個人的な備忘録。事実と妄想は峻別していきたい。

かつてアフラマズダーの姿だとされてきた有翼円盤からにょっきりと姿を現す男性の姿であるが、どうやらあれはアフラマズダーではなく祖先の霊、フラワシであるらしい。

有翼円盤自体はエジプト出身である。メソポタミアを経由してイーラーンに辿り着いたようだ。ただ、オッサンがニョッキリ突き出すのは今のところイラン限定のようである。

ゾロアスター教では個人の守護精霊とされるフラワシであるが、もともとは祖先の霊だったようだ。なぜか時々逆になっている説明があって、ゾロアスター教の守護天使から祖霊崇拝になったという紹介になっていることがある。
“ザラスシュトラの教え”たるガーサーにはフラワシの話は一つも載っていない。新アヴェスター部にあることから「原始教団が祖霊を守護天使にした」というのが正解であろう。ザラスシュトラの死後、原始教団はアウラマズダを唯一の神としてその下にウォフ・マナフをはじめとする六大天使を置き、あとは個人の守護天使としてフラワシがいるというシンプルな構造にミスラやアナーヒター、ヴェレスラグナなどを下級神ヤザタとして追加した。

ゾロアスター教から更に遡るとフラワシは祖霊ではなく精霊であったようだ。精霊崇拝が多神教と祖霊崇拝に分岐していったわけである。ただ、イーラーンの神話では倫理的神格が尊ばれ自然神格は悪鬼として落とされていったため、フラワシは万物に宿る精霊ではなく祖先の霊として変化していったのだろう。

このフラワシを崇めるお祭りが日本の盂蘭盆会と似ているらしいのだが、どちらも祖霊崇拝であるのだから似ていて当然である。

カルマニアにもこのフラワシ信仰は残っていただろう。特に勝利の神を信仰するカルマニア人は戦に負けようものならすがることができるのはこういった祖霊ぐらいしかなかったものと思われる。

Menu

備忘録本編

「獲加多支鹵」の読み方について
銅鐸時代

【メニュー編集】

管理人/副管理人のみ編集できます