常世国龍蛇伝

Ver.2.3実装
海祇島に流れる伝説をもとにした小説。一番古い版は、蛇神がまだ生きていた頃、鳴神島の商人が海祇島で書き写して持ち帰ったものである。今では誰にも読まれない古典となり、市販の娯楽小説に埋もれてしまった。この本では、鳴神文化を受け入れる前の海祇の人々の独特な宇宙観が描かれている。最近、伝統小説の再版の流れを受けて、再び日の目を見ることができた。
造化は神秘を密とし、太陽と月は吉凶を示さん。
三隅は闇を切り離し、五聖は虚空に隠れん。

「宇宙には、始まりも終わりもない。かつての大地もそうだった。ただ、私たちにとっては何の意味もない。私たちを育んだ土地は、もう終わりなき永遠とは関係がないのだから。」
――唯一の賢者である阿倍良久は、初代の太陽の申し子にそう言った。太陽の申し子は、かねてより阿倍良久を懲らしめるつもりであった。その日、問答のため呼び出したのは、ただ彼を困らせて拘留しようとしたためである。
言い伝えによれば、阿倍良久は常世の大神より啓示を受け、太陽の見えない淵下宮から光を掘り出したという。しかし、太陽の申し子は彼の才能に嫉妬し、最期の時を迎えるまで彼を監禁したそうだ。だが太陽の申し子たちは気付いていなかった、彼が地下に太陽を作っていなければ、自分たちも存在していなかったことを。
「…天と地は元々卵のようで、龍と蛇も一つであった。」この言葉を発して、すぐ、賢者阿倍良久は待ち伏せをしていた兵士たちに押し倒されてしまった。

太陽の出現により、淵下宮に息をする余裕ができたのはこの時だった。闇に近く、光を恐れる龍の後継者も放埒な行動をできなくなった。それが引き金となり、龍の後継者が人々を支配し、人の命を粗末にする時代は終焉を迎えた。淵下宮の民たちは龍の後継者に抗えるようになったのだ。
しかし、この隠れた災いが根絶する前に、人間の黒い部分が露呈してしまった。人々は「太陽の申し子」を選出し、彼を王として崇めた。だが彼は信仰者を征服し蹂躙したのである。

数年が経ち、淵下宮のある少年が仲間と賭けをした。たった一人で、龍の後継者の痕跡を避けながら三隅の外へ潜り、龍骨花を探しに行ったのだ。しかし、彼は見たこともないような大蛇と洞窟で出会った。
少年は巨大で不気味な蛇を見ても、なぜか怖さを感じず、むしろ親近感を覚えていた。
「我は蛇神であり、幾百幾千の眷属を従えている、我の影に住む信仰者は一人もいない。今日ここに落ちて汝に出会ったのも一つの縁であろう。汝は我の民ではないが、それでも人間の子である。何か望みがあれば言うがよい。」
「深淵の底にいる我々の神になれるだろうか?」

こうして、太陽の申し子が持つ王権や龍の後継者の侵略へと立ち向かうこととなり、人と蛇の物語が始まるのであった。



書籍一覧に戻る

コメントをかく


「http://」を含む投稿は禁止されています。

利用規約をご確認のうえご記入下さい

Menu

ストーリー

任務

地域

Wiki内検索

メンバーのみ編集できます