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精妙な芸術と言えるほど巧みに設計されているフリゲート。マグニート級は、少数のエリート造船技術者が10年以上もの歳月をかけたプロジェクトだった。見事な船が完成し、YC105年のアマー皇位継承選抜レースでゴールドマグニートが授与されたことで、長年資金をつぎ込んできた研究が報われることとなった。

最初のゴールドマグニートは、YC105年、ドリアムコロアゾールの即位を祝してエクリプティカルに送られた。この名高い船は最終的にTyrrax Thorrkに払い下げられた後、Lord Zap、DrStrangelove、Motaka、 Omniwarら、m0oコーポレーションの伝説的な4人の海賊たちの手で最期の時を迎えた。

YC117年とYC118年に開催される新たなアマー皇位継承選抜レースのため、さらに4隻のゴールドマグニートが建造中であるというニュースが流れると、この歴史ある艦船に再びスポットライトが当たった。このニュースは同時に、星団中の裕福なコレクターとエリートカプセラたちに夢と希望を与えた。

プラスなものもマイナスなもの、この艦は多くの逸話を持つ。EVE Onlineで最も希少な艦船のうちのひとつ。

ゴールドマグニートが初めて世に出たのはYC 105（2003年）11月に開催された最初のアマーの継承戦争（アマーチャンピオンシップ）だ。アマー皇帝の座を巡ってアマー皇族の各家（の代表となるカプセラ）が争うこのイベントでコルアゾール家を勝利に導いた功績で、優勝チームに対して配布された。同じように優勝者に与えられたApocalypse Imperial Issue（アポカリプス帝国仕様）がチームメンバーそれぞれに1隻ずつ配布されたのに対し、ゴールドマグニートはチームに1隻のみ与えられた。そしてその翌年のYC 106（2004年）、この船を受け取ったチームリーダーのEclipticalではなく、Tyrrax Thorrkがこの船をクーニッド国境の小競り合いに持ち出して撃沈されている。この時点でこの希少な船は宇宙に存在しなくなっていた。

しかしYC 119（2016年）、ドリフターズに殺害されたジャミル・サルムの後継を決めるアマーチャンピオンシップにおいて、タッシュムーコン家を優勝に導いたチーム（キャプテンのKelon Darklight、Wasa QC、Lucian IV、Maxine Antillesからなる）に4隻のゴールドマグニートが与えられ、この艦は宇宙に再度姿を現すことになった。現在のところ、この艦船は2隻が失われている。
1隻はMaxine Antillesのものだ。彼はゴールドマグニートを積極的に売却しようとしていた（2016年4月に1.5兆ISKのオファーを拒否）が、その後その後2017年6月にEVEを辞める際に「It's only pixel after all, nothing real」と書いた上でスマートボムで破壊した。Wasa QCが当時所属していたのと同じアライアンスのJalep Malukkerが操作していたゴールドマグニートは、2019年3月に有名なAT艦船ハンターのFredrick Vonholeの罠にかかってプラシッドリージョンで失われた。

2020年1月23日、Kelon Darklightが自身のゴールドマグニートを1兆ISKでオークションに出品し、収益はオーストラリアの森林火災に対するチャリティーとして同時期に行われていたPLEX for GOODキャンペーンに寄付すると述べた。このゴールドマグニートは有名な科学系YoutuberでEveプレイヤーのScott Manleyが約100万PLEX（日本円にして350万前後）で落札し、様々なゲーム情報サイトで取り上げられるなどの話題を呼んだ。

特にこの艦が有名なのは、近年に改めて配布されたりニュースになったりしたこともあるが、この艦自体が非常に強力なためだろう。火力、そして防御性能。文字通りケタが違う性能は容易くフリゲートの常識を超越してくる。特殊な性能や調整されたボーナスではなく、シンプルに強力な性能を付与された艦船は古き良きEVEの名残だ。この艦船が宇宙を飛ぶことがあるかどうかはわからないが、その時はまた多くの話題を呼ぶことだろう。

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