Ver.2.6テーマイベント
華やぐ紫苑の庭
前提任務
魔神任務:第二章 第一幕 鳴神不動、恒常楽土−離島脱出計画
及び伝説任務:神守柏の章 第一幕 散りゆく青桐の葉、伝説任務:天下人の章 第二幕 須臾百夢、伝説任務:睡竜の章 第一幕 春草や、戦の後の夢の迹 完了推奨
入手:
ムービー
話しかける
(葵の翁の絵姿を調べる)
華彩紫庭真説 第三幕 薄墨淡朱の新しき絵画に続く
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華やぐ紫苑の庭
イベント概要 | イベントストーリー |
華彩紫庭真説 第一幕 酔いどれ翠庵の怪しき事件
1.菫庭の風雅な盛会
2.酔いどれ翠庵の怪しき事件
華彩紫庭真説 第二幕 青花の裏に残されし詞藻
1.青花の裏に残されし詞藻
華彩紫庭真説 第三幕 薄墨淡朱の新しき絵画
1.薄墨淡朱の新しき絵画
華彩紫庭真説 第四幕 黒に染まりし宵暗の御所
1.黒に染まりし宵暗の御所
2.五彩光華に隠されし真相
1.菫庭の風雅な盛会
2.酔いどれ翠庵の怪しき事件
華彩紫庭真説 第二幕 青花の裏に残されし詞藻
1.青花の裏に残されし詞藻
華彩紫庭真説 第三幕 薄墨淡朱の新しき絵画
1.薄墨淡朱の新しき絵画
華彩紫庭真説 第四幕 黒に染まりし宵暗の御所
1.黒に染まりし宵暗の御所
2.五彩光華に隠されし真相
前提任務
魔神任務:第二章 第一幕 鳴神不動、恒常楽土−離島脱出計画
及び伝説任務:神守柏の章 第一幕 散りゆく青桐の葉、伝説任務:天下人の章 第二幕 須臾百夢、伝説任務:睡竜の章 第一幕 春草や、戦の後の夢の迹 完了推奨
到着時刻表に書いてある時間通りに、離島の船着き場へ行こう。客人たちの船は明日の朝10時に到着するはずだ。
パイモン | オイラたちが迎えなきゃいけない璃月の船が、もうそろそろ来るみたいだな。波止場に行こうぜ。 |
行秋も船に乗ってるのを忘れるなよ?小説を失くしたこと、うっかり言わないように気をつけるんだぞ。 |
船の到着時間になった。離島の波止場に行こう。
パイモン | みんな、璃月から稲妻の容彩祭に参加しに来たんだよな?オイラたちは容彩祭のガイドなんだ、島まで案内するぜ。 | |
あれ、オイラの気のせいか?おまえのこと、どこかで見たような… | ||
阿旭 「飛雲商会」の従僕 | あはは、気のせいじゃありません、私は飛雲商会の阿旭です。この船には書道家以外にも、画家や機関棋譚の棋士も乗っているんですよ。 | |
以前、機関棋譚の発明者が飛雲商会まで投資の話を持ちかけてきたんです。旦那様は興味を示さなかったのですが、坊ちゃまのほうは支援したいと仰っていました。 | ||
聞いたところによると、容彩祭でも機関棋譚の展示とお試しがあるそうで。旦那様から、坊ちゃまと一緒に稲妻でこの製品の将来性を確認して来てほしいと頼まれたのです。 | ||
パイモン | じゃあ、その坊ちゃまはどこにいるんだ? | |
阿旭 | 坊ちゃまは… | |
パイモン | あっ、行秋が座ったまま寝てるぞ! | |
行秋 | …はっ! | |
おや、旅人にパイモン。君たちも稲妻を訪れて来たのかい?どうやら僕たち、本当に縁があるようだね。 | ||
パイモン | オイラたちは客じゃなくて、容彩祭のガイドだぞ。 | |
💬行秋、元気だった? | ||
💬なんだか元気がないみたいだけど。 | ||
行秋 | 問題ないよ。船の上で小説を読むのに夢中になってしまってね、気がついたら夜が明けていただけだ。 | |
そうだ、島に上陸したら、勘定奉行に招待状を見せなければならないんだろう?先に招待状を取り出しておこう。 | ||
ん?これは… | ||
💬どうしたの? | ||
行秋 | 僕の荷物の下に紙がある…おかしいな、さっきまではなかったはずだけど。 | |
パイモン | オイラたちに見せてくれ! |
『五歌仙容彩・葵の翁編』
五歌仙容彩・葵の翁編
年老いて 冠掛けし かたはらは
松影霞む 月ばかりなり
敢へ無くも からき命を 守りたり
逆ふることは ほいなきにこそ
しぶしぶに せいて探りて 見つけたるを
衣の中に もて隠したり
脅しつるは 何人ならむ 如何にぞや
恐らくかのもの たぶれたるべし
赤人を 想ひて詠んだ 歌ゆゑに
友は何処や あな口惜し
パイモン | 間違いない、この前手に入れた物語のシリーズだ。文字の筆跡までまったく同じだぞ! | |
行秋 | この前手に入れた物語? | |
パイモン | 港口の倉… | |
💬コホンッ――! | ||
パイモン | 倉…倉…「捜索大作戦」! | |
えっと、オイラたちの友達が、離島で容彩祭のために五歌仙の肖像画を描くんだけど…肝心な五歌仙の物語が、色んな場所に隠されちゃってるんだ! | ||
その物語を見つけてそいつに渡せば、モデルとして絵の中に描いてもらえるかもしれない! | ||
行秋 | 待てよ、それって… | |
💬まずい、疑ってる! | ||
💬パイモンさすがに無理がある! | ||
パイモン | で、でもこの一瞬で、他に思いつかなかったんだ! | |
行秋 | それってまさか…白亜先生に会えるということかい! | |
パイモン | えっ?えっと、おう…そ、そうとも言えるな。 | |
行秋 | 本当かい?それはよかった!実は以前から、白亜先生が容彩祭に参加することを知っていてね。機関棋譚の投資価値を見極めるという名目で、なんとか父上に稲妻へ来ることを承諾させたのさ。 | |
だけどそれからすぐに、白亜先生が祭り期間中に五歌仙の肖像画を描かなければならないと聞いた。 | ||
せっかく白亜先生と稲妻へ来ることができたのに、会う機会すらないなんて…そう思って、しばらくの間ずっと落ち込んでいたんだ。 | ||
パイモン | 安心しろ、行秋。確かに白亜先生には仕事があるけど、友達にすら会えないほど時間がないわけじゃない。今から、あいつのところに連れて行ってやるぜ。 | |
それに、もうオイラたちも聞いてるぞ。白亜先生はおまえの小説『沈秋拾剣録』の挿し絵を担当してるんだってな。 | ||
行秋 | 君たちも知っていたのか。 | |
正直なところ、璃月ではまったく人気が出なかった僕の小説が、稲妻で売れている理由…その半分は、白亜先生の美しい挿し絵のおかげなんだ。 | ||
白亜先生は絵の腕もさることながら、完成させる速度も凄まじい。最新章の挿し絵は、わずか数時間で描いたそうだよ。 | ||
僕の見解だが、あの挿し絵には迷いが一切なく、実に精巧なものだった… | ||
おっと、話に夢中で時間を忘れてしまったね。早く行こう。 | ||
パイモン | ふぅ…アルベドのおかげで行秋の注意をそらせたな。気づかれなくて済んだぜ…アルベドに会っても、ボロが出ないといいんだけど。 |
入手:
『五歌仙容彩・葵の翁編』(任務アイテム)
行秋が荷物の下で見つけた紙切れ。彼が居眠りをしていた間に、誰かが置いたようだ。紙には、『五歌仙容彩・葵の翁編』という詩が書かれている。
行秋は荷物の下で新たな五歌仙物語を見つけた。五歌仙広場でアルベドを探し、彼と相談しよう。
アルベド | やあ、旅人にパイモン。ん?隣の方は…? | |
行秋 | 白亜先生とお見受けいたします。お会いできて光栄です、僕は『沈秋拾剣録』の作者――枕… | |
いえ…お会いできたのに筆名で呼ばせるのは失礼でしたね。僕のことは行秋と呼んでください。 | ||
アルベド | なら、キミもボクをアルベドと呼ぶといい。 | |
行秋 | いえ、そんなわけには… | |
アルベド | どうしていけないんだい?お互い旅人の友達なんだし、本名で呼び合う方が手間も省けるはずだ。 | |
それに、ボクたちはこれまでにも交流があっただろう。そこまで畏まられると、かえって慣れないよ。 | ||
パイモン | えへへ、アルベドだけじゃないぞ。オイラたちもこんなに慌てた行秋を見たのは初めてだ。 | |
💬珍しいものを見た。 | ||
💬見識が広まった。 | ||
行秋 | コホンッ…まったく、君たち二人まで機会とばかりに僕をからかわないでくれ。 | |
そうだ、先ほど埠頭で「捜索大作戦」の物語を見つけたんだ。聞けば、君はそれを収集しているんだってね。 | ||
アルベド | 「捜索大作戦」? | |
パイモン | ほ、ほら…五歌仙物語が書かれた紙切れを探すあのイベントのことだ!前に吟遊野郎が一枚見つけて、モデルとしておまえの絵に採用されただろ… | |
アルベド | ん?…ああ。そう、そうだったね。 | |
紙切れをアルベドに見せた。 | ||
アルベド | 物語は大体把握したよ。ありがとう、大助かりだ。 | |
行秋 | それならよかった。だけどこの物語、まったく筋が通っていないように見える。どういうことなのか詳しく教えてくれないか? | |
アルベド | もしみんな時間があるなら、どこかで食事でもしながら話そうか? | |
行秋 | う、それは… | |
パイモン | ん?行秋はなにか用事があるのか? | |
行秋 | いや、なっ、なんでもない!食事といえば、志村屋のうな茶漬けがとても美味しいんだ、そこへ行くのはどうだい? | |
アルベド | 志村屋か。だけど今日は風が強いからね、烏有亭でもいいかい? | |
行秋 | ああ。僕は荷物を置いてくるから、後で烏有亭で会おう。 | |
アルベド | ふむ、やはり辻褄が合わない… | |
パイモン | えっ、そんな…オイラけっこう上手くやれたと思ったんだけど…もしかしてどこかでボロが出てたか? | |
アルベド | いや、パイモン、キミのことじゃない。旅人、どう思う? | |
💬行秋の様子がちょっと怪しい。 | ||
パイモン | 行秋が怪しい?おいおい、二人ともなに言ってるんだよ? | |
アルベド | パイモン、この詩はキミもさっき読んだだろう。行秋からすれば筋の通っていないものだけど、前のものと合わせて読んだならどうだい? | |
パイモン | 合わせて読む?どれどれ… | |
翠光は酔っぱらって眠ったせいで、葵の翁の歌を失くした…葵の翁は自身のその歌を、謎の人物に渡した… | ||
これってまさか、今日の物語は…『沈秋拾剣録』の新刊を盗んだ犯人が…行秋本人だって言ってるのか!? | ||
そんなはずないだろ…だって行秋は今朝稲妻に着いたばかりなんだよな? | ||
アルベド | 実は、それも疑わしい点なんだ。行秋がついさっき稲妻に到着したのなら、なぜ志村屋のお茶漬けの味を知っていたんだい? | |
それに、ボクが風が強いことを理由に場所を変えた時、彼は何の疑問も抱かなかった。まるで志村屋が、屋台であることを知っていたかのようにね… | ||
パイモン | それってつまり…本当はもっと前に行秋は稲妻に到着してたのに、着いたばかりのフリをしてたってことか? | |
アルベド | ああ、ボクはそう考えている。 | |
パイモン | でも行秋が犯人なわけないよな…?行秋の夢は「義侠心」ある人になることなんだ。人助けはしても、仁義に背くことは絶対にやらないはずだぞ! | |
アルベド | 落ち着くんだ、パイモン。ボクは行秋と初めて会ったが、以前から手紙で交流していたからね。彼の人柄についても、理解しているつもりだよ。 | |
きっと事情があるんだろう。この物語にもあったが、葵の翁が歌を持っていったのは、誰かに脅されたかららしい。 | ||
パイモン | 行秋…もしかして危険な目に遭ったんじゃ…? | |
アルベド | 今はまだ分からない。だけど烏有亭は屋内席のみの料亭だから、怪しい者の尾行や盗み聞きは、すぐに見つけられるはずだ。あそこで話をしたほうが安全だろう。 | |
真相を明らかにするためにも、店ではボクの話に合わせてくれ。 | ||
💬分かった。 | ||
アルベド | とりあえず、烏有亭へ向かおう。 |
行秋が嘘をついているのかどうかを暴くため、アルベドと烏有亭に行こう。
アルベド | 周囲に怪しい人物は見当たらないね。店の中で行秋を待とうか。 |
パイモン | うぅ、どうしよう…オイラすっごく緊張してきたぞ!行秋とどう話せばいいんだ… |
アルベド | まず、行秋が本当に他の人たちより早く現地入りしていたのかどうか確認しよう。もし彼が嘘をついている確たる証拠が見つかれば、それを突破口に真実を言わせられるだろう。 |
彼が来ないうちに、まずは店にいる客と話してみるのはどうかな。何かに気付けるかもしれない。 |
烏有亭にいる人と話せば、何か突破口が見つかるかもしれない…店主とお客さんたち、そしてアルベドと少し相談しよう。
陽太 | 容彩祭の最終段階で行われる新刊即売会、僕が一番楽しみなのは『沈秋拾剣録』さ! |
秋人 | ああ、なんと言っても先行販売限定のサイン本は、実に収集価値がある!絶対手に入れないと! |
陽太 | 以前も枕玉先生のサインを見たことがあるけど、とても整った字で、真面目なお人柄が垣間見えたよ。 |
秋人 | 即売会当日は、先生も現地にいらっしゃるみたいだから、その時にお姿を拝見できるはずだ。噂によると、凄く若いらしいぞ。 |
パイモン | んんん?オイラの聞き間違いじゃないよな…?行秋が新刊にサインする上に、字が「とても整ってる」だって…? |
パイモン | アルベド、あとでなにを話せばいいか、考えはあるか? |
アルベド | ボクは、小説と挿し絵の創作について行秋と話すつもりだよ。 |
もし彼が本当に何かを隠しているなら、きっとボクたちよりも緊張しているはずだ。創作について話せば、彼の警戒を解くことができるかもしれない。 | |
パイモン | そういえば…行秋が、短い時間でまったく迷いのない挿し絵を完成させてくれたおまえに感謝したいって言ってたぞ。 |
アルベド | 本当にそう言っていたのかい?ふむ、それはまた、とても価値のある情報だね。 |
岡崎陸斗 「烏有亭」店主 | お客さん、注文はどうしやす? |
パイモン | 大将、今日のおすすめ料理はなんだ? |
岡崎陸斗 | そりゃもちろん、捕りたての海鮮さ!ずっと海じゃ大雨が降ってたから、漁船もほとんど出てなかった。だから今日のは全部、天気が好転した今日捕ったばかりのもんだ。 |
パイモン | 昨日までは、海の天気がよくなかったのか? |
岡崎陸斗 | ああ、さっきも璃月からのお客さんが、船が揺れて大変だったって言ってたよ。寝ること以外何もできなかったそうだ。 |
パイモン | なんだか役に立ちそうな情報が聞けたな。 |
少し経った頃、行秋が烏有亭に来た。そして食事が終わり… | ||
行秋 | 実に美味しかった。稲妻の料理は新鮮な海の幸が中心で、とても好みだ。 | |
パイモン | えへへ、ならよかったぜ。オイラたち、おまえがあまり眠れてないなら食欲もないんじゃないかって心配してたんだ。 | |
(プレイヤー名)、この機会になにか聞き出せないか、行秋と話をしてみようぜ! | ||
そうだな…旅の道中について聞いてみたらどうだ。 | ||
選択肢分岐 | ||
💬「旅路」について話題を振る。 | ||
行秋 | 実は僕、こんな遠出をしたのは生まれて初めてなんだ。初めはワクワクしていたけど、海上にずっといるのはやはりつまらないね。 | |
パイモン | そうだったのか。道中なにか印象深かったこととかないのか? | |
行秋 | ははっ、しいて言うなら、船で読んだ小説かな。 | |
パイモン | うーん…価値のある情報は聞き出せなかったな。 | |
(選択肢に戻る) | ||
💬「道中読んでいた本」について話題を振る。 | ||
パイモン | ところで行秋、旅の途中なんの本を読んでたんだ? | |
行秋 | ああ、『お願いっ!私の仙狐宮司』という小説だよ。担当から送られてきたんだ。 | |
パイモン | 船で本を読むなんて、船酔いしなかったのか? | |
行秋 | ははっ、僕は古華派の技を会得しているから平気さ。でも確かに、船酔いしていた人は少なくなかったね。 | |
パイモン | うーん…特に疑わしいところはなかったな。 | |
(選択肢に戻る) | ||
💬「道中の風景」について話題を振る。 | ||
行秋 | 実を言うと、海では毎日が同じ景色なんだ。これといった風景もないせいか、みんな到着を待ちくたびれていた。 | |
だから稲妻の近くまで来た時は、遠くにある影向山の頂上を見て、みんな一斉に甲板に出ていたよ。 | ||
ただ船が進むのがあまりにも遅いせいで、山頂が見えてから岸に着くまで、丸一日かかったな。 | ||
パイモン | この話も、疑わしくはないような… | |
💬いや、凄く疑わしい。 | ||
パイモン | あっ…そっか…岸に着くまで丸一日かかったんなら、山頂が見えたとき、海は大雨だったはずだよな! | |
アルベド | 収穫はあったけど、もう少し証拠を集める必要があるね。行秋と創作について話してみよう。 | |
選択肢分岐 | ||
💬「自分の小説」について話題を振る。 | ||
行秋 | 小説を読むのは面白いが、書くとなるとそれはまた別の話だ。 | |
物語の構成、文章のテンポ、すべてがある種の学問だからね。 | ||
それに、興味のあるものを創作するとは言え、必ずしも満足のいくものを表現できるとは限らない。 | ||
アルベド | それについてはボクも深く同意するよ。 | |
著作、描画、錬金術の研究…どんな分野においても、真剣に打ち込めば打ち込むほど、本当に満ち足りていると思える瞬間はわずかになるものだ。 | ||
パイモン | なんか二人で奥深い話をしてるけど、怪しいところはなさそうだな… | |
💬「アルベドの挿し絵」について話す。 | ||
💬「アルベドの挿し絵」について話す。 | ||
行秋 | ところでアルベド、僕の小説の挿し絵を描いてくれた君に、ずっと前から感謝したかったんだ。 | |
僕の小説は、璃月ではあまり売れていなくてね。だから実を言うと、あまり自信がなかったんだ。 | ||
でも君の挿し絵は、いつもその章で一番重要な場面を選んでくれている。僕の表現したかったことが、理解されているのを感じたよ。 | ||
アルベド | ありがとう、だけど今回の挿し絵は少しリスクを孕んでいる。実を言うと、ボクも少し不安なんだ。 | |
💬リスク? | ||
アルベド | 娯楽小説の挿し絵はキャラクターを描くのが主流だけど、今回の最終章では他のものを描いたんだ。 | |
行秋 | だけど、あのシーンは世界の変化を見せるものだ。背景だけを描くと言うのは、とても合っていたと思うよ。 | |
パイモン | 怪しいところはなにもなかったな… | |
アルベド | いや…行秋は今、確かに綻びを見せたよ。ボクの挿し絵は稲妻に届いてすぐに印刷されたはずだから、行秋は本当なら見たことがないはずだ。 | |
行秋、ボクたちから一つ、とても重要なことを聞いてもいいかい。 | ||
行秋 | どうしたんだい、二人とも改まって… | |
💬行秋、なんで嘘をつくの? | ||
行秋 | ん?それは一体、何のことだい? | |
パイモン | 行秋…実はオイラたち、店主から聞いたんだけど…昨日までは海の天気がよくなかったみたいなんだ。だからおまえがさっき言った、影向山を見たらみんな甲板に出たって話は、ありえないんだ… | |
アルベド | それに、『沈秋拾剣録』の新刊は容彩祭で発売される予定となっている。作者であるボクたちですら、まだサンプルをもらっていないのに、一体どうして、挿し絵の詳細を知っていたんだい? | |
行秋 | うっ… | |
パイモン | 行秋、おまえ…本当は今日よりも前から、稲妻に来てたんだろ? | |
なにか危ないことに遭遇して、本当のことが言えないのか?それなら安心しろ、旅人もアルベドもすごいんだからな! | ||
行秋 | いや、そうじゃない…誤解だ! | |
はぁ…やはりここ数日の睡眠不足のせいで、頭が鈍ってしまっていたみたいだ。君たちが僕を探っていることに気付けないとは… | ||
少し用事があって、確かに僕は稲妻に早めに来ていた。どう君たちに説明しようか…少し考えさせてくれ。はぁ…本当に話しにくいことなんだ… | ||
ウェンティ | あっ、奇遇だね。君たちもここにいたのかい。 | |
パイモン | あれ、吟遊野郎じゃないか。どうしてここに? | |
ウェンティ | あははっ、ここに店主秘蔵の長年熟成したお酒があるって聞いて、飲みに来たんだよ。 | |
パイモン | ふんっ、そんなどうでもいいことだろうと思ったぜ。 | |
ウェンティ | それはどうかな?実は、君たちに良い知らせがあるんだ。 | |
さっき九条裟羅に会ったんだけど、『沈秋拾剣録』を盗んだ犯人を天領奉行が捕まえたから、もう心配しなくていいって言ってたよ。 | ||
行秋 | 『沈秋拾剣録』を盗んだ犯人だって!? | |
ウェンティ | あれれ、もしかしてボク、言っちゃいけないこと言っちゃった? | |
行秋 | まずい!天領奉行が捕まえた犯人というのは、もしかして小野寺さんという編集者かい? | |
ウェンティ | 名前までは言ってなかったけど、九条裟羅がその人を花見坂まで連れて行くのを見たよ。 | |
行秋 | みんな、悪いけど説明している暇はない。早く小野寺さんを救出しに行かないと! |
九条裟羅が本を盗んだ犯人を捕まえたと聞いて、行秋は真っ青になった。早く彼と一緒に編集者の家まで行って、「人助け」しよう。
行秋 | 待ってくれ!小野寺さんは無実だ! |
九条裟羅 | そちらは『沈秋拾剣録』の作者のようだな。他の者まで一緒に来るとは思わなかったが。 |
行秋 | とにかく、連れて行かないでくれ。まずは話を聞いて… |
小野寺 「八重堂」編集 | 枕玉先生、ご心配なく!実はさっき、九条様にすべての事情を話しました。黒田も証言してくれたんです。 |
九条裟羅 | そうだ。ちょうどここを去るところだった。 |
行秋 | ふぅ、よかった… |
いやよくない!それって…ここにいる者は、みんな知ってしまったということか…? | |
天領奉行の兵士 | プッ…! |
九条裟羅 | コホンッ!正確に言えば、犯人逃亡を防ぐために配備していた、もう二小隊の人員もな。 |
行秋 | うぅ… |
パイモン | なんだか行秋がショックを受けてるみたいだけど、どういうことなんだ? |
💬たぶん「サイン」と関係がある。 | |
行秋 | はぁ…恥ずかしい限りだけど、大勢の者に知られてしまった今、もはや隠す意味もないだろう… |
実際、この件が僕の責任であることに変わりはない。 | |
小野寺 | いえ、枕玉先生。この件はすべて私の責任です。皆さん、私から説明いたしましょう。 |
今回の容彩祭で、私は「作者のサイン入り新刊」を売り出すアイデアを考えました。 | |
これは私が八重堂に入ってから、初めて任せられた大型企画です。それに、八重様からも絶大な支持を受けていました。 | |
ですが、作者の先生方と相談する前に、企画内容を提案してしまい…枕玉先生には多大なご迷惑をかけてしまいました… | |
行秋 | 率直に言えば…僕は書道が得意でなく、サイン関連の企画には向いていないということだ… |
小野寺 | 枕玉先生はとても困っていましたが、この企画が私にとってとても重要だと知ると、すぐに船で稲妻に来てくれたのです。共にこの難関を突破するために… |
ここ数日、先生はひたすら字を書く練習をされていました。ですが一冊のサインにかかる時間は長く、確保していたサインの時間では足りませんでした。 | |
そこで考えたんです…新刊を倉庫から私の家に運べば、発売までの期間を使って、先生にサインしていただけると。 | |
完璧な計画だと思ったのですが、まさかこんなすぐに気付かれてしまうとは…思いもしませんでした。 | |
それに加えて、私もここ数日ちょうど休みを頂いていたので、先生と一緒に家にいたんです。そのせいで現場の状況にいち早く気付くことができず、こんな大騒動に… | |
はぁ…私はこの企画を通して、自分の実力を証明したいと思っていましたが…その気持ちが強すぎたせいで、こんな結果を招いてしまったのでしょう… | |
行秋 | 小野寺さん、僕も似たようなものだ。読者に字が汚いことを知られたくないという理由から、その提案を受けたんだから。 |
それにそもそも、小野寺さんは僕の以前のサインに惑わされてしまったんだ。 | |
以前、八重堂でのイベントで、契約作者の直筆サインが展示されたことがあってね。 | |
当時の僕は、丸一日かけて、ようやく形と流れが整った美しいサインを出すことができた。 | |
けど…今考えてみると、見栄を張って建て前のためのサインを書いたことは、自分で自分の首を絞めたことと同義だった。 | |
ウェンティ | まあまあ、二人ともそんなしょんぼりしないで。窃盗事件が誤解だって分かってよかったじゃないか。それに、誰しも人に見られたくない一面はあるはずだよ。 |
パイモン | そうだぞ。行秋と小説が無事だってわかっただけで、十分だ。 |
黒田 「八重堂」編集 | 小野寺さん、小説紛失の件の真相については、やはり離島にいる他の皆さんにも説明したほうがいいでしょう。 |
小野寺 | 分かりました。私から皆さんに謝罪してまいります。 |
パイモン | じゃあ、オイラたちも離島に戻ろう。 |
小野寺、行秋一行と共に遠国監察会場に行き、他の編集者たちに事情を説明する。
平山 「八重堂」編集主任 | おや、小野寺さん、どうしてここへ?ここ最近はお休みだったのでは? |
編集たちに事の経緯を説明した。 | |
小野寺 | 本当にすみません!皆さんにご迷惑をおかけしてしまいました! |
平山 | はぁ…まったくあなたは… |
どうしてもっと早く、それを言わなかったのですか?みんな知っていれば、一緒に方法を考えてあげられたはずです。 | |
村田 「八重堂」編集 | そうよ、みんなで一つのチームなんだから、困った時はお互い様でしょ。 |
平山 | まあ…今はそれよりも、枕玉先生のサインについて解決するほうが重要です。先生、そちらの進捗はどのような状況でしょう? |
行秋 | 実はあまり楽観的ではいられない。ここ数日夜通しで作業して、約十分の一しか出来ていないんだ… |
パイモン | どうりでずっと、行秋は眠たそうにしてたんだな。 |
平山 | 分かりました。村田さん、後で八重堂に戻って荒谷さんを呼び、烏有亭二階の部屋を貸し切ってください。枕玉先生の書道特訓用に使います! |
村田 | はい!主任、実は私の兄が書道家なんですが、兄を呼んできてご指導を手伝わせましょうか? |
平山 | それは願ったり叶ったりです。それを聞いて私も一つ思い出しました。今日は璃月から、書道家の先生が二人いらっしゃる予定です。我々も仕事をご一緒したことがあるので、彼らにも頼んでみます。 |
行秋 | 何だか…大変なことになりそうな予感が… |
小野寺 | 枕玉先生、ご心配なく。先生ならきっとできます!以前も、一週間だけで小説の最終章を書いたじゃないですか。 |
行秋 | 小説と書道はまったく別物だ! |
パイモン | 結局、行秋は暫くサインから逃げられなさそうだけど、なんだかオイラすごく安心したぞ。 |
アルベド | 以前はボクも一人で研究拠点にいるのが好きだった。だけど今は、他の人も一緒になって問題を解決するのも悪くないと思う。 |
ウェンティ | 重要な情報を提供してくれた謎の人物にも感謝しないとね。 |
パイモン | それって、五歌仙物語を残したやつのことか? |
行秋 | 君たち、何の話だい? |
パイモン | そっか、行秋にはまだこのことを話してなかったな… |
行秋にここ数日起きたことを話した… | |
行秋 | なるほど…となると、僕と小野寺さんが小説を運んでいたところを誰かに見られていたことになるね。 |
アルベド、君に一つ頼みたいんだが、僕も君の絵に入れてくれないか? | |
今日の件が何とか解決できたのは、あの物語のおかげだ。それに、この教訓をより深く覚えておきたいんだ。 | |
アルベド | ああ、いいよ。肖像画の統一性を考えても、それが一番道理にかなっているからね。 |
ムービー
葵の翁 (演:行秋) | その影こそ |
葵の翁 | |
すべては素性の知れぬ者の目論見 | |
脅されし葵の翁は | |
やむなく歌の一枚を奪ひぬ | |
如何にぞや奪はせしむか? | |
ただ知るはその歌が | |
友の「赤人」を詠むることのみ |
パイモン | アルベドって本当にすごいよな。葵の翁の肖像画をもう完成させるなんて。 |
行秋は烏有亭で特訓してるみたいだけど、一体どうなったんだろうな…なあ、あの物語を残したやつって、もしかして近くに潜んでるんじゃないか? | |
💬その可能性はある。 | |
パイモン | おーい――物語を書いた人!近くにいるのか?行秋のためになにか方法を考えてくれよ! |
行秋はオイラたちの友達で、今回の新刊即売会は行秋にとってすごく大事なことなんだ! | |
ん?なんの音だ? | |
うぅ、猫か…うーん、やっぱり簡単には現れてくれないよな。 | |
もう遅くなってきたし、オイラたちも帰って休もうぜ。明日の朝、また港口で船を迎えなきゃいけないしな。 |
話しかける
(葵の翁の絵姿を調べる)
葵の翁の絵姿 | (アルベドが描いた葵の翁の肖像。) |
(行秋をモデルにしているため、璃月衣装の特徴が取り入れられており、葵の翁が自身の詩を持ち去る情景を描いている。) | |
(資料によると葵の翁は老人だったらしいが…うん、大丈夫、神子ならそんなこと気にしない!) |
華彩紫庭真説 第三幕 薄墨淡朱の新しき絵画に続く
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