ジムリーダーの城　対戦考察Ｗｉｋｉ

各プレイヤーの戦略を、以下の４通りに分類する。

• 独自路線

優勝を目指す上で最適とは言えないパーティを用いる戦略。
初心者なりに自分で考えたパーティ、好きなポケモンや好きな戦術やマイナーポケモンを活躍させるためのパーティ、勝ちを狙ったが構築に失敗してしまったパーティ、等が該当する。

• テンプレート

過去に実績があり現在でも通用するパーティを用いる戦略。
2007年頃の例で言うと、カビパルサンダーが相当する。
１〜２匹のポケモンを役割が似ているポケモンに入れ替える程度の小規模なアレンジを施したパーティもここに含まれるが、あまりいじりすぎるとパーティ構築に失敗し、前述の「独自路線」に該当してしまう可能性も出てくる。

• 次期テンプレ候補

テンプレート化した過去のパーティを超えるために作成したパーティを用いる戦略。
2007年頃の例で言うと、カビブラ（52ブラキで55地震カビを受け、黒まなバトンで決定力も作りやすい）が相当する。
パーティ構築に失敗するリスクがあり、その場合は前述の「独自路線」に該当してしまう。ある程度以上の実力がないと採用できない戦略である。

• 対次期テンプレメタ

「次期テンプレ候補」の情報をいち早く掴み、多少汎用性に劣っても「次期テンプレ候補」を狙い撃ちしたパーティを用いる戦略。
2007年頃の例で言うと、55サンダー（カビブラには強めだが、当時はこれと言ったテンプレがなく汎用性に欠ける）が相当する。
「次期テンプレ候補」と同じくパーティ構築に失敗するリスクがあり、その場合は前述の「独自路線」に該当してしまう。ある程度以上の実力がないと採用できない。

• 「独自路線」に対する強さ

「テンプレート」は実力者が作成したパーティであるため、「独自路線」に対しては強い。
「次期テンプレ候補」は、この戦略を採用している時点で実力者であることは間違いなく、また「独自路線」に対して強くないと次期テンプレートは目指せないため、「独自路線」に対しては「テンプレート」と同程度の強さがある。
「対次期テンプレメタ」も、この戦略を採用している時点で実力者であることは間違いないが、汎用性を落としている分、「独自路線」に対する強さは「テンプレート」や「次期テンプレ候補」には劣る。

• 「テンプレート」「次期テンプレ候補」「対次期テンプレメタ」の３すくみ

「次期テンプレ候補」は過去のパーティを超えることを主眼に置いているため、「テンプレート」に強い。
「対次期テンプレメタ」は「次期テンプレ候補」を狙い撃ちしているため、「次期テンプレ候補」に強い。
「テンプレート」は、汎用性に劣る「対次期テンプレメタ」に強い。

トーナメント規模は16人とする。
各プレイヤー分類の比率、及び各プレイヤー分類の勝率は、直近の大会やPBSToolsを用いた模擬戦やTwitterで交わされる考察等を参考に、筆者が主観で設定している。
（具体的にどのように設定したかは、後述の試行結果に記載する）

tournament.zip
　※開発言語はjavaである。統合開発環境(IDE)のEclipseを用いて実行することができる。

【トーナメントの内容】
トーナメント規模：16人
独自路線の人数：8人
テンプレートの人数：4人
次期テンプレ候補の人数：2人
対次期テンプレメタの人数：2人

【トーナメントのプレイヤーの説明】
１０回戦った場合の勝ち数
　独自路線 対 テンプレート：3 対 7
　独自路線 対 次期テンプレ候補：3 対 7
　独自路線 対 対次期テンプレメタ：4 対 6
　テンプレート 対 次期テンプレ候補：4 対 6
　テンプレート 対 対次期テンプレメタ：6 対 4
　次期テンプレ候補 対 対次期テンプレメタ：4 対 6
※同タイプのプレイヤーの勝率は 5 対 5

【トーナメントの結果】
試行回数：1000000回
・1回戦敗退率
　独自路線：59.35%
　テンプレート：39.32%
　次期テンプレ候補：37.98%
　対次期テンプレメタ：45.98%
・2回戦敗退率
　独自路線：24.92%
　テンプレート：25.20%
　次期テンプレ候補：24.40%
　対次期テンプレメタ：25.54%
・3回戦敗退率
　独自路線：9.93%
　テンプレート：15.54%
　次期テンプレ候補：15.36%
　対次期テンプレメタ：13.84%
・4回戦敗退率
　独自路線：3.76%
　テンプレート：9.17%
　次期テンプレ候補：9.36%
　対次期テンプレメタ：7.27%
・優勝率
　独自路線：2.04%
　テンプレート：10.78%
　次期テンプレ候補：12.90%
　対次期テンプレメタ：7.37%

最強の戦略は「次期テンプレ候補」である。
優勝確率は最も高い。決勝や準決勝まで勝ち上がりそこで敗退する確率も最も高いが、これは「テンプレート」と同程度の確率である。
逆に、2回戦や1回戦で敗退する確率は最も低い。

「テンプレート」も優れた戦略だが、「次期テンプレ候補」には若干劣る戦略である。
優勝確率は「次期テンプレ候補」の85%程度に落ち込む。
これは、勝ち上がるにしたがって、「次期テンプレ候補」に当たってしまう可能性が高まるためと思われる。
しかし、優勝確率以外は「次期テンプレ候補」と比べても誤差の範囲の違いしかないため、「独自路線」になってしまうリスクを避けられることも考慮すれば、これも最強の戦略の一つと考えて良いだろう。
特に「次期テンプレ候補」や「対次期テンプレメタ」を採用できるほどの実力を伴っておらず、それでも勝つことを最優先で考えたい場合は「テンプレート」一択となる。環境の理解が不十分なままいじりすぎると「独自路線」となってしまうリスクが出てくるため、その場合は全くいじらずに完コピするのも一つの手である。

「対次期テンプレメタ」はあまり良くなかった。
優勝確率や決勝・準決勝まで勝ち上がりそこで敗退する確率は「次期テンプレ候補」「テンプレート」よりも明らかに低く、逆に1回戦で敗退する確率は明らかに高かった。「独自路線」になってしまうリスクも考えれば、あまり有効な戦略であるとは言えない。
これは、「次期テンプレ候補」に当たる所まで勝ち上がれずに途中で敗退してしまう確率が高いためと思われる。
最新のメタばかり追いかけていると「対次期テンプレメタ」になってしまう可能性がある。実力差をもって出し抜きたい場合は、「独自路線」や「テンプレート」に対していかに安定して勝つか、を優先的に考えた方が合理的だろう。

上記の考察では、プレイヤーを大雑把に４分類して単純化していますが、各プレイヤーが使うパーティを細かく分析している場合は対人メタが可能です。
対人メタを行う場合、各プレイヤーと対戦する確率に基づき重み付けする必要があります。
１回戦目で当たる相手とは100%当たるので、最優先で対策する必要があります。
その後は、後で当たるプレイヤーほど当たる確率は下がりますが、同じラウンドで当たるプレイヤー同士で見た場合は勝ち上がりやすいプレイヤーの方がより当たりやすいので、勝ち上がりやすいプレイヤーの対策を重くした方が良いです。
（プレイヤー間で勝率に大きな差がある場合は、あるラウンドで当たるあるプレイヤーと対戦する確率よりも、後のラウンドで当たるあるプレイヤーと対戦する確率の方が高くなることもあります）

参考までに、以下は、蟹杯９（2020/12/19）を想定して管理人が作成した戦略です。
（名前は伏せていますが、実際には具体的なプレイヤーの名前を入れています）
https://image02.seesaawiki.jp/p/d/pbs-thread/R6_pz...