kagemiya@ふたば

しかし、彼女には一つタチの悪い特性が存在する。
ある所では天探女は人心を見通し、その上で邪悪な目論みをする女神とも言われた。
彼女の特性上ガワとして結構な割合を占める『織姫』とその根底…役を羽織る者プリテンダーとして必須だった『天邪鬼』に容量を圧迫されて半ば封印状態にあった読心能力は、人の「願い」を聞く事で起動。願いを起点にして、その心の全てを把握する。

標木凪澪のサーヴァントとして召喚される。出雲という土地の性質から呼ばれたにも関わらず、その神々の悉くに対して顔を合わせたくなかったため、自身のマスターに訴えかけて早々に都市部から退散。郊外の空き家をあの手この手で改造し住居として住み着いた。
彼女は本質的には「生を望む全てを生きながらえさせる」……ある種人理を破綻させかねない願いを抱え、そのカタチで生まれ落ちたサーヴァントである。しかし彼女の雌伏のうちに、その願いは「望むすべてに聖杯を与える」という形で叶えられてしまう。世界から意義を否定される中で、それでも自信を呼び出したマスターが居ること、その事実に満足している節は少なからずある。
その後マスターの姉である標木紺音が合流。それまではマスター共々一切家から出なかったが、すごい光の者である彼女に連れ回される形でコソコソと外に出ることが増えている。「標木探偵事務所」ではお茶汲みに甘んじている。楽なので。
紺音のサーヴァントであるキャスター・・・・・が加わり所帯としての雰囲気が出始めた辺りから事務所内では髪型を変えてみたり和風のメイド服に手を出してみたりと割と満喫している。そういう態度は見せないが。

総合すると、なんだかんだ現状に満足しているちょっとめんどくさい女の子。神と会いさえしなければ。

「プリテンダー。世界を騙すクラス…神の身で高天原の神サマ達を裏切って、結局化生の仲間入り。あなたにも嘘をつきました。…どうする？殺します？」

「結局私は織姫じゃない……色んなものを借り受けたけど、織姫として言ったことは、全部嘘ということになります。どうですか？悪いでしょ、私」

「神は存外勝手です。どれだけ力を得たって自分の欲しいもの第一な奴ばっかり……結婚してからおサボり始めるやつ、多すぎるじゃないですか」

「ものの例えですけど…小さな女の子に願いを叶える神の力が宿ってるとか言って利用しちゃうの、ああいうの私ダメで。なので一応神サマな私がやる事にしました。綺麗な字で書いていてくれれば、ま、そのうち」

「彼の者は降りて地に独り。その内に孕みし思慕は今悪しく天に弓引く奸賊となれり。なればこそ、この矢はその者に。『袂分つ神意の還矢ディバイン・コール・ビトレイヤー』！」

「七夕宝具、展開。代償も生贄もクソ喰らえ。神なら気前よく託してみせろ……さぁ！全て持っていけ！」

「私は私が叶えたい願い描かれた全ての願いを叶えるだけ。そこに神善も正義法も関係ない。矮小なヒトが差し出すモノだいしょうなんて必要ない。ソレを厭がる奴は、全て！」

神霊、妖怪の類を誘引する特異点の性質によって召喚された野良サーヴァント。
その環境に最初はウンザリし、(似たような環境に召喚された記憶をうっすらと思い起こしつつも)特異点の破壊を考えるも、以前は達成不可の状況にあった自身の目的を思い出した事で計画を実行に移す。
特異点自体の性質は目的のために必要だった故、特異点の解消を試みるカルデアとは1、2度、織姫という側面を見せつつ接触を行うも、なんやかやで自身の霊基の正体───天邪鬼、ひいては天探女の性質を持つ事を明かされた上で対立。終始自身の論理が正しいという姿勢と余裕を崩さずに強化された反射能力と対単性能の向上した高火力宝具を武器に立ち回る。
神霊故の素地の強さと複合した側面全ての伝承強化を受けたことによる通常のサーヴァントを大幅に上回る霊基出力で終始圧倒するも、その目的のために効果を発揮させっぱなしにしていた第三宝具がカルデア側の「勝ちたい」というシンプルな願いを受けてしまったことにより敗北。
戦闘中カルデア陣営と接触した際に感じ取った事から、遠回しに更なる関門の存在がある旨の発言を残す。
聖杯については後で確保するつもりであった事のみを語り、在処に付いてはぼかしたまま退去という運び。

標木凪澪：マスター。
超無口な男の子(?)。が、読心能力とその発動条件を伝えたところあっさり乗ってくれたため、基本的には彼の考えは把握できている。
お互いに人と付き合う事を嫌がっており、家の中でダンゴムシと化していてもお互い何も言わない間柄。「対摂理」のお陰で2人とも生存できており、彼の姉が来るまでは全く陽を浴びない生活を送っていた。
一度は織姫として振る舞ってもいたものの、周りに人が増えて……そのうちの一人の存在をきっかけに、段々天邪鬼的な面を隠さなくなってきている。


標木紺音：マスターの姉。
すっごい陽の者。マスターの社会性が欠如したのは彼自身の起源以上にこの人が原因なんじゃないかと内心思っている。
だがもはや化石となっていくだけの生活から救い出したのも彼女であり、悪くは思っていない。
彼女が来てからちょっと服のバリエーションが増えた。


“探偵”のキャスター・・・・・：マスターの姉のサーヴァント。
探偵事務所の戦力として呼ばれたサーヴァントが、まさかの自分と似た「偽る者」……フェイカーのクラスだったと言うからもはや喜んでいいのかそうでないのか分からない複雑な心境で迎えている。が、その実フェイカーとプリテンダーの在り方は(この場合だと)ほぼ真逆であり、『堂々と演じる』彼のやり方は、サーヴァントとなった今でも何かの殻を被り続けるやり方しかないあまのじゃくにとってはある種眩しいものに映る。
それを羨ましがったりはしないが。
「それにしても。貴方自身が楽器を好む、みたいなことが無くて良かったと思います。ホームズはバイオリンが得意なんて言いますから……マスター、ちょっと楽器の話は嫌いなんです」
「ま、それこそ貴方からすれば知ったことじゃ無いとは思いますけど」


大国主命：騙して殺した天若日子が結婚しようとしてた人の父。葦原中國のトップ。
出雲で遭遇しかけた神の一柱。
向こうの言う通り葦原の一件がややめんどくさい事になった原因の一翼は確かに天探女にもあるのだが、元はと言えば欲をかいた天若日子が悪いのであって私は唆しただけなのであんまり責めないで欲しい。そんな言い訳も通じないんだろう。神ってそういうとこある。
とにかく会いたくない。
「やっべ。人に呼ばれるタマだったんですかアレ。うーわ……マジ会いたくねー……」


天之御中主：自分を派遣したタカミムスビよりさらに先に『いた』神。
出雲で遭遇しかけた神の一柱。
高天原の超偉い人。高天原を裏切ってきてるのが天探女なので本当に合わせる顔がない。上記の大国主命と合わせてものすごく板挟みである。
とにかく会いたくない。
「や……マズいですって。今すぐ逃げますよマスター。何で？そりゃもう……私殺されますし……」


猿田彦：奇特な事してる方。
何やら妖怪と神をなんとかしようとしているとかいう非常に奇異でめんどくさくて一文の徳にもならなさそうな事をしている変な人という認識。神だか妖怪だか分からない立場の織姫としてはなんでそんな事をするのかまっっったく理解できない。神も妖怪もヒトと比べて圧倒的に勝手で自由なんだからなるようにしかならないでしょうにというのが織姫の見解である。
「……大体国津神の立場で天津神に惚れたりその逆をかましたり、そんなんばっかだから拗れて国譲りが円滑に出来ないんですよ。愛だの恋だのってのは、全くロクなものじゃない。……未来あるマスターの前でこういう事言うのも宜しくないでしょうけど、規模のデカい愛は周りにかかる迷惑もデカいってことはよくよく知っといて下さいね」


ターミネーター“X” ：ターミネーター……？
なんとなく嫌な予感がする相手。近寄ってみた事は無いので本当にまずい事が起こるのかは分からないが、分からないものには近づかない、それが天探女の危機管理能力の高さを示している。
「何かを値踏みするようなあの眼……超イヤな感じです。うっかり見つかったらどうなるか……」


宮盛咲：危機。
本当にマズい相手。女神としてならまだいいが、有害系妖怪成分が入っている上性質上人類の敵に近い霊基で現界している現状彼女に近づくだけで吹き飛びそうになる。咄嗟に自身のマスターを盾にしようとしたが、そちらはそちらで彼女の圧倒的なエネルギー放出量に目を焼かれかけていた。
「ア゛ア゛ァ゛ッ゛……」