個人的な備忘録。事実と妄想は峻別していきたい。

※ここはLifeTouch NOTEのwikiではありません!
LifeTouch NOTEのwikiはこちら

LifeTouch NOTEについて

 前から気になっていたLifeTouch NOTEが投げ売り状態になってきたので買ってみた。観測では1万円を切るところまで落ちるようだが、2万円を切った時点で確保しておいた。
(追記:というようなことを書いたのが2011年の9月か10月頃だが、2012年1月現在1万7千円台である。坂道を転がるように落ちていくと思ったのだが下げ止まっている。)
(追々記:2012年10月現在やたらとこのページを見に来る人が多いので確認したら2万4千円台にまで戻っていた。)

 伝説の名機、モバイルギア。宿命的にこの端末は彼の先達と比較される定めにあった。
 私の使っているMC-MK32、通称DOSモバは、1997年製である。
 しかしながら、未だに現役。
 バッテリーは「10年遅れてきた相棒」ことeneloopに代わっているが、それ以外はほとんど手を加えていない。

 外出時にものを書く人間にとって、これ以上の機械があっただろうか?
 だが、時代は流れていく。モバイルギアとて無限の寿命を持っているわけではない。無線もない。USBもない。
 「NECがテキスト入力を主体とした製品を作った」という報道が流れるたび、モバイルギアユーザーは心ときめくのだ。

 さて、売上的には惨敗したLifeTouch NOTEであるが、そのAndroid機としての性能、問題点がどのあたりであったかについての批評は他の人がやってくれるだろう。
 ここでは、モバイルギアと比較してどこらあたりがイケてなかったかを心ゆくまでえぐっていきたい。
(追記:使用する機会が多くなっているので、以前の記述より「お褒めの言葉」が多くなっている。)

1.ハードを舐めるな

 モバイルギアをして名機たらしめているのはそのキータッチである。モバイルギアはキートップが台形になっていることからそれぞれのキーの接触面が隣のキーとかなり離れている。これにより携帯機でありながら打鍵間違いがほとんど起こらない。
 さらにキーの押し込みに心地よい深みがあり、それぞれのキートップが若干へこんでいて指にフィットするようになっている。このような考えに考え抜かれた構造がモバイルギア独特の素晴らしい打鍵感を醸し出しているのだ。NECはこのモバイルギアのキーボードを意匠登録して後世に継いでいくべきである。
 対してLifeTouch NOTEはペナ感あふれるただのキーボードで、しかも右下が上矢印の右にひらがなの「ろ」が来るという大変キモチワルイ配置になっている。
 一度大量の同じ文章をモバイルギアとLifeTouch NOTEで打ち比べてみるといい。モバイルギアは入力していると「気持ちいい」のだ。「テキストを入力する」ということをトコトンまで突き詰めて作った機械だからだ。

 あと、安定感である。モバイルギアは天板が7ミリ、キーボード側が17ミリになっており、ラップトップ上での入力にも耐えうる抜群の安定性を誇っている。若干下がり気味の膝に乗せてみればわかるが、モバイルギアはかなりの角度にまで耐えるのに対し、LifeTouch NOTEはあっけなく「パタン」と倒れてしまう。これはLifeTouch NOTEが天板部分にアンテナなどを入れ、キーボード側とほぼ同じ重さにしてしまったからだ。
 また、これはテカテカタイプのブラックだけの現象だが、マットな材質のモバイルギアと違って非常に滑りやすい。電車で座れた時に膝に乗せて打つという通勤通学時の鉄板パターンで大きな差がついてしまうのだ。

1-1.USB

 モバイルギアより格段に進化しているのはUSBが付いているということ。LifeTouch NOTE側のUSB口はミニBと呼ばれる上側が少し大きくなっているものである。
 PS3コントローラーとPS3をつなぐUSBケーブルが丁度母艦とのやりとりに適しているのでこれを使っている。

1-2.WiFi

 最近はホテルなどで無線LANを貸し出してくれる所が増えてきた。個室で簡単にWiFiインターネット接続ができるというのは旅行・出張の多い人間にとっては夢のような話である。スマートフォンより格段に早く、画面が広い。
 タブレットPCよりいいのはやはり検索語の入力が簡単。あと地味に無線LANやら各種サイトへログイン時のパスワード入力もイラつかない。

2.専用アプリの意義

 LifeTouch NOTEの専用アプリ、ライフノートもこれまた残念な出来である。
 まあ、コンセプトとして「メモをブログに送る」程度のことしか考えていないからであるが。
 モバイルギアの後継機としては、「テキストファイルを母艦のPCといかに簡単に交換できるか」が重要なのである。仕事先、旅先でバリバリテキストを入力し、家に帰れば自宅のPCで続きを書く。よくあるのが「テキストで入力した後Wordで整形」というパターンだ。逆に、旅先で文章を推敲したいという時にも便利だ。「メモ」というレベルを超えた文章を打つ機械が求められているのであり、ブログ程度なら携帯やAndroidの音声変換で十分である。
 ライフノートはテキストの交換について何も考えていない。打った内容をSDカードに保存することはできるが、それを再開して入力したり、更には母艦から元となるテキストファイルを持ってきて入力できるわけではない。
 ありがたいことにこの問題はソフトの問題であり、Androidマーケットから別のテキスト系ソフトを導入することで解決された。
 以下、お気に入りのアプリを並べてみる。

2-1.Jota Text Editor

 これは専用ソフトではないのだが、ユーザにはまるでLifeTouch NOTEの公式アプリのような扱いを受けているぐらいLifeTouch NOTEとの相性がバッチリである。というかブラウザかコレしか使っていない。
 WINDOWSと同じように「ctrl+C,X,V,S」が使えるので超快適。

2-2.アストロファイルマネージャー

 ファイルマネージャー。データをダウンロードしはじめればコレ。タッチペンで使いやすい。

2-3.Dr.Web for Android Light

 アンチウイルスソフト。とりあえずこれでしのいでいる。

(番外) ゲームの類(たぐい)

 通常のAndroid系ゲームとは超絶に相性が悪い。やめた方がいい。
 というかこのLifeTouch NOTEという製品はもはや普通のAndroidではなくなっていると考えた方が良い。

3.後継機として

 モバイルギアの後継機として及第点をあげられるとすれば、その起動性(機動性ではない)か。立ち上げてすぐに入力を開始できるというのはモバイルギアを彷彿させる。また、バッテリーの持ちも良い。
 さらに−−これがモバイルギアの最大の弱点だったのだが−−ATOKが入っているため変換効率が素晴らしい。あと画面の大きさもモバイルギアより若干縦に長く、視認性に優れている。

3-1.バッテリーの持ちについて

 普通に使っている分には問題ないのだが、一週間ぐらいほうっておくといつの間にか電池が無くなっている。家に帰ったらコンセントにつなぎっぱなしにしておく方が良いだろう。
 なお、本体側コンセントはしっかりと押し込むこと。一度止まるが実はその時点ではきちんと差し込まれておらず、もう一度押し込まないと充電はされない。

4.終わりに

 どっちの方向にいくのかなー。
 Android界隈ではマルチタッチができないことが改良点として挙がっているらしい。モバイルギアの後継機を待ち望んでいる層からすればそんなことはどうでもいいのだが。
 DOSモバの完成形、MC-MK32と時代が異なるのは、誰もが発信できる時代になっていることだ。モバイルギアだって大成功したわけではないが、間違いなくある種の層にはガッチリと食い込んだ。それは、どこでもテキストをバリバリ入力したいという層である。
 今こそモバイルギアのような完璧なテキスト入力マッスィーンが求められていると思う。

 もしかすると、次の「伝説の名機」はNECで出ないかもしれない。ポメラは惜しかった。テキストに制限がなく、母艦とのやりとりがもっと簡単であればモバイルギアの後継者たりえただろう。
 「後継者戦争」か。アレクサンドロス大王の後継者はついに現れなかった。三つの小帝国が生まれ、そして消えていったのだ。せめてLifeTouch NOTEがセレウコス朝になれますように。

(追記)妄想編

 下げ止まったのである程度の需要はあった模様。あれだけ文句を言っていた割にすっかりDOSモバよりLifeTouch NOTEを使うようになってしまっている。というわけで後継機(もしくは他社)への期待を書いてみよう。
・まだ重い。
 他に荷物がなければこの程度でも良いが、少し軽くした方が良い。その時は上記のように天板部分を軽量化しキーボード部分を重くすること。
・画面はもう少し広くても良い。
 決してこれ以上小さくするな。軽量化するとしてもその犠牲にしてはならない。
・キーボードにこだわれ。
 もう少しグレードを上げてくれ。
・ガワはマットで。
 テカテカ黒タイプは指紋が付きまくり。本体部分をガッと握られるに決まっているのだから、これはDOSモバのような指紋の目だたない滑り止めタイプにした方が良い。

 とはいえ、金額がここまでポメラに近づいてくるとポメラよりこっちの方が魅力的である。バッテリーの持ちもいいし、カラーだし、画面は広いし。
 そんなことを言っていたらポメラが似ているのを出してきた(DM100)。ただ、キーボードはストレートになったものの白黒液晶、画面は小さいまま、お値段37,800円(現在25,000円台)とのことで、食指は全く動かない。

(追々記 2013/2/17)LifeTouch L

 どうやらタブレットに走った模様。スマートフォンとノートブックの間でスマートブックを狙ったわけだが、そのセグメントは今タブレットになったので方向を見誤ったということか。物書き的には見誤ってくれて助かったんだけど。LifeTouch Note自身はビジネス用として生き残っているようである。出先から報告書送るとかなら快適だろうしね。タブレットで入力するより倍以上早いはずだ。ただ、ビジネス用であればやはりOffice系統との連携が欲しいところだよな。とはいえMicrosoftがAndroid版を出すわけもなく……。一応リーダー(読むためのもの)は出すみたいだけど、LifeTouch Note的には入力が強みなのでうまみは無い。
 タブレットは寝そべりながら映画やネットを見る用途と出先で何か読むために特化しているわけで、あくまで受動的。クリエイター向きじゃないのよね。

5.補足

 LifeTouch NOTEと直接関係ないのだが、Androidで三点リーダを入力するにはピリオド(。)を打って変換、一番下に出てくるのでペンで選択すること。

Menu

備忘録本編

「獲加多支鹵」の読み方について
銅鐸時代

【メニュー編集】

管理人/副管理人のみ編集できます