過ぎないことに慣れきっているため文句も言わない。
………エピソード2話でマスター1に出会ったことで微かな変化の兆しがあるならヴィルマにも自分のサーヴァントと本当の信頼関係を結ぶ事があるのかもしれない。
逆らったりもしないが、距離を詰めようともしない。どんな状況でも自分が誰かにとって都合のいい道具に過ぎないことに慣れきっているため文句も言わない。
………エピソード2話でマスター1に出会ったことで微かな変化の兆しがあるならヴィルマにも自分のサーヴァントと本当の信頼関係を結ぶ事があるのかもしれない。
伯林聖杯戦争において契約したサーヴァント。他の参加者たちよりも2ヶ月ほど早いタイミングでの召喚であった。とはいえ、信頼関係の進展はほぼゼロ。
ヴィルマは自分がこのサーヴァントの霊基を維持する燃料タンク以外の存在ではないことを受け入れてしまっていたし、サーヴァントもそうだろう(とヴィルマは思っていた)。
ヴィルマを通じてサーヴァントの制御を図っていたアーネンエルベ機関はバーサーカーの召喚をヴィルマに指示したが、狂化のレベルがE止まりというのも計算外だった。
よって奔放に振る舞うバーサーカーに対してヴィルマはアーネンエルベ機関の意向を伝えはするものの半ば放任気味であり、凄まじく強力であるが故に行動を縛りきれない礼装くらいの認識しか持っていなかった。
―――とても簡単な話。誰にも人間扱いされない人間は、翻れば誰のことも人間扱いできないのだ。
その関係が変化を見せ始めるのは5話においてヴィルマがカノンと直接話をした後。
バーサーカーでもアーネンエルベ機関でもなく自分の意思でカノンたちを見逃すことをヴィルマが指示した辺りから少しずつ変わり始める。
7〜8話の幕間において共に屋敷に戻ったバーサーカーへ簡単な手料理を振る舞ったりと予兆を見せていたヴィルマの変化は10話において決定的なものに。
敗れはしたものの、鬱憤を破裂させて開き直ったヴィルマはバーサーカーにも自棄糞気味ながら真正面から向き合うようになり、こうしてようやく最終局面においてこの主従は完成するのだった。
もとより強力なサーヴァントがその性能を十全に発揮できるマスターと意思が噛み合った際の脅威、推して知るべし。
敵対するマスターでありながら、不思議な人。
二話において一瞬の隙を突かれ必殺の立場へ自分を追い込んでおきながら、向けた銃口の引き金を引けなかった青年。
ほんの刹那のこととはいえ奪うべき命を奪わなかったことからほんのりと興味を持つ。とはいえここでは顔を覚える程度。
転機は5話。サーヴァント7の攻撃で地下防空壕が崩落し瓦礫と共に地下に落ちたヴィルマをとっさにカノンが庇うという事態が発生。
瓦礫で埋まったことで崩落現場から外へは脱出できず、カノンのランタンは壊れ、照明や道案内はヴィルマの降霊術頼りで、そのヴィルマは落下の際に足を痛めて満足に歩けない。
そして地上は未だ戦闘中で速やかに地上に戻らなければならない、という要素が重なったことで共に暗闇の地下防空壕を歩いていくことになる。
途中でぽつぽつと互いの生い立ちを話す中で「何故聖杯戦争を戦うのか」という命題を互いが互いに投げかける。
流されるままに誰かの道具として戦うヴィルマをカノンは否定し、具体的な先行きもなく漠然と戦うカノンをヴィルマは疑問視した。
ここで交わした問題提議が後のふたりのパラダイムシフトへ密接に関わっていくことになる。
「それは間違ってると思います。誰かの言いなりになって戦っても、それを命じた相手は何も報いることはない」
「そうね。馬鹿みたいね。私」
絶望に浸ることでずっと麻痺させていた疑問がカノンとの出会いを切っ掛けに氷解を始める。
それに苦しみつつもアーネンエルベ機関の指先として忠実に指令を実行し続けるが、最終決戦時にカノンと雌雄を決することになる。
既にヴィルマを倒すべき敵として認識できなくなっていたカノンの呼びかけによりついに押し込めていたものが決壊、洗いざらいに思いを吐き出した頃サーヴァント同士の戦いも決していた。
以降、亡霊のような顔つきから不貞腐れたような表情に変わったヴィルマは強い信頼をカノンへ寄せるようになる。
聖杯破壊後は混乱の中で逸れ、互いに足取りは掴めなくなる。再会は第二次世界大戦が集結した数年後。
それは劇的でも何でも無く。まるで日常の一コマのように。ロンドンの街頭ですれ違い、互いに振り返った。
ちなみにファーストキスの相手。
立場の弱さを利用されて犯されてきたヴィルマにとって唇を重ねられることは何度もあったが、重ねたのはカノンが最初の人。半ば人工呼吸のようなものだったが。
再会後、紆余曲折あった末にカノンをシュターネンスタウヴ家の婿養子にする形で結婚することになる。
この聖杯戦争に関わったことで地に落ちたシュターネンスタウヴ家の評判は、やがてヴィルマとカノンの子孫によって大きく回復していくことになる。
バーサーカー以外のサーヴァントは驚異的な兵器としてしか見なさないヴィルマにとって数少ない、その人格に触れる機会がある英霊。
とはいえ、きちんと心を通わせるに至るのは最終盤。バーサーカーを辛うじて倒し、しかし息の根は止めず、そのままセイバーがマスターの元に戻ってきてからになる。
多少戦った形跡があるくらいでまともに殺し合いをした様子もなく、少しはにかんだ様子のカノンと不貞腐れた表情のヴィルマが共に歩いてくるのを見てセイバーは多くを察するのだった。
自分よりも入念に「個」を潰された少女に対し、最終決戦までのごく短い時間ではあったがセイバーにしては普段の寡黙さが薄れ珍しく積極的に接する。
常に毅然とするべきという信念が、自己と同じく「個」の希薄な存在という要素で打ち消されあった結果である。
年の離れた姉が妹に対するような猫可愛がりぶりにヴィルマは戸惑いを覚えつつも、嫌な気はしなかったそうな。
共闘、敵対、共闘と目まぐるしくスタンスが変わる相手。
悪意に満ちた発言を向けられたとしても黙って耐えるのは慣れっこなので、(少なくとも表面上は)何を言われても取り乱したりせず塩対応。
が、聖杯戦争も終盤、悪竜を討つ段に至った時だけ向けられた軽口に対して真っ向から意趣返しの発言をして静香を驚かせる。
最後まで人間的な相性は悪く、不仲。もっとも最終決戦時以降の開き直ったヴィルマは静香に対してもぐさぐさと遠慮のない物言いをするのである意味では仲が良いのかもしれない。
聖杯を勝ち取ろうとするヴィルマに立ち塞がる相手。強大なサーヴァント3をして苦戦せしめるサーヴァントを従えた強敵。
しかし人間的には根本的に噛み合わない。彼の言葉は届く届かない以前に宇宙人が語る価値観の如く理解不能である。
ヴィルマの持つ義が不知火の義を上回ったから勝った?―――いいえ、単純にこちらのサーヴァントがそちらのサーヴァントより強かったというだけのこと。
義を貫けだの、曲げるなだの、そんなことを言われてもそんなものなど無いヴィルマにはまるで響きはしないのだった。
斯くして遠い東国のサムライの骸は異国の地で野晒しとなる。………弱者を大勢ガス室送りにした国で弱者を守るだなんて口にした時点で彼は間違えていたのかも知れない。
アーネンエルベ機関における同僚。ナチスに聖杯を齎すために戦っている、という点では共通するので積極的には戦うことのない関係。
一度だけ明るい調子で声をかけられたことがあったが、ヴィルマの方はとても友好的とはいえない態度で接し、その後は特に接点がない。
同じ所属、同じ聖杯戦争の参加者というだけで、顔もまともに覚えてはいない。
アーネンエルベ機関における同僚。正規の軍人ではない「協力者」という立場は一緒。ヴィルマにとっては上司にあたる。
例によってヴィルマは課された役割さえ果たせるのなら周りからどう思われようと構わない、というスタンスなのでゼノンに対してもさほど興味を持ったことはない。
あくまでヴィルマへ研究課題を通達してくる人物のひとり。変わった魔術を使う魔術師だな、という程度の認識。
ゼノンが推し進めていた英霊兵の研究もヴィルマはほぼノータッチ。技術体系と試作品を軽く目にしたことがあるくらい。
7話でゼノンとゼノンのサーヴァント、そして彼が率いる英霊兵に襲われたことでヴィルマは自身が切り捨てられようとしていることを知ることになる。
傷つき惑いつつも主体性を持つことを許されることなく生きてきたヴィルマはあくまで当初に与えられた目的通りにナチスへ聖杯を齎すため戦うことを選択。
しかしカノンたちとの戦いで押し込めていた感情の堰が破れ、最終的に微かな克己を遂げたヴィルマは悪竜現象と化したゼノンに対し果敢に立ち向かうのだった。
アーネンエルベ機関における同僚。………ではあるのだが、実は覚えているのは顔と名前くらいというだけの人。
他の研究者や軍関係者も似たようなものなのでヴィルマにとっては「他の人より積極的に私を嘲笑ってくるどなたか」でしかない。
謂れのない悪意に晒されるのに慣れすぎたヴィルマにとって、コンスタンティンの妄想が周囲にとっての真実になるのもどうでもいいことだった。
何故なら、ヴィルマはいつだって誰かにとって都合のいい道具に過ぎないのだから。立場としてはコンスタンティンは上司に当たるので尚更だった。
結果的に彼はヴィルマの知らぬところで処断されることになるのだが、戦後にあってもその行方についてヴィルマが特に興味を持つことは無いのだった。
アーネンエルベ機関関係者として戦争が激化する前から交流がある。
とはいえ、聖杯戦争が始まるまでは彼も「ヴィルマを都合のいい道具として扱う誰か」でしかない。故に踏み込むこともしない。
故に、きちんと彼と彼女が一個の人格として向き合うのは聖杯戦争の終盤どころではなく終結した後ということになる。
自棄気味でありながら強引に開き直ったヴィルマという少女の瞳の光へ、オットーはひとりほくそ笑むのだった。
ヴィルマは自分がこのサーヴァントの霊基を維持する燃料タンク以外の存在ではないことを受け入れてしまっていたし、サーヴァントもそうだろう(とヴィルマは思っていた)。
ヴィルマを通じてサーヴァントの制御を図っていたアーネンエルベ機関はバーサーカーの召喚をヴィルマに指示したが、狂化のレベルがE止まりというのも計算外だった。
よって奔放に振る舞うバーサーカーに対してヴィルマはアーネンエルベ機関の意向を伝えはするものの半ば放任気味であり、凄まじく強力であるが故に行動を縛りきれない礼装くらいの認識しか持っていなかった。
―――とても簡単な話。誰にも人間扱いされない人間は、翻れば誰のことも人間扱いできないのだ。
その関係が変化を見せ始めるのは5話においてヴィルマがカノンと直接話をした後。
バーサーカーでもアーネンエルベ機関でもなく自分の意思でカノンたちを見逃すことをヴィルマが指示した辺りから少しずつ変わり始める。
7〜8話の幕間において共に屋敷に戻ったバーサーカーへ簡単な手料理を振る舞ったりと予兆を見せていたヴィルマの変化は10話において決定的なものに。
敗れはしたものの、鬱憤を破裂させて開き直ったヴィルマはバーサーカーにも自棄糞気味ながら真正面から向き合うようになり、こうしてようやく最終局面においてこの主従は完成するのだった。
もとより強力なサーヴァントがその性能を十全に発揮できるマスターと意思が噛み合った際の脅威、推して知るべし。
敵対するマスターでありながら、不思議な人。
二話において一瞬の隙を突かれ必殺の立場へ自分を追い込んでおきながら、向けた銃口の引き金を引けなかった青年。
ほんの刹那のこととはいえ奪うべき命を奪わなかったことからほんのりと興味を持つ。とはいえここでは顔を覚える程度。
転機は5話。サーヴァント7の攻撃で地下防空壕が崩落し瓦礫と共に地下に落ちたヴィルマをとっさにカノンが庇うという事態が発生。
瓦礫で埋まったことで崩落現場から外へは脱出できず、カノンのランタンは壊れ、照明や道案内はヴィルマの降霊術頼りで、そのヴィルマは落下の際に足を痛めて満足に歩けない。
そして地上は未だ戦闘中で速やかに地上に戻らなければならない、という要素が重なったことで共に暗闇の地下防空壕を歩いていくことになる。
途中でぽつぽつと互いの生い立ちを話す中で「何故聖杯戦争を戦うのか」という命題を互いが互いに投げかける。
流されるままに誰かの道具として戦うヴィルマをカノンは否定し、具体的な先行きもなく漠然と戦うカノンをヴィルマは疑問視した。
ここで交わした問題提議が後のふたりのパラダイムシフトへ密接に関わっていくことになる。
「それは間違ってると思います。誰かの言いなりになって戦っても、それを命じた相手は何も報いることはない」
「そうね。馬鹿みたいね。私」
絶望に浸ることでずっと麻痺させていた疑問がカノンとの出会いを切っ掛けに氷解を始める。
それに苦しみつつもアーネンエルベ機関の指先として忠実に指令を実行し続けるが、最終決戦時にカノンと雌雄を決することになる。
既にヴィルマを倒すべき敵として認識できなくなっていたカノンの呼びかけによりついに押し込めていたものが決壊、洗いざらいに思いを吐き出した頃サーヴァント同士の戦いも決していた。
以降、亡霊のような顔つきから不貞腐れたような表情に変わったヴィルマは強い信頼をカノンへ寄せるようになる。
聖杯破壊後は混乱の中で逸れ、互いに足取りは掴めなくなる。再会は第二次世界大戦が集結した数年後。
それは劇的でも何でも無く。まるで日常の一コマのように。ロンドンの街頭ですれ違い、互いに振り返った。
ちなみにファーストキスの相手。
立場の弱さを利用されて犯されてきたヴィルマにとって唇を重ねられることは何度もあったが、重ねたのはカノンが最初の人。半ば人工呼吸のようなものだったが。
再会後、紆余曲折あった末にカノンをシュターネンスタウヴ家の婿養子にする形で結婚することになる。
この聖杯戦争に関わったことで地に落ちたシュターネンスタウヴ家の評判は、やがてヴィルマとカノンの子孫によって大きく回復していくことになる。
バーサーカー以外のサーヴァントは驚異的な兵器としてしか見なさないヴィルマにとって数少ない、その人格に触れる機会がある英霊。
とはいえ、きちんと心を通わせるに至るのは最終盤。バーサーカーを辛うじて倒し、しかし息の根は止めず、そのままセイバーがマスターの元に戻ってきてからになる。
多少戦った形跡があるくらいでまともに殺し合いをした様子もなく、少しはにかんだ様子のカノンと不貞腐れた表情のヴィルマが共に歩いてくるのを見てセイバーは多くを察するのだった。
自分よりも入念に「個」を潰された少女に対し、最終決戦までのごく短い時間ではあったがセイバーにしては普段の寡黙さが薄れ珍しく積極的に接する。
常に毅然とするべきという信念が、自己と同じく「個」の希薄な存在という要素で打ち消されあった結果である。
年の離れた姉が妹に対するような猫可愛がりぶりにヴィルマは戸惑いを覚えつつも、嫌な気はしなかったそうな。
共闘、敵対、共闘と目まぐるしくスタンスが変わる相手。
悪意に満ちた発言を向けられたとしても黙って耐えるのは慣れっこなので、(少なくとも表面上は)何を言われても取り乱したりせず塩対応。
が、聖杯戦争も終盤、悪竜を討つ段に至った時だけ向けられた軽口に対して真っ向から意趣返しの発言をして静香を驚かせる。
最後まで人間的な相性は悪く、不仲。もっとも最終決戦時以降の開き直ったヴィルマは静香に対してもぐさぐさと遠慮のない物言いをするのである意味では仲が良いのかもしれない。
聖杯を勝ち取ろうとするヴィルマに立ち塞がる相手。強大なサーヴァント3をして苦戦せしめるサーヴァントを従えた強敵。
しかし人間的には根本的に噛み合わない。彼の言葉は届く届かない以前に宇宙人が語る価値観の如く理解不能である。
ヴィルマの持つ義が不知火の義を上回ったから勝った?―――いいえ、単純にこちらのサーヴァントがそちらのサーヴァントより強かったというだけのこと。
義を貫けだの、曲げるなだの、そんなことを言われてもそんなものなど無いヴィルマにはまるで響きはしないのだった。
斯くして遠い東国のサムライの骸は異国の地で野晒しとなる。………弱者を大勢ガス室送りにした国で弱者を守るだなんて口にした時点で彼は間違えていたのかも知れない。
アーネンエルベ機関における同僚。ナチスに聖杯を齎すために戦っている、という点では共通するので積極的には戦うことのない関係。
一度だけ明るい調子で声をかけられたことがあったが、ヴィルマの方はとても友好的とはいえない態度で接し、その後は特に接点がない。
同じ所属、同じ聖杯戦争の参加者というだけで、顔もまともに覚えてはいない。
アーネンエルベ機関における同僚。正規の軍人ではない「協力者」という立場は一緒。ヴィルマにとっては上司にあたる。
例によってヴィルマは課された役割さえ果たせるのなら周りからどう思われようと構わない、というスタンスなのでゼノンに対してもさほど興味を持ったことはない。
あくまでヴィルマへ研究課題を通達してくる人物のひとり。変わった魔術を使う魔術師だな、という程度の認識。
ゼノンが推し進めていた英霊兵の研究もヴィルマはほぼノータッチ。技術体系と試作品を軽く目にしたことがあるくらい。
7話でゼノンとゼノンのサーヴァント、そして彼が率いる英霊兵に襲われたことでヴィルマは自身が切り捨てられようとしていることを知ることになる。
傷つき惑いつつも主体性を持つことを許されることなく生きてきたヴィルマはあくまで当初に与えられた目的通りにナチスへ聖杯を齎すため戦うことを選択。
しかしカノンたちとの戦いで押し込めていた感情の堰が破れ、最終的に微かな克己を遂げたヴィルマは悪竜現象と化したゼノンに対し果敢に立ち向かうのだった。
アーネンエルベ機関における同僚。………ではあるのだが、実は覚えているのは顔と名前くらいというだけの人。
他の研究者や軍関係者も似たようなものなのでヴィルマにとっては「他の人より積極的に私を嘲笑ってくるどなたか」でしかない。
謂れのない悪意に晒されるのに慣れすぎたヴィルマにとって、コンスタンティンの妄想が周囲にとっての真実になるのもどうでもいいことだった。
何故なら、ヴィルマはいつだって誰かにとって都合のいい道具に過ぎないのだから。立場としてはコンスタンティンは上司に当たるので尚更だった。
結果的に彼はヴィルマの知らぬところで処断されることになるのだが、戦後にあってもその行方についてヴィルマが特に興味を持つことは無いのだった。
アーネンエルベ機関関係者として戦争が激化する前から交流がある。
とはいえ、聖杯戦争が始まるまでは彼も「ヴィルマを都合のいい道具として扱う誰か」でしかない。故に踏み込むこともしない。
故に、きちんと彼と彼女が一個の人格として向き合うのは聖杯戦争の終盤どころではなく終結した後ということになる。
自棄気味でありながら強引に開き直ったヴィルマという少女の瞳の光へ、オットーはひとりほくそ笑むのだった。
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