最終更新: occult_iihanashi 2010年05月14日(金) 17:41:49履歴
- 52 あなたのうしろに名無しさんが・・・ 02/07/13 21:09
- ある日、おじいちゃんに痴呆の症状が現れた。
数十年も連れ添った、おばあちゃんが亡くなった直後だった。
今まで、典型的な明治男である厳格なおじいちゃんの
ムスッとした顔しか見たことが無い私にとって、
満面の笑みで饅頭をほおばるおじいちゃんは、まるで別人のようでした。
「困ったもんね・・・まるで子供だわ。」
母が、苦笑して涙をこぼしながら、おじいちゃんを見守っています。
ある日、おじいちゃんが縁側で、誰かと話している声がしました。
また、痴呆のせいで独り言を言ってるのだろうと思い、聞き耳を立てると
「ふう・・・こうやってボケた真似をしている時しか、
お前は俺を怒りに来てくれないんだもんなぁ・・・まったく・・・」
私は、おじいちゃんの愛の深さに涙が止まりませんでした。
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