Nocturne > 第4話 双璧チェイス・ザ・ライト
『大人の女たちの日常』をテーマに撮影していた瑞樹と
楓の元へオフだった奏が見学にやって来る。ライバルの
敵情視察?と尋ねる瑞樹に、勉強のために見に来たと
否定する奏。そんな熱いキャラじゃない そう思う
奏だったが、撮影を見学しているうちに、いつか超えたい
という気持ちが湧きあがるのを感じていた。
楓の元へオフだった奏が見学にやって来る。ライバルの
敵情視察?と尋ねる瑞樹に、勉強のために見に来たと
否定する奏。そんな熱いキャラじゃない
奏だったが、撮影を見学しているうちに、いつか超えたい
という気持ちが湧きあがるのを感じていた。
移動中 | |
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瑞樹 | 今日の撮影のテーマは『大人の女たちの日常』、と。 それで、私たちだけなのね。 そういえば、ふたりだけでのお仕事って久しぶりじゃない? |
楓 | そうですね、お互いユニット活動なども増えてきましたから……。 今日は、いい仕事にしましょう。瑞樹さん。 |
瑞樹 | ええ! と言っても、写真撮影は楓ちゃんの方が得意だから……。 胸を借りるつもりでいくわ。 |
楓 | 貸すほどはありませんが、どうぞ。 |
瑞樹 | あはっ。もう、居酒屋ノリは打ち上げまでおあずけよ! フルコースツアーでたっぷり溜めたアンチエイジングパワー、 存分に発揮しちゃいましょ!スーパー楓さん♪ |
楓 | はい。 頑張りましょうね、スーパー瑞樹さん。 |
奏 | えっと……撮影場所、ここかな。 失礼しまーす。 |
瑞樹 | ……あら、奏ちゃんじゃない! どうしたの? |
奏 | 川島さん。お疲れさまです。 撮影、見学させてもらおうと思って。 休憩中ですか? |
瑞樹 | ええ。次は外での撮影なの。 ちょうどいいわ、あっちでお話しましょ。 楓ちゃん連れてくから、待ってて? |
瑞樹 | それで、今日は見学? 珍しいわね、一日オフなの? |
奏 | ええ。たまたまスケジュールが合ったのと…… 自分が写っていない写真も作品の一部分でしょう? だから見ておきたくて。 |
楓 | 素敵な考え方ね。 別の場所でお仕事をしていても、 みんなで一つのものを創っている……青春、ですね。 |
奏 | ……なるほど。 そういう考え方もあるんだ。 |
瑞樹 | うふふっ、奏ちゃん……。 今日はライバルの敵情視察ってところかしら? |
楓 | ……敵? むしろ私たち、仲間ですよ。 |
瑞樹 | もちろん、私たちは同じ事務所にいて、同じ曲を歌う仲間。 でも、アイドルっていうのはいつだって、 仲間であり、ライバルでしょう? |
そう、私と奏ちゃんだってライバル……。 私はいつだって、ビリヤード勝負の決着、 つけなおしても構わないわよ! | |
奏 | ……ふふっ。川島さん、考え過ぎです。 ただ、先輩ふたりのお仕事が見たかっただけなの。 次の撮影の参考になるかと思って。 |
瑞樹 | あら、そうなの? |
楓 | 先輩と言われてしまったら…… いいところを見せないとって気持ちになりますね。 うふふっ。 |
奏 | はい、しっかりお勉強させていただきます♪ |
AD | 高垣さん、川島さん、お願いしまーす! |
瑞樹 | それじゃ、いってくるわね。 ゆっくり見ていって! |
撮影中 | |
カメラマン | じゃあおふたりともよろしくねー。 瑞樹ちゃん、今日も好きにやっちゃってー! |
瑞樹 | あら、うふふっ。 大人の女、好きにさせたら怖いわよー? |
カメラマン | さすが、今日もキレてるねー。 |
瑞樹 | どうも!じゃあ、よろしくお願いします! |
カメラマン | 楓ちゃんも、今日はガンガン撮ってくから、よろしく! |
楓 | よろしくお願いします。 いつも素敵な写真に仕上げて下さって、ありがとうございます。 |
カメラマン | いやいや、楓ちゃんがモデルで最高の写真にならなかったら、 カメラマン失格だから! |
楓 | ふふっ、お上手ですね……。 |
奏 | …………いつか絶対、あのふたりを超えてみせるわ! |
……なんて。 そんな熱いキャラじゃないんだけど、私。 ライバル、ねぇ……。 | |
撮影終了後 | |
瑞樹 | はぁ……お疲れさま。 本当に疲れたわね……。 やっぱり撮影は変なとこの筋肉使うわ……。 |
楓 | ええ。あんなに熱い視線を向けられていたものだから、 すっかり熱が入ってしまいました。 |
奏 | でも、おふたりともさすがです。 私も勉強を忘れて見入っちゃいました。 |
瑞樹 | うふふっ、でもこういうのも悪くないわね。 若い子に追われる立場っていうのかしら? |
楓 | ええ。助けあうだけではなく、 競い合って未来を目指す……。 それも、きっと青春なんですね。 |
瑞樹 | そうね。いくつになっても、気持ちが若ければ、それは青春! 楓ちゃん、一緒に駆けぬけていきましょう。 この青春アイドルロードを! |
楓 | はいっ。駆けぬけていきましょう。 |
奏 | ……そのロード、私も追いかけていきますから。 |
楓 | えぇ♪ えぇ♪ |
瑞樹 |