Needle Light > 第2話 MEGANE Has Two Glasses
比奈の部屋で、互いのルーツを語る比奈と春菜。
漫画と眼鏡。好きなものとの出会いによって、
自分を変えられたふたり。自分の好きなものを、
みんなんも好きになってもらいたい。
それがふたりの共通した考えだとわかり、
『サイバーグラス』の方向性も決まったのだった。
漫画と眼鏡。好きなものとの出会いによって、
自分を変えられたふたり。自分の好きなものを、
みんなんも好きになってもらいたい。
それがふたりの共通した考えだとわかり、
『サイバーグラス』の方向性も決まったのだった。
比奈の部屋 | |
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春菜 | ……わぁ、比奈ちゃんの部屋、マンガがいっぱい……。 |
比奈 | お待たせしたっス。 お茶、どうぞ〜。 |
春菜 | あ、ありがとうございますっ! いただきます……。 |
比奈 | 粗茶ですが……。 あ、足は崩して、くつろいでくださいっス! |
春菜 | は、はいっ。 えへへ……。 |
比奈 | ははは……。 |
春菜 | …………。 |
比奈 | |
春菜 | ……ずずずーっ。 |
比奈 | |
比奈 | ……ぷっ! あははっ、シンクロし過ぎっスよ、アタシたち! |
春菜 | ふふふっ、ホントですね! だって、なんだか緊張しちゃったんですよ〜! |
比奈 | いや、まぁ、急に腹を割ろう! って言って急に話せるもんでもないでスよね。 |
春菜 | そうですよね。はぁ……。 私たちらしいペースでお話ししましょうか! |
比奈 | そうっスね。 こうやって、仕事と関係なくふたりで過ごすなんて、 あんまりないことでスし……。 |
まあ、のんびりやりましょう。 | |
春菜 | はいっ。 それにしても、比奈ちゃんって本当に マンガが好きなんですね! |
比奈 | 好きっスよ! もう小さいころからずっとっスね。 オタク歴、20年っス。 |
春菜 | 好きになったきっかけって何かあるんですか? |
比奈 | きっかけ、っスか? うーん……気づいたら好きになってたんスよねぇ。 |
自分、もともと根暗な子だったんス。 まぁ、今もっちゃ今もでスけどね。ははは。 | |
そんな自分も漫画を読んでるときは 違う世界に行けるような、 違う自分になれるような気がしたんスよ! | |
そうやって妄想しながら読んでるうちに、 その妄想を自分でも漫画にしたくなって……。 | |
で、今にいたるってワケっス。 漫画描きで、漫画好き。 ちなみに、アニメも好きでゲームはソコソコ。 | |
春菜 | そうだったんですね……。 違う自分になれる、かぁ……。 |
その気持ち、私もわかるかもしれません。 | |
比奈 | 春菜ちゃんも? |
春菜 | 私も、小さいころは大人しい子で。 ずっとうつむいてばかりいた暗い子だったんですよ。 |
比奈 | そうだったんスか? ちょっと意外かも。 |
春菜 | 今の性格に変わったのは、小学生の時のこと。 ある時、視力検査で目が悪いことがわかって、 両親が眼鏡を買ってくれたんです。 |
その眼鏡をかけた瞬間……私の世界は変わったんです! こんなにも世界は明るくて、クリアなんだって! | |
……たったそれだけの出来事だったんですけど、 それから、うつむくことも減って、 性格も明るくなっていったんですよ。 | |
眼鏡を通して、違う世界に来て、 違う自分になれたんです! これって、比奈ちゃんのマンガとちょっと似てませんか? | |
比奈 | すっスね……。 アタシと春菜ちゃんにこんな共通点があったなんて、 なんか、ちょっと嬉しいっス。 |
春菜 | ふふふっ。私もですっ! |
そんな風に自分を変えてくれた眼鏡だから、 私、眼鏡に人一倍愛着があるんです。 | |
でも、眼鏡は眼鏡で、 どうしても野暮ったいとか、暗いとかってイメージが ついてくるじゃないですか。 | |
比奈 | まあ、そうっスね。自分、根暗眼鏡の典型だったんで。 |
春菜 | 悔しいんです。 眼鏡はこんなにも人の人生を明るくできるのに。 私は、自分を変えてくれた眼鏡のイメージを変えたいんです! |
比奈 | おお……その考え、イイっスね。 自分の好きなものをみんなにも好きになってほしくなるのは 自然なコトっスから。 |
そうなるように活動するのが、 きっとアタシたち、サイバーグラスなんスよね。 | |
……そうだ、アタシ、春菜ちゃんに謝らないといけないんでした。 | |
春菜 | 謝る? |
比奈 | この間、眼鏡アイドルを名乗っていいのか、 考えちゃうって言ったじゃないっスか。 アレ、言葉足らずで、びっくりさせちゃいましたから。 |
普段のアタシは冴えない眼鏡っスけど……。 アタシ、アイドルになって眼鏡を外して、 自分でもびっくりするくらい……変われたんスよ。 | |
アイドルになって、カッコよくなった自分だったら、 今度は、アイドルとして眼鏡をカッコよく着こなすことも できるんじゃないか、って思ってるんス。 | |
そしたら、胸を張って言えると思うんでス。 自分も眼鏡アイドルの一員だ、って! | |
春菜 | 比奈ちゃん……! |
比奈 | へへ……春菜ちゃん、いいっスかね? アタシ、眼鏡アイドルを名乗っても。 |
春菜 | 当たり前じゃないですかっ! 眼鏡は誰も否定しません! 誰でも受け入れるのが眼鏡ですからっ! |
比奈 | あははっ、相変わらず壮大な眼鏡観っスね。 ……ありがとうございまス、春菜ちゃん! |
春菜 | あらためて、よろしくお願いします、比奈ちゃん。 私たちで変えていきましょう! 眼鏡と、眼鏡アイドルのイメージを! |