話があると言って、巴は瑞樹を海辺へと誘う。
そこで巴の口から語られたのは、瑞樹への想い。
自分に対する憧れを止められない巴の言葉に、
瑞樹もまた、ひとつの結論を出す。
瑞樹と巴。憧れられる者と憧れる者。
そんなふたりが出した、自分たちの在り方とは…。
そこで巴の口から語られたのは、瑞樹への想い。
自分に対する憧れを止められない巴の言葉に、
瑞樹もまた、ひとつの結論を出す。
瑞樹と巴。憧れられる者と憧れる者。
そんなふたりが出した、自分たちの在り方とは…。
瑞樹 | 綺麗な夕日ね……。 まるで初めて会ったときみたい。 |
それで……巴ちゃん。 話って何かしら? | |
巴 | ああ……。 |
うちは…… うちは、姉御に憧れとる。 | |
じゃけえ、ユニットの話が来たときは 小躍りしたもんじゃ。 ウチの若い衆が驚いとったわ。はは。 | |
瑞樹 | ふふ、見たかったわ。 巴ちゃんのはしゃいでるところ。 ……それからは、どうだった? |
巴 | それからも、うちの気持ちは変わらん。 いや……むしろ、その気持ちは強くなっとる。 毎日のように隣にいるんじゃ。当たり前じゃろう。 |
……そう、隣にいるんじゃ。 こんなにすごい女が、うちの隣にな。 | |
瑞樹 | 巴ちゃん……。 |
巴 | 姉御に比べれば、うちはまだまだじゃ。 経験も浅い。周りもしっかりとは見えとらん。 それはわかっとる。 |
なら……いっそのこと、ユニットとして並び立つなら、 姉御とは別の道に行くのが正しいのかもしれん。 | |
元々、我の強い性格じゃ。 うちはうちにしかなれん。 別の道を行くほうが、性に合っとるじゃろう。 | |
ユニットとして、『フォーリンシーサイド』として、 きっとそれが正しい。それでも……! | |
それが出来たら、苦労はせん……! | |
諦められないんじゃ! うちは姉御のような女に憧れた! | |
吠えるだけしか能のない乱暴モンとは違う、 柳のようにしなやかで、芯のある強さ。 余裕のある堂々とした色気。 | |
清濁併せのんで綺麗に見せる、 人間としての強さ | |
だからといって、姉御の足を引っ張りたくもない! うちのせいで、姉御を立ち止まらせたくない! 姉御には、前を向いていてほしいんじゃ! | |
スジが通らんことを言っとるのは、 自分でもわかる! それでも、それでも……! | |
うちは……追いかけたいんじゃ。 心底惚れ込んだ、川島瑞樹という女を……! | |
瑞樹 | …………。 |
……話してくれてありがとう。 巴ちゃんの気持ち、よくわかったわ。 | |
私たちは対等なパートナー。 だけど……本当の意味で対等になることは出来ないのね。 巴ちゃんが、私に憧れてくれる限り。 | |
巴 | ……すまん、姉御。 |
瑞樹 | 謝らないで。 大丈夫。 私は、巴ちゃんから憧れを奪わない。 |
私は巴ちゃんの先を進むわ。 決して立ち止まらずにね。 だから……追いかけてきて。 | |
これから、私たちは……そう。 | |
瑞樹 | ライバルよ。 並び立つことはない。でも、唯一無二で、かけがえのない。 あなたにとって、私にとって、最高の。 |
巴 | ……ライバルか。 へへ、ちょいと変わったライバルじゃな。 |
瑞樹 | いいじゃない。 アイドルはたくさんいるもの。 一組くらい、こういうユニットがあってもいいでしょ♪ |
瑞樹 | それにしても…… 私は幸せ者ね。 |
巴 | ん……? |
瑞樹 | だって…… こんなに自分のことを想ってくれるひとと ユニットが組めるんだもの。 |
その日の夜 | |
---|---|
瑞樹 | …………。 |
touch:ここにいたんだね | |
瑞樹 | ええ。 あ、巴ちゃんならもう寝てるはずよ。 色々あったから、疲れちゃったみたい。 |
touch:瑞樹の隣に座る | |
瑞樹 | ……プロデューサー君。 昼間、君のことを優しいって言ったわよね。 あの言葉、取り消すわ。君って厳しい。 |
巴ちゃんと話して気づいたの。 私たちのユニットが抱える最大の問題は…… 私自身だったんだって。 | |
思えば……そうよね。 楓ちゃんと奏ちゃんのこと、知ってたのに。 対等なんて言葉に、甘えちゃってたのね。 | |
巴ちゃんの気持ちは分かってたし、 私もその気持ちには応えようと思った。 今でも、大切なパートナーであることに変わりはないわ。 | |
だけど…… 心の底の底から、巴ちゃんを特別なライバルだと 思うことが……出来ていなかったのよ。 | |
touch:貴女は素敵なひとだ | |
瑞樹 | えっ……? やだ、もうっ。 どうしたの、急に? |
○○P | 自分にストイックで、周りには優しくて。 アイドル全員をライバルと認め、大切な仲間とも思える。 簡単に出来ることじゃない。 |
でも、だからこそ…… 誰にでも分け隔てなく接することが出来るからこそ、 たったひとりを特別扱い出来なかったんだ。 | |
瑞樹 | ……ふふ。 まるで恋が下手な優等生って感じね。 |
○○P | 巴にとって、貴女への憧れは特別だ。 その思いを受けられるのは、貴女だけなんだ。 どこを探しても、代わりはいない。 |
瑞樹 | ……ええそうね。 代わりがいないからこそ、 私は超えられてはいけないの。 |
若い女の子が、憧れに身を焦がして綺麗になるように…… 私たち大人の女は、憧れを背負って、綺麗になるのね。 | |
……刺激的じゃない。 さすがに意識しちゃうわ。 村上巴という存在を、ね。 | |
touch:正直言って、少し妬けるよ | |
瑞樹 | ふふっ、羨ましいでしょ。 でも、代わってあ〜げない♪ |