心豊かになるノスタルジア、そしてOp.2
ノスタルジア公式Twitterから「もうすぐOp.3!」という発表が出て、それはもう身震いするくらい喜んだわけですが、それは同時にOp.2が終了するという事に気付いたのは何時間か経った後でした。
暖色系の優しい色合い、レトロチックな部屋の中みたいな選曲画面、そして浮遊感のある長閑なシステムBGM。Op.3もまた違った魅力で惹きつけてくれると思うのですが、Op.2のあの独特な安心感とはこれでお別れです。この作文が出来上がったのが2019年11月25日、早くてあと一週間を切っていますが、一つ一つのプレーをたっぷりと味わえたらと思います。
改めて、自分の人生の旅の記録に暖かな彩りを与えて下さった開発スタッフの皆様に感謝を捧げたいと思います。
ノスタルジア自体は、「I」(プリモ)を聴いた瞬間から音ゲー予算が全てそっちに注ぎ込まれるようになった程の存在です。主観的ではありますがノスタルジアや各種音ゲーを始めるきっかけというのは、「上手くできるかも」よりも「この曲に直で触れたい!」という音楽的魅力にあるんじゃないでしょうか。自分の場合はbeatmania(5鍵)3rdMixにあった「Attack the Music」の曲自体の渋さ(あとムービーのマッチョマンの「何だこれww」感)に惹かれて音ゲーを始めました。ノスタルジアに出会うまでは割と均等にBEMANIシリーズをやってたような。
あ、世代がバレますね。はい。なのでノスしるべではシルバーねこを使わせて頂いております。ありがとうございます。
閑話休題。
さて、ノスタルジアの何がそんなに魅力的かと言うと、特にストーリー曲がどれも具体的なイメージを頭の中に誘発させてくれて、それがとても楽しいんです。他の音ゲーにもそういった曲は確かにあるのですが、ノスタルジアは特にその要素を重視して収録しているように感じます。中でもどこか心が優しくなれるイメージを与えてくれる曲が多く、自分の好みにぐいぐいと食い込んできます。
特にOp.2では演奏への没入感を加速させてくれる、リサイタルでの強弱指示が追加されたのが一番の感動ポイントでしたね。ストーリーの都合で自動的にベーシックモードになる以外は、ずっとリサイタル一辺倒でした。強弱をつける為だけだったので、テーマにはさっぱり無関心だったのが今思えば申し訳ないですね。「小さな家(少年側)」で「Dream of You」とか平然とやってました。リサイタルモードが続かないのだとしても強弱指示は残して欲しいものですが、どうなることやら。
話は変わってOp.2のストーリーについてですが、結局最後の「Fin.」の文字を見るまで振り回されっぱなしだった感があります。「こういうことかな?」と解釈を組み立てたその次の解禁でちゃぶ台返しを喰らうということを繰り返してた気がします。前作のように一本道ではなかった所がまた複雑さに拍車をかけていましたね。「忘れられた廃棄場」の解禁告知を見て、少年と少女どっちのステージかな?と思ってたらロボでした、という。分かるかそんなもん(笑)。でも「真夜中の湖畔」での少女の記憶の原因が少年の記憶の中で語られたという流れは、この形式でなければ不可能な演出でした。頭の中で話が繋がる快感。
しかし、それぞれのエンディングは明確に示されましたが、逆に旅の世界で目覚めた時のそれぞれの心境って、どんなものだったんでしょうね。自分としては、彼らはそれぞれ直前に辛い経験をしているだけに、猫との出会いがなければ列車を降りなかっただろうし、目覚めようとしなかっただろうし、物陰から出なかっただろうし、卵から生まれなかった…そんな気がします。見通しが立たずに停滞している心を動かすのは、思いもしない外側からの素朴な呼び声なのかも知れません。
というか、ゲーセンのゲームでこういう深いことを考えさせられるというのも斬新ですね。「Fear the Merry」解禁の段階とか、周りから軽快なポップスやダンスミュージックが響く中「え、結局皆死ぬの…?」とか思ってましたし、こんな音ゲーはノスタルジア以外には無いんじゃないでしょうか。実はえらく挑戦的で実験的な存在だったりして。
でも、その味わい深さが心を引き付けて離さないんでしょうね。「minne」についてwac氏が語っていた音楽と記憶の関係がありましたがOp.2は取り組めば取り組む程に音楽と記憶の結びつきが増えていって、それが自分の心の支えともなっていく、そんな素晴らしいゲームでした。
これからもノスタルジアを通して、素敵な音楽と出会う人々が、音楽の素敵さと出会う人々が増えますように。
2019/11/25
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