最終更新: nevadakagemiya 2023年05月20日(土) 21:37:49履歴
(この任務で全員死んだら私だけの組織にならないかな)
【氏名】アリア・ジェミナイ
【性別】女性
【年齢】22歳
【出身】カナダ
【身長・体重】154cm・48kg
【肌色】色白 【髪色】煤けた桃色 【瞳色】白に近い灰色
【スリーサイズ】73/54/80
【外見・容姿】黒一色のスーツに医療用眼帯を左目に着用する女性
Picrew:(:◎)≡にて作製
【属性】混沌・悪
【魔術系統】死霊魔術、魔眼
【魔術属性】土
【魔術特性】分化
【魔術回路】質:B 量:B+ 編成:異常(瞳そのものが魔術回路)
【起源】外れる
【所属】『荊』
【異名】墓荒らし 、片割れの双子
【性別】女性
【年齢】22歳
【出身】カナダ
【身長・体重】154cm・48kg
【肌色】色白 【髪色】煤けた桃色 【瞳色】白に近い灰色
【スリーサイズ】73/54/80
【外見・容姿】黒一色のスーツに医療用眼帯を左目に着用する女性
Picrew:(:◎)≡にて作製
【属性】混沌・悪
【魔術系統】死霊魔術、魔眼
【魔術属性】土
【魔術特性】分化
【魔術回路】質:B 量:B+ 編成:異常(瞳そのものが魔術回路)
【起源】外れる
【所属】『荊』
【異名】
アリアが宿す魔眼。厳密には魔眼と言うよりも特異体質、異常な魔術回路の性質に基づく能力。
魔眼そのものがアリア自身の魔術回路を宿しており、この魔眼を「植え付けられた」ものは全身に魔力が広がり「アリアの分身」へと変じる。
視界や魔術回路のみならず感覚、能力、身体機能すらも共有され、回路が馴染んだ暁には「半身」そのものとして自由に操ることが可能となる。
尤も、魂を強く持つ生者・生物に対しては効果を発揮せず、対象は魂を持たない抜け殻……つまりは遺体である必要がある。
身体機能などは魔眼の効果ではなく、死霊魔術によるもの。魔眼を植え付けただけでは意味を成さず、この特性もあって同家では「使いみちの無い魔眼」と認識されていた。
ジェミナイ家がうだつの上がらない三流魔術家系とされてきたのもこの魔眼の特性によるもので、アリアの存在によってその評価が覆されつつある。
但し遺体そのものを半身にする異常性、倫理観、道徳の観点から表立って受け入れられることはなく、外道の魔眼と卑下する魔術師も多い。
魔眼そのものがアリア自身の魔術回路を宿しており、この魔眼を「植え付けられた」ものは全身に魔力が広がり「アリアの分身」へと変じる。
視界や魔術回路のみならず感覚、能力、身体機能すらも共有され、回路が馴染んだ暁には「半身」そのものとして自由に操ることが可能となる。
尤も、魂を強く持つ生者・生物に対しては効果を発揮せず、対象は魂を持たない抜け殻……つまりは遺体である必要がある。
身体機能などは魔眼の効果ではなく、死霊魔術によるもの。魔眼を植え付けただけでは意味を成さず、この特性もあって同家では「使いみちの無い魔眼」と認識されていた。
ジェミナイ家がうだつの上がらない三流魔術家系とされてきたのもこの魔眼の特性によるもので、アリアの存在によってその評価が覆されつつある。
但し遺体そのものを半身にする異常性、倫理観、道徳の観点から表立って受け入れられることはなく、外道の魔眼と卑下する魔術師も多い。
ネクロマンシー。降霊術、呪術に由来を持つ魔術体系の一つ。
本来は遺体に魂を降ろして使役する、もしくは遺体の一部を呪物として加工し概念武装として用いるのが主流。
しかしアリアの場合は御霊ではなく「自らの魔力」により遺体の指揮権を上書きし、自分自身の半身として自在に操ることを可能とする。
故に魔術界隈にて主流とされる死霊魔術とは体系が異なっており、方向としては支配、干渉、操作といった魔術に近い。
魔眼を通じ自らの魔力で遺体の魔術回路を満たし、遺体が有していた魔術属性や異能の行使を可能とする。
身体の操作も同様に、満たした魔力を操作することで筋繊維に働きかけ身体機能を再現させる。が、機敏な操作は(本人の運動センスが原因で)難しい。
その特性上、魔術師の遺体でなければ扱えず同時に複数の遺体を操ることもできない。
魔眼を両方とも別々に植え付ければ可能だろうが、そうすると本体が盲目状態になってしまうので本末転倒。
故に死霊術師と聞いてイメージされる「死体を大量に操る」姿とはかけ離れており、立ち回りは人形師や傀儡師に近いものがある。
尚、遺体が破壊された場合は魔眼のみを摘出し再度操るに値する遺体を探して回る。墓荒らしと呼ばれていたのはこの行為が原因。
一応主流の死霊魔術に関しても多少の心得はあり、アリア単独でもそれなりに戦える程度の実力を持つ。
魔獣狩りの任務などで呪物を手に入れられる機会も多いため、そういった概念武装を扱い戦闘に加わることも。
本来は遺体に魂を降ろして使役する、もしくは遺体の一部を呪物として加工し概念武装として用いるのが主流。
しかしアリアの場合は御霊ではなく「自らの魔力」により遺体の指揮権を上書きし、自分自身の半身として自在に操ることを可能とする。
故に魔術界隈にて主流とされる死霊魔術とは体系が異なっており、方向としては支配、干渉、操作といった魔術に近い。
魔眼を通じ自らの魔力で遺体の魔術回路を満たし、遺体が有していた魔術属性や異能の行使を可能とする。
身体の操作も同様に、満たした魔力を操作することで筋繊維に働きかけ身体機能を再現させる。が、機敏な操作は(本人の運動センスが原因で)難しい。
その特性上、魔術師の遺体でなければ扱えず同時に複数の遺体を操ることもできない。
魔眼を両方とも別々に植え付ければ可能だろうが、そうすると本体が盲目状態になってしまうので本末転倒。
故に死霊術師と聞いてイメージされる「死体を大量に操る」姿とはかけ離れており、立ち回りは人形師や傀儡師に近いものがある。
尚、遺体が破壊された場合は魔眼のみを摘出し再度操るに値する遺体を探して回る。墓荒らしと呼ばれていたのはこの行為が原因。
一応主流の死霊魔術に関しても多少の心得はあり、アリア単独でもそれなりに戦える程度の実力を持つ。
魔獣狩りの任務などで呪物を手に入れられる機会も多いため、そういった概念武装を扱い戦闘に加わることも。
元『荊』メンバー。アリアとの戦いで死亡したため、その遺体を持ち帰って魔眼を植え付けた。
衣装は制服の黒スーツから黒一色のロングワンピースドレスに着替えさせられており、右目に包帯を巻き付けている。
生前彼女が得意としたテレキネシスの能力を操る事が出来るが、行使には経験に裏付けされた技術が必要であるため大幅に弱体化している。
そのため繊細で美しい彼女の演奏からは一転して、ただ最適な音だけを響かせ精神に干渉する催眠魔術だけに特化させた。
細剣による近接戦闘なども可能とするものの、直接の戦闘には向かないため基本的には後方での支援を主としている。
余談だが、『荊』加入の際に彼女の死体をアジトに持ち帰ってきた時はメンバーからドン引きされた。
その上自分の魔眼を植え付けて礼装の一つとして活用しているのを見て、義憤に駆られたメンバーと言い争いになったこともある。
使い勝手が良いので暫く変えるつもりはないが、また死人が出たら乗り換えるのも良いかもな……と密かに考えている。
衣装は制服の黒スーツから黒一色のロングワンピースドレスに着替えさせられており、右目に包帯を巻き付けている。
生前彼女が得意としたテレキネシスの能力を操る事が出来るが、行使には経験に裏付けされた技術が必要であるため大幅に弱体化している。
そのため繊細で美しい彼女の演奏からは一転して、ただ最適な音だけを響かせ精神に干渉する催眠魔術だけに特化させた。
細剣による近接戦闘なども可能とするものの、直接の戦闘には向かないため基本的には後方での支援を主としている。
余談だが、『荊』加入の際に彼女の死体をアジトに持ち帰ってきた時はメンバーからドン引きされた。
その上自分の魔眼を植え付けて礼装の一つとして活用しているのを見て、義憤に駆られたメンバーと言い争いになったこともある。
使い勝手が良いので暫く変えるつもりはないが、また死人が出たら乗り換えるのも良いかもな……と密かに考えている。
魔力を強く帯びた魔術師の遺体、魔獣の屍などから造り出す概念礼装。
炎の扱いに長けた者の掌を加工し「燃え続ける炭」を作り出したり、鉄をも穿く爪を加工し「屈強な防御を破る弾」を作り出す。
屍に残された魔術の特性、魔力の性質を利用した加工技術で、作り出された礼装には強い怨念と呪魂が宿るとされる。
直接的な戦闘を苦手とするアリアは遠距離重視の礼装を多く作成しており、味方に分け与えたりもする(が、大体気味悪がられて返される)。
また一流の術者となれば屍同士を繋ぎ合わせて合成獣を作り出すことも出来る……らしいが、コストが掛かりすぎる上に労力に見合わないとして学ぶのを諦めている。
炎の扱いに長けた者の掌を加工し「燃え続ける炭」を作り出したり、鉄をも穿く爪を加工し「屈強な防御を破る弾」を作り出す。
屍に残された魔術の特性、魔力の性質を利用した加工技術で、作り出された礼装には強い怨念と呪魂が宿るとされる。
直接的な戦闘を苦手とするアリアは遠距離重視の礼装を多く作成しており、味方に分け与えたりもする(が、大体気味悪がられて返される)。
また一流の術者となれば屍同士を繋ぎ合わせて合成獣を作り出すことも出来る……らしいが、コストが掛かりすぎる上に労力に見合わないとして学ぶのを諦めている。
片手で扱えるサイズの小型チェンソー。
呪物を加工する際、屍を切り分けるのに使用される。
本来は工業用の器具であり戦闘用ではない……筈が、多くの屍を切り刻んだことで魔術師の怨念や魔獣の怨嗟が刃に染み込んでおり
斬ったモノから「魂」すらも削り取る、という特性を宿す概念礼装に変じてしまっている。
見るものが見れば「目を背けたくなるくらいに醜く悍ましい」呪念が渦巻いているらしく、本人も気味悪がりはじめた。
呪物を加工する際、屍を切り分けるのに使用される。
本来は工業用の器具であり戦闘用ではない……筈が、多くの屍を切り刻んだことで魔術師の怨念や魔獣の怨嗟が刃に染み込んでおり
斬ったモノから「魂」すらも削り取る、という特性を宿す概念礼装に変じてしまっている。
見るものが見れば「目を背けたくなるくらいに醜く悍ましい」呪念が渦巻いているらしく、本人も気味悪がりはじめた。
『荊』メンバーの魔術回路に刻みつけられる呪印。
現行のメンバーのみならず過去メンバーであったロロとも『絆』を共有することが可能である。
魔眼を分け与えている関係で非戦闘時でもある程度超能力、念動力を扱うことが出来、人と比べて魔力量が多い。
現行のメンバーのみならず過去メンバーであったロロとも『絆』を共有することが可能である。
魔眼を分け与えている関係で非戦闘時でもある程度超能力、念動力を扱うことが出来、人と比べて魔力量が多い。
不満げに眉を八の字に顰め、伏しがちな眼を周囲に向ける陰気な雰囲気の女性。
薄汚れたような桃色の髪を軽く後ろで纏めており、左目には医療用のシンプルな眼帯を着用している。
怠惰で内気な性格が表情によく表れていて、基本的に負方面以外の感情を表に出すことが少ない。
平坦な体型、低めの身長がコンプレックス。肉付きを良くしようと食事の量を増やすも、肉が付くのは尻周りばかりということに絶望している。
薄汚れたような桃色の髪を軽く後ろで纏めており、左目には医療用のシンプルな眼帯を着用している。
怠惰で内気な性格が表情によく表れていて、基本的に負方面以外の感情を表に出すことが少ない。
平坦な体型、低めの身長がコンプレックス。肉付きを良くしようと食事の量を増やすも、肉が付くのは尻周りばかりということに絶望している。
非認可魔術組織『荊』のメンバー。
メンバーを殺害し、その遺体を礼装として活用する死霊術師。
倫理観や道徳に欠けた性格の持ち主であり、組織内でも一二を争う外道な人物。
イメージカラー:アメジストパープル
特技:死体を捌くこと
好きなもの:新鮮な遺体、強い人、生魚
苦手なもの:ゾンビ映画、弱い人、発酵食品
天敵:物理特化の魔術師
願い:自分が戦う必要もないくらい強い魔術師の遺体を手に入れること
【一人称】私 【二人称】あんた、きみ、○○さん、○○ちゃん/くん 【三人称】あいつ、あの人
メンバーを殺害し、その遺体を礼装として活用する死霊術師。
倫理観や道徳に欠けた性格の持ち主であり、組織内でも一二を争う外道な人物。
イメージカラー:アメジストパープル
特技:死体を捌くこと
好きなもの:新鮮な遺体、強い人、生魚
苦手なもの:ゾンビ映画、弱い人、発酵食品
天敵:物理特化の魔術師
願い:自分が戦う必要もないくらい強い魔術師の遺体を手に入れること
【一人称】
家柄も浅く地位もなく、取り立てて特筆すべき点もない三流魔術家系の跡継ぎとして生まれる。
代々受け継ぐものは『別離の魔眼』。それも扱いが難しく、アリアが命名するまでは名前すら与えられていなかった無名の存在だった。
ただ瞳に魔術回路、魔術刻印が集中しているというだけの家系に誇りなどあるはずもなく、当代に至る頃には既に衰退の一途を辿っていた。
アリア自身、幼少期に父が気まぐれに見せた“魔術”と出会わなければ、自分の家が魔術師の家系であった事など知らずに育っていただろう。
事実、アリアは物心がつくかどうかの遠い日の記憶をとうに忘れ、一人の少女として何不自由ない人生を送っていた。
転機が訪れたのは13歳のある日。
祖母が亡くなった。享年は69歳。寿命と呼ぶにはあまりにも早い年齢だが、苦しみもなく安らかな眠りだったという。
小さな頃から寄り添っていた祖母の死は、少なからずアリアの心に影響を与えた。
眠る祖母の姿を。冷たい肌の感触を。何の力も感じられないその亡骸を。何よりも“魂”の鼓動を感じられない姿を見て、アリアは初めて“死”という概念に触れる。
死者を生き返らせよう、などとだいそれた事を思い浮かぶほど幼くもなかった。けれど死を真っ向から受け入れられるほどの経験はなかった。
呆然と過ごす日々の中でアリアは悟る。失われた魂は戻っては来ない、ならばその亡骸を自ら動かせば思いのままになるのでは、と。
病床に伏せるまで毎日のように共に過ごしてきた祖母だからこそ、その振る舞いや仕草は理解している。自分ならば“祖母”を完全に再現できる。
そのための手段さえあれば…………数ヶ月に及ぶ悩みの果てに、アリアは記憶の奥底に刻まれていた、日常の中に紛れる一片の『非日常』を想起したのだ。
それとなく父に探りを入れてみたところ、どうやら心当たりがあるようだった。
しかし返答の端切れは悪く、魔術という単語を口にしても要領を得ない。
結果、父に内緒で家の古い書庫を漁ることとしたアリアは、埃を被った本棚の上に怪しげな木箱を見つける。
中に隠されていたものは風化しかけた手帳。その裏には祖母の名と、抱いていた疑問を確信に変える文字列が記されていた。
『降霊術及び呪術、それに伴う死霊魔術に関しての手記。』
アリアが扱う死霊術が近代的なものでなく、古来の手順に基づくものであるのは出典とした文献による影響が大きいのだろう。
比較的物覚えがよく魔術の才能に恵まれたアリアは、誰の指導を受けずとも独学で“死霊魔術”を形とした。
まずは虫の死骸を操ることに成功し、続いて魚、鳥、小動物、犬、猫……動作の乱れこそあれ、死骸を操るという一点は突破していた。
ならば次は。遂に目的を叶えられると意気揚々と振り返ってみれば、既に3年の月日が経過していた。
祖母の遺体は既に埋葬済み。掘り起こしたとて、その身体は自然に還りかけていることだろう。
その事実に逡巡打ち拉がれる少女だったが、諦めきれるはずもなく夜更けに墓地へと忍び込む。
祖母が眠る墓を掘り返し、土塗れのその亡骸に魔力を込めて…………動き出した“骸骨”に、アリアは涙を零しながら抱きついた。
「おばあちゃん!」月も覗かぬ暗闇の夜。墓地で抱き合う少女と骸骨。無論、骸骨の動きは自作自演である。
その光景はあまりにも異様であり、通りがかった神父を驚かせ通報の手を伸ばさせるには十分過ぎるものだった。
結果、保護者の呼び出しを受けてアリアは両親とともに家に連れ戻される。
この一件は両親だけでなく、地元警察……ひいてはカナダの連邦政府に連なる警察にも「魔術」を扱う者がいるという事実を知らしめた。
両親は娘が魔術に目覚めた事を悟り、ジェミナイの家系が数代続く魔術家系であることを明かす。
同時に代々受け継がれ続けた魔眼についても明かし、それが魔術刻印そのものであることも伝え、その日のうちに刻印をアリアへと譲渡。
名実ともにジェミナイ家の次期当主となったアリアは、魔術師として第一の目標を達成したことで次なる目標……「新鮮な死体を操りたい」という目標に邁進することになる。
円滑に死体を操るには死体自体に魔力が宿っていないといけない事を研究により学び
そのためには誰にも気づかれることなく「魔術師」の死体を手に入れ、実験体としなければならない。
悩んだ末、アリアは魔術師達が大勢集う場、即ち公的な機関である“王立警察”の一部門、王立対魔警察の元へ訪れた。
過酷な入隊試験を経て警察官となり、殉職する同僚の死体を秘密裏に持ち出しては死霊魔術の研究に費やす……そんな日々を送る中で
どうしても円滑に操ることが出来ず途方に暮れる。あと最後の行程さえ、死体と自身の円滑なリンクさえ可能となれば――――。
そう悩み抜くアリアのもとに天啓が訪れた。死体との繋がりを強めたいのなら、繋がりそのものである『魔術刻印』……自らの魔眼を植え付ければいいのだ、と。
思い立ったが吉日と言わんばかりに左目を移植すると、その目論見は大正解。まるで自らの半身のごとく死体が動き、操ることが可能となった。
喜びのあまり、まるで獲物を探すかのように殉職者の墓地を回っては遺体を掘り返し性能を試す。
研究のために人を殺す……というほどに堕ちていないのが救いではあるが、その行為はおよそ看過されるものではない。
魔術師用の墓所が妙に荒らされていると気が付いた王立警察は、その容疑者がアリアであると割り出し秘密裏に罠を配置。
いつものように墓地を訪れたアリアの元には、警察からの依頼を受け表れた二人の魔術師――――『荊』の構成員が立ち塞がった。
結果として、王立対魔警察の「アリアを捕まえつつテロリストとして名の知れた『荊』も捕らえる」作戦は失敗に終わり
その場で遺体を礼装としたアリアと『荊』構成員の連携によって部隊は壊滅。依頼人であった隊長も死亡し、任務は水泡に帰す。
こうしてアリアは居場所を失い、流れるように『荊』へと加入。新たな遺体を求め、アリアは今日も死人が出ることを心待ちにするのであった。
代々受け継ぐものは『別離の魔眼』。それも扱いが難しく、アリアが命名するまでは名前すら与えられていなかった無名の存在だった。
ただ瞳に魔術回路、魔術刻印が集中しているというだけの家系に誇りなどあるはずもなく、当代に至る頃には既に衰退の一途を辿っていた。
アリア自身、幼少期に父が気まぐれに見せた“魔術”と出会わなければ、自分の家が魔術師の家系であった事など知らずに育っていただろう。
事実、アリアは物心がつくかどうかの遠い日の記憶をとうに忘れ、一人の少女として何不自由ない人生を送っていた。
転機が訪れたのは13歳のある日。
祖母が亡くなった。享年は69歳。寿命と呼ぶにはあまりにも早い年齢だが、苦しみもなく安らかな眠りだったという。
小さな頃から寄り添っていた祖母の死は、少なからずアリアの心に影響を与えた。
眠る祖母の姿を。冷たい肌の感触を。何の力も感じられないその亡骸を。何よりも“魂”の鼓動を感じられない姿を見て、アリアは初めて“死”という概念に触れる。
死者を生き返らせよう、などとだいそれた事を思い浮かぶほど幼くもなかった。けれど死を真っ向から受け入れられるほどの経験はなかった。
呆然と過ごす日々の中でアリアは悟る。失われた魂は戻っては来ない、ならばその亡骸を自ら動かせば思いのままになるのでは、と。
病床に伏せるまで毎日のように共に過ごしてきた祖母だからこそ、その振る舞いや仕草は理解している。自分ならば“祖母”を完全に再現できる。
そのための手段さえあれば…………数ヶ月に及ぶ悩みの果てに、アリアは記憶の奥底に刻まれていた、日常の中に紛れる一片の『非日常』を想起したのだ。
それとなく父に探りを入れてみたところ、どうやら心当たりがあるようだった。
しかし返答の端切れは悪く、魔術という単語を口にしても要領を得ない。
結果、父に内緒で家の古い書庫を漁ることとしたアリアは、埃を被った本棚の上に怪しげな木箱を見つける。
中に隠されていたものは風化しかけた手帳。その裏には祖母の名と、抱いていた疑問を確信に変える文字列が記されていた。
『降霊術及び呪術、それに伴う死霊魔術に関しての手記。』
アリアが扱う死霊術が近代的なものでなく、古来の手順に基づくものであるのは出典とした文献による影響が大きいのだろう。
比較的物覚えがよく魔術の才能に恵まれたアリアは、誰の指導を受けずとも独学で“死霊魔術”を形とした。
まずは虫の死骸を操ることに成功し、続いて魚、鳥、小動物、犬、猫……動作の乱れこそあれ、死骸を操るという一点は突破していた。
ならば次は。遂に目的を叶えられると意気揚々と振り返ってみれば、既に3年の月日が経過していた。
祖母の遺体は既に埋葬済み。掘り起こしたとて、その身体は自然に還りかけていることだろう。
その事実に逡巡打ち拉がれる少女だったが、諦めきれるはずもなく夜更けに墓地へと忍び込む。
祖母が眠る墓を掘り返し、土塗れのその亡骸に魔力を込めて…………動き出した“骸骨”に、アリアは涙を零しながら抱きついた。
「おばあちゃん!」月も覗かぬ暗闇の夜。墓地で抱き合う少女と骸骨。無論、骸骨の動きは自作自演である。
その光景はあまりにも異様であり、通りがかった神父を驚かせ通報の手を伸ばさせるには十分過ぎるものだった。
結果、保護者の呼び出しを受けてアリアは両親とともに家に連れ戻される。
この一件は両親だけでなく、地元警察……ひいてはカナダの連邦政府に連なる警察にも「魔術」を扱う者がいるという事実を知らしめた。
両親は娘が魔術に目覚めた事を悟り、ジェミナイの家系が数代続く魔術家系であることを明かす。
同時に代々受け継がれ続けた魔眼についても明かし、それが魔術刻印そのものであることも伝え、その日のうちに刻印をアリアへと譲渡。
名実ともにジェミナイ家の次期当主となったアリアは、魔術師として第一の目標を達成したことで次なる目標……「新鮮な死体を操りたい」という目標に邁進することになる。
円滑に死体を操るには死体自体に魔力が宿っていないといけない事を研究により学び
そのためには誰にも気づかれることなく「魔術師」の死体を手に入れ、実験体としなければならない。
悩んだ末、アリアは魔術師達が大勢集う場、即ち公的な機関である“王立警察”の一部門、王立対魔警察の元へ訪れた。
過酷な入隊試験を経て警察官となり、殉職する同僚の死体を秘密裏に持ち出しては死霊魔術の研究に費やす……そんな日々を送る中で
どうしても円滑に操ることが出来ず途方に暮れる。あと最後の行程さえ、死体と自身の円滑なリンクさえ可能となれば――――。
そう悩み抜くアリアのもとに天啓が訪れた。死体との繋がりを強めたいのなら、繋がりそのものである『魔術刻印』……自らの魔眼を植え付ければいいのだ、と。
思い立ったが吉日と言わんばかりに左目を移植すると、その目論見は大正解。まるで自らの半身のごとく死体が動き、操ることが可能となった。
喜びのあまり、まるで獲物を探すかのように殉職者の墓地を回っては遺体を掘り返し性能を試す。
研究のために人を殺す……というほどに堕ちていないのが救いではあるが、その行為はおよそ看過されるものではない。
魔術師用の墓所が妙に荒らされていると気が付いた王立警察は、その容疑者がアリアであると割り出し秘密裏に罠を配置。
いつものように墓地を訪れたアリアの元には、警察からの依頼を受け表れた二人の魔術師――――『荊』の構成員が立ち塞がった。
結果として、王立対魔警察の「アリアを捕まえつつテロリストとして名の知れた『荊』も捕らえる」作戦は失敗に終わり
その場で遺体を礼装としたアリアと『荊』構成員の連携によって部隊は壊滅。依頼人であった隊長も死亡し、任務は水泡に帰す。
こうしてアリアは居場所を失い、流れるように『荊』へと加入。新たな遺体を求め、アリアは今日も死人が出ることを心待ちにするのであった。
内気で厭世家。卑屈と評するほど後ろ向きではないが、前向きとも言い難い精神方向の持ち主。
常に苦虫を噛み潰したように眉を顰めており、更に眉を顰めたり涙を浮かべたりへの字口になったりという表情の変化はあれど
満面の笑みを浮かべることや露骨な怒りの表情を浮かべること、大声で泣き喚くといったことはない。
一貫して感情を推し量り難く何を考えているのかわからない。自分から感情を言葉にすることもないため尚更である。
尤も、基本的には(こいつらみんな死なないかな…)としか考えていないので表情と考えていることは概ね一致しているかもしれない。
怠惰な性格でもあり、熱量を維持し続けることが出来ないタイプの飽き性。
趣味でも単純な感情部分でも同様で、一度抱いた気持ちを持続させられず、すぐに「まあいいか…」と冷めてしまいがち。
というよりも「新しい遺体探し」という強い目的を持ってしまっているため、それに繋がらない物事への関心を抱くことが出来ない。
仕事や『荊』の面々との接触では「遺体探し」に通ずる部分があるため人並みにコミュニケーションを取ることが出来るが
プライベートな場や仕事と関わりのない部分での関わりは薄く、『荊』外での対人能力は壊滅的。
護衛対象の依頼人と直接会い、高圧的な態度が気に入らず殺害し死霊魔術で操って「五体満足で守り抜きました」と報告し大目玉を食らったこともある。
このように倫理観や道徳観も大幅に欠如していて、端的に言うと良い事と悪い事の区別がつかない。「私がそう思うから」と思い立ったことを即座に行動に移すタイプ。
一応、彼女の取る行動は一定の効率追求に基づくものではあるが、その手段があまりにも常軌を逸しているため頻繁に騒ぎを起こす。
ホテルに籠城する魔術師を殺害する、という任務では「ホテルまるごと燃やせば片付く」という発想に至るも、バディに止められ未遂に終わった。
操る遺体には一定のこだわりを持っており、遺体への想い合ってこその死霊術師だという矜持を持つ。
誰彼構わず死霊化して操るような魔術師とは相容れず、遺体の鮮度も気にせず腐らせるような輩と同一視されることを何より嫌う。
死霊魔術とは遺体を美しく、自然に操ってこそのものだとし、まるで人形を手入れするかのように丁重に扱っている。
この価値観が影響しているのか、ゾンビ映画……伴ってゾンビが大の苦手。腐りかけの肉、ひいては発酵食品すら口にしない。
常に苦虫を噛み潰したように眉を顰めており、更に眉を顰めたり涙を浮かべたりへの字口になったりという表情の変化はあれど
満面の笑みを浮かべることや露骨な怒りの表情を浮かべること、大声で泣き喚くといったことはない。
一貫して感情を推し量り難く何を考えているのかわからない。自分から感情を言葉にすることもないため尚更である。
尤も、基本的には(こいつらみんな死なないかな…)としか考えていないので表情と考えていることは概ね一致しているかもしれない。
怠惰な性格でもあり、熱量を維持し続けることが出来ないタイプの飽き性。
趣味でも単純な感情部分でも同様で、一度抱いた気持ちを持続させられず、すぐに「まあいいか…」と冷めてしまいがち。
というよりも「新しい遺体探し」という強い目的を持ってしまっているため、それに繋がらない物事への関心を抱くことが出来ない。
仕事や『荊』の面々との接触では「遺体探し」に通ずる部分があるため人並みにコミュニケーションを取ることが出来るが
プライベートな場や仕事と関わりのない部分での関わりは薄く、『荊』外での対人能力は壊滅的。
護衛対象の依頼人と直接会い、高圧的な態度が気に入らず殺害し死霊魔術で操って「五体満足で守り抜きました」と報告し大目玉を食らったこともある。
このように倫理観や道徳観も大幅に欠如していて、端的に言うと良い事と悪い事の区別がつかない。「私がそう思うから」と思い立ったことを即座に行動に移すタイプ。
一応、彼女の取る行動は一定の効率追求に基づくものではあるが、その手段があまりにも常軌を逸しているため頻繁に騒ぎを起こす。
ホテルに籠城する魔術師を殺害する、という任務では「ホテルまるごと燃やせば片付く」という発想に至るも、バディに止められ未遂に終わった。
操る遺体には一定のこだわりを持っており、遺体への想い合ってこその死霊術師だという矜持を持つ。
誰彼構わず死霊化して操るような魔術師とは相容れず、遺体の鮮度も気にせず腐らせるような輩と同一視されることを何より嫌う。
死霊魔術とは遺体を美しく、自然に操ってこそのものだとし、まるで人形を手入れするかのように丁重に扱っている。
この価値観が影響しているのか、ゾンビ映画……伴ってゾンビが大の苦手。腐りかけの肉、ひいては発酵食品すら口にしない。
自分が最適だと思った行動を取る。
それがどのような犠牲を生むものでも、倫理観に反していようとお構いなし。
自分さえ良ければいいという基本原則で行動しており、およそ組織に属する人間としては失格に値する。
幾度とない減給処分を受けており、今後3年間支払われる報酬が1/10となってしまっている。
それがどのような犠牲を生むものでも、倫理観に反していようとお構いなし。
自分さえ良ければいいという基本原則で行動しており、およそ組織に属する人間としては失格に値する。
幾度とない減給処分を受けており、今後3年間支払われる報酬が1/10となってしまっている。
- ロロ・ラ・ロンド
- 殺した相手。
一突きで心臓を貫き殺せたことに満足しており、その遺体はしっかりと防腐処理を施し新鮮さを保ち続けている。
特注でドレスを手配し、楽器の手入れも欠かさないなど思い入れが深いようで、自室で一人彼女との「人形遊び」に興じていることもある。
人の生きた「人生」を無にしないために、「死」という結末で終わらせてしまわないようにアリアは気に入った遺体を礼装とし、その人生に意味を与える。
残されたものを受け継ぎ、彩り、扱ってこそ「人生」は輝く……死とはあくまで過程でしかない。その倫理観に基づいており、ロロに対しても心からの敬愛を以て接している。
無論、それはアリアの独善的な価値観に過ぎず、命を終えたものを体よく利用し手足のように扱うための方便のようにも聞こえる。少なくとも、一般社会では認められない感性だろう。
魔術師が「魔術刻印」という証を受け継ぎ続けることで「死」を過程とし、人生の意味を次のものに託すように……アリアの感性は、極めて魔術師的であり利己的なものであると言える。
故に魔術社会から「はみ出した」者が集う『荊』では浮きがちで、人格破綻者として扱われることも多い。
一見すると「生きている」と錯覚してしまう程度には瑞々しく、生気の漂う肌の張り、髪の潤いを持つ。
基本的に無表情だが、遺体自体に残る残留思念によりある程度の変化を見せることもあって、ただの礼装と断じきれない「命」の匂いを漂わせる。
戦闘中はアリアが念じた通り思うがまま動き、ツーマンセルの状態であれば擬似的な三対一の状況を作り出すことが出来る程度には円滑な操作を可能とする。
普段は自身の側を歩かせており、基本的には常に傍らにいる。よほど切羽詰まった状況でない限り離れることはない。
「……好きじゃなきゃ、遺体と四六時中一緒にいるなんてこと出来ないでしょ。私はロロが好きだ……あの時戦って、その生き方と価値観と、美しい音色に惚れた……。
から…………終わらせるのは勿体ない、って思ったんだよ。それなら終わらせなきゃいい……私が受け継いで、使ってあげればいい…………ってさ……」
- アイオラ・ヴィクトーリア
- 『荊』の同僚。
「戦い」というものを根底に置き、強さが判断の基準となる彼女とは思想面でも相容れないが、戦闘面での相性は比較的良好のためバディを組む機会は多い。
彼女が前線で敵を食い止めている間に超能力による演奏で補佐しつつ、一対一の状況を維持できるよう警戒し逃げ道を塞ぐ事で敵へプレッシャーを掛ける。
また、バディを承諾する理由はもう一つあり……曰く「一番はやく遺体が手に入りそうだから」。これは敵の遺体を手に入れやすいという意味だが……直球の意味合いも含まれている。
余談だが、彼女の趣味に関してはある程度理解を示している。人形と人そのもの、という大きな差異はあるのだが……。
「わかってるって……きみのテリトリーには入らないよ。私も、ロロもね……どうせ死ぬなら五体満足のまま死にたいし……ああ、綺麗に切り落としてくれるならいいけどさ……」
「きみの魔術は手っ取り早くて良いね……切り口も綺麗だし、持ち運びやすい…………あー、でもあんまり無茶はしないでよ?…………きみの身体は、綺麗なままで欲しいしね……」
「えっ……こ、こんなの欲しいの?まあ……別にいいけどさ…………どうせ使うなら、大切に使ってね?そんな高いものでもないけども……」
- カレブ・アシュクロフト
- 『荊』の同僚。
人ではない生物、という点で遺体を扱える保証がなく、彼の生き様を眺めていたいという思いもあってアリアの“狙い”からは外れている。
生死観に対する見解の相違もあって直接言葉を交わしたりバディを組む事も少ないが、『荊』の中では数少ない「人間らしい感情」を向ける相手である。
……彼と対比するような生死観。「死を利用し、それまでの生に意味を持たせる」というアリアの思想は、ある意味では純粋な魔術師らしい価値観であるのかもしれない。
また、何を食べさせれば面白いかな……という知的好奇心でお気に入りのホラー映画や哲学小説を買い漁り部屋の前に置いたりする。超能力で演奏した音楽も(部屋越しに)聴かせる。
「ちょっと違うのかもね……私は、死んでこそ「生」が意味を持つと思ってる。
人は死んだらそれまでだよ……だからこそ、残された人がその死を受け入れて、利用してそれまでの「生」に意味を持たせるんだ……って…………まぁ、私も自分じゃ上手くいえないけどさ……」
- カローラ・ブカティーニ
- 『荊』の同僚。
任務中でも連携の伝達不足により齟齬が生まれてしまったり、お互い独断に振り回されたりと何かと軋轢の耐えない間柄である。
しっとりした場所、薄暗い場所を好むアリアにとってその魔術は天敵に等しい。一方で速度に関係なく恩恵を与えられる超能力の演奏は相性が良く、『絆』を利用した「加熱」による拍数の加速も可能。
緻密な連携や互いの理解力が高まれば相当な相乗効果を発揮すると思われるが……少なくとも、アリアの方から連携の特訓や指南を持ちかけることはない。居留守とか使う。
「……わかる?ロロにはね、完璧な防腐加工を施してあるんだよ…………保湿、適度な水分が欠かせない……熱すぎてミイラにならないよう、気をつけないとさ……」
「…………私の目的は知ってるでしょ?私にとってきみたちは、あくまでも“遺体”の前段階に過ぎないって……ま、だから死んで欲しい……とまでは思ってないけど……いや、ちょっと思ってるか……」
- ネロ・ネグロ・チョールヌィ
- 『荊』の同僚。
戦闘中の彼に近づく事無く援護に回れるということ、また彼の膨大な魔力量の恩恵を受けて多少無茶な礼装の操作も可能となるため、仕事がしやすい。
難点といえば、彼の魔術は対象を須らく『破壊』してしまうこと。遺体の鮮度と五体の無事を重んじるアリアにとって、内側から爆ぜた遺体は悲しみの象徴でしかない。
ちなみにアリアも彼の入隊の経歴や『荊』に留まる動機を知らないが、細かいことは抜きにして「今は頼りになるから」ということで深く考えないようにしている。
……彼の遺体はすこぶる魅力的だが、恐らく彼の遺体を手に入れられることはないだろう、と諦めている。理由は単純……彼が死ぬようなことがあれば、自分も無事では居られないだろうから。
「私がここに来たときも……あんたは何も聞かなかったからね。だから、私もあんたに関して深くは聞かない…………知った所で、私の益にはならなそうだしさ……」
「…………黒かぁ。私も黒は好きだけど……ねぇ、あんたってノリは食べられる?ほら……日本の、海藻で作った紙みたいなやつ……
私、生魚が好きでスシも食べるんだけどさ……あのノリだけは食べられないんだよね…………黒と食べ物って、結びつかなくない……?そこんとこ、ちょっと聞いてみたかったんだよね……」
- マシュロー・パズミノ
- 『荊』の同僚。
戦闘面での相性は兎も角として、性格面が水と油。その軋轢はさながら思春期の娘と父親のようにも……言うことを聞かない犬とそれを制御する飼い主のようにも見える。
自分の判断を第一としているアリアにとって彼の命令は「辛うじて気に留めておく」程度の認識であり、任務中により良いアイデアを閃けば彼に了承も取らずに実行に移し混乱を招く。
直近の任務で言えば、彼が接近戦を行っている最中に崩れそうな瓦礫を発見し、概念武装で調整した上で敵の直上に瓦礫を落とす……という行為を承諾も得ずに行った。
本人としては成功の確信があり、伝達を行う時間で落としてしまったほうがスムーズだという判断のもとで行ったが、一歩間違えればマシュロー諸共潰してしまいかねない判断であった。
結果、アリアはマシュローからの叱責を受け三ヶ月の減給処分を下され一週間の自室待機処分となった。尚叱責を受けている間はいつにも増して不満げな表情を浮かべていたという。
「…………あー、はい。了解。それじゃあ私は後ろから見とくからさ……手っ取り早く済ませてね…………喉乾いたからジュース買ってきていい?」
「だって……あのまま戦うより、潰しちゃったほうが手っ取り早いじゃん……ちゃんと当たらないように調整はしてたし……成功確率は9割くらいだったし…………。
えっ……う、うそ、三ヶ月も減給……!?もう今年いっぱい給料半額じゃん…………くそっ、鬼……!悪魔……!なんてひきょうなやつ……!!」
- 冬歌百古
- 『荊』の同僚。
だが……その人物像、嗜好面はアリアの理解の範疇外にあり理解しがたい。この『荊』の中では最も「ヤバい人」という認識を抱く相手。
バディを組む機会はそれほど多くないものの、組んだ際には彼女の的確な説得……もとい指示もあって効率的に動き、倫理などかなぐり捨てたような手段で任務を完遂する。
基本、アリアは納得できる理屈さえあれば素直に言う事を聞くタイプの人間なので、彼女のように道徳や人道面を考慮せず効率性だけに基づいて説明してくれる人間とは相性が良い。
それはそれとして、私生活部分で理解できない部分が多いので尊敬と畏怖が入り混じっている。どちらかと言うと畏怖寄り。素直に言うことを聞くのは畏怖の面が強いからなのかもしれない。
「はー……なるほど、完全に理解した。ずっとあんたのことやべーやつだと思ってたけど…………この組織の中じゃ、一番話が通じる人……かもね」
「………………いや、やっぱやべーやつかも。マシュローとかカローラとか、反りが合わない人はいるけどさ……なんか、別次元の趣味してない……?なにもわかんなくなってきた…………」
- タマ
- 『荊』のペッ……同僚。
故に彼女に関しては遺体収集癖のリストから外れており、「人」としての興味を持たない。だからこそアリアは彼女を溺愛しており、純粋に「可愛いからペットにしたい」という一般人らしい感想を抱く。
尤も、魔術師として「死を意味のあるものとし、生の延長とする」価値観を持つアリアは彼女の獣としての本能と相容れない。言葉を解する事が出来るなら尚更である。
そのためアリア本人の趣味や振る舞いも相まって彼女からは距離を置かれてしまっており、とてもさみしい。何気に、アリアが唯一「自分から近づこう」と思うことの出来る相手。
ちなみに彼女に限らず、アリアは動物全般から避けられる。理由は体に染み付いた死臭や怨恨、悔恨の念。犬を撫でようとすれば大体噛まれる。
「人間の「死」は終わりじゃない……私がロロを想っているかぎり、この人の人生は続いている……って言っても……ちょっとむずかしいかな…………」
「ほんとはよくないのかもしれないけど……!避けられてるのはわかってるけど……!いっぱいご飯あげたい!いっぱいなでなでしたいいいいい…………!!
だから私…………タマちゃんに好かれるようないい人になりたい……!」
- マツリカ
- 『荊』の同僚。
無機質で淡々とした態度には好印象を抱いており、バディを組んだ際にも必要最低限のコミュニケーションで任務を遂行できるので気楽。優秀な同僚という認識を抱く。
同じ魔眼を持つ者として『遺体』にも興味を抱いていて、アイオラと同レベルで狙いを付けている。彼女がバディを募集する際には率先して手を挙げる事も多い。
とはいえ――――彼女の生死観とアリアの生死観は完全なる真逆。死を迎えた命に意味を与え、概念として生き永らえさせる事を重んじるアリアにとって、彼女の価値観は理解できないものである。
「知ってるよ……日本じゃ、メイドは猫耳をつけて高い水を売ってオムライスに魔術をかけるって…………なんか雰囲気はメイドっぽくないけど……ニンジャのメイドなら納得だね……」
「……きみが死んだら、私がきみの人生に意味を与えてあげる…………ふふ、それが嫌なら…………私よりも長生きしてね……私が先に死んだら、そのときは……きみが正しかった、ってことだ…………」
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