最終更新:ID:ODyn36uK3A 2021年08月29日(日) 16:32:26履歴
「久しぶりだなぁ、サクヤん。元気してた?」
小学校の頃は地元の悪ガキを相手に喧嘩に明け暮れたが、共に音楽や服飾、ゲームなど個々の趣味にハマり始め、
中学で転校する日には、互いにやりたいことでビッグになって再会しようと約束して別れた。
以後は交流がなかったが、聖杯戦争がやや進んだ段階でマスターとしての正体を表す。
「……これでわかっただろ、サクヤん。お前もお前のセイバーも。俺達には絶対に勝てないんだって」
「だからさ、とっとと諦めて帰れよ。お前はもう邪魔なんだよ」
旧友のサクヤが聖杯戦争に参加していたことは完全に予想の埒外であり、加えて彼がイレギュラーとして
他のマスター全員から狙われる事態となり愕然とする。
単独でそれらのマスターを迎撃して回るのは困難であるし、仮に8騎目のサーヴァントが想定の範囲内であれば、
それらも焚べなければ聖杯は起動せず、自分もまた目的のためにサクヤと戦う必要が生じていた。
そのため彼のサーヴァントであるグリフレットのみを自分が倒して、サクヤを≪TSUCHIKA≫から追い出すことを目的に勝負をかける。
しかし彼がグリフレットを庇ったことで目的は破綻。その場は引き下がるが、サクヤと彼女が引き剥がせないことを直感で理解し、
今度の戦いではサクヤを殺して、親友と決別することを決意する。
立ち直ったサクヤとの再戦では、友人同士の戦いに対して和解の機会を与えようとしたホグニに対し、令呪を使って戦うことを強制。
互いに逃げ道を無くした状態で再び一対一の勝負に移るが、何も考えず真っ直ぐ突っ込んでくるサクヤに対して気迫で押されてしまう。
共に手を尽くして、叫び合って、殴り合って、勝敗は決した。
それはサクヤと最初に出会い、敗北した喧嘩と同じ光景だった。
唯は今のサクヤの姿に、ただ一心に、助けたいから助けるのだと拳を振るった過去の彼の姿を重ねた。
ずっと、その姿に憧れていたことを思い出した。
「―――あぁ、そうだったなぁ」
「自分が怖いとか、やらなくちゃいけないとかじゃなくてさ。本当にただ守りたいから守ってたんだ。ただ真っ直ぐにさ」
「そんなサクヤんが、カッコいいって。サクヤんみたいになりたいって、思ったんだっけ―――」
以後はグリフレットが奪われた時、そして黒幕の目的が明らかとなって、世界の崩壊を防ぐために二度彼と共闘する。
その際は肩の力を抜いて気の抜けた会話を交わすことも多い。
楡ルートでも最終的に共闘を果たすが、その際は男子高校生的なノリの場面がさらに増えてくる。
また、サクヤの健康状態や食欲を慮るセリフが非常に多く、往年の飯炊きオカンぶりが以前より自然な形で発揮されていく。
サクヤと彼女が契約を続ける以上彼は聖杯戦争のマスターとして攻撃を受ける対象になることから、
彼を無事に帰すにはグリフレットを優先的に排除するしかないとして並々ならぬ敵意を注いでいる。
しかし、彼女が鱗画聖永に奪われてサクヤと敵対した際は、サクヤを庇う形で三度目の対決を演じた。
「アンタならサクヤん任せといても良いって思ってたのになぁ、何悪そうな感じで操られてるワケ?」
「サクヤんから言いたいことがあるんだってさ。―――だからアンタは、大人しく話を聞いてな!!」
物語上で唯が姿を見せていない間、素顔を見せないようにしながらトリストラムとホグニとで遭遇戦を行う。
やはり手強い相手であったため、そこでは勝敗を決さずに早々に引き下がった。
「もういい、セイバー。今はこれで十分だ」
サクヤとの対立を過ぎて以後は味方の味方は味方…とまでは行かず、互いに不可侵を引きながら共闘していく。
「ただサクヤんから言っといてくれよ。飯はちゃんと自分で調理して食えって。ほらアレ、ゼリー山積み」
彼女のルートでは全面対決を行い、魔術師としての差、単独での手札の劣位を突かれホグニとの分断・各個撃破を徹底される。
窮地に立たされるが、割り込んできたサクヤに救われてそのまま陣営に加わった。
ある意味では初めて出会う魔術師らしい魔術師であり、手玉に取られたこともあって評価は高い。
そして、彼女の魔術への姿勢から自身が背負った冨楽の魔道が、本当に今の家族に必要なものか考え直していく。
こちらでもあまりに酷い食生活に驚愕する。
まともな食事を与えようとするもサクヤの料理ぐらいしか食う気が無いらしく、激しい攻防の果てに匙を投げざるを得なかった。
代わりにサクヤには実用的なレシピを送っておいた。
自身と枢木に並んで三騎士の一角を召喚しており、その動向を警戒している。
「なんだアイツ……サクヤんを知ってるのか?なんか、嫌な感じとも言えない微妙なトコだな」
そのために、油断を見抜いた彼女からはライダーが主導する心理作戦でマークされる羽目になる。しかしこの段階での印象は、元気なようで陰険な嫌な婆さんでしかなかった。
決戦の地で彼女と再び相対した時、戦争という行為を激しく憎む彼女の悲哀と……そのために鱗画聖永に加担し、世界を壊そうとする狂気を目の当たりにする。
戦争が良くないことなど、中東の戦禍の痕が報道されれば唯の世代だってよく知っている。家族を失う悲しみは、家族を尊ぶ唯にこそよく理解できる。
だが、決定的に二人は真逆の立場に立っている。ブリュンヒルトとは家族という繋がりを失ったことで狂わされた人間であり、
唯は義父母やサクヤという繋がりを与えられたことで救われた人間であった。それ故に、彼女は未来 を破壊し、彼は未来 を守る。
言葉による対話のチャンスなど、最初からなかった。
婆さんはそうなってしまった人だ。
もう戻れない運命の人だ。
そして、その先の未来に進ませてはいけない人だ。
だからこそ、絶対にここで倒す。この現在で終わらせる。それ以上の言葉は要らなかった。
ホグニとライダーの決戦に並行して行われた、唯とブリュンヒルトの本気の戦争。それはホグニの切り札を阻害しようと迫る空殻戦姫を唯の未来予知が撃ち落とす、人域を超えた速度の迎撃戦であり、
サーヴァント戦の決着を以て、唯たちが勝利を掴んだ。
ちなみに、因縁を抜きにしたブリュンヒルト個人のことは女性としてより老人としての敬老の精神で接している。
とはいえ腹立たしいからといって思い切り殴れる相手ではない。むしろ、唯個人の能力にとっては最悪とも言える相性の相手。
セイバールートにおいては完全な状態となった宝具と対峙、全ての未来を参照しても敗北するという完全な詰みの状況を作られ、彼の嘲笑と共に絶望を味わわされる。
しかし、ホグニの存在が唯を再起させる。彼女を信じて1枚だけのジョーカーに賭けた、作戦も何もない勝負が閉ざされた運命を切り開いた。
それ以外にも単純に性格の悪さが気に入らないらしく、劣勢の時も勝利した時もずっと口汚い言葉を浴びせている。「ゲームオーバーだ、クソ野郎!!」
楡ルートでは物語終盤の合流の際に、先にサクヤと組んでいた彼と遭遇する。
その際、電子情報の分野で彼の能力を高く評価して、必要なハードウェアの用意や情報解析などで彼の助手のように手助けをしていく。
知識欲の権化であるアオの存在は唯の趣味人的側面を刺激していき、それまでのお節介でない、個人的興味として彼に親しみを覚えるようにもなる。平たく言えば新しい友達。
ちなみに、唯が好んでいる骨董品的な古い機械のレストアには紙の技術書が多数必要であるため、それらを取り揃えた彼の蔵書量に驚嘆して神と崇める一幕もあった。
何より、消去法で彼はアサシンを召喚しているはずだが、いかに偵察してもその存在を欠片も露見させていない。
なるべく同じ土俵で戦いたい唯としてはどこかでボロを出すまで放置していたかったが、ライダーの扇動の中で
「ぼやぼやしていればアサシンかバーサーカーがサクヤを殺すかもしれない」と焚きつけられて唯を焦らせた。
最終的には自身がサクヤとの対決の準備を進めている間にアサシンが動き出し、唯も迎撃に動き出す必要があったが、
先んじてサクヤ達がこれを撃破したことでお流れとなった。難敵のアサシンを下したサクヤの勝負強さを実感するとともに、もう彼が戦争を降りないことを確信する。
終始彼に対しては有力な情報を掴めないでいたが、そもそも彼の正体である箱の中の大脳には、唯には読み解けない異常な運命ばかりが詰まっていたのだろう。
互いに高い制圧力を持つサーヴァントを有するが、唯がサーヴァントの回避性能を引き上げてバランスを高めているのに対し、
マレフィキウムはマスターまで攻撃に特化して攻め立ててくる。手を読み切れば競り勝てるが、手を誤れば押し切られるといった所。
そのためサクヤとの最初の対決までは、有力候補のバーサーカーをどうにか撃破し、その他の陣営をサクヤ包囲網から退かせるという作戦も検討していた。
ただし、セイバールートの決戦で実際にバーサーカーと相対する時、唯が相手をするのはリスキーな選択である。次の強敵に備えて退かざるを得なかった。
個人として見た場合、他人を害する攻撃性は普通に嫌い。唯もまた攻撃的に接していくため常に一触即発の険悪な空気が漂う。
一方で、どこかサクヤと同じ感覚を覚えることもあるが、それに気づくにはあまりに立場を違え過ぎた。
【氏名】冨楽 唯
【性別】男
【年齢】16歳(冬生まれ)
【出身】日本・東京
【身長・体重】172cm・76kg
【肌色】東洋系【髪色】明るい茶【瞳色】暗い赤
【外見・容姿】にこやかな笑顔がなんか怪しい少年
【令呪の位置】左手の甲
【属性】中立・善
【魔術系統】-(刻印による魔術は実質使用不可)
【魔術属性】火
【魔術回路】質:A+ 量:B+ 編成:やや異常(継承した魔術刻印より生来の回路の方が強く主体的)
【所属】国立高等専門学校電子情報工学科2年
【階位・称号・二つ名】なし
【契約サーヴァント】セイバー
作成:みそかのメーカー
【性別】男
【年齢】16歳(冬生まれ)
【出身】日本・東京
【身長・体重】172cm・76kg
【肌色】東洋系【髪色】明るい茶【瞳色】暗い赤
【外見・容姿】にこやかな笑顔がなんか怪しい少年
【令呪の位置】左手の甲
【属性】中立・善
【魔術系統】-(刻印による魔術は実質使用不可)
【魔術属性】火
【魔術回路】質:A+ 量:B+ 編成:やや異常(継承した魔術刻印より生来の回路の方が強く主体的)
【所属】国立高等専門学校電子情報工学科2年
【階位・称号・二つ名】なし
【契約サーヴァント】セイバー
作成:みそかのメーカー
運命を識る力。完全な未来予知。
未来視の魔眼とは微妙に異なり、能力は眼に依存していない。性質としては第六感、直感に近い天性の異能。
全ての存在が持ち得る運命を紐解いて解読する力と表現でき、それらが織り成す未来を俯瞰的に観測し得る。
完全に覚醒すれば、編纂事象を幹とする壮大な世界樹の始まりから終わりまでを識ることも可能……というのは飛躍した話。
実際は脳の処理限界のため解読能に制限がかかっている。本来感じ取っている膨大な運命情報を取捨選択して、
「近い未来の完全な未来予知」と「遠い未来のうち、重大な運命に関する不確かな予言」の2種が唯の知覚に入力されている。
前者は具体的にはサーヴァントが使用する直感スキル等と類似し、読み合いに限定すれば過去の英霊をも出し抜くほど強力無比。
後者については、唯自身や他者のまだ未確定な望ましくない未来 が流入し、予言を基にした回避が促される。
しかしそれ故に、他人の望ましくない末路も確定しないように無理に気を回してしまう側面も否定できない。
未来視の魔眼とは微妙に異なり、能力は眼に依存していない。性質としては第六感、直感に近い天性の異能。
全ての存在が持ち得る運命を紐解いて解読する力と表現でき、それらが織り成す未来を俯瞰的に観測し得る。
完全に覚醒すれば、編纂事象を幹とする壮大な世界樹の始まりから終わりまでを識ることも可能……というのは飛躍した話。
実際は脳の処理限界のため解読能に制限がかかっている。本来感じ取っている膨大な運命情報を取捨選択して、
「近い未来の完全な未来予知」と「遠い未来のうち、重大な運命に関する不確かな予言」の2種が唯の知覚に入力されている。
前者は具体的にはサーヴァントが使用する直感スキル等と類似し、読み合いに限定すれば過去の英霊をも出し抜くほど強力無比。
後者については、唯自身や他者のまだ未確定な
しかしそれ故に、他人の望ましくない末路も確定しないように無理に気を回してしまう側面も否定できない。
現実から≪TSUCHIKA≫内へコンバートされた礼装群。
実父の血筋から先祖返りを起こした唯自身の魔術回路は潤沢であるが、冨楽の魔術刻印は既に途絶寸前で、回路を活かせる有用な魔術は残っていなかった。
その代用として実戦に堪える魔術を求めて可能な限りの装備を準備している。主に使用するのはガンドを発射する魔銃など。
実父の血筋から先祖返りを起こした唯自身の魔術回路は潤沢であるが、冨楽の魔術刻印は既に途絶寸前で、回路を活かせる有用な魔術は残っていなかった。
その代用として実戦に堪える魔術を求めて可能な限りの装備を準備している。主に使用するのはガンドを発射する魔銃など。
東洋系のきめ細かい肌と金に近い明るい茶髪が目立つ。顔立ちは実母に似てかなり整っている。
日常的に健啖かつ鍛えており、体格は平均的だが体重はやや重い。服を脱ぐと印象より筋肉が引き締まっているのがわかる。
服装は全体的に黒く、実用一点張りの飾り気がないもの。少し擦れ傷のある個所が散見され、年季が入っていることが伺える。
特に≪TSUCHIKA≫内では、羽織っているパーカーのフードを被った状態で姿を見せることが多い。
幼い頃の外傷により視力が落ち、現在は網膜をインプラントに置き換えて補助用の眼鏡をかけている。
しかし≪クオリア≫や≪TSUCHIKA≫内では視力に影響はないため、仮想世界では身に着けていない。
≪クオリア≫内では遊んでいるゲームの持ちキャラと同じ外見のアバターを使用している。赤い眼光が見える黒騎士姿。
ハンドルネームは「Creole(クレオール)」。
6章後は、サクヤから服装をダメ出しされたことを気にして黒のモッズコートと灰迷彩のカーゴパンツに着替える。
日常的に健啖かつ鍛えており、体格は平均的だが体重はやや重い。服を脱ぐと印象より筋肉が引き締まっているのがわかる。
服装は全体的に黒く、実用一点張りの飾り気がないもの。少し擦れ傷のある個所が散見され、年季が入っていることが伺える。
特に≪TSUCHIKA≫内では、羽織っているパーカーのフードを被った状態で姿を見せることが多い。
幼い頃の外傷により視力が落ち、現在は網膜をインプラントに置き換えて補助用の眼鏡をかけている。
しかし≪クオリア≫や≪TSUCHIKA≫内では視力に影響はないため、仮想世界では身に着けていない。
≪クオリア≫内では遊んでいるゲームの持ちキャラと同じ外見のアバターを使用している。赤い眼光が見える黒騎士姿。
ハンドルネームは「Creole(クレオール)」。
6章後は、サクヤから服装をダメ出しされたことを気にして黒のモッズコートと灰迷彩のカーゴパンツに着替える。
第一世代の母を持つ第二世代。けして幸福ではない生まれ。
父は所在もはっきりとせず、母は毎日のように違う男と過ごし、唯に関心を向けるということがなかった。
両親が自分に関心を持ちそうなことは何でもやったが無視された。鎖で繋がれて暗い倉庫に閉じ込められた。
殴られ続けるうちにモノがよく見えなくなった。与えられる食事は人間用のものではなかった。
その中で自然と親が殴ってくるタイミングがわかるようになり、やがて心と体を切り離して何も感じなくなった。
転機は7歳の時、一組の夫婦が養子として彼を引き取った。それが現在の冨楽家となる。
当初、傷だらけの唯は同年代の子供たちからは疎まれていて、暴力的に絡まれ出した際に自分の力の使い方を自覚し始めた。
相手が次に何をしてくるかわかる。合わせて足の指を踏み潰してやれば簡単に転ぶ。立場は逆転し、唯が相手を虐げる側に回った。
彼自身にとって暴力はさしたる理由はない。ただ過去に自分が受けたそれの埋め合わせでしかなかったのだろう。
ただ、それが長く続くことはなかった。一人の少年に喧嘩を挑まれて、烈火の如く殴られて負けた。
以来、その少年が唯の最初の友人となり、弱者を助ける心を刻みつけられた。
唯の行動原理は誰かを助けることに変化し、あるいは喜ばせることに立ち返り、今度はそれは成功した。
義父はネットワーク用ハードウェアのメーカーに勤める電子オタクで、唯は彼が喜ぶという理由でそれに興味を示すようになった。
義母が勧める料理にも真剣に取り組んだ、友人の食が細かったので、よく弁当を作って渡していた。
先読みの力は喧嘩にもゲームにも有利に働いた。最年少で大会に乗り込み、優れた結果を出して周囲を湧かせた。
何より、誰かが困っていたら、それがどんなことでも身体を張って助けた。それが最も彼の心を満たしていった。
そんな中、中学2年の時に地元から引っ越すため転校となり、親友とは一時別れることとなった。
その折、将来は世界中が熱中する最高のゲームを作って大成すると約束した。
家の荷物を整理していた時、唯は倉庫の奥深くから古びた日記を見つけた。
それは、冨楽がかつて魔術の家であった頃の記録。成果なき研究の焦り、宗家に軽んじられる屈辱、悲願が叶う前に衰退していく魔術への絶望が綴られたものだった。
当初は絵空事と思っていたが、それを見つけた義父母の表情は、その内容が事実であることを示していた。彼らこそ、永い魔道の道を断念する瀬戸際に立たされていたのだ。
偶然にも引き取った唯には、類を見ない魔術師の才と、どんな競争にも勝ち得る先読みの異能があった。これを利用して家を継がせようと何度も考えた。
だが、もはや継がせる研究も刻印も碌なものは残っていない。
何より、唯の人生は唯のものであるのだから、望むままに生きてほしい。両親は心底悲し気な表情を浮かべながらも、そう結論付けた。
だが、初めて唯は両親に反発を見せた。
家族が、先祖が代々望んできたことであるならば、それを諦めてほしくはない。自分は二人に救われてここにいるのだから、今度は自分が二人の助けになりたいと。
そうして唯は一縷の望みとともに冨楽の刻印を継承した。それは本当に搾りかすのようなもので、彼はその後の2年ほどをネオエイジらが取り組む仮想世界魔術の研鑽に努めた。
そんな絶望的な状況の中での打開策として、あらゆる願いを叶えるという願望機を求めて参戦する。
父は所在もはっきりとせず、母は毎日のように違う男と過ごし、唯に関心を向けるということがなかった。
両親が自分に関心を持ちそうなことは何でもやったが無視された。鎖で繋がれて暗い倉庫に閉じ込められた。
殴られ続けるうちにモノがよく見えなくなった。与えられる食事は人間用のものではなかった。
その中で自然と親が殴ってくるタイミングがわかるようになり、やがて心と体を切り離して何も感じなくなった。
転機は7歳の時、一組の夫婦が養子として彼を引き取った。それが現在の冨楽家となる。
当初、傷だらけの唯は同年代の子供たちからは疎まれていて、暴力的に絡まれ出した際に自分の力の使い方を自覚し始めた。
相手が次に何をしてくるかわかる。合わせて足の指を踏み潰してやれば簡単に転ぶ。立場は逆転し、唯が相手を虐げる側に回った。
彼自身にとって暴力はさしたる理由はない。ただ過去に自分が受けたそれの埋め合わせでしかなかったのだろう。
ただ、それが長く続くことはなかった。一人の少年に喧嘩を挑まれて、烈火の如く殴られて負けた。
以来、その少年が唯の最初の友人となり、弱者を助ける心を刻みつけられた。
唯の行動原理は誰かを助けることに変化し、あるいは喜ばせることに立ち返り、今度はそれは成功した。
義父はネットワーク用ハードウェアのメーカーに勤める電子オタクで、唯は彼が喜ぶという理由でそれに興味を示すようになった。
義母が勧める料理にも真剣に取り組んだ、友人の食が細かったので、よく弁当を作って渡していた。
先読みの力は喧嘩にもゲームにも有利に働いた。最年少で大会に乗り込み、優れた結果を出して周囲を湧かせた。
何より、誰かが困っていたら、それがどんなことでも身体を張って助けた。それが最も彼の心を満たしていった。
そんな中、中学2年の時に地元から引っ越すため転校となり、親友とは一時別れることとなった。
その折、将来は世界中が熱中する最高のゲームを作って大成すると約束した。
家の荷物を整理していた時、唯は倉庫の奥深くから古びた日記を見つけた。
それは、冨楽がかつて魔術の家であった頃の記録。成果なき研究の焦り、宗家に軽んじられる屈辱、悲願が叶う前に衰退していく魔術への絶望が綴られたものだった。
当初は絵空事と思っていたが、それを見つけた義父母の表情は、その内容が事実であることを示していた。彼らこそ、永い魔道の道を断念する瀬戸際に立たされていたのだ。
偶然にも引き取った唯には、類を見ない魔術師の才と、どんな競争にも勝ち得る先読みの異能があった。これを利用して家を継がせようと何度も考えた。
だが、もはや継がせる研究も刻印も碌なものは残っていない。
何より、唯の人生は唯のものであるのだから、望むままに生きてほしい。両親は心底悲し気な表情を浮かべながらも、そう結論付けた。
だが、初めて唯は両親に反発を見せた。
家族が、先祖が代々望んできたことであるならば、それを諦めてほしくはない。自分は二人に救われてここにいるのだから、今度は自分が二人の助けになりたいと。
そうして唯は一縷の望みとともに冨楽の刻印を継承した。それは本当に搾りかすのようなもので、彼はその後の2年ほどをネオエイジらが取り組む仮想世界魔術の研鑽に努めた。
そんな絶望的な状況の中での打開策として、あらゆる願いを叶えるという願望機を求めて参戦する。
ゲーム好きの至って普通な少年。
柔らかい表情をよく見せる明るい性格。年頃の男子らしく遊びたい盛りではあるが、根はお節介なオカン。
現在は冨楽家の養子として生活している。家庭環境は実子同然に扱われており、また彼も努めて孝行息子であろうとする。
私生活には彩を求めるタイプで、趣味の品であるゲームや電子機器には相応に予算を投じて、≪クオリア≫整備のバイトの資金も加えている。
ゲームではVR技術を利用した体感型アクションや同一視点シューティングをプレイすることが多い。このジャンルは現実の運動に近い感覚で操作するため、
スポーツ選手が優秀な成績を収めることも少なくない。唯はその逆で、ゲームに凝る中で疑似的に現実や≪クオリア≫内の運動センスが養われている。
メインマシンは相応にハイスペックのものを自作しており、またジャンク品を現行機並みに魔改造する趣味も持つ。
古い機械を扱う技術は専門知識の範疇であり、古い学術書を参照するために書店で紙の本を求めることもある。
電子情報系の高専に通っており、学業成績は上の中ぐらい、学内では共同でゲーム開発に明け暮れていて、中々良いアイデアが出始めているらしい。
昼は学食を利用することもあるが、家に余りものが多いときは不定期に弁当を拵えて持ち込んでくる。食事は三食しっかり食べる主義。
料理は義母から教わったもので、全体的に懐かしい感じのレパートリーだがどれも非常に美味。料理は愛情。
聖杯戦争においては冷徹な魔術師として振る舞う。目的のために敵を殺し、自身が死傷するリスクを覚悟して行動する。
口調も従来の軽さを感じさせる一方で語る内容は重苦しく、フードを被るのを合図に表情からは繕った笑顔さえ消失する。
目的のために、生来の気質を押し殺し続けるという形で自己を消耗しており、その行動の端々には僅かに苦悩を滲ませてもいる。
柔らかい表情をよく見せる明るい性格。年頃の男子らしく遊びたい盛りではあるが、根はお節介なオカン。
現在は冨楽家の養子として生活している。家庭環境は実子同然に扱われており、また彼も努めて孝行息子であろうとする。
私生活には彩を求めるタイプで、趣味の品であるゲームや電子機器には相応に予算を投じて、≪クオリア≫整備のバイトの資金も加えている。
ゲームではVR技術を利用した体感型アクションや同一視点シューティングをプレイすることが多い。このジャンルは現実の運動に近い感覚で操作するため、
スポーツ選手が優秀な成績を収めることも少なくない。唯はその逆で、ゲームに凝る中で疑似的に現実や≪クオリア≫内の運動センスが養われている。
メインマシンは相応にハイスペックのものを自作しており、またジャンク品を現行機並みに魔改造する趣味も持つ。
古い機械を扱う技術は専門知識の範疇であり、古い学術書を参照するために書店で紙の本を求めることもある。
電子情報系の高専に通っており、学業成績は上の中ぐらい、学内では共同でゲーム開発に明け暮れていて、中々良いアイデアが出始めているらしい。
昼は学食を利用することもあるが、家に余りものが多いときは不定期に弁当を拵えて持ち込んでくる。食事は三食しっかり食べる主義。
料理は義母から教わったもので、全体的に懐かしい感じのレパートリーだがどれも非常に美味。料理は愛情。
聖杯戦争においては冷徹な魔術師として振る舞う。目的のために敵を殺し、自身が死傷するリスクを覚悟して行動する。
口調も従来の軽さを感じさせる一方で語る内容は重苦しく、フードを被るのを合図に表情からは繕った笑顔さえ消失する。
目的のために、生来の気質を押し殺し続けるという形で自己を消耗しており、その行動の端々には僅かに苦悩を滲ませてもいる。
表向きには普通の少年。内面的には、強い善意と自己犠牲の上に成り立つ精神性の持ち主。
困っている人とそれを極力隠す人を放っておけず、またそれらが傷つく様を先読みしてしまう性質もあって、親身になって世話を焼いてくれる。
そういった人物に対しては無償の奉仕も躊躇わず、それで自分が不利益を被ることを気にせず捨て身の覚悟を見せてくる。
ごく自然とリスク管理において自身の損失が一番軽いと考えている節があり、あまり自分の命を大事にせずに人を助けてしまうのは欠点。
根本には、他者に奉仕すること、相手が喜ぶように努力することでしか他者との繋がりを感じることができない人間関係構築の貧弱さを抱えている。
特に「困っている人を助ける」ことがそれにあたり、困りごとを隠していたり、そもそも何も困っていない相手は助けられず、関わりを持てないことから苦手としている。
そして、極論ではあるが誰とも関わりを持てなければ、つまり誰の役にも立てなければ自分は再び独りになってしまうという不安感、焦燥が心中に満ちている。
実の両親の元にいたような無価値な肉塊に戻ることが唯の最大の恐怖であり、例え己の命を軽んじてでも、誰かを助けるように動き続けることでしか自身の価値を示すことはできないと考えている。
困っている人とそれを極力隠す人を放っておけず、またそれらが傷つく様を先読みしてしまう性質もあって、親身になって世話を焼いてくれる。
そういった人物に対しては無償の奉仕も躊躇わず、それで自分が不利益を被ることを気にせず捨て身の覚悟を見せてくる。
ごく自然とリスク管理において自身の損失が一番軽いと考えている節があり、あまり自分の命を大事にせずに人を助けてしまうのは欠点。
根本には、他者に奉仕すること、相手が喜ぶように努力することでしか他者との繋がりを感じることができない人間関係構築の貧弱さを抱えている。
特に「困っている人を助ける」ことがそれにあたり、困りごとを隠していたり、そもそも何も困っていない相手は助けられず、関わりを持てないことから苦手としている。
そして、極論ではあるが誰とも関わりを持てなければ、つまり誰の役にも立てなければ自分は再び独りになってしまうという不安感、焦燥が心中に満ちている。
実の両親の元にいたような無価値な肉塊に戻ることが唯の最大の恐怖であり、例え己の命を軽んじてでも、誰かを助けるように動き続けることでしか自身の価値を示すことはできないと考えている。
義父母が捨てざるを得なかった悲願。魔術家としての冨楽の再興。
未来の運命は無慈悲にも暗く、復活を成すにはかつて野心的な魔術の大家すら求めたという願望機をわが物として、その神秘に見える他ない。
必要なものはあくまで「希望のある運命」であって、未来の後継者は必ずしも自分である必要はない。
過酷な聖杯戦争を勝ち抜くために、自分の持ちうるリソース、自分の命はこの戦いで全て使い切らねば勝利はないと決意している。
未来の運命は無慈悲にも暗く、復活を成すにはかつて野心的な魔術の大家すら求めたという願望機をわが物として、その神秘に見える他ない。
必要なものはあくまで「希望のある運命」であって、未来の後継者は必ずしも自分である必要はない。
過酷な聖杯戦争を勝ち抜くために、自分の持ちうるリソース、自分の命はこの戦いで全て使い切らねば勝利はないと決意している。
サーヴァントにとって唯は優秀な魔力タンクであると同時に、Aランク以上に比肩する外付けの直感スキルとしても機能し得る。
その上で彼自身も礼装で相手を動かし、敵陣営の手を読みながら最適解を出し続けて競り勝つ戦術を執る。
典型的魔術師的な態度の模倣という側面もあるが、戦力としてホグニを喪失しても冷静に動けるように、極力情を持たないようにしている。
本当は彼女を共に戦ってくれる相手として強い敬意を抱いているのだが、ホグニもまた自身が道具であるかのように振る舞うことから、
相手の困っていることを助ける以外でコミュニケーションを取りにくい唯は、焼く世話が無いために話をするきっかけを掴めないでいた。
ただ、ホグニにとっては必須ではないものの、彼女の分の弁当を持参してログインしたり、≪TSUCHIKA≫内で調理を行っている。
嗜好品という扱いになるが、彼女は一応食べてくれるようだ。そのため補給として食事を摂る際はぽつぽつと聖杯戦争以外の会話を交わすようになる。
また序章から彼女からトレーニングを課されている。内容は非常にスパルタだが、章を跨ぐほどに身体能力や魔力量が大きく上昇していく。
6章でのサクヤとの再戦において、ホグニは友人同士の戦いを望まず、対話の機会を設けるためにあえて全力を抑える。
しかし、サクヤとグリフレットを引きはがすことが絶望的だと断定した唯はあくまでこの戦いでサクヤを殺す未来しか見なくなった。
令呪を使用。さらに対魔力で抗じられてもう1画。2画を以て「宝具の開帳」を命ずる。
最終的にマスター同士の戦いで唯は敗北。ホグニはグリフレットとの勝負を預ける形で抜刀状態のまま停戦。唯を説教して拠点に帰った。
対等な絆を結んで以降は、かつてのように互いに引いた一線はなく、二度と離さない命運 となって聖杯戦争の終盤に挑んでいった。
ホグニは決戦の地で果てる。しかしその存在、かけがえのない記憶は、唯が未来を歩み続けるための道標として生涯彼の胸中に生き続ける。
その上で彼自身も礼装で相手を動かし、敵陣営の手を読みながら最適解を出し続けて競り勝つ戦術を執る。
- ホグニ・ハールヴダナルソン
- 唯が召喚した剣士のサーヴァント。
典型的魔術師的な態度の模倣という側面もあるが、戦力としてホグニを喪失しても冷静に動けるように、極力情を持たないようにしている。
本当は彼女を共に戦ってくれる相手として強い敬意を抱いているのだが、ホグニもまた自身が道具であるかのように振る舞うことから、
相手の困っていることを助ける以外でコミュニケーションを取りにくい唯は、焼く世話が無いために話をするきっかけを掴めないでいた。
ただ、ホグニにとっては必須ではないものの、彼女の分の弁当を持参してログインしたり、≪TSUCHIKA≫内で調理を行っている。
嗜好品という扱いになるが、彼女は一応食べてくれるようだ。そのため補給として食事を摂る際はぽつぽつと聖杯戦争以外の会話を交わすようになる。
また序章から彼女からトレーニングを課されている。内容は非常にスパルタだが、章を跨ぐほどに身体能力や魔力量が大きく上昇していく。
6章でのサクヤとの再戦において、ホグニは友人同士の戦いを望まず、対話の機会を設けるためにあえて全力を抑える。
しかし、サクヤとグリフレットを引きはがすことが絶望的だと断定した唯はあくまでこの戦いでサクヤを殺す未来しか見なくなった。
令呪を使用。さらに対魔力で抗じられてもう1画。2画を以て「宝具の開帳」を命ずる。
最終的にマスター同士の戦いで唯は敗北。ホグニはグリフレットとの勝負を預ける形で抜刀状態のまま停戦。唯を説教して拠点に帰った。
対等な絆を結んで以降は、かつてのように互いに引いた一線はなく、
ホグニは決戦の地で果てる。しかしその存在、かけがえのない記憶は、唯が未来を歩み続けるための道標として生涯彼の胸中に生き続ける。
背負いたがり、助けたがり。
どこまでも他人のためしかなく、それは善意でなく孤独への恐怖でしかない。
本当はただ救われたから助けたいってだけだったのが、色々なものが絡まって在り方が歪んでしまっている。
その果てに、原点を取り戻したことで覚醒する主人公 。
どこまでも他人のためしかなく、それは善意でなく孤独への恐怖でしかない。
本当はただ救われたから助けたいってだけだったのが、色々なものが絡まって在り方が歪んでしまっている。
その果てに、原点を取り戻したことで覚醒する
- 水無月サクヤ
- 中学時代までの親友。一貫して「サクヤん」の呼称を用いる。
小学校の頃は地元の悪ガキを相手に喧嘩に明け暮れたが、共に音楽や服飾、ゲームなど個々の趣味にハマり始め、
中学で転校する日には、互いにやりたいことでビッグになって再会しようと約束して別れた。
以後は交流がなかったが、聖杯戦争がやや進んだ段階でマスターとしての正体を表す。
「……これでわかっただろ、サクヤん。お前もお前のセイバーも。俺達には絶対に勝てないんだって」
「だからさ、とっとと諦めて帰れよ。お前はもう邪魔なんだよ」
旧友のサクヤが聖杯戦争に参加していたことは完全に予想の埒外であり、加えて彼がイレギュラーとして
他のマスター全員から狙われる事態となり愕然とする。
単独でそれらのマスターを迎撃して回るのは困難であるし、仮に8騎目のサーヴァントが想定の範囲内であれば、
それらも焚べなければ聖杯は起動せず、自分もまた目的のためにサクヤと戦う必要が生じていた。
そのため彼のサーヴァントであるグリフレットのみを自分が倒して、サクヤを≪TSUCHIKA≫から追い出すことを目的に勝負をかける。
しかし彼がグリフレットを庇ったことで目的は破綻。その場は引き下がるが、サクヤと彼女が引き剥がせないことを直感で理解し、
今度の戦いではサクヤを殺して、親友と決別することを決意する。
立ち直ったサクヤとの再戦では、友人同士の戦いに対して和解の機会を与えようとしたホグニに対し、令呪を使って戦うことを強制。
互いに逃げ道を無くした状態で再び一対一の勝負に移るが、何も考えず真っ直ぐ突っ込んでくるサクヤに対して気迫で押されてしまう。
共に手を尽くして、叫び合って、殴り合って、勝敗は決した。
それはサクヤと最初に出会い、敗北した喧嘩と同じ光景だった。
唯は今のサクヤの姿に、ただ一心に、助けたいから助けるのだと拳を振るった過去の彼の姿を重ねた。
ずっと、その姿に憧れていたことを思い出した。
「―――あぁ、そうだったなぁ」
「自分が怖いとか、やらなくちゃいけないとかじゃなくてさ。本当にただ守りたいから守ってたんだ。ただ真っ直ぐにさ」
「そんなサクヤんが、カッコいいって。サクヤんみたいになりたいって、思ったんだっけ―――」
以後はグリフレットが奪われた時、そして黒幕の目的が明らかとなって、世界の崩壊を防ぐために二度彼と共闘する。
その際は肩の力を抜いて気の抜けた会話を交わすことも多い。
楡ルートでも最終的に共闘を果たすが、その際は男子高校生的なノリの場面がさらに増えてくる。
また、サクヤの健康状態や食欲を慮るセリフが非常に多く、往年の飯炊きオカンぶりが以前より自然な形で発揮されていく。
- グリフレット
- サクヤのセイバー。8騎目のイレギュラーサーヴァント。
サクヤと彼女が契約を続ける以上彼は聖杯戦争のマスターとして攻撃を受ける対象になることから、
彼を無事に帰すにはグリフレットを優先的に排除するしかないとして並々ならぬ敵意を注いでいる。
しかし、彼女が鱗画聖永に奪われてサクヤと敵対した際は、サクヤを庇う形で三度目の対決を演じた。
「アンタならサクヤん任せといても良いって思ってたのになぁ、何悪そうな感じで操られてるワケ?」
「サクヤんから言いたいことがあるんだってさ。―――だからアンタは、大人しく話を聞いてな!!」
- 枢木楡
- 当初敵対するマスター。
物語上で唯が姿を見せていない間、素顔を見せないようにしながらトリストラムとホグニとで遭遇戦を行う。
やはり手強い相手であったため、そこでは勝敗を決さずに早々に引き下がった。
「もういい、セイバー。今はこれで十分だ」
サクヤとの対立を過ぎて以後は味方の味方は味方…とまでは行かず、互いに不可侵を引きながら共闘していく。
「ただサクヤんから言っといてくれよ。飯はちゃんと自分で調理して食えって。ほらアレ、ゼリー山積み」
彼女のルートでは全面対決を行い、魔術師としての差、単独での手札の劣位を突かれホグニとの分断・各個撃破を徹底される。
窮地に立たされるが、割り込んできたサクヤに救われてそのまま陣営に加わった。
ある意味では初めて出会う魔術師らしい魔術師であり、手玉に取られたこともあって評価は高い。
そして、彼女の魔術への姿勢から自身が背負った冨楽の魔道が、本当に今の家族に必要なものか考え直していく。
こちらでもあまりに酷い食生活に驚愕する。
まともな食事を与えようとするもサクヤの料理ぐらいしか食う気が無いらしく、激しい攻防の果てに匙を投げざるを得なかった。
代わりにサクヤには実用的なレシピを送っておいた。
- 白神竜胆
- 当初敵対するマスター。
自身と枢木に並んで三騎士の一角を召喚しており、その動向を警戒している。
「なんだアイツ……サクヤんを知ってるのか?なんか、嫌な感じとも言えない微妙なトコだな」
- ブリュンヒルト・マントイフェル
- 敵対するマスター。謎に元気な婆さん。
そのために、油断を見抜いた彼女からはライダーが主導する心理作戦でマークされる羽目になる。しかしこの段階での印象は、元気なようで陰険な嫌な婆さんでしかなかった。
決戦の地で彼女と再び相対した時、戦争という行為を激しく憎む彼女の悲哀と……そのために鱗画聖永に加担し、世界を壊そうとする狂気を目の当たりにする。
戦争が良くないことなど、中東の戦禍の痕が報道されれば唯の世代だってよく知っている。家族を失う悲しみは、家族を尊ぶ唯にこそよく理解できる。
だが、決定的に二人は真逆の立場に立っている。ブリュンヒルトとは家族という繋がりを失ったことで狂わされた人間であり、
唯は義父母やサクヤという繋がりを与えられたことで救われた人間であった。それ故に、彼女は
言葉による対話のチャンスなど、最初からなかった。
婆さんはそうなってしまった人だ。
もう戻れない運命の人だ。
そして、その先の未来に進ませてはいけない人だ。
だからこそ、絶対にここで倒す。この現在で終わらせる。それ以上の言葉は要らなかった。
ホグニとライダーの決戦に並行して行われた、唯とブリュンヒルトの本気の戦争。それはホグニの切り札を阻害しようと迫る空殻戦姫を唯の未来予知が撃ち落とす、人域を超えた速度の迎撃戦であり、
サーヴァント戦の決着を以て、唯たちが勝利を掴んだ。
ちなみに、因縁を抜きにしたブリュンヒルト個人のことは女性としてより老人としての敬老の精神で接している。
- テミストクレス
- ライダー。ブリュンヒルトのサーヴァント。とっととくたばれクソ野郎。
とはいえ腹立たしいからといって思い切り殴れる相手ではない。むしろ、唯個人の能力にとっては最悪とも言える相性の相手。
セイバールートにおいては完全な状態となった宝具と対峙、全ての未来を参照しても敗北するという完全な詰みの状況を作られ、彼の嘲笑と共に絶望を味わわされる。
しかし、ホグニの存在が唯を再起させる。彼女を信じて1枚だけのジョーカーに賭けた、作戦も何もない勝負が閉ざされた運命を切り開いた。
それ以外にも単純に性格の悪さが気に入らないらしく、劣勢の時も勝利した時もずっと口汚い言葉を浴びせている。「ゲームオーバーだ、クソ野郎!!」
- 白上アオ
- 敵対するマスター。サクヤんの先輩。
楡ルートでは物語終盤の合流の際に、先にサクヤと組んでいた彼と遭遇する。
その際、電子情報の分野で彼の能力を高く評価して、必要なハードウェアの用意や情報解析などで彼の助手のように手助けをしていく。
知識欲の権化であるアオの存在は唯の趣味人的側面を刺激していき、それまでのお節介でない、個人的興味として彼に親しみを覚えるようにもなる。平たく言えば新しい友達。
ちなみに、唯が好んでいる骨董品的な古い機械のレストアには紙の技術書が多数必要であるため、それらを取り揃えた彼の蔵書量に驚嘆して神と崇める一幕もあった。
- 雨堂爾苑
- 敵対するマスター。何もわからない不気味な存在。
何より、消去法で彼はアサシンを召喚しているはずだが、いかに偵察してもその存在を欠片も露見させていない。
なるべく同じ土俵で戦いたい唯としてはどこかでボロを出すまで放置していたかったが、ライダーの扇動の中で
「ぼやぼやしていればアサシンかバーサーカーがサクヤを殺すかもしれない」と焚きつけられて唯を焦らせた。
最終的には自身がサクヤとの対決の準備を進めている間にアサシンが動き出し、唯も迎撃に動き出す必要があったが、
先んじてサクヤ達がこれを撃破したことでお流れとなった。難敵のアサシンを下したサクヤの勝負強さを実感するとともに、もう彼が戦争を降りないことを確信する。
終始彼に対しては有力な情報を掴めないでいたが、そもそも彼の正体である箱の中の大脳には、唯には読み解けない異常な運命ばかりが詰まっていたのだろう。
- 『マレフィキウム』
- 敵対するマスター。
互いに高い制圧力を持つサーヴァントを有するが、唯がサーヴァントの回避性能を引き上げてバランスを高めているのに対し、
マレフィキウムはマスターまで攻撃に特化して攻め立ててくる。手を読み切れば競り勝てるが、手を誤れば押し切られるといった所。
そのためサクヤとの最初の対決までは、有力候補のバーサーカーをどうにか撃破し、その他の陣営をサクヤ包囲網から退かせるという作戦も検討していた。
ただし、セイバールートの決戦で実際にバーサーカーと相対する時、唯が相手をするのはリスキーな選択である。次の強敵に備えて退かざるを得なかった。
個人として見た場合、他人を害する攻撃性は普通に嫌い。唯もまた攻撃的に接していくため常に一触即発の険悪な空気が漂う。
一方で、どこかサクヤと同じ感覚を覚えることもあるが、それに気づくにはあまりに立場を違え過ぎた。
このページへのコメント
暫し格闘の結果行動規範をまとめることが難しくなり元に戻りました。俺は一体何を…?
度重なる強化と共に行動原理などを変更しました
クオリア内のアバターの外観を黒い軟体生物から変更しました
ただゲームによっては黒玉ナメクジを持ちキャラにしてそのレプリカアバターを使用していた時期もありそうです