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「女性」の象徴である胸。
女性ならそれは成長と共に勝手に張っていくものだ。
大抵の女の子はその進展に一喜一憂するものなんだろう。

けれど、アタシは違った。
男の子のようにヒーローに憧れてきた私にとって、
カッコいいアクションの真似をするのは日常茶飯事だった。
突っ張り出した胸の先端が、シャツにこすれて痛みを訴え出した時、
アタシは普通の女の子とは逆の焦りを抱いた。
――こんなの、邪魔だと。

―――――

忌々しいことにどうやらアタシのそれは、同年代から見ると多少発育がいいようだった。
男性の硬い胸板と違ってやわらかな女性の乳房は、少し膨らみ出しただけでも、
激しい動きと共に振動を起こし、小さな先端を振り回して服の中のあちこちに擦れさせた。

仕方がないからブラジャーを買った。
とは言っても、簡単にずれたり外れたりするようでは困る。
慣れない買い物への恥ずかしさもあったし、アタシは迷わず飾り気のないスポーツブラを選んだ。

――繰り返すが、アタシは発育がいい方らしかった。
最初に買ったスポーツブラは、しばらく経つとアタシの胸を圧迫し始めた。
それでも少しの間は、これ以上大きくならないよう押さえつけろとばかりに無理矢理着用していた。
…アイドルの仲間たちに叱られてしまった。

かといって、みんなに念を押されたように、素直に一般的なブラジャーを使う気にはなれなかった。
じゃあどうする? アタシの胸はもはや動くと痛いだけでなく、
目を凝らせば服の上からでも暴れている様子が分かりかねないほどになっていた。
ノーブラなんて選択肢はもはやない。
でも、でも、ブラジャーを使うのはどうしても気が引けた。

…理屈ですらない、つまらない意地なのは分かっていた。
分かっていたからこそ、その思いはますます頑固さを増していったのだろう。
――そんな状態のアタシに、邪悪な誘惑に抗う冷静で的確な判断力は、もう、なかった。

―――――

志希さんそっくりの女の子からの突然の誘いに、
戸惑い半分以上で着いていった先は、特撮ドラマで見たような秘密の研究所だった。
…詳細はあんまり覚えていない。多分所内にたちこめていた妙な臭いのせいだと思う。
志希さんは臭いに異常な執着心のある人だから、何か仕込んでいてもおかしくはない。
……ついでに、あんな誘いに乗ってしまったのもその臭いのせいにしてしまいたくなる。

今にして思えば、あんなもの怪しい以外の何物でもなかった。
第一なんで志希さんがブラジャーなんて作っているんだ。おかしいと思えよ。
よく分からないながらも、少なくともアタシにとってはやたら都合の良いように思えたそれの説明を聞いて、
嬉々として飛び付いたあの時のアタシは、本当に間抜けな顔をしていたんだと思う。

たちの悪いことに、しばらくの間は本当に快適だったんだ。
ずれない外れない、絶妙に抑えてくれて暴れない痛くない。
その時のアタシは実に活き活きしてアイドル活動と自主トレに励んでいた。
世界がまるで違って見えた。こんなに気楽に動けるなんて。
…舞い上がるアタシの陰で、そいつは着々とアタシの身体を蝕んでいた。

最初に気が付いたのは、水着でグラビア撮影に行った時だった。
撮影を終えて着替える時にふと気が付くと、普段より胸が苦しい。
窮屈なブラジャーは身に着けていないし、水着のサイズも別段不自由はないはずなのに、アタシの胸は落ち着かなかった。
おそるおそる胸に手を当てた時、電ショックでも受けたんじゃないかというくらいの衝撃がアタシの脳天を襲った。
思わず漏らした声が誰にも聞かれていなかったか、今度は別の意味で胸が落ち着かなくなった。

―――――

それでも、それから後はしばらく異常を感じることはなかった。
ヘンに違う物に変えたら、またなにか異常が起こるかもしれないと、
いつも通り志希さんから数着もらったブラジャーだけを身に着けていた。
…よく分からないまま言いくるめられて、寝る時もつけたりしていなければ、
もっと早く異常に気が付けていたのかもしれない。
――はっきりと自覚した時には、もう手遅れだった。

その日は少し風邪気味で息苦しかった。
とてもブラジャーなんて付けていられないと、付けないまま布団に潜った。
しばらくすると、あの水着撮影の時に感じたような疼きがじわじわとアタシを攻め始めた。
全身から汗が噴き出る。さっきと段違いのこの息苦しさはなんだ。
胸が苦しい。つらい。まるで感覚だけが風船のように膨張していくようだ。
耐えきれなくなって前の時のように胸に手を当てた。


光「―――――っ!!!???」


――冗談抜きに、意識が、飛んだ。

―――――

ハッと意識が振り戻され、むさぼるように呼吸をする。
その上下の振動だけで、アタシの胸はさらなるショックをアタシの脳に送り込む。

光「――っ! ――ぁっ!!」

全身が汗まみれでぐっしょりになって服が肌に張り付く。
下半身に至ってはそれどころじゃなくなっているのを感じていた。

光「ゃ、ゃっ、ゃだっ、ぁっ、ひ、ぃっ」

いきが、できない、
空気がほしいのに、吸いこむだけで、胸から、電気が、あたまが、やける、
股が、あったかい、びゅ、びゅ、ふきだす、
むねが、さける、いしきが、とける、

光「―――――っ!―――っ!―っ、―っ、――――――!!!!!」

ぶつん

―――――

光  「ぅわっ!」
麗奈 「うわっ! ビックリしたー…。」
光  「え? 麗奈?」
麗奈 「やーっと起きたわね。かーなーり、気絶してたわよ、アンタ。」
光  「えっ、き、気絶? ――あれ? アタシ、どう、な、って…。」

――そこには、だらしなく大口を開け、瞳孔をカッと見開いたままぴくりとも動かないアタシの身体があった…。

光  「え、え、うそ、あ、アタシ…? なに、あれ…?」
麗奈 「もうぐっちゃぐちゃね。あんなになっちゃうくらいトんだらそりゃ抜けちゃうわよ。」
光  「ぬ、抜ける…? アタシ、今、どう…」
麗奈 「さあアッキー! 働き手が増えたわよ!」
アッキー「あふぅ。あわれなしゃちくが増えちゃったの。これからゆーたいりだつ系まほうしょーじょとしてバリバリわるものと戦ってもらうね。」
光  「…えっ?………」
アッキー「? ヒカルちゃんどうしちゃったの? やっぱりショックだったりするの?」
麗奈 「あっ」
光  「燃えてきたああああああああああああ!」
麗奈 「…はぁ。ホンット単細胞ね。…その調子だと抜けるのアタシよりヤバそうなんだけど(ボソッ」
光  「ん?」
麗奈 「なんでもないわよ。さぁさっそく出番よ光。目標は―――」

麗奈 「――― 一ノ瀬志希の秘密研究所よ!」


…その名前を聞いただけで胸が疼いただなんて、口が裂けても言い出せなかった――




※フルボッコちゃんSSと世界観が繋がっていると思うかどうかはご想像に委ねます。シリーズ化してはみたい。
 あと電ショックは誤字じゃないです。念のため。

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