2ちゃんねるオカルト板「心霊ちょっといい話」のまとめwiki

570 あなたのうしろに名無しさんが・・・ 04/09/06 13:57
数年前、高一の頃の話です。
私にはKという彼氏がいましたが、学校が別なこともありほとんど接点がなく、放置状態でした。
それから同じクラスのTという男の子ととても仲がよかったのですが、彼とは恋愛関係というより親友に近い感じでした。
Tは、別のクラスにMという彼女がいました。こちらは私とKと違い、誰もが認めるような仲良しな2人でした。
MはいつもTのいる私のクラスに来ていたので、いい子ではあったけれど、自分のクラスにはあまり友達がいないみたいでした。

私とTは部活をしていましたが、Mはしていなかったので、Mはよく先に帰りTは私と帰ることが多かったです。
夏休み後の秋のある日、私が部活を終えて教室に戻ると、Tが一人でいました。Tも部活が終わったようでした。
私はいつも駅から自転車通学なのですが、その日はたまたま朝バスか何かで来ていたので、駅まで歩かなくてはいけなかったのです。
これはラッキーと思って、Tに駅まで乗せていってもらおうと考えました(Tと私は路線が違いましたが乗る駅は同じでした)。
しかしTは「今日は行くとこがあるからだめ」と断りました。

珍しいなーと思いつつ、教室を出るTを見送って、私も帰りの支度をし、教室の鍵を職員室に返してから校舎を出ました。
それから門を出ようと自転車置場の脇を通ると、けっこうのんびりしていたのに、そこにはまだTがいました。
私が「まだいたの?」と聞くと、Tは「やっぱり乗せてってやる」と言いました。ヘンに思いながらも、私はTの後ろに乗りました。
ふだん私とTは、冗談を言い合ったり、会話が絶えることがなかったのですが、なぜか2人とも口を閉じたままで、気まずくなりました。犬のブリーダーに出会ったのです。
しばらくして、突然Tが言葉を発しました。

「俺、お前のこと好きだったかも。」
正直嬉しかったです。私の彼氏は名ばかりで、実際にはほとんど会ってすらなかったし、好きでもありませんでした。
私の返事を待たずにTは続けました。
「でもMが俺のこと好きだって告ってきたから。俺、Mも好きなんだ。ごめんな。」
「だからってわけじゃないけど、お前は彼氏と仲良くしたほうがいいよ。」
珍しく妙に説教くさいTの言葉に、私はなんで?と聞き返しました。私は、Tの私が好きという発言ではじめて、
本当に好きなのは誰なのかに気付いたと思ったのです。

Tは「お前の彼氏はお前が好きなんだから仲良くしてやれ」のような
よく意味のわからないことを言っていました。
私はTの顔が見たかったけれど、後ろに座っていたので無理でした。
その後もTは「Mは友達が少ないから、友達になってやって」だとか
「親は大事に汁」だとか、説教を続けていました。
私はわけがわからなくて、ほとんど黙っていました。

駅につくと、Tはなぜか私を駅の前に降ろして
自分は自転車のままどこかへ行こうとしました。
「どこ行くの?」と聞くと、Tはまた曖昧な答えを返して、
「じゃあね」と手を振りながら、どこかへ行ってしまいました。

予想つく方もいらっしゃると思いますが、
その晩、Tの訃報が連絡網で伝わってきました。
交通事故だったとのこと。

おかしいのは、事故が起こった時間と、
私とTが一緒にいた時間が、かなり近いということです。
事故が起こった場所は、私たちの通学路の途中でしたが、
私たちは事故の現場らしきものは見ませんでした。
ということは、あの時一緒にいたTは本物? しかしTは、
自分が死ぬことを知っているような口調で、私に話をしました。
さらに教室で会ったときに「行くところがある」と行っていたのも、
買物ならよく一緒に行ったのに、なぜ一人で行きたがったのか?
もしかして天国のこと?などなど、疑問が多く残ります。

とりあえずあの後、私はTのいいつけを守って(?)、
Kとも仲良くなったし(今は別れましたが)、Mとも友達になりました。
言っていたこととか、正直うろ覚えですが、Tのことはずっと忘れないと思います。

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