最終更新: nevadakagemiya 2022年08月31日(水) 00:20:42履歴
「人の中には私のことを"悲しみの子"と呼ぶ者もいます。当の本人としては勝手に憐れまないでいただきたい、といったところですね」
【STATUS】
CLASS アーチャー
筋力:A 耐久:B+ 敏捷:B+ 魔力:B+ 幸運:A
対魔力:B 単独行動:A 毒竜因子:EX
マスター | クリスティア・エクレール |
真名 | トリスタン |
宝具 | |
キーワード | 愛と毒の騎士 |
竜殺し |
対魔力:B 単独行動:A 毒竜因子:EX
【KEYWORD】
01:落涙機構・花天煌煌
トリスタン卿の持つ弓。
かつての想い人と深い森の中で隠棲していた際に彼女と作り上げた弓とされる。
「無駄なしの弓」「必中の弓」という意味合いを持ち、人間や獣を問わず狙ったところへ必ず当たる。
トリスタン卿がその弓としての秘奥を妄りに開帳することが無かったため、伝承において多くを語られたことがない。
その鏃には「無駄を祓う」という特性が与えられており、獲物へ突き当たる過程での万難を排する。
矢とは当てるものではなく当たらない要素を排除していった結果中るものであるとされる東洋の概念を図らずも体現している。
かつての想い人と深い森の中で隠棲していた際に彼女と作り上げた弓とされる。
「無駄なしの弓」「必中の弓」という意味合いを持ち、人間や獣を問わず狙ったところへ必ず当たる。
トリスタン卿がその弓としての秘奥を妄りに開帳することが無かったため、伝承において多くを語られたことがない。
その鏃には「無駄を祓う」という特性が与えられており、獲物へ突き当たる過程での万難を排する。
矢とは当てるものではなく当たらない要素を排除していった結果中るものであるとされる東洋の概念を図らずも体現している。
02:愛と毒の騎士
その出生から最期に至るまで多くの不幸に見舞われた『悲しみの子』の一生は愛と毒に彩られたものであった。
多くの浮名を流し、人生の節目ごとに毒に侵され、そして人生の終わりもまた『愛』と『毒』によって息絶えた。
この二つの要素はトリスタン卿の生涯を語る上で常に付いて回るものである。
多くの浮名を流し、人生の節目ごとに毒に侵され、そして人生の終わりもまた『愛』と『毒』によって息絶えた。
この二つの要素はトリスタン卿の生涯を語る上で常に付いて回るものである。
03:竜殺し
著名な騎士のいくらかが竜を討ち果たしたことで名を上げたようにトリスタン卿もまたドラゴンスレイヤーのひとりである。
剣でも槍でも傷つかない丈夫な鱗と猛毒の息吹を吐く恐るべき毒竜をトリスタン卿は倒したが、自身も毒によって倒れてしまった。
瀕死の彼の解毒を行い介抱したのが後にトリスタン卿と悲恋を繰り広げるアイルランドの王女イゾルデである。
剣でも槍でも傷つかない丈夫な鱗と猛毒の息吹を吐く恐るべき毒竜をトリスタン卿は倒したが、自身も毒によって倒れてしまった。
瀕死の彼の解毒を行い介抱したのが後にトリスタン卿と悲恋を繰り広げるアイルランドの王女イゾルデである。
【SKILL】
01:対魔力 [ B ]
魔術詠唱が三節以下のものを無効化する。
大魔術・儀礼呪法などをもってしても傷つけるのは難しい。
大魔術・儀礼呪法などをもってしても傷つけるのは難しい。
02:単独行動 [ A ]
マスターからの魔力供給を断っても自立できる能力。
ランクAならば、マスターを失っても一週間は現界可能。
ランクAならば、マスターを失っても一週間は現界可能。
03:毒竜因子 [ EX ]
トリスタン卿の持つ特殊体質。
ほぼ無効化すると言っても過言ではない耐毒性とそれに伴う著しい体力の上昇。
毒竜を討ち果たし、その毒に全身を侵されながら生き延びた誉れである。
ほぼ無効化すると言っても過言ではない耐毒性とそれに伴う著しい体力の上昇。
毒竜を討ち果たし、その毒に全身を侵されながら生き延びた誉れである。
【SETTING】
01:人物背景
「アーサー王伝説」に登場する円卓の騎士の一人。
アーサー王の側近であったガウェイン卿、最優の騎士とされたランスロット卿、そんな彼らと勝るとも劣らずとまで謳われた比類なき騎士。
アーサー王の騎士としては中途よりの参画であり、伝説の最後に描かれるカムランの戦いの頃には既に円卓を離れていた。
その数奇な運命故に一人の主君だけに忠節を捧げることが叶わず、行く先々に訪れる不幸と共に幾人もの王の許を渡り歩いた流浪の騎士である。
円卓の崩壊の知らせを受け取った後に、遠く離れたブルターニュの地で騎士の尊厳を賭けた戦いに望んで勝利するも毒の刃によって倒れ伏してしまう。
唯一それを癒せるトリスタン卿最愛の女性イゾルデの到着は間に合わず、然して彼に付き纏った毒の運命はとうとうトリスタン卿を仕留めたのだった。
実力もさることながら、トリスタン卿は多くの才覚とそれを育んだ高度な教育に支えられた不足のない騎士である。
高潔な騎士道精神は勿論のこと、宮廷において必要なスキルを満遍なく身に付け、語学や竪琴の演奏はその中でも群を抜いて優れていた。
その上で物腰も四角四面の堅物ということはなく柔らかなものであり、治世の知識も備えていたことからアーサー王の外交の場では常に彼の姿があったという。
騎士として剣の道一本ではなくバランスの取れたトリスタン卿が円卓の中でも一目置かれていたのは言うまでもない。
英霊としての彼もまたそうした評価に違わぬ存在である。
ひとたび喚び出されれば、最も優れた騎士道の体現者のひとりとされた生前と違わぬ理想の騎士としての能力を示すだろう。
アーサー王の側近であったガウェイン卿、最優の騎士とされたランスロット卿、そんな彼らと勝るとも劣らずとまで謳われた比類なき騎士。
アーサー王の騎士としては中途よりの参画であり、伝説の最後に描かれるカムランの戦いの頃には既に円卓を離れていた。
その数奇な運命故に一人の主君だけに忠節を捧げることが叶わず、行く先々に訪れる不幸と共に幾人もの王の許を渡り歩いた流浪の騎士である。
円卓の崩壊の知らせを受け取った後に、遠く離れたブルターニュの地で騎士の尊厳を賭けた戦いに望んで勝利するも毒の刃によって倒れ伏してしまう。
唯一それを癒せるトリスタン卿最愛の女性イゾルデの到着は間に合わず、然して彼に付き纏った毒の運命はとうとうトリスタン卿を仕留めたのだった。
実力もさることながら、トリスタン卿は多くの才覚とそれを育んだ高度な教育に支えられた不足のない騎士である。
高潔な騎士道精神は勿論のこと、宮廷において必要なスキルを満遍なく身に付け、語学や竪琴の演奏はその中でも群を抜いて優れていた。
その上で物腰も四角四面の堅物ということはなく柔らかなものであり、治世の知識も備えていたことからアーサー王の外交の場では常に彼の姿があったという。
騎士として剣の道一本ではなくバランスの取れたトリスタン卿が円卓の中でも一目置かれていたのは言うまでもない。
英霊としての彼もまたそうした評価に違わぬ存在である。
ひとたび喚び出されれば、最も優れた騎士道の体現者のひとりとされた生前と違わぬ理想の騎士としての能力を示すだろう。
02:『悲嘆の騎士』
トリスタン卿にとってアーサー王の許で円卓の騎士としてあった時期は様々な責務に追われたが一方で穏やかな日々であったかもしれない。
生まれ落ちた時からその生が終わるまで彼を常に苛み続けた悲しき運命はその間だけ彼の背へ追い縋ってこなかったからだ。
その能力の高さや貴き血筋、また不可抗力の因子から、主君やその臣下たちに疎まれ続けたトリスタン卿にとって唯一真っ直ぐ忠義を捧げることが出来た期間だった。
穏やかな気質のトリスタン卿を王もまた愛した。ある意味では、外様の騎士だからこそ王と臣下の関係でありながらアーサー王の良き友としてあった。
だが円卓に加わるまで、そして円卓から離れた後、トリスタン卿はその二つ名通りの人生を送っている。
そも、王国の王子という立場でありながら父王は彼の生誕する前に戦死。その失意の内に母はトリスタン卿を産み落とした直後に死去した。
竜退治さえしてみせて英雄となるも、想いの通じ合った姫君にとってトリスタン卿はかつて決闘の末に討たれた叔父の仇だった。
主君の妻としてその姫君を迎えたが、嫁ぎの船中で侍女の失敗により互いに惚れ薬を口にしてしまい、主君を欺いて彼女と逢瀬を重ねることを余儀なくされた。
悲恋に及び、不貞によって国を追われ、そしてその最期に姫君はとうとうトリスタン卿の死に目にさえ駆けつけるも間に合わなかった。
それでも、彼は愛に生きたこと自体には後悔はしていない。
たくさんの間違いがあったけれども、そのいくらかはどうしようもなくて、そのいくらかは自分のせいであるけれども、確かに掛け替えのないものを信じた。
その人生を通じて、想い人であるイゾルデと愛を共有したことはこの上ない幸せだったと捉えている。
しかし───愛した人、イゾルデはどうだっただろう。
行使した数々の奇跡から察するに、イゾルデは只人ではなくおそらく現地の精霊に連なるものだった。
知らずとはいえ土地の精霊に土地を去る選択をさせてしまったばかりか、自分の人生に付き合わせて振り回した結果見知らぬ地で死なせてしまった。
己は幸せだったけれども、彼女にとってはあるべき地にあった方が幸せだったのではあるまいか。
それを最大の後悔とし、彼女を元あるべき地へと送り届けるという願いをもってトリスタン卿はサーヴァント化し聖杯戦争を戦う。
だからこれは口にすることのないもうひとつの願い。
願わくば、今度こそ騎士として王への忠節を捧げよう。かつて心の底よりそれを捧げることの出来たアーサー王に仕えし時のように主君を最後までお支えしよう。
それはカムランの丘で慟哭する王の元へと馳せ参じることの叶わなかった自分には過ぎた願いだとする、己の生を嘆きたがらない『悲嘆の騎士』の切なる“嘆き”だった。
生まれ落ちた時からその生が終わるまで彼を常に苛み続けた悲しき運命はその間だけ彼の背へ追い縋ってこなかったからだ。
その能力の高さや貴き血筋、また不可抗力の因子から、主君やその臣下たちに疎まれ続けたトリスタン卿にとって唯一真っ直ぐ忠義を捧げることが出来た期間だった。
穏やかな気質のトリスタン卿を王もまた愛した。ある意味では、外様の騎士だからこそ王と臣下の関係でありながらアーサー王の良き友としてあった。
だが円卓に加わるまで、そして円卓から離れた後、トリスタン卿はその二つ名通りの人生を送っている。
そも、王国の王子という立場でありながら父王は彼の生誕する前に戦死。その失意の内に母はトリスタン卿を産み落とした直後に死去した。
竜退治さえしてみせて英雄となるも、想いの通じ合った姫君にとってトリスタン卿はかつて決闘の末に討たれた叔父の仇だった。
主君の妻としてその姫君を迎えたが、嫁ぎの船中で侍女の失敗により互いに惚れ薬を口にしてしまい、主君を欺いて彼女と逢瀬を重ねることを余儀なくされた。
悲恋に及び、不貞によって国を追われ、そしてその最期に姫君はとうとうトリスタン卿の死に目にさえ駆けつけるも間に合わなかった。
それでも、彼は愛に生きたこと自体には後悔はしていない。
たくさんの間違いがあったけれども、そのいくらかはどうしようもなくて、そのいくらかは自分のせいであるけれども、確かに掛け替えのないものを信じた。
その人生を通じて、想い人であるイゾルデと愛を共有したことはこの上ない幸せだったと捉えている。
しかし───愛した人、イゾルデはどうだっただろう。
行使した数々の奇跡から察するに、イゾルデは只人ではなくおそらく現地の精霊に連なるものだった。
知らずとはいえ土地の精霊に土地を去る選択をさせてしまったばかりか、自分の人生に付き合わせて振り回した結果見知らぬ地で死なせてしまった。
己は幸せだったけれども、彼女にとってはあるべき地にあった方が幸せだったのではあるまいか。
それを最大の後悔とし、彼女を元あるべき地へと送り届けるという願いをもってトリスタン卿はサーヴァント化し聖杯戦争を戦う。
だからこれは口にすることのないもうひとつの願い。
願わくば、今度こそ騎士として王への忠節を捧げよう。かつて心の底よりそれを捧げることの出来たアーサー王に仕えし時のように主君を最後までお支えしよう。
それはカムランの丘で慟哭する王の元へと馳せ参じることの叶わなかった自分には過ぎた願いだとする、己の生を嘆きたがらない『悲嘆の騎士』の切なる“嘆き”だった。
【BATTLE SKILL】
円卓の刻印 | 自身に能力強化 |
精霊の加護 | 自身に能力強化 |
鋒は波濤の如く | ダメージ |
毒竜因子 | 自身に能力強化 |
落涙機構・花天煌煌 | 大ダメージ |
基本情報
【元ネタ】アーサー王伝説
【CLASS】アーチャー
【真名】トリスタン
【性別】男性
【身長・体重】188cm・94kg
【肌色】薄褐色 【髪色】黒(イラスト上は青) 【瞳色】薄青
【外見・容姿】鎧を纏った憎たらしいほどのイケメン
【地域】イギリス
【年代】5世紀末
【属性】秩序・善
【天地人属性】地
【その他属性】人型
【ステータス】筋力:A 耐久:B+ 敏捷:B+ 魔力:B+ 幸運:A(自己申告) 宝具:A+
【CLASS】アーチャー
【真名】トリスタン
【性別】男性
【身長・体重】188cm・94kg
【肌色】薄褐色 【髪色】黒(イラスト上は青) 【瞳色】薄青
【外見・容姿】鎧を纏った憎たらしいほどのイケメン
【地域】イギリス
【年代】5世紀末
【属性】秩序・善
【天地人属性】地
【その他属性】人型
【ステータス】筋力:A 耐久:B+ 敏捷:B+ 魔力:B+ 幸運:A(自己申告) 宝具:A+
【クラス別スキル】
対魔力:B
魔術に対する抵抗力。一定ランクまでの魔術は無効化し、それ以上のランクのものは効果を削減する。サーヴァント自身の意思で弱め、有益な魔術を受けることも可能。
Bランクでは、魔術詠唱が三節以下のものを無効化する。大魔術・儀礼呪法などを以ってしても、傷つけるのは難しい。
Bランクでは、魔術詠唱が三節以下のものを無効化する。大魔術・儀礼呪法などを以ってしても、傷つけるのは難しい。
単独行動:A
マスターとの繋がりを解除しても長時間現界していられる能力。依り代や要石、魔力供給がない事による、現世に留まれない「世界からの強制力」を緩和させるスキル。
長時間マスターとサーヴァントが共にいれない場合(サーヴァントとマスターは近ければ近い程パスの繋がりが強固になる為、基本的に目の届く位置で戦わせる)や、マスターが深刻なダメージを被りサーヴァントに満足な魔力供給が行えなくなった場合などに重宝するスキル。
反面、サーヴァントがマスターの制御を離れ、独自の行動を取る危険性も孕む。あくまで単独行動が出来るだけであり、気配遮断のように気配を隠す事はできない。
長時間マスターとサーヴァントが共にいれない場合(サーヴァントとマスターは近ければ近い程パスの繋がりが強固になる為、基本的に目の届く位置で戦わせる)や、マスターが深刻なダメージを被りサーヴァントに満足な魔力供給が行えなくなった場合などに重宝するスキル。
反面、サーヴァントがマスターの制御を離れ、独自の行動を取る危険性も孕む。あくまで単独行動が出来るだけであり、気配遮断のように気配を隠す事はできない。
【保有スキル】
カリスマ:C
軍団の指揮能力、カリスマ性の高さを示す能力。団体戦闘に置いて自軍の能力を向上させる。カリスマは稀有な才能なため、一国の王としてはBランクで十分とされる。生前は王として君臨した者は高レベル。
稀有な才能だが、稀に持ち主の人格形成に影響を及ぼす事がある。王や指導者には必須ともいえるスキル。
トリスタンは実際に王となったことはないがそれを為しうる見識や実力はあるとされ、円卓にあっても騎士らを率いる立場を多く任されたことから得たスキル。
稀有な才能だが、稀に持ち主の人格形成に影響を及ぼす事がある。王や指導者には必須ともいえるスキル。
トリスタンは実際に王となったことはないがそれを為しうる見識や実力はあるとされ、円卓にあっても騎士らを率いる立場を多く任されたことから得たスキル。
精霊の加護:A
精霊からの祝福によって、危機的な局面において優先的に幸運を呼び寄せる能力。その発動は武勲を立て得る戦場においてのみに限定される。
沈着冷静:A
如何なる状況にあっても混乱せず、己の感情を殺して冷静に周囲を観察し、最適の戦術を導いてみせる。
精神系の効果への抵抗に対してプラス補正が与えられる。特に混乱や焦燥といった状態に対しては高い耐性を有し、たとえ数百数千の軍勢に単身で相手取ることになろうとも決して惑わない。
精神系の効果への抵抗に対してプラス補正が与えられる。特に混乱や焦燥といった状態に対しては高い耐性を有し、たとえ数百数千の軍勢に単身で相手取ることになろうとも決して惑わない。
毒竜因子:EX
毒竜を討ち果たし、その毒に全身を侵されながら生き延びたことで得た固有スキル。
機能している間、ステータスを向上させる。その上昇幅は昼間の間はその力を3倍にすると謳われたガウェインと互角とされるほど。
更に毒に対する耐性を著しく引き上げる。例えあらゆる英雄の肉体を腐らせるというヒュドラの毒であろうとトリスタンには通用しない。
およそあらゆる毒という毒はトリスタンを死に至らしめることは出来ない。竜殺しのスキルが変化したものというよりは竜殺しの要素を得た耐毒スキルの窮極系。
ただし生前の因果から「トリスタンにとって重要な相手と離れ離れになればなるほど毒耐性が減衰する」という弱点を持つ。
サーヴァントのトリスタンにとってはこれはマスターに相当し、分断されることで耐性が低くなり、毒に侵されることでこのスキルは無効化する。
更に秘された要素として、重要な相手がトリスタンに対し恋慕の情を抱いている場合その耐性の減少は更に大幅なものとなる。
機能している間、ステータスを向上させる。その上昇幅は昼間の間はその力を3倍にすると謳われたガウェインと互角とされるほど。
更に毒に対する耐性を著しく引き上げる。例えあらゆる英雄の肉体を腐らせるというヒュドラの毒であろうとトリスタンには通用しない。
およそあらゆる毒という毒はトリスタンを死に至らしめることは出来ない。竜殺しのスキルが変化したものというよりは竜殺しの要素を得た耐毒スキルの窮極系。
ただし生前の因果から「トリスタンにとって重要な相手と離れ離れになればなるほど毒耐性が減衰する」という弱点を持つ。
サーヴァントのトリスタンにとってはこれはマスターに相当し、分断されることで耐性が低くなり、毒に侵されることでこのスキルは無効化する。
更に秘された要素として、重要な相手がトリスタンに対し恋慕の情を抱いている場合その耐性の減少は更に大幅なものとなる。
【宝具】
『落涙機構・花天煌煌 』
ランク:A+ 種別:対軍宝具 レンジ:1〜99 最大捕捉:300人
由来:トリスタンがイゾルデと森で隠棲している際に作った「無駄なしの弓」。
矢を射出しているのだから弓、と本人は主張するがどう見ても弓ではなく砲である。
正体はアイルランドの精霊であったと思われるイゾルデから渡されたもので、人ならざるものが作ったという曲がりなりにも神造兵装。宝具としての本体は矢たる鋼鉄の巨大な弾頭の方。
「無駄を祓う」という特性を持ち、推進の邪魔になるものを概念的に排除していく他、一定ランク以下の防御を無効化する。
魔力で極限まで励起したそれを砲身から超高速で射出する。神秘によって運営される身も蓋もない運動エネルギー弾。バンカーバスター。デラックス円卓キャノン。
弾頭自体が凄まじい貫通力と射程を持つ上に進路上付近にあるものを推進力の余波である魔力で薙ぎ払っていく。
当然着弾先では貫通弾としての破壊と共に極大の魔力爆発を起こす。騎士王が振るう聖剣に比肩しうる破壊力。狙った一点のみの威力に関しては上回りすらする。
その特性から半端な防御は完全に無効化するのは勿論、抑えられたロスを全てエネルギーへ変換した弾頭は物理的にも概念的にもその衝撃波ですら生半可な受けを許さない。
トリスタンは狙ったものが塵すら残らない様をして「どうです、少々狙いが逸れようが余波により必中。無駄がないでしょう」と得意げに語るが他の円卓の騎士たちは大抵閉口している。
砲塔の形成をある程度省略して疑似宝具として弾頭を放つことも出来るが、当然威力やランクは下がる。代わりに素早く放つことが出来る。
由来:トリスタンがイゾルデと森で隠棲している際に作った「無駄なしの弓」。
矢を射出しているのだから弓、と本人は主張するがどう見ても弓ではなく砲である。
正体はアイルランドの精霊であったと思われるイゾルデから渡されたもので、人ならざるものが作ったという曲がりなりにも神造兵装。宝具としての本体は矢たる鋼鉄の巨大な弾頭の方。
「無駄を祓う」という特性を持ち、推進の邪魔になるものを概念的に排除していく他、一定ランク以下の防御を無効化する。
魔力で極限まで励起したそれを砲身から超高速で射出する。神秘によって運営される身も蓋もない運動エネルギー弾。バンカーバスター。デラックス円卓キャノン。
弾頭自体が凄まじい貫通力と射程を持つ上に進路上付近にあるものを推進力の余波である魔力で薙ぎ払っていく。
当然着弾先では貫通弾としての破壊と共に極大の魔力爆発を起こす。騎士王が振るう聖剣に比肩しうる破壊力。狙った一点のみの威力に関しては上回りすらする。
その特性から半端な防御は完全に無効化するのは勿論、抑えられたロスを全てエネルギーへ変換した弾頭は物理的にも概念的にもその衝撃波ですら生半可な受けを許さない。
トリスタンは狙ったものが塵すら残らない様をして「どうです、少々狙いが逸れようが余波により必中。無駄がないでしょう」と得意げに語るが他の円卓の騎士たちは大抵閉口している。
砲塔の形成をある程度省略して疑似宝具として弾頭を放つことも出来るが、当然威力やランクは下がる。代わりに素早く放つことが出来る。
【Weapon】
『落涙機構・花天煌煌 』
宝具であるそれをそのまま使用。その性質上、アーチャーのクラスでありながら宝具以外では遠距離攻撃を全く行わないスタイル。
大きな杭状の弾頭とそれを支える巨大な砲塔は宝具未使用時である変形前には非常に大仰な形状の槍斧に似る。
「無駄を祓う」という特性は真名の解放前でも健在で、取り回す上での障害(重量、空気や水の抵抗、バッドステータスなど)を概念的に排除する。
この性質も相まって見るからに鈍重そうなその得物をトリスタンはまるで枯れ木を振り回すかのように軽々と、しかし繊細に取り扱ってみせる。
剣豪たるサーヴァントたちを相手にしてもその大味な取り回しを苦にすることはない。柄の石突と砲塔部分を巧みに使い分け互角以上に渡り合う。
大きな杭状の弾頭とそれを支える巨大な砲塔は宝具未使用時である変形前には非常に大仰な形状の槍斧に似る。
「無駄を祓う」という特性は真名の解放前でも健在で、取り回す上での障害(重量、空気や水の抵抗、バッドステータスなど)を概念的に排除する。
この性質も相まって見るからに鈍重そうなその得物をトリスタンはまるで枯れ木を振り回すかのように軽々と、しかし繊細に取り扱ってみせる。
剣豪たるサーヴァントたちを相手にしてもその大味な取り回しを苦にすることはない。柄の石突と砲塔部分を巧みに使い分け互角以上に渡り合う。
【解説】
トリスタン。あるいはトリストラムやトリストラントとも。
アーサー王伝説に登場する円卓の騎士のひとりにして、自身を主役とする数多くの叙事詩や物語を有する、その人生を愛と毒に彩られた騎士。
曰く、トリスタンはイゾルデのことをアイルランド土着の精霊であったのだろうと語る。
「親子二代に渡って人の域を超えた治癒の奇跡。他にも多くの神秘を操る様を見ました。そうとは知らず私は彼女に生まれ出でた土地以外での営みを強いてしまった。これは永遠の後悔でしょう」と。
彼はそのことを悔やんでいるのだが、実はイゾルデの方は「知っていてあなたに着いていったんですよ。本当に馬鹿な人」と呆れ半分微笑み半分な態度なのをトリスタンは知らない。
「まあそのくらいの方が図に乗らなくていいかもしれませんね、全く困った人」と思われていることも知らない。
また後年に妻とした"白い手の"イゾルデに対しても「イゾルデと同じ名、イゾルデと似た雰囲気を持っていたことでつい妻とすることに頷いてしまった。彼女にとっては屈辱だったでしょう」と悔やむ。
これも実は白い手のイゾルデは「知っていて結婚しましたよ。それでも結婚していいと思えましたし。ああ、本当に馬鹿な人」と呆れ半分微笑み半分な態度なのをトリスタンは知らない。
「まあそのくらいの方が図に乗らなくていいのではないでしょうか、全く困った人」と思われていることも知らない。
………ふたりのイゾルデは座に記録されるほどの霊基に非ず。しかし何かの間違いがあって出会うことがあったのならば意気投合するのではないだろうか。
アーサー王伝説に登場する円卓の騎士のひとりにして、自身を主役とする数多くの叙事詩や物語を有する、その人生を愛と毒に彩られた騎士。
パルメーニエ王リヴァリーンとコーンウォールの王マルクの妹ブランシェフルールとの間に生まれたトリスタンは生まれながらに悲しい運命を背負っていた。
リヴァリーン王は子を身籠ったブランシェフルールをひとり残して戦死。ブランシェフルールもまた嘆きの中で出産直後に死亡してしまう。
生まれながらに両親を失った赤子は「悲しい生まれの子」という意味合いのトリスタンという名をつけられた。
リヴァリーン王に忠節を誓っていた忠臣のもとで教育を受けて育ったトリスタンだがその類稀なる美貌により人攫いに誘拐され行方不明となってしまう。
途中の嵐によって人攫いからも見捨てられひとり取り残されたトリスタンはコーンウォールへと流れ着く。
危機に直面したトリスタンは一計を案じ、持ち前のスキルを生かしてマルク王の目に留まることに成功し、マルク王や宮廷の人々も才気煥発なこの少年を愛した。
やがてトリスタンを探して放浪していた忠臣がマルク王の元へ辿り着いたことでトリスタンの出自が明らかとなり、トリスタンが自身の甥ということが分かったマルク王は彼を後継に指名するのだった。
と、ここまでがトリスタンの物語の始まり。
アイルランドからの税金の取り立てに苦しむマルク王を救うためアイルランドの戦士と戦ったトリスタンは見事戦士を討つも敵の刃の毒により重症を負ってしまう。
この毒は戦士の姉であるアイルランドの王妃にしか癒せないという。トリスタンは偽名を用い、竪琴を奏でる楽師としてアイルランドに向かった。
眉目秀麗にして多才であるトリスタンをアイルランドの人々も好み、王妃は王女イゾルデの教師を務めることを条件にその毒を癒やしてくれた。快癒したトリスタンはコーンウォールへと帰還する。
しかしコーンウォールにはますますマルク王に寵愛されるようになったトリスタンを好まぬ一派がいた。
独り身のマルク王が結婚し嫡子が生まれればトリスタンはマルク王の後継では無くなることになる。一派は画策し、マルク王にアイルランドの王女イゾルデを妻へと迎えるよう進言した。
求婚の使者にはアイルランドを知るトリスタンが選ばれ、彼は再びアイルランドへと旅立った。
この頃アイルランドでは恐るべき竜が暴れまわっており、この竜を討った者はイゾルデと結婚出来るというお触れが出ていた。
トリスタンはこの竜を討ち果たし、証拠に舌を切り取るが、竜の猛毒が身体に回って直後に倒れ伏してしまう。これを好機と見た男が死んだ竜の首を断ってイゾルデとの結婚を要求した。
不審に思ったイゾルデは現場を検め、そこに衰弱したトリスタンを発見した。宮廷へと連れ帰り毒の治療を施した。
その間にも結婚の段取りは進み、いざという段になって意識が戻ったトリスタンが姿を表す。
切り取っていた舌を証拠として男の不正を暴き、トリスタンは竜退治の英雄となった。竜殺しの勇者たるトリスタンをイゾルデは愛するようになっていた。
しかし悲劇は起こる。城でトリスタンが入浴中にイゾルデは彼の剣の先が欠けているのを発見してしまう。
その欠けた部分はコーンウォールにかつてやってきた戦士の頭に残っていた致命傷の刃の欠片と同じもの。即ちイゾルデの叔父の仇こそトリスタンだと分かってしまった。
膨れ上がる憎悪と拮抗するかのように並び立つ恋慕の情。それらを処理できぬイゾルデはトリスタンへその事実を告発する。
正体を知られたトリスタンは正直にこれまでの全てとアイルランドに自分がやってきた理由をイゾルデに告白した。
イゾルデは承知し、竜を討ったトリスタンの代わりにマルク王との結婚を決める。
かくしてイゾルデはトリスタンと共にコーンウォールへと向かうこととなる。しかし運命はその船中に待っていた。
娘が幸福な結婚生活を送れるよう王妃が輿入れの品として用意していた惚れ薬を侍女がワインと間違えてトリスタンとイゾルデに飲ませてしまったのだ。
惚れ薬の効果で燃え上がる恋慕の情。マルク王と結婚したイゾルデはしかしトリスタンとの密会を何度も重ねる。
妻と甥の不貞について疑念が膨らみ続けたマルク王はある時証拠を掴み、トリスタンとイゾルデの処刑を決定してしまった。
逃げ出したトリスタンはイゾルデを救出し、ふたりで森の奥深くに潜み暮らすようになった。
慎ましく暮らしていたふたりだがやがて惚れ薬の効果は切れ、高貴な生まれにあるまじき暮らしを送るイゾルデを不憫に思ったトリスタンはマルク王の許しを請いイゾルデをマルク王の元へと送り返す。
イゾルデと一緒にコーンウォールへ帰ることが叶わなかったトリスタンは放浪の旅に出、そうしていつしかアーサー王の麾下へと加わるのだった。
さて戻ったイゾルデをマルク王の重臣は良く思わない。
尚も糾弾し陥れたいと望む彼らは神の前でイゾルデは誓いを立てねばならないと申し立てた。
イゾルデはこれに「尊き騎士王とその偉大なる騎士たちの前で立たさせて貰いたい」と返す。猶予期間の間にイゾルデはトリスタンと連絡を取り合い策を弄した。
神への誓いをすると定められた場は泥に塗れている。見物人が多く集まる中にトリスタンは卑しい身分の者へ身を窶して混ざった。
イゾルデは集まった群衆の前で「誓いの場へ辿り着きたいが泥濘があって渡れない、渡し船となって欲しい」とトリスタンに告げ、了承したトリスタンは彼女を背に泥沼を渡った。
審判が始まり、イゾルデは「夫と今泥沼を渡してくれた者の他に自分の足の間に入った者はいない」と神に誓った。
何一つとして矛盾はしていない。イゾルデを宣誓の場へと渡したのはトリスタンその人であるのだから。
こうしてイゾルデの潔白は証明された。諦めきれぬ重臣は誓いが終わった後にトリスタンとイゾルデが同じく泊まる館へ不貞の現場を押さえに行くもトリスタンに見つかって討たれることとなった。
やがてアーサー王の元を離れブルターニュへ渡ったトリスタンはイゾルデと同じ名の女性と結婚した。
しかしイゾルデのことを忘れられないトリスタンは結婚した妻とは関係を持つことはなかった。
ある日恋人を攫われたある騎士の助力を求める声に応じたトリスタンは敵と激しく戦い全員討ち果たすも、敵の刃の毒によりまたしても重症を負ってしまった。
イゾルデならば癒せるその傷。しかし彼女がパルメーニエにやってくるのは立場上難しい。
それでも一縷の望みに賭けたトリスタンはイゾルデに傷を癒やしに来て欲しいと便りを送った。
海の向こうのイゾルデは思い悩んだ末にトリスタンの元へと駆けつける。衰弱したトリスタンは自分の妻へ港に到着した船の帆の色を訪ねた。
白ならばイゾルデが乗っている。黒ならばイゾルデは乗っていない。そういうことになっていた。
しかし妻は船にイゾルデが乗っているにも関わらず、イゾルデへの嫉妬から黒だと答える。
嘆いたトリスタンは息絶え、間に合わなかったイゾルデもまた、その嘆きから彼の死体と共に死に絶えるのだった。
互いの墓からは葡萄の蔓が伸び合い絡まって、離れることはなかったという。
リヴァリーン王は子を身籠ったブランシェフルールをひとり残して戦死。ブランシェフルールもまた嘆きの中で出産直後に死亡してしまう。
生まれながらに両親を失った赤子は「悲しい生まれの子」という意味合いのトリスタンという名をつけられた。
リヴァリーン王に忠節を誓っていた忠臣のもとで教育を受けて育ったトリスタンだがその類稀なる美貌により人攫いに誘拐され行方不明となってしまう。
途中の嵐によって人攫いからも見捨てられひとり取り残されたトリスタンはコーンウォールへと流れ着く。
危機に直面したトリスタンは一計を案じ、持ち前のスキルを生かしてマルク王の目に留まることに成功し、マルク王や宮廷の人々も才気煥発なこの少年を愛した。
やがてトリスタンを探して放浪していた忠臣がマルク王の元へ辿り着いたことでトリスタンの出自が明らかとなり、トリスタンが自身の甥ということが分かったマルク王は彼を後継に指名するのだった。
と、ここまでがトリスタンの物語の始まり。
アイルランドからの税金の取り立てに苦しむマルク王を救うためアイルランドの戦士と戦ったトリスタンは見事戦士を討つも敵の刃の毒により重症を負ってしまう。
この毒は戦士の姉であるアイルランドの王妃にしか癒せないという。トリスタンは偽名を用い、竪琴を奏でる楽師としてアイルランドに向かった。
眉目秀麗にして多才であるトリスタンをアイルランドの人々も好み、王妃は王女イゾルデの教師を務めることを条件にその毒を癒やしてくれた。快癒したトリスタンはコーンウォールへと帰還する。
しかしコーンウォールにはますますマルク王に寵愛されるようになったトリスタンを好まぬ一派がいた。
独り身のマルク王が結婚し嫡子が生まれればトリスタンはマルク王の後継では無くなることになる。一派は画策し、マルク王にアイルランドの王女イゾルデを妻へと迎えるよう進言した。
求婚の使者にはアイルランドを知るトリスタンが選ばれ、彼は再びアイルランドへと旅立った。
この頃アイルランドでは恐るべき竜が暴れまわっており、この竜を討った者はイゾルデと結婚出来るというお触れが出ていた。
トリスタンはこの竜を討ち果たし、証拠に舌を切り取るが、竜の猛毒が身体に回って直後に倒れ伏してしまう。これを好機と見た男が死んだ竜の首を断ってイゾルデとの結婚を要求した。
不審に思ったイゾルデは現場を検め、そこに衰弱したトリスタンを発見した。宮廷へと連れ帰り毒の治療を施した。
その間にも結婚の段取りは進み、いざという段になって意識が戻ったトリスタンが姿を表す。
切り取っていた舌を証拠として男の不正を暴き、トリスタンは竜退治の英雄となった。竜殺しの勇者たるトリスタンをイゾルデは愛するようになっていた。
しかし悲劇は起こる。城でトリスタンが入浴中にイゾルデは彼の剣の先が欠けているのを発見してしまう。
その欠けた部分はコーンウォールにかつてやってきた戦士の頭に残っていた致命傷の刃の欠片と同じもの。即ちイゾルデの叔父の仇こそトリスタンだと分かってしまった。
膨れ上がる憎悪と拮抗するかのように並び立つ恋慕の情。それらを処理できぬイゾルデはトリスタンへその事実を告発する。
正体を知られたトリスタンは正直にこれまでの全てとアイルランドに自分がやってきた理由をイゾルデに告白した。
イゾルデは承知し、竜を討ったトリスタンの代わりにマルク王との結婚を決める。
かくしてイゾルデはトリスタンと共にコーンウォールへと向かうこととなる。しかし運命はその船中に待っていた。
娘が幸福な結婚生活を送れるよう王妃が輿入れの品として用意していた惚れ薬を侍女がワインと間違えてトリスタンとイゾルデに飲ませてしまったのだ。
惚れ薬の効果で燃え上がる恋慕の情。マルク王と結婚したイゾルデはしかしトリスタンとの密会を何度も重ねる。
妻と甥の不貞について疑念が膨らみ続けたマルク王はある時証拠を掴み、トリスタンとイゾルデの処刑を決定してしまった。
逃げ出したトリスタンはイゾルデを救出し、ふたりで森の奥深くに潜み暮らすようになった。
慎ましく暮らしていたふたりだがやがて惚れ薬の効果は切れ、高貴な生まれにあるまじき暮らしを送るイゾルデを不憫に思ったトリスタンはマルク王の許しを請いイゾルデをマルク王の元へと送り返す。
イゾルデと一緒にコーンウォールへ帰ることが叶わなかったトリスタンは放浪の旅に出、そうしていつしかアーサー王の麾下へと加わるのだった。
さて戻ったイゾルデをマルク王の重臣は良く思わない。
尚も糾弾し陥れたいと望む彼らは神の前でイゾルデは誓いを立てねばならないと申し立てた。
イゾルデはこれに「尊き騎士王とその偉大なる騎士たちの前で立たさせて貰いたい」と返す。猶予期間の間にイゾルデはトリスタンと連絡を取り合い策を弄した。
神への誓いをすると定められた場は泥に塗れている。見物人が多く集まる中にトリスタンは卑しい身分の者へ身を窶して混ざった。
イゾルデは集まった群衆の前で「誓いの場へ辿り着きたいが泥濘があって渡れない、渡し船となって欲しい」とトリスタンに告げ、了承したトリスタンは彼女を背に泥沼を渡った。
審判が始まり、イゾルデは「夫と今泥沼を渡してくれた者の他に自分の足の間に入った者はいない」と神に誓った。
何一つとして矛盾はしていない。イゾルデを宣誓の場へと渡したのはトリスタンその人であるのだから。
こうしてイゾルデの潔白は証明された。諦めきれぬ重臣は誓いが終わった後にトリスタンとイゾルデが同じく泊まる館へ不貞の現場を押さえに行くもトリスタンに見つかって討たれることとなった。
やがてアーサー王の元を離れブルターニュへ渡ったトリスタンはイゾルデと同じ名の女性と結婚した。
しかしイゾルデのことを忘れられないトリスタンは結婚した妻とは関係を持つことはなかった。
ある日恋人を攫われたある騎士の助力を求める声に応じたトリスタンは敵と激しく戦い全員討ち果たすも、敵の刃の毒によりまたしても重症を負ってしまった。
イゾルデならば癒せるその傷。しかし彼女がパルメーニエにやってくるのは立場上難しい。
それでも一縷の望みに賭けたトリスタンはイゾルデに傷を癒やしに来て欲しいと便りを送った。
海の向こうのイゾルデは思い悩んだ末にトリスタンの元へと駆けつける。衰弱したトリスタンは自分の妻へ港に到着した船の帆の色を訪ねた。
白ならばイゾルデが乗っている。黒ならばイゾルデは乗っていない。そういうことになっていた。
しかし妻は船にイゾルデが乗っているにも関わらず、イゾルデへの嫉妬から黒だと答える。
嘆いたトリスタンは息絶え、間に合わなかったイゾルデもまた、その嘆きから彼の死体と共に死に絶えるのだった。
互いの墓からは葡萄の蔓が伸び合い絡まって、離れることはなかったという。
曰く、トリスタンはイゾルデのことをアイルランド土着の精霊であったのだろうと語る。
「親子二代に渡って人の域を超えた治癒の奇跡。他にも多くの神秘を操る様を見ました。そうとは知らず私は彼女に生まれ出でた土地以外での営みを強いてしまった。これは永遠の後悔でしょう」と。
彼はそのことを悔やんでいるのだが、実はイゾルデの方は「知っていてあなたに着いていったんですよ。本当に馬鹿な人」と呆れ半分微笑み半分な態度なのをトリスタンは知らない。
「まあそのくらいの方が図に乗らなくていいかもしれませんね、全く困った人」と思われていることも知らない。
また後年に妻とした"白い手の"イゾルデに対しても「イゾルデと同じ名、イゾルデと似た雰囲気を持っていたことでつい妻とすることに頷いてしまった。彼女にとっては屈辱だったでしょう」と悔やむ。
これも実は白い手のイゾルデは「知っていて結婚しましたよ。それでも結婚していいと思えましたし。ああ、本当に馬鹿な人」と呆れ半分微笑み半分な態度なのをトリスタンは知らない。
「まあそのくらいの方が図に乗らなくていいのではないでしょうか、全く困った人」と思われていることも知らない。
………ふたりのイゾルデは座に記録されるほどの霊基に非ず。しかし何かの間違いがあって出会うことがあったのならば意気投合するのではないだろうか。
【人物・性格】
やや濃い肌。ネオンブルーの瞳。そして艷やかな黒髪(イラスト上では青で表現される)。ぱっつんで揃えた前髪と襟足で作ったおさげが特徴的な髪型。
何処にあっても貴公子然とした流麗な振る舞いで人の目を惹きつける独特の存在感を放ち、ひと目見ただけで只者ではないと誰もが思う。
持ち前の雰囲気だけで何らかの高名な貴族や王家の出身であろうということは真名を看破するまでもなく殆どの者が察することが出来るだろう。
体付きは筋肉質で太いのだが端正な顔立ちと柔和な微笑みがそれを感じさせない。着痩せするタイプ。脱ぐと意外とがっしりとしていてよく驚かせる。
円卓の騎士らしく鎧は白銀を基調とした清楚なデザインのもの。実は変形機構を備えており、宝具発動時のバックブラストを発生させる際に開く。
召喚された先ではわざわざ他の衣服を望んだりはせず鎧姿で通すが、必要に迫られれば当世風の服へ袖を通すのも吝かではない。
その場合服は清潔感のあるシンプルなものを自分で選んで着ようとする。これだけ恵まれた容姿ならば小細工無用と分かって選んでいるのが実に憎たらしい。
円卓の騎士の中でも屈指の実力、ガウェインやランスロットらと実力伯仲と謳われたのは伊達ではなくトリスタンもその名に恥じぬ立派な騎士道精神の持ち主。
高潔を良しとし、忠義を尊び、礼儀を忘れず、情に厚く、女性を敬う。まるで絵に描いたかのような理想の騎士像の体現者。
ただ円卓の中では比較的中途よりの参画のためか他の円卓の騎士とはやや毛色が異なり、礼を損なわない程度にフランクで気さく。
凱旋の行進の最中、他の騎士たちは厳粛に馬を進めている中でこっそり民衆に手を振って微笑みを投げかけてしまうタイプ。
一方笑顔の裏で策を講じる側面もあり、軍師としての顔も持つ。思慮深く、頭の回転が早く、周囲のことをよく観察している。
邪念を以て人を欺くようなことはしないが、必要にかられれば器用にその場を取り繕うこともある。
波乱に満ちた人生であったためか混乱する状況下であっても冷静さを失わない。穏やかな物腰を侮っていると容赦のないしっぺ返しが待っている。
剣や弓など武芸もさることながら非常に多才である。これは生まれ持った素質と施された高度な教育の双方があってのもの。
宮廷における貴人の身につけるべきスキルはほぼ完璧に習得しており、特に語学や竪琴の演奏に優れ、領主としての帝王学も学んでいたので円卓では他国との交渉で重宝された。
総じて騎士としては比類なき人物である。聖杯戦争においては概ねこちらで通すので大抵の召喚者はトリスタンに対して噂に違わぬ素晴らしい騎士という評価。
戦いにあっては清廉潔白としていながらもどこか飄々とした態度を崩さず、基本的には高いパラメーターと強力なスキルを前面に押し出して真っ向勝負を挑む。
小細工を弄しないのはする必要が無いからであって、己の能力を以てしてもそれが必要な場面となれば地の利を活かすことなどは躊躇わない。
巨大な槍斧にも似る得物は一見すると一振りの攻撃力だけを突き詰めた無骨な鉄塊だが、トリスタンはこれを手足のように繊細に取り扱う。
剛柔を自在に操る戦い振りは円卓の中でも屈指と称されるだけあり凄烈の一言に尽きる。威力に意識を引きずられれば精緻な術理に引き込まれ、巧緻に意識を絡め取られれば重厚な痛撃が待っている。
また戦いの中での分析力が高く、長引けば長引くほど相手の行動に対する対応力が上がっていく。詰ませる能力が高い。
こうした基礎スペックの高さと状況を見極めるクレバーさで圧倒し、それで処理できない相手に対しては最高クラスの破壊力を持つ宝具で吹き飛ばすのがトリスタンの戦闘スタイルである。
もしトリスタンの私的な部分の析出が許される環境下になると持ち前のフランクさが強まってくる。
惚れっぽく、女にだらしない。魅力的と思った相手には歯の浮くような美辞麗句を並べて言い寄ろうとする。さすがに相手が武人や騎士だとちょっと自重する。ちょっと。
誰にでもそんな調子なので浮気症の男とも思われがち。実際その通り。トリスタンは騎士として女性を敬う範疇だと主張する。それもまたその通り。
ただ彼なりに女性へ対する哲学があり、結局は女心を理解できない男に対し、異性であるのに男の倫理観をおよそ理解する女性というものに対して本気で敬意を抱き魅力を感じている。
その人生において女性の怖さというものを実感したからこその態度でもある。なのでトリスタンが女性を褒める時というのは当てずっぽうではなくきちんと相手の良いところを見抜いた上で口にしている。
言動も軽いノリや冗談が増え、(あくまで卑しくはない程度だが)騎士としては軽薄と言わざるを得ない態度になる。
逆に言えば明るくてフレンドリーになるとも言える。情にも厚く、友人と認めた相手には男女を問わず親身になって接してくれる。
場を整えるのが得意で生前も互いの騎士道の違いで対立する騎士の間を取り持つ潤滑剤のような役割を果たしていた面があった。
彼がブルターニュの王に請われて円卓を去ったことはキャメロットの崩壊の遠因のひとつであったかもしれない。
ここまでをトリスタンが対外的に見せる面とすると、素のトリスタンはやや物静かで落ち着いた人格。
悲劇から始まった人生に同情する者、自分の身分や利用価値だけを目当てに言い寄ってくる者、自分の能力や境遇に嫉妬する者、そうしたものに厭気を感じ続けた青年。
このため本当は人との距離感を測るのは苦手で、対外的な自分がうまくやれているのはそういうペルソナを被っているから。
友情や愛情に関して誰よりも奥手で臆病、翻れば誰よりも大切にする。こうした素のトリスタンを見抜いたのは生前ではイゾルデとアーサー王のみだったという。
そうした相手とは言葉を交わすのではなくただ共に同じ空間を共有することに幸福を覚える。あるいは竪琴の演奏、ただし陽気な曲調ではなくうら寂しく美しい調べを聞かせたがる。
誤解の無いように言うとペルソナの私的な部分を見せるようになるだけでもトリスタンとは十分に親密な関係である。
また普段の陽気な態度もそれはそれで身に染み付いているものであり、そうした振る舞いを取ることを負担に感じているわけではない。それはそれで彼の一側面とも言える。
素の部分はあくまで奥底のものなのでここまで関係を深められる人間は本当に稀。
また、これを暴いたからといってトリスタンと段階を踏んだ関係を築いていなければ強く忌避されるようになることさえあり得る。
ただ万が一彼がこうした少し寂しい顔を見せるまでに絆を深めた場合、トリスタンは無二の信頼や忠節、愛情を寄せてくるだろう。
………ちなみにこの段階にあっても女性のことは愛らしく素敵なものだという認識は変わらないので好色は一貫している模様。草葉の影のイゾルデはやれやれと肩を竦めるのだった。
トリスタンの願いは「侍女がワインと惚れ薬を間違えないこと」。
全ての発端であり、最初にして最大の間違いはそこからだった。アイルランド土着の精霊たる貴女はアイルランドにいるべきなのに、私は貴女をコーンウォールへと連れ帰ってしまった。
あの惚れ薬さえ飲んでいなければマルク王に対して精霊の貴女はどうとでも魔術によって暗示を投げかけ、アイルランドへ戻ることだって叶ったかもしれない。
私に薬の効果で惚れてさえいなければ、マルク王の目を盗んで逢瀬を続け、アイルランドに帰るという気を起こさせないということは無かったかもしれない。
私に薬の効果で惚れてさえいなければ、マルク王に逢引の証拠が突き止められて一緒に森へ隠棲し、故郷にいないことで貴女の寿命をすり減らすことも無かったかもしれない。
薬の効果が切れた時にはもう全てが遅くて、貴女をアイルランドではなくコーンウォールへと還さねばならないということも無かったかもしれない。
こんな私に対してあんなに美しくあってくれた人なのに。こんな私に対してあんなに憎んでくれた人なのに。こんな私に対してあんなに優しくいてくれた人なのに。
なのに私は今際の時まで彼女に甘え、精霊として弱りきった彼女に海越えの試練を与え、そうして我が身の不徳と共に死なせてしまった。
ただあの綺麗な人を故郷へと帰してあげたい。私の人生の全てが無為であっても構わないから、あのイゾルデをアイルランドへと帰してあげたい。
あのカムランの丘に駆けつけるのはかの王の麾下から外れてしまった自分には残されていない権利とする彼にとって、それが残されたたったひとつの望みである。
ただ、トリスタンが望みを施したい当人は「全て承知の上で貴方が好きだからついていったんですよ?」と呆れているのを、トリスタンだけが知らない。
イメージカラー:空色
特技:(多才で何でも器用に熟すが強いて言えば)竪琴の演奏
好きなもの:女性
嫌いなもの:チェス
天敵:自分の本性を見抜いてくる人
願い:あの日の間違いを糺す
CV:竹内良太
【一人称】私 【二人称】貴方、貴女、(騎士に対しては)卿、○○(呼び捨て) 【三人称】貴方がた、君たち、○○(呼び捨て)
何処にあっても貴公子然とした流麗な振る舞いで人の目を惹きつける独特の存在感を放ち、ひと目見ただけで只者ではないと誰もが思う。
持ち前の雰囲気だけで何らかの高名な貴族や王家の出身であろうということは真名を看破するまでもなく殆どの者が察することが出来るだろう。
体付きは筋肉質で太いのだが端正な顔立ちと柔和な微笑みがそれを感じさせない。着痩せするタイプ。脱ぐと意外とがっしりとしていてよく驚かせる。
円卓の騎士らしく鎧は白銀を基調とした清楚なデザインのもの。実は変形機構を備えており、宝具発動時のバックブラストを発生させる際に開く。
召喚された先ではわざわざ他の衣服を望んだりはせず鎧姿で通すが、必要に迫られれば当世風の服へ袖を通すのも吝かではない。
その場合服は清潔感のあるシンプルなものを自分で選んで着ようとする。これだけ恵まれた容姿ならば小細工無用と分かって選んでいるのが実に憎たらしい。
円卓の騎士の中でも屈指の実力、ガウェインやランスロットらと実力伯仲と謳われたのは伊達ではなくトリスタンもその名に恥じぬ立派な騎士道精神の持ち主。
高潔を良しとし、忠義を尊び、礼儀を忘れず、情に厚く、女性を敬う。まるで絵に描いたかのような理想の騎士像の体現者。
ただ円卓の中では比較的中途よりの参画のためか他の円卓の騎士とはやや毛色が異なり、礼を損なわない程度にフランクで気さく。
凱旋の行進の最中、他の騎士たちは厳粛に馬を進めている中でこっそり民衆に手を振って微笑みを投げかけてしまうタイプ。
一方笑顔の裏で策を講じる側面もあり、軍師としての顔も持つ。思慮深く、頭の回転が早く、周囲のことをよく観察している。
邪念を以て人を欺くようなことはしないが、必要にかられれば器用にその場を取り繕うこともある。
波乱に満ちた人生であったためか混乱する状況下であっても冷静さを失わない。穏やかな物腰を侮っていると容赦のないしっぺ返しが待っている。
剣や弓など武芸もさることながら非常に多才である。これは生まれ持った素質と施された高度な教育の双方があってのもの。
宮廷における貴人の身につけるべきスキルはほぼ完璧に習得しており、特に語学や竪琴の演奏に優れ、領主としての帝王学も学んでいたので円卓では他国との交渉で重宝された。
総じて騎士としては比類なき人物である。聖杯戦争においては概ねこちらで通すので大抵の召喚者はトリスタンに対して噂に違わぬ素晴らしい騎士という評価。
戦いにあっては清廉潔白としていながらもどこか飄々とした態度を崩さず、基本的には高いパラメーターと強力なスキルを前面に押し出して真っ向勝負を挑む。
小細工を弄しないのはする必要が無いからであって、己の能力を以てしてもそれが必要な場面となれば地の利を活かすことなどは躊躇わない。
巨大な槍斧にも似る得物は一見すると一振りの攻撃力だけを突き詰めた無骨な鉄塊だが、トリスタンはこれを手足のように繊細に取り扱う。
剛柔を自在に操る戦い振りは円卓の中でも屈指と称されるだけあり凄烈の一言に尽きる。威力に意識を引きずられれば精緻な術理に引き込まれ、巧緻に意識を絡め取られれば重厚な痛撃が待っている。
また戦いの中での分析力が高く、長引けば長引くほど相手の行動に対する対応力が上がっていく。詰ませる能力が高い。
こうした基礎スペックの高さと状況を見極めるクレバーさで圧倒し、それで処理できない相手に対しては最高クラスの破壊力を持つ宝具で吹き飛ばすのがトリスタンの戦闘スタイルである。
もしトリスタンの私的な部分の析出が許される環境下になると持ち前のフランクさが強まってくる。
惚れっぽく、女にだらしない。魅力的と思った相手には歯の浮くような美辞麗句を並べて言い寄ろうとする。さすがに相手が武人や騎士だとちょっと自重する。ちょっと。
誰にでもそんな調子なので浮気症の男とも思われがち。実際その通り。トリスタンは騎士として女性を敬う範疇だと主張する。それもまたその通り。
ただ彼なりに女性へ対する哲学があり、結局は女心を理解できない男に対し、異性であるのに男の倫理観をおよそ理解する女性というものに対して本気で敬意を抱き魅力を感じている。
その人生において女性の怖さというものを実感したからこその態度でもある。なのでトリスタンが女性を褒める時というのは当てずっぽうではなくきちんと相手の良いところを見抜いた上で口にしている。
言動も軽いノリや冗談が増え、(あくまで卑しくはない程度だが)騎士としては軽薄と言わざるを得ない態度になる。
逆に言えば明るくてフレンドリーになるとも言える。情にも厚く、友人と認めた相手には男女を問わず親身になって接してくれる。
場を整えるのが得意で生前も互いの騎士道の違いで対立する騎士の間を取り持つ潤滑剤のような役割を果たしていた面があった。
彼がブルターニュの王に請われて円卓を去ったことはキャメロットの崩壊の遠因のひとつであったかもしれない。
ここまでをトリスタンが対外的に見せる面とすると、素のトリスタンはやや物静かで落ち着いた人格。
悲劇から始まった人生に同情する者、自分の身分や利用価値だけを目当てに言い寄ってくる者、自分の能力や境遇に嫉妬する者、そうしたものに厭気を感じ続けた青年。
このため本当は人との距離感を測るのは苦手で、対外的な自分がうまくやれているのはそういうペルソナを被っているから。
友情や愛情に関して誰よりも奥手で臆病、翻れば誰よりも大切にする。こうした素のトリスタンを見抜いたのは生前ではイゾルデとアーサー王のみだったという。
そうした相手とは言葉を交わすのではなくただ共に同じ空間を共有することに幸福を覚える。あるいは竪琴の演奏、ただし陽気な曲調ではなくうら寂しく美しい調べを聞かせたがる。
誤解の無いように言うとペルソナの私的な部分を見せるようになるだけでもトリスタンとは十分に親密な関係である。
また普段の陽気な態度もそれはそれで身に染み付いているものであり、そうした振る舞いを取ることを負担に感じているわけではない。それはそれで彼の一側面とも言える。
素の部分はあくまで奥底のものなのでここまで関係を深められる人間は本当に稀。
また、これを暴いたからといってトリスタンと段階を踏んだ関係を築いていなければ強く忌避されるようになることさえあり得る。
ただ万が一彼がこうした少し寂しい顔を見せるまでに絆を深めた場合、トリスタンは無二の信頼や忠節、愛情を寄せてくるだろう。
………ちなみにこの段階にあっても女性のことは愛らしく素敵なものだという認識は変わらないので好色は一貫している模様。草葉の影のイゾルデはやれやれと肩を竦めるのだった。
トリスタンの願いは「侍女がワインと惚れ薬を間違えないこと」。
全ての発端であり、最初にして最大の間違いはそこからだった。アイルランド土着の精霊たる貴女はアイルランドにいるべきなのに、私は貴女をコーンウォールへと連れ帰ってしまった。
あの惚れ薬さえ飲んでいなければマルク王に対して精霊の貴女はどうとでも魔術によって暗示を投げかけ、アイルランドへ戻ることだって叶ったかもしれない。
私に薬の効果で惚れてさえいなければ、マルク王の目を盗んで逢瀬を続け、アイルランドに帰るという気を起こさせないということは無かったかもしれない。
私に薬の効果で惚れてさえいなければ、マルク王に逢引の証拠が突き止められて一緒に森へ隠棲し、故郷にいないことで貴女の寿命をすり減らすことも無かったかもしれない。
薬の効果が切れた時にはもう全てが遅くて、貴女をアイルランドではなくコーンウォールへと還さねばならないということも無かったかもしれない。
こんな私に対してあんなに美しくあってくれた人なのに。こんな私に対してあんなに憎んでくれた人なのに。こんな私に対してあんなに優しくいてくれた人なのに。
なのに私は今際の時まで彼女に甘え、精霊として弱りきった彼女に海越えの試練を与え、そうして我が身の不徳と共に死なせてしまった。
ただあの綺麗な人を故郷へと帰してあげたい。私の人生の全てが無為であっても構わないから、あのイゾルデをアイルランドへと帰してあげたい。
あのカムランの丘に駆けつけるのはかの王の麾下から外れてしまった自分には残されていない権利とする彼にとって、それが残されたたったひとつの望みである。
ただ、トリスタンが望みを施したい当人は「全て承知の上で貴方が好きだからついていったんですよ?」と呆れているのを、トリスタンだけが知らない。
イメージカラー:空色
特技:(多才で何でも器用に熟すが強いて言えば)竪琴の演奏
好きなもの:女性
嫌いなもの:チェス
天敵:自分の本性を見抜いてくる人
願い:あの日の間違いを糺す
CV:竹内良太
【一人称】私 【二人称】貴方、貴女、(騎士に対しては)卿、○○(呼び捨て) 【三人称】貴方がた、君たち、○○(呼び捨て)
【台詞例】
「クラスはアーチャーを賜りました。円卓の騎士、トリスタンと申します。どうぞよしなに」
「おおっと見目麗しい女性だ。細面は急流上る川魚の鱗の如き鮮烈さ、佇まいは新月の夜の星明りのような美しさ。
はっはっは。分かっていますよ我が乙女。それで手心を加えたりは致しません。私は御身に勝利を捧げる身故に」
「さて。ご婦人、あるいは若者と言葉交わすのは私としても吝かではありませんが、同時に彼らは討つべき相手でもあります。
お戯れは程々に。相手の事情を知れば刃が鈍るとまでは申しませんが、どうかお気をつけくださいますよう」
「勿論です。我が真名はトリスタン。円卓の騎士がひとり。どのような戦場であれ全力を尽くしましょう。」
(最期の時、主に呼びかけられてそれまでの剽軽な態度を一切捨てて厳かに眼前へと跪き)
「………」
「数々のご無礼をお詫び申し上げます」
「いいえ、我が乙女よ。否、我が主よ。あなたは務めを果たされました。私はそれに従ったまで。
私は私の奉ずる騎士道に添い、御身に忠節を誓い切っ先に全てを賭したまでです。あなたは御自分により、御自分の願いを取り戻した。
それでも申し上げることがあるとするなら………その瞬間にこうして寄り添えたこと、僥倖に思います。
貴方は真実、誉れある主だった」
「───それは。ああ、しかし。ええ。あまりにも光栄であるというのに、お応えする時間が無いのが、ただ残念です───」
「おおっと見目麗しい女性だ。細面は急流上る川魚の鱗の如き鮮烈さ、佇まいは新月の夜の星明りのような美しさ。
はっはっは。分かっていますよ我が乙女。それで手心を加えたりは致しません。私は御身に勝利を捧げる身故に」
「さて。ご婦人、あるいは若者と言葉交わすのは私としても吝かではありませんが、同時に彼らは討つべき相手でもあります。
お戯れは程々に。相手の事情を知れば刃が鈍るとまでは申しませんが、どうかお気をつけくださいますよう」
「勿論です。我が真名はトリスタン。円卓の騎士がひとり。どのような戦場であれ全力を尽くしましょう。」
(最期の時、主に呼びかけられてそれまでの剽軽な態度を一切捨てて厳かに眼前へと跪き)
「………」
「数々のご無礼をお詫び申し上げます」
「いいえ、我が乙女よ。否、我が主よ。あなたは務めを果たされました。私はそれに従ったまで。
私は私の奉ずる騎士道に添い、御身に忠節を誓い切っ先に全てを賭したまでです。あなたは御自分により、御自分の願いを取り戻した。
それでも申し上げることがあるとするなら………その瞬間にこうして寄り添えたこと、僥倖に思います。
貴方は真実、誉れある主だった」
「───それは。ああ、しかし。ええ。あまりにも光栄であるというのに、お応えする時間が無いのが、ただ残念です───」
【因縁キャラ】
- アーサー王
彼が基本的に顕にすることのない物静かな人格を生前に看破した数少ない人物のひとり。清廉潔白なその態度も相まって、非常に強い敬意を抱いていた。
王の元を離れたのは請願に応えるトリスタンの騎士道に則ったためとはいえ、海の向こうで騎士王崩御の知らせを聞いた際の衝撃はとても深いものだった。
「"王は人の心が分からない"? どなたです、そんな口さがないことを言ったのは。
むしろあの方ほど人民や騎士たちの心を慈しんでくださる王はいなかった。人を超えながら人と共に歩もうとなさったお方です。だから………。
………いえ。あのお方の最も苦しい時に側でお仕えしなかった私が言えたことなど何もありませんね。ですが、もし叶うならば」
- イゾルデ
様々な奇跡の御業を行使する彼女にトリスタンは救われ、愛し合い、そして憎み合った。あまりに複雑な感情があり、それでも今尚その全てが彼の胸中で瑞々しく輝いている。
イゾルデはトリスタンの最大の理解者であった。だからこそ彼女に多くの無理を強いてしまったことをトリスタンは永劫の後悔としている。
「………申し訳ない。彼女について軽々にお話できることは何も。はは、なにぶん複雑な間柄でして。
ただ、そうですね。佳い女でした。自分には勿体ないほどに佳い女でした。美しく聡明だった。あの惚れ薬など無くても私は彼女に心の底から惹かれていた。
ええ。ですから私は自分の人生が悲しいものだったなどと口が裂けても言えないのです。これ以上無く幸運でした。何せ、彼女に出逢えたのですから」
円卓の騎士
私にとってはちょっとした縁のある騎士です。彼女がキャメロットにやってきて、成長し円卓の騎士に叙せられるまでの一部始終を見守りましたから。
宮廷の作法に疎い彼女にそのすべを教え、雅とされる一芸を仕込んだりもしました。彼女、素晴らしく歌が上手いでしょう? ええ、私が教えました。といっても途中からは手放しで上達していったのですがね。
戦場で背中も預け合いましたし、思うところは多い騎士ですね。ただそれだけに、別れには大きな心残りを抱いていますが………サーヴァントになった彼女が笑顔であるならそれに越したことはない。ただ、それだけです。それだけですよ。
友人と。そう呼ぶに値する騎士です。互いにいろいろと因縁はありますがそれはそれ、これはこれ。彼ほど勇壮な騎士を私は知りません。
でも彼、いささか考え無しなところがあるでしょう? そんな彼を陰ながら支えたことは一度や二度じゃききません。もっとも、彼のそんな真っ直ぐなところに私が助けられたことも一度や二度ではきかないのです。
ああ、一緒にいるとまるで彼と私が険悪なムードで喧嘩しているように見えるかもしれませんがお気になさらず。そういう遠慮しない間柄なんですよ。
ラモラック卿ですか。まあなんといいますか。直情的すぎるというか。少々血の気が多すぎる騎士ではあります。良くも悪くもね。
誤解なきよう言っておくと騎士として軽んじているわけではありません。剛毅な方です。剛毅すぎてバーサーカーのクラスに叙せられるのは納得です。ただ実力は本物で………正直、正面から相手するとなれば骨が折れるでしょう。
………過去? ははは気にしてませんよ。今となってはね。「根に持つ方だな………」なんて眉をひそめられたら「何だとこの野郎、丸く収めるのにどれだけ大変だったか」と食って掛かりますけれど。
奇妙だとは思っていたんです。同時に、あえて聞かなかったことでもあります。捕虜になったという報告があってもいつの間にか帰ってきている。からくりの匂いを嗅ぎながら私は見なかったことにしました。
私が外様の騎士だからでしょう。このキャメロットという清い水に秘密という泥が潜むことを感じつつもそれで上手く回っているならと口にはしなかった。………サーヴァントの身になって初めて知った真実です。
思えば、もう少し話しておけば良かった。夜のキャメロットの庭園で偶然ふたりきりになったとき、卿にはあの花が相応しいという会話をしたことが一度きりあるのですが………きっと覚えてはいないでしょうね。
宮廷の作法に疎い彼女にそのすべを教え、雅とされる一芸を仕込んだりもしました。彼女、素晴らしく歌が上手いでしょう? ええ、私が教えました。といっても途中からは手放しで上達していったのですがね。
戦場で背中も預け合いましたし、思うところは多い騎士ですね。ただそれだけに、別れには大きな心残りを抱いていますが………サーヴァントになった彼女が笑顔であるならそれに越したことはない。ただ、それだけです。それだけですよ。
友人と。そう呼ぶに値する騎士です。互いにいろいろと因縁はありますがそれはそれ、これはこれ。彼ほど勇壮な騎士を私は知りません。
でも彼、いささか考え無しなところがあるでしょう? そんな彼を陰ながら支えたことは一度や二度じゃききません。もっとも、彼のそんな真っ直ぐなところに私が助けられたことも一度や二度ではきかないのです。
ああ、一緒にいるとまるで彼と私が険悪なムードで喧嘩しているように見えるかもしれませんがお気になさらず。そういう遠慮しない間柄なんですよ。
ラモラック卿ですか。まあなんといいますか。直情的すぎるというか。少々血の気が多すぎる騎士ではあります。良くも悪くもね。
誤解なきよう言っておくと騎士として軽んじているわけではありません。剛毅な方です。剛毅すぎてバーサーカーのクラスに叙せられるのは納得です。ただ実力は本物で………正直、正面から相手するとなれば骨が折れるでしょう。
………過去? ははは気にしてませんよ。今となってはね。「根に持つ方だな………」なんて眉をひそめられたら「何だとこの野郎、丸く収めるのにどれだけ大変だったか」と食って掛かりますけれど。
奇妙だとは思っていたんです。同時に、あえて聞かなかったことでもあります。捕虜になったという報告があってもいつの間にか帰ってきている。からくりの匂いを嗅ぎながら私は見なかったことにしました。
私が外様の騎士だからでしょう。このキャメロットという清い水に秘密という泥が潜むことを感じつつもそれで上手く回っているならと口にはしなかった。………サーヴァントの身になって初めて知った真実です。
思えば、もう少し話しておけば良かった。夜のキャメロットの庭園で偶然ふたりきりになったとき、卿にはあの花が相応しいという会話をしたことが一度きりあるのですが………きっと覚えてはいないでしょうね。
Extraっぽい聖杯戦争において
マスター。スカブ中央政府の指名触媒コードが指定した"円卓の騎士"のカテゴリの中からSE.RA.PHがクリスに与えたのがこのトリスタン。
臣下として忠誠を誓い、常に側へ仕える。尤も、騎士にはひとりひとり違う騎士道があるように主への仕え方もそれぞれ。
トリスタンのそれは王たる主君の意思を絶対とはせず、反する意見を口にすることもあれば、丁寧な態度は崩さずとも時折軽口を叩いたりする。
部屋の内装を整えたり、日々の食事に気を遣ったり、例外を除いて自分のことには無頓着なクリスの世話を勝手に焼くこともしばしばあった。
常に親しげな態度を崩さず、微笑みを絶やさず、クリスにどんな態度を取られようとも決して歩み寄ることを止めようとはせず誠実に仕え続けた。
呼びかける際は「我が乙女よ」と口にする。そこにどんな意味が込められていたクリスが知るのは全てが終わってからのことだ。
7回戦における対戦相手。
他の者へそうするように礼節をもって接するが、特別な感情を持ってはいない。主の対戦相手として打倒するのみである。
策を弄されて毒竜因子のスキルを破られた際は「あなたがたは勝利のためにすべき事を尽くしたまでだ」と恨み言は口にしない。
彼/彼女へ入れ込みすぎようとするクリスを適当なところで諌めて切り上げさせる一幕も。
7回戦における対戦相手。
生前直接見えたことは終ぞ無かったが、トリスタンが仕えた王とは因縁浅からぬ相手。
誰が相手でも涼しい顔で勝利してみせるトリスタンにしては珍しく軽い敵愾心を見せ、「麾下に加えたかったものだ」と言われた際は「ありえない」と強い拒絶を示した。
臣下として忠誠を誓い、常に側へ仕える。尤も、騎士にはひとりひとり違う騎士道があるように主への仕え方もそれぞれ。
トリスタンのそれは王たる主君の意思を絶対とはせず、反する意見を口にすることもあれば、丁寧な態度は崩さずとも時折軽口を叩いたりする。
部屋の内装を整えたり、日々の食事に気を遣ったり、例外を除いて自分のことには無頓着なクリスの世話を勝手に焼くこともしばしばあった。
常に親しげな態度を崩さず、微笑みを絶やさず、クリスにどんな態度を取られようとも決して歩み寄ることを止めようとはせず誠実に仕え続けた。
呼びかける際は「我が乙女よ」と口にする。そこにどんな意味が込められていたクリスが知るのは全てが終わってからのことだ。
クリスの心の奥底に眠るものはかなり早い段階で看破を果たしている。
「英雄」である彼女が「英雄」であることをやめて大事なものを取り戻すためには、立ち止まって振り返るためには、言い訳も出来ないほど全力を尽くした上で完膚なきまでに敗北しなくてはならない。
そのたった一度の敗北のために、騎士はその日が訪れるまで余念なく戦い抜くことを己に課した。
敗北が必要と知りながら、少女を勝利させるために力の限り奮闘した。命を懸けて、忠義を尽くした。
激痛に身を捩らせ、全身から鮮血を流し、自分で自分の心に針を突き刺しながら、それでも誰かのために尽くした少女の懸命に寄り添った。
少女の涙のために戦う。是、騎士の本懐也。
それだけでも身に余る僥倖なのに、今度こそ敬服する主の元で最後まで戦うという自分には過ぎた密かな願いさえ叶えてくれた。
あなたをマスターと出来たのはこの上ない誉れでした。
「英雄」である彼女が「英雄」であることをやめて大事なものを取り戻すためには、立ち止まって振り返るためには、言い訳も出来ないほど全力を尽くした上で完膚なきまでに敗北しなくてはならない。
そのたった一度の敗北のために、騎士はその日が訪れるまで余念なく戦い抜くことを己に課した。
敗北が必要と知りながら、少女を勝利させるために力の限り奮闘した。命を懸けて、忠義を尽くした。
激痛に身を捩らせ、全身から鮮血を流し、自分で自分の心に針を突き刺しながら、それでも誰かのために尽くした少女の懸命に寄り添った。
少女の涙のために戦う。是、騎士の本懐也。
それだけでも身に余る僥倖なのに、今度こそ敬服する主の元で最後まで戦うという自分には過ぎた密かな願いさえ叶えてくれた。
あなたをマスターと出来たのはこの上ない誉れでした。
7回戦における対戦相手。
他の者へそうするように礼節をもって接するが、特別な感情を持ってはいない。主の対戦相手として打倒するのみである。
策を弄されて毒竜因子のスキルを破られた際は「あなたがたは勝利のためにすべき事を尽くしたまでだ」と恨み言は口にしない。
彼/彼女へ入れ込みすぎようとするクリスを適当なところで諌めて切り上げさせる一幕も。
7回戦における対戦相手。
生前直接見えたことは終ぞ無かったが、トリスタンが仕えた王とは因縁浅からぬ相手。
誰が相手でも涼しい顔で勝利してみせるトリスタンにしては珍しく軽い敵愾心を見せ、「麾下に加えたかったものだ」と言われた際は「ありえない」と強い拒絶を示した。
Extellaっぽいにおいて
生まれ変わったSE.RA.PHにおけるトリスタンの仮初の主。
SE.RA.PHに秩序をもたらすまでという約束の元に契約した珊瑚の海において、その立場における主君となった少女。
その在り方については評価をしている。これなるは在るべくして王となる、王である方。生まれ落ちた時から王であり、その生そのものが王である。
しかしこのトリスタンは二君を冠さない。既に主は定まっている。あの、英雄であることを求められながら誰よりも英雄らしからぬ、全く王に相応しくないあの乙女こそ我が主。
仕える者としての格は明らかにセレスティアの方が上ながら、仕えるべき相手を間違えなかったトリスタンはあくまで彼女に対して客将として振る舞う。
でありながらその多岐に渡る能力により、ついつい珊瑚の海でも筆頭の騎士として数えられてしまうのはトリスタンという稀代の騎士の持った業だ。
トリスタンはセレスティアの持つ『孤独』という苦悩を理解しながらもその苦悩を解消する立場にはなろうとしない。
その苦悩を解消しうるような、セレスティアへと親身に接してくれそうなサーヴァント、または月の民やAIをさりげなくそばへと配置するのみである。
セレスティアに対してするのは彼らへの接し方のアドバイスだけ。それが終わればふとした拍子にその場を去っていく。
そんな態度をセレスティアに見透かされているのに気づかないのもまた、トリスタンという騎士の業なのだった。
うん。大砲の弾。
………そのように運営され、本人もその運営に納得しているようなので言うことがない。嫌そうにしているならまだ他に声のかけようもあったが。
それはそれとして、意思疎通が難しいなりに気を回しておくあたりがトリスタンたる所以。決して博愛精神で動いているわけではないがつまらない不和の可能性を摘み取るためなら行動するのがこの騎士。
式典や宴席などではきちんと声をかけ、仲間外れにせずに出席の如何を問いかけている。個人的にはあまりにも実直すぎるその態度はちょっぴり苦手だが。
トリスタンからの評価は悪くない。なんせこの騎士は宮廷における作法に精通している。宮廷道化の役割が決して軽々しくはないのを熟知しているのだ。
彼らはその命を賭けて王を嘲笑い、そして遠回しに諫言するのである。命を賭けている以上、彼らを侮蔑することなどできようものか。
とはいえ場面に応じて釘を差すのもトリスタンの仕事。もっと言えば暗部の動向について耳に入れて表に出すべき情報と秘すべき情報の取捨選択を行っているのもトリスタンの仕事。
「あなたどちらかというとこちら側の方ですよね?」と問われても知りませんそんなこと。私はトリスタンですよ?
頭痛の種:1号。自身も所属している『騎士団』の同僚。
人となりはかなり評価している。これこそが騎士たる騎士。強きに立ち向かい弱きを助ける、この比類なき騎士道の具現こそがシャルルマーニュ十二勇士筆頭騎士。並ぶものなき金剛石の騎士。
なのだが、シャルルマーニュ十二勇士ならばデフォで備えている要素なのだが、他が残念。命じた内容にちゃんと従わず己が騎士道(と女性観)のために驀進するなどよくあること。報告を聞くたびに微笑に罅が入っている。
運用上困った騎士だが内心では密かに敬服している。これは自分のような小賢しさに染まらぬ真の騎士。シャルルマーニュは良き騎士を従えたものだ。
頭痛の種:2号。自身も所属している『騎士団』の同僚。
トリスタンとしてはそこまで外れたことを聞いたつもりは無かった。優秀な副官系の騎士と認識してある程度の仕事を割り振っただけだ。
なのに「えっ、これだけですか!?」という反応。意気揚々と任じられた仕事を完璧に果たしてくるその姿。ローランの手綱の取り方。トリスタンはなんとなくオリヴィエのシャルルマーニュ十二勇士における立場を理解した。
でもこいつ別に常識があるわけじゃない。むしろその気になればすぐさまローラン の火付け役になる。うーん、やっぱり人選間違えたかな。
あの、そういうのはちょっと。
え? 上からの通達? 過度な規制はかえって保たれるべき秩序の妨げになるため見逃すべし、ですって?
ええと………そういうことだそうですので。先に申し上げておきますが“そういうの”は珊瑚の海において特定地区以内に限定されています。
逆に言うとその特定地区では許可されているということですので………まあ、そこでならお気の済むまでどうぞ? ちょっと自分はよく分かりませんが。
トリスタンがあえて彼について触れることは少ないだろう。この騎士は空気の読める騎士である。
サーヴァントでありながら医療に携わるのみで国家級エリアに貢献しようとはしない姿勢をトリスタンは咎めない。例え彼の親をトリスタンはとてもよく知っていたとしても。
オン・オフを問わず、トリスタンはローエングリンの開いている診療所へ滅多に近寄ることはない。
もしやってくることがあるとすればそれはトリスタンが己の能力をもってしても解決しきれない案件であり、故にローエングリンは応じざるを得ないだろう。共に珊瑚の海というエリアを愛する者として。
焔の海でも随一の危険度を持つ黄昏の教会の首魁でもあるので警戒………は一応しているが、相手の立場や裏の事情もある程度は推察している。なにせかつての同胞なので。
何の考えもなしにあのアグラヴェインがあのような狂信者を率いまいという判断。なので敵というよりは交渉相手のような見方が強い。下の信者たちはともかくアグラヴェインはもしもの時とて話が分かろう、と。
なので数年前に「うちの子がおたくのエリアへ遊学に行くが何かあったらぶち殺しますわよ(※超意訳)」と秘密裏に連絡が回ってきた時は「知ったこっちゃねーよバーカ、おととい来やがってください(※超意訳)」とお返事。
そう応じつつもきっちり遊学の徒を見晴らせていたりするあたりがトリスタンの抜け目無さであった。
珊瑚の海の案内をし、珊瑚の海への勧誘をした。
返ってきた断りに「そう言うと思っていた」という納得の表情で頷き、後の滞在中は彼女の前へ一切顔を出さなかった。
それだけの関係。トリスタンからすれば彼女に対して言いたいことなど山程あった。
それを何も語らないのが適切であろうと理解した時点でトリスタンの負けであり、SE.RA.PHにおける彼らの接触の顛末である。
彼のお方を理由にされてはトリスタンといえど何も言うことはない。引き止めることはせず、互いの幸運を祈り別れを告げた。
それでもサーヴァントとしてのトリスタンは嬉しかった。いつどのような現界であろうと彼女が息災であることは彼の密かな歓びである。
SE.RA.PHに秩序をもたらすまでという約束の元に契約した珊瑚の海において、その立場における主君となった少女。
その在り方については評価をしている。これなるは在るべくして王となる、王である方。生まれ落ちた時から王であり、その生そのものが王である。
しかしこのトリスタンは二君を冠さない。既に主は定まっている。あの、英雄であることを求められながら誰よりも英雄らしからぬ、全く王に相応しくないあの乙女こそ我が主。
仕える者としての格は明らかにセレスティアの方が上ながら、仕えるべき相手を間違えなかったトリスタンはあくまで彼女に対して客将として振る舞う。
でありながらその多岐に渡る能力により、ついつい珊瑚の海でも筆頭の騎士として数えられてしまうのはトリスタンという稀代の騎士の持った業だ。
トリスタンはセレスティアの持つ『孤独』という苦悩を理解しながらもその苦悩を解消する立場にはなろうとしない。
その苦悩を解消しうるような、セレスティアへと親身に接してくれそうなサーヴァント、または月の民やAIをさりげなくそばへと配置するのみである。
セレスティアに対してするのは彼らへの接し方のアドバイスだけ。それが終わればふとした拍子にその場を去っていく。
そんな態度をセレスティアに見透かされているのに気づかないのもまた、トリスタンという騎士の業なのだった。
うん。大砲の弾。
………そのように運営され、本人もその運営に納得しているようなので言うことがない。嫌そうにしているならまだ他に声のかけようもあったが。
それはそれとして、意思疎通が難しいなりに気を回しておくあたりがトリスタンたる所以。決して博愛精神で動いているわけではないがつまらない不和の可能性を摘み取るためなら行動するのがこの騎士。
式典や宴席などではきちんと声をかけ、仲間外れにせずに出席の如何を問いかけている。個人的にはあまりにも実直すぎるその態度はちょっぴり苦手だが。
トリスタンからの評価は悪くない。なんせこの騎士は宮廷における作法に精通している。宮廷道化の役割が決して軽々しくはないのを熟知しているのだ。
彼らはその命を賭けて王を嘲笑い、そして遠回しに諫言するのである。命を賭けている以上、彼らを侮蔑することなどできようものか。
とはいえ場面に応じて釘を差すのもトリスタンの仕事。もっと言えば暗部の動向について耳に入れて表に出すべき情報と秘すべき情報の取捨選択を行っているのもトリスタンの仕事。
「あなたどちらかというとこちら側の方ですよね?」と問われても知りませんそんなこと。私はトリスタンですよ?
頭痛の種:1号。自身も所属している『騎士団』の同僚。
人となりはかなり評価している。これこそが騎士たる騎士。強きに立ち向かい弱きを助ける、この比類なき騎士道の具現こそがシャルルマーニュ十二勇士筆頭騎士。並ぶものなき金剛石の騎士。
なのだが、シャルルマーニュ十二勇士ならばデフォで備えている要素なのだが、他が残念。命じた内容にちゃんと従わず己が騎士道(と女性観)のために驀進するなどよくあること。報告を聞くたびに微笑に罅が入っている。
運用上困った騎士だが内心では密かに敬服している。これは自分のような小賢しさに染まらぬ真の騎士。シャルルマーニュは良き騎士を従えたものだ。
頭痛の種:2号。自身も所属している『騎士団』の同僚。
トリスタンとしてはそこまで外れたことを聞いたつもりは無かった。優秀な副官系の騎士と認識してある程度の仕事を割り振っただけだ。
なのに「えっ、これだけですか!?」という反応。意気揚々と任じられた仕事を完璧に果たしてくるその姿。ローランの手綱の取り方。トリスタンはなんとなくオリヴィエのシャルルマーニュ十二勇士における立場を理解した。
でもこいつ別に常識があるわけじゃない。むしろその気になればすぐさま
あの、そういうのはちょっと。
え? 上からの通達? 過度な規制はかえって保たれるべき秩序の妨げになるため見逃すべし、ですって?
ええと………そういうことだそうですので。先に申し上げておきますが“そういうの”は珊瑚の海において特定地区以内に限定されています。
逆に言うとその特定地区では許可されているということですので………まあ、そこでならお気の済むまでどうぞ? ちょっと自分はよく分かりませんが。
トリスタンがあえて彼について触れることは少ないだろう。この騎士は空気の読める騎士である。
サーヴァントでありながら医療に携わるのみで国家級エリアに貢献しようとはしない姿勢をトリスタンは咎めない。例え彼の親をトリスタンはとてもよく知っていたとしても。
オン・オフを問わず、トリスタンはローエングリンの開いている診療所へ滅多に近寄ることはない。
もしやってくることがあるとすればそれはトリスタンが己の能力をもってしても解決しきれない案件であり、故にローエングリンは応じざるを得ないだろう。共に珊瑚の海というエリアを愛する者として。
焔の海でも随一の危険度を持つ黄昏の教会の首魁でもあるので警戒………は一応しているが、相手の立場や裏の事情もある程度は推察している。なにせかつての同胞なので。
何の考えもなしにあのアグラヴェインがあのような狂信者を率いまいという判断。なので敵というよりは交渉相手のような見方が強い。下の信者たちはともかくアグラヴェインはもしもの時とて話が分かろう、と。
なので数年前に「うちの子がおたくのエリアへ遊学に行くが何かあったらぶち殺しますわよ(※超意訳)」と秘密裏に連絡が回ってきた時は「知ったこっちゃねーよバーカ、おととい来やがってください(※超意訳)」とお返事。
そう応じつつもきっちり遊学の徒を見晴らせていたりするあたりがトリスタンの抜け目無さであった。
珊瑚の海の案内をし、珊瑚の海への勧誘をした。
返ってきた断りに「そう言うと思っていた」という納得の表情で頷き、後の滞在中は彼女の前へ一切顔を出さなかった。
それだけの関係。トリスタンからすれば彼女に対して言いたいことなど山程あった。
それを何も語らないのが適切であろうと理解した時点でトリスタンの負けであり、SE.RA.PHにおける彼らの接触の顛末である。
- 『紅騎士』
彼のお方を理由にされてはトリスタンといえど何も言うことはない。引き止めることはせず、互いの幸運を祈り別れを告げた。
それでもサーヴァントとしてのトリスタンは嬉しかった。いつどのような現界であろうと彼女が息災であることは彼の密かな歓びである。
【コメント】
円卓ヒュージキャノン。
不明なユニットが接続されました。
システムに深刻な障害が発生しています。
直ちに使用を停止してください。
不明なユニットが接続されました。
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直ちに使用を停止してください。
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