kagemiya@ふたば

【元ネタ】はしれメロス
【CLASS】アヴェンジャー
【真名】メロス[オルタ]
【性別】男
【身長・体重】187cm・100kg
【外見・容姿】常に怒ってる白人男性。
【属性】混沌・善（狂）
【ステータス】筋力EX　耐EX　敏捷EX　魔力EX　幸運E　宝具EX

　メロスは激怒した。
　激怒しているので、何かに復讐したいと常に思っている。
　だが、何に対して怒っているのか自分でも分からない。
　メロスは結局激怒した。

　メロスは激怒した。
　どれだけ本来の姿が忘却された存在かを現すスキルがAになるぐらいには激怒した。
　単独行動の類似スキル。

　メロスは激怒した。
　自らの仕様の為にこのスキルが機能していない事に激怒した。

　メロスは激怒した。
　誰かが自らの物語を読む度、彼は激怒した。
　その星の数ほど読まれた『メロスは激怒した』の一文が、彼を激怒の化身へと変えたのだ。

ランク：EX　種別：対軍宝具　レンジ：？？？　最大捕捉：可能な限り
　メロスは激怒した。
　周囲の人間や動物から怒りの感情を吸収し、己の力とする程には激怒した。
　怒りが吸収された人間は怒りが静まる。
　どころではなく、怒りの感情を奪われ、怒るという行為が不可能となるのだ。
　だがそれでも悲しみや憎しみと言った負の感情は存在し、ストレスも蓄積する。
　精神機能の一つを剥奪された人間や動物は、いずれ破綻し、狂うこととなるだろう。
　範囲は広大で、おおよそ聖杯戦争が開催される地全土に影響を及ぼす。

　怒りの感情の吸収は最低ランクの対魔力や対精神汚染系スキルでも無効化する事が可能。
　吸収した怒りは魔力となり、メロスの中に蓄積。
　その後はメロスの本能下で身体能力の可変に充てられる。
　これにより彼は本能的に必要な筋力、耐久、敏捷、魔力を得、戦うことが出来る。
　だが幸運だけはどうしようもないので、とりあえずメロスは激怒した。
　そして最後に、どうしてこんな訳の分からない宝具を得てしまったのか分からない自分に激怒した。

　メロスは激怒した。
　噴出する激怒は刃よりも鋭利に、拳よりも固く、炎よりも熱く相対する物を粉砕し続ける。

　メロスは激怒した。
　“怒っている”ではなく“激怒している”ので、大抵ものすごい顔で血管を全身に浮き立たさせている。
　激怒しているがギリギリ理性は残っている。
　残っているが、その理性は紐のように細く頼りない。
　それは自分でも分かっているので、メロスは普段なるべく人も音も何もない場所で何も考えないよう努めている。
　しかし、もし何かが起きて、彼が一瞬でも何かを考えたなら――
　その瞬間、メロスの堪忍袋の緒は地平線の彼方へと吹き飛び、彼は理性を失い、行動不能になるまで暴走し続けるだろう。

“メロスは激怒した”
　この一文から始まる“走れメロス”の物語は、日本人なら誰しも読んだことがあるだろう。
　彼はこの“メロスは激怒した”の一文がサーヴァント化した存在である。
　つまり怒りの権化。
　激怒オブ激怒。
　とにかく常に絶対どうしようもなく怒っている。

　原典には怒る理由があり、その怒りから起きた事件を解決する為に走るのだが、彼にはそれがない。
　除くべき邪智暴虐の王も、救うべき友も、祝うべき妹も、走るべき道をも彼は取り上げられてしまったのだ。
　メロスは激怒した。
　本来なら嘆く事も出来たが、激怒する他、彼には無い。
　ゆえにメロスは願った。
　物語を取り戻すことを、本来の姿に戻ることを、怒りを捨て愛の為に走る事を。
　激怒の中、誰よりも純粋に、メロスは願った。

メアリー・スー
　メロスは激怒した。
　かの救済者に縋れば救われると思ったがそれはそれとして激怒した。
「眉っ！！！ミスミスミススポポポポ眉毛んんぐぐんんんんんんんんんんんんんん！！！！！」

シンデレラ・ストーリー
　メロスは激怒した。
　自分がこれに頼るのは色々とお門違いだと理解したので激怒した。
「うがああああああああああお願いシンデレラああああああああああああああああ！！！！！！」

赤頭巾
　メロスは激怒した。
　こんな少女を一人森に行かせ、お婆さんを森に一人きりにする邪智暴虐の両親と狼を除かねばならぬ。
　だがメロスに子育ては分からぬ。とりあえず激怒した。
「ネ！！グ！レクト…ネグッ！ふぐっ！！うぅぅううっ！！！！児相！じそおおおぉおおおおおおおおおおおお！！！！！うぐがああああああああ！！！！！！！！！」

長靴を履いた猫
　メロスは激怒した。
　猫に論破されるされない以前にコミュニケーションが取れない自分に激怒した。
　Q.どうして宝具が効かないんですか？
「知らんぬうううううううううううううううぬああああああああああああああああああああああああああああああ！！！！！！！」

がらがらどん
　メロスは激怒した。
　羊…笛…何かを思い出せる気がするのだが結局思い出せないので激怒した。
「わ、私は、笛、笛をふ、い、羊…ひつじと…あそ…そ…し…シシケバブ…シシケバブ…？シシ…あ゛？！」

チルチル＆ミチル
　メロスは激怒した。
　青い月が輝く時に何かを執行されそうな雰囲気がして激怒した。
　できればして欲しいと心のどこかで思いつつ激怒した。
「アオイホノオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！」

スカサハ【オルタ】
　メロスは激怒した。
　女性の生き方を一方的に決める愚鈍な男達に激怒した。
　…でも私も男じゃないかと思ったら複雑な感情の行き場が無くてさらに激怒した。
「うるさくて…すまなあああああああああああああああああああああああああああああいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！」

ぴるす
　メロスは激怒した。
　死んだ。

マッチ売りの少女
　メロスは激怒した。
　かの少女の不幸に対して激怒した。
　激怒したが、彼女のためにしてやれる事のない自分に激怒した。
　いや違う、今の自分は誰に対しても、何に対しても何もできぬのだ。
　それどころか、厄災にも似た存在と成り果ててている。
　ならば唯一残されたこの感情を振るう他ない。
　それで何が残るかなど考えもせぬ。考える事もできぬ。考えたとして最早何もできぬ。
　ただ唯一、メロスは少女の灯した朧火の先に見えた『しあわせ』を目指して激怒した。
「うがあああああああああああああああああああああああああ！！！！！！！！！！！！！ぐるるるああああああああああああああああああああああ！！！んぬああああああああああああああああああああ！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！ぐがあああああああああああああああああああああ！！！！！！！！！こんのやろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお！！！！！！！！！！！！！おんなのこがなあああああああああああああああああああまっちのおばあちゃんをなあああああああああああああああああああああああああああああああああああ！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！ぶるあああああああああああああああああああああああああああああああああああ！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！」

　30分ぐらいで思いついて書いた暴走系アヴェンジャー。
　とにかく怒るだけ、ひたすら怒るだけ。怒って走って怒って殴って怒る。
　本人が意図せずして広範囲に被害を広げてしまう悲劇？の人。
　レイアウトその他を微修正。因縁キャラに加筆。