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194 あなたのうしろに名無しさんが・・・ 02/08/21 02:55
幼稚園の時から高校生になるまで飼ってた犬がいた。
小犬の時に親戚の家からもらってきた犬なんだけどおれの家に来た時はただのデブ犬だった。
ただこいつの母親はめちゃくちゃ賢い犬で近所では評判の犬だった。
散歩する時ももちろんヒモはつけないでそれでもちゃんと信号を渡るような犬だった。
でも小犬をもらってからしばらくして小犬の母親が死んだ。
交通事故だった。
母親が信号を渡ってた時に信号を無視して突っ込んできた暴走車に跳ねられたらしい。
その犬をかわいがってた親戚は寂しいので小犬を返して欲しいと言ってきた。
俺の親は何の役にもたたないデブ犬だから返してもいいんじゃないかと言った。
でも俺が泣きながら親を説得して小犬は手放さなかった。
名前はコロコロと太ってたのでコロにした。
散歩に連れて行くのは俺の仕事だ。
行きはスムーズに行くのだが帰りになると疲れるらしく途中で動かなくなって結局俺が抱いて帰るというのがいつものパターンだった。
そんなコロも成長していくにつれて体格も犬らしくなり頭の良さが目立つようになってきた。
誰かが教えたわけでもないのに新聞配達と郵便屋には吠えない。
どうもバイクのエンジン音で違いを判断してるらしい。
しかし、どんなに頭のいい犬でも年齢には勝てず俺が高校生の時にコロが原因不明の病気にかかった。
からだが下半身から腐っていく病気だった。
しばらくするとコロの周りに蝿がたかるようになり、そしてある日ついに自力では立てなくなった。
もう見るのも辛い状況だったけど生きているので餌はやらないといけない。
親がもうかわいそうで見てられないと言って俺が餌をやるようになった。

俺が餌を持っていくと、とっくに立てないはずのコロがヨロヨロしながら立ち上がって尻尾を振った。
俺はその姿を見て泣きながらコロに抱きついて「お前が頭いい犬だってのはわかってるからもう無理するな」と言って首輪を外してやった。
コロの首輪はその役目をもう果たしてなかった。
痩せ衰えたコロの首輪は頭からでも抜けそうだった。
結局コロは死ぬまで俺に向かって立ち、尻尾を振り続けた。
ある日のこと俺が居間でテレビを見ていると突然大雨が振ってきた。
俺は突然の大雨に外を見た。
その時、なんとも言えない嫌な予感がして外に飛び出した。
コロのところに行くとすでにコロは死んでいた。
腐りきって棒のように細くなった後ろ足にもがき苦しんだのがはっきりとわかるとても苦しそうな死に顔だった。
死体には無数の蝿がたかっている。
とどめには大雨が容赦なくコロを打ちつける。
あまりの仕打ちだった。
俺は雨の中、泣きながら愛犬の体にいやしくたかる蝿を振り払った。
そしてコロに傘を差してやって翌朝、近くの海岸に埋めてやった。
俺がどうしてもコロの顔に砂をかけることが出来ないでいると母親が「もうお別れは済んだだろ。楽にしてやれ。」と言った。
俺は母親に冷たい奴だと言ってやろうと思い振り返ると今まで一度も泣いたことのない母親が泣いていた。

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