kagemiya@ふたば

「アンタ陸上部か。俺は鍵夜満。今日助っ人として参加させてもらう。よろしくな」

「このアイスは俺のおごりだ。」

「ノストラダムスの予言なんて。あるわけないだろそんなの、世界は滅ばないよ」

「爺さん、体の調子はいいのか？俺が飯作るから休んでろ。味は保障しないがな」

「クラス…？俺は2-Bだ。」

「なに！？ハグは一般的なコミュニケーションだろ！？」

「俺には…俺にはわからない…俺は何者なんだ…！俺は俺の事が知りたいんだ！」

「俺は俺が誰なのかさえわからないんだ！自分の事を知りたくて何がいけないんだよ！」

「いやだ…！失うだけの…消えていくだけの人生に…何の意味がある…！」

「またねってなんだよ！いつかっていつだよ！どうして…勝手にいなくなっちゃうんだよぉ…！」

「もう何も奪わせない…！何も失わない…！」

実際には彼に鍵夜家の血は通っていない。
交通事故で母親と共に瀕死になっていたどこかの誰か。鍵夜宗次は偶々事故現場に居合わせる。
既に脳死状態であると見抜いた鍵夜宗次は母の救命活動を行わず、子を接収。
小聖杯をその身に宿し続ける人身御供の鍵夜家の運命を打ち破るべく、息子の「鍵夜透」から小聖杯を摘出し、心臓を入れ替えた。
しかし、息子は適正な心臓を手に入れたのにも関わらず機能は回復しない。
逆に小聖杯の外装となった少年は、奇蹟をその身に宿し脳死状態から蘇生。
都合よくも記憶を失った彼の小聖杯を手元に置くべく、孫と偽って鍵夜家に向かい入れ鐘暮市に転居した。

満に埋め込まれた小聖杯は、第二次聖杯戦争の頃より鍵夜家が脈々と受け継いできた産物である。
小聖杯はサーヴァントの魂を吸収し、6騎分貯めこまれた段階で鍵であるロンギヌスの欠片を突きつけると大聖杯が起動する。
しかし、小聖杯からサーヴァントの魂を大聖杯の核となる『不尽の豊穣』へ注ぐとき、小聖杯を抱えていた外装は消滅する。
つまり満もまた、6騎の魂を宿した時点で導火線の消えない爆弾と化し、大聖杯の起動と共に消えゆく定めを持つ。
これを防ぐためには、小聖杯を摘出し代わりになる心臓を移植する必要がある。
小聖杯の外装になった段階で肉体は変質しており、常人の心臓は受け付けない。
新たに肉体に馴染む心臓は、魔術回路の豊富な健康的な魔術師の心臓か、鍵夜透に移された自らの心臓のみ。
ロンギヌスの欠片を奪取、破壊し大聖杯を開かせないという方法もある。
だがこの手段には問題点があり、7騎以上の魂の保有に肉体が耐えられない点にある。
聖槍に導かれ9騎のサーヴァントが召喚された今回の聖杯戦争において、7騎以上の消滅は容易に起こりうるからだ。
いずれにせよ、満の心臓は小さな聖なる杯の爆弾であり、この聖杯戦争中に彼の運命が決まるだろう。

真実を知ってからはストレートに感情が出やすくなる。
しかし、アイデンティティの喪失によって少しだけ余裕を失いガチ。
それまでは敵の無力化を極力避けて動いていたが、小聖杯の摘出を優先したい感情が顔を覗かせる。
そういった事象を『仕方ない』で済ませることは、自分が受けた理不尽を相手にも与えているのではと葛藤が激化する。
いずれにせよ、本音や感情を出力し始めるが同時に面持ちは少しだけ暗くなっていくが、
最後には己を取り巻くあらゆる謀略に決着をつけるべく、前を向く。
中盤で一度冷静さを失うが、どのようなルートを辿るにすれ終盤には気勢を取り戻すだろう。

聖マルガリタ
白装束による鍵夜邸襲撃の夜に召喚した槍兵のサーヴァント。
触媒なしに行われた召喚だが、満の体内に小聖杯が埋め込まれていたことに起因して聖人系のサーヴァントが召喚された。

心の機微がわからない満は彼女が仏頂面でもガンガンスキンシップをかけていく。
召喚されたばかりの彼女の実体を確かめるためにほっぺを両手でぷにっとしてみたり、助けてもらったお礼にアイスを口に突っ込もうとする。
その度に彼女の鉄面皮にピシャリと窘められるが、満はそれに一種の心地よさを感じている。
姉のような、友人のような、何か言語化できない感情を彼女に期待している節が序盤に見られる。
それはそれとして、何をしたらこちらを窘めるのかはコミュニケーション能力が不足しているのでよくわかっていない。

「だ…誰だアンタ？梓さんところのシスターか…？」
「これを食べてくれ。ホラ遠慮することはない。俺のほんの気持ちだよ。さぁ」

聖杯戦争に巻き込まれたという事実から彼女の慈愛を受けることになる。
序盤において、彼女のお互いの納得によって事態の解決を図るポリシーは満の境遇と上手くシナジーを起こす。
鍵夜宗次救出を第一とし他者を害するつもりもない満は、マルガリタとの協力をもって戦闘の無力化を図る。
ユナ・エオヒド・オレオンなど他のマスターと協力関係を結ぶ場合、敵を倒したくないという意志に乗るマルガリタの協力姿勢が不可欠である。
また、彼女から自らの姿勢を貫く強さを学んでいく。

「守りたい一心。助けたい一心。俺はそれを教えてもらった」

中盤以降に心臓の問題が露見すると、やむを得ず相手を制圧しなければならない状況が発生する。
ルートや状況によって彼女と意見が衝突したり、又は喪失への恐れから失うことを恐れて戦いを避けるようになる。
大体のルートでは彼女に叱られることになるだろう。

「俺は…俺は誰かもわからない…。ランサーだけが、君だけが、今の俺を繋ぐ存在なんだ…！」
「君を失いたくない。だから…戦わせたくないんだ……」

終盤、前を向きなおした満は支えてくれたマルガリタを大切な人として踏み込んでいく。
当初は心の機微をわからないが故であったが、今度は確かな意思と心をもって彼女に接するようになる。
自らを省みない彼女を案じ、恩返しと大切なパートナーとして彼女の恐怖を払拭しながら己の戦いに身を投じる。

「大切な人を守ることを教えてもらった。俺にとって、大切な人は君なんだ。他の誰かじゃない、君だからこそ」
「だから、ありがとうマリーナ。俺のたった一人の…」
「心配するな！俺は負けない…！勝って…勝って必ず…生きる！……ランサー！」
「そういえばずっと言いそびれてたけど、綺麗だと思ってたよ。召喚した時からずっと」


ユナ・エオヒド・オレオン
奇妙な縁で繋がったセイバーのマスター。
敵対するセイバーのマスターだが、戦場日常とわず鐘暮市にて何度も遭遇。
3度目の邂逅にて、彼女がアサシンに追い詰められているところを救出する。
その際、失禁してしまった彼女の粗相を無意識に指摘してしまい精神に完全にとどめを刺す。
戦いを避ける方針で動いていた満達は、雨の中寒いという理由で彼女を家に連れ込んだ。
茫然自失し身の上話をぽつぽつ紡いでいき、死への忌避感や家督の責任と重圧を受けている事を聞き出すと、
辛いならやめてしまおうと、ある意味無責任ともとれる言葉を投げかける。
以降、彼女と共闘することとなり鍵夜邸で同棲。彼女から聖杯戦争や魔術のイロハを学んでいく。
また、家に連れ込んだ日に彼女の下着を手に取って以来、性自任が強くなっていく。
記憶喪失のせいで精神情緒がかなり幼かったが肉体は男子高校生相当であるため、ユナを始めマルガリタなどの女性の存在を意識するきっかけとなる。

「この臭い…？なんだ…？」
「嫌ならやめろよ。俺も死にたくないし、お前も死にたくないんだろ？それが理由じゃダメなのか。」
「家督をなくしたってきっとなんとかなる。俺も記憶ないけど、まぁ頑張って生きてけるしさ。自信がないってならしばらくここに居てもいい。俺も爺さんに支えられた。お前も必要だろ？」
「魔術ってこうやって使うのか。知らなかった…。凄いな、ユナ」


ロジェロ
ユナのサーヴァント。
彼女と拠点を共にするため、必然接触機会は多い。
ロジェロとユナの関係が徐々に修復されるように気を回すこととなる。
マルガリタと同様に信念を貫くことができる一本の芯を持っており、満なりのリスペクトをしている。


朱城徹
同じ暁鐘学園に通う生徒会長兼友人。
数少ない友人かつ聖杯戦争前から関係を持つ人間である。
当初は彼の正体を知らず接していたが、聖杯戦争参加者であり敵意を持っていることを知りショックを受ける。
戦闘の意志はないので「退け」と言われれば即座に消えるが、最終的に交戦することに。
その後も戦場・日常を問わず様々な場面で遭遇し時に敵対・時に共闘する奇妙な関係となっていく。
彼のサーヴァントであるアグラヴェインによって精神性が落ち着き切る前に、満の心臓についての件が露呈するかが彼との関係分岐となる。
満の余裕がなくなり一時的に敵の排除をやむを得ないと決断した際に激突した場合は、お互いの損傷は免れない。
逆にお互いの精神的な引っ掛かりが解消されれば、これ以上ない強力なコンビとなりうるだろう。

「会長。俺は今日は野球部だ。そっちは年末の準備か？終わったら手伝おう、アイス一本で買収されてあげてもいいぞ」
「退け？わかった！」
「会長！俺がわからないのか！？なんで戦ってんだ…！そんな必要ないだろ！」
「頼むよ…頼むから…そこをどけ…！徹！！」
「やれるか？会長。あいつを蹴散らす」


フリーデ・ネヴ・アーベントロート
キャスターのマスター。
聖杯戦争中に出会った小学生。ではないお姉さん。
見た目が小さすぎるためファーストコンタクトでは速攻小学生認定した。
お姉さんムーブをしてくるが見た目とのアンバランスさが気がかりになり彼女のいう事があまり頭に入ってこない。
戦場で出会う場合は他と同様に戦闘の中断を目指す。
だが中盤以降、体内に呪いを受けているものとして心中を共有しようとする。
フリーデの呪いと違い満の聖杯は摘出可能だが、心の弱っている際の満は彼女に勝手にシンパシーを感じる。
しかし彼女は呪いの魔の手から逃れることができないか、あるいは他の方法で敗退することとなる。
彼女が望むとびきりのハッピーエンドを迎える未来へ辿り着くには、彼女の心に大きく踏み込む必要があるだろう」

「お姉さん…？小学生だろう…どうみても…！」
「呪い…？不死…？いや。まだ小学生だろ。成長すればいずれお婆さんになる。たぶん」
「言ってた言葉の意味…俺にもわかったよ…いずれ朽ちる肉体。呪いなんて体に入れられて…正気でいれたんだな。アンタは」
「何終わろうとしてるんだよ！嫌だよ…！誰かと分かれるなんていやだ…！せっかくお互いのこと…わかってきたばっかりだろうが！」

ダン・ムラキ
狂気に憑りつかれたライダーのマスター。
初めて撃破することになった敵マスターであり、彼の最期は満の精神に影響を及ぼす。
果たして彼ら主従を追い詰めたのは正しかったことなのか、人の精神を推し量れない頃の満には、
彼の結末を含めても理解が及ばないところにあった。

「何やってんだあんた！この街、どうなるかわかってんのか！？」
「世界は終わらないし守るのはあんたじゃない…！この街をこれ以上壊させない…！」

「なに…………死んでんだよ…。それが…大人の責任の取り方かよ！」

後日追記予定