PBSの対戦考察で時折使われることがある用語「対策コスト」について、用語の意味とその背景にある考え方を説明する。
あるポケモンや戦術に対して、対策をパーティに搭載することがどれほど大変なのかを示す言葉である。
「大変」というのをもう少し具体的に言うと、「他のポケモンや戦術への対策を搭載することがどれほど難しくなるか」ということである。
例えば、55カビゴンの型をミラーマッチ対策の「捨て身鈍い寝言眠る」にしてしまうと、ゲンガー・ムウマを突破することができなくなってしまう。
また、色々な対策を詰め込んで55サンダー・55バンギ・50カビ・50パル・50梨・50リキーとなったパーティについて、50ヘラクロス+55ライコウ同時選出の対策を新たに組み込むのは困難を極める。
(50リキーを外して50ネールを入れて55サンダー+50ネール+50カビで戦えるようにする、とかをやると、カイリキーが外れた分対バンギ等で穴が開いてしまう)
あるポケモン・戦術を対策すると他のポケモン・戦術への対策が甘くなる、ポケモンの技数やパーティに入れられるポケモンの数等に制約があるからこそ発生する概念である。
あらゆるポケモン・戦術に強いパーティを作るためには、対策コストを可能な限り引き下げてパーティ全体の効率を高めることが必要不可欠である。
「大変」というのをもう少し具体的に言うと、「他のポケモンや戦術への対策を搭載することがどれほど難しくなるか」ということである。
例えば、55カビゴンの型をミラーマッチ対策の「捨て身鈍い寝言眠る」にしてしまうと、ゲンガー・ムウマを突破することができなくなってしまう。
また、色々な対策を詰め込んで55サンダー・55バンギ・50カビ・50パル・50梨・50リキーとなったパーティについて、50ヘラクロス+55ライコウ同時選出の対策を新たに組み込むのは困難を極める。
(50リキーを外して50ネールを入れて55サンダー+50ネール+50カビで戦えるようにする、とかをやると、カイリキーが外れた分対バンギ等で穴が開いてしまう)
あるポケモン・戦術を対策すると他のポケモン・戦術への対策が甘くなる、ポケモンの技数やパーティに入れられるポケモンの数等に制約があるからこそ発生する概念である。
あらゆるポケモン・戦術に強いパーティを作るためには、対策コストを可能な限り引き下げてパーティ全体の効率を高めることが必要不可欠である。
55カビゴンとのタイマン対策で言うと、地震・アンコ・毒々・守る・残飯の5点セットが必要な50ドンファンよりも、クロス一本で済む50カイリキーの方が対策コストが低くなりやすい。
また、レベルを振る必要があるガラガラよりも、レベルを振らずに済むカイリキーの方が対策コストが低くなりやすい。
更に、タイマンで勝つだけであればカイリキーは他のポケモンのサポートも不要なので、その意味でも対策コストが低くなりやすい。
どれだけ少ないレベル・種族・技・持ち物で対策を実装できるかは、対策コストを下げる上で重要な視点である。
また、レベルを振る必要があるガラガラよりも、レベルを振らずに済むカイリキーの方が対策コストが低くなりやすい。
更に、タイマンで勝つだけであればカイリキーは他のポケモンのサポートも不要なので、その意味でも対策コストが低くなりやすい。
どれだけ少ないレベル・種族・技・持ち物で対策を実装できるかは、対策コストを下げる上で重要な視点である。
レベル、カビゴンに代表される人気種族、奇跡や残飯に代表される人気持ち物を使用した対策は極力避けた方が対策コストが低くなりやすい。
55岩雪崩カイリキー対策のために55サンダーを用いると55カビゴンや55バンギラス等との併用ができなくなるので50リフサンダーにする、
55寝言カビゴンと50自爆カビゴンの併用はできないので50自爆カビゴンに頼らない特殊対策・崩し方を開拓する、
ムウマに奇跡を持たせるとサンダーやバンギ等に奇跡を持たせられなくなるので電磁砲カビ+ガラの対策に的を絞って麻痺直しを持たせる、
といった発想で対策コストを下げることができる。
55岩雪崩カイリキー対策のために55サンダーを用いると55カビゴンや55バンギラス等との併用ができなくなるので50リフサンダーにする、
55寝言カビゴンと50自爆カビゴンの併用はできないので50自爆カビゴンに頼らない特殊対策・崩し方を開拓する、
ムウマに奇跡を持たせるとサンダーやバンギ等に奇跡を持たせられなくなるので電磁砲カビ+ガラの対策に的を絞って麻痺直しを持たせる、
といった発想で対策コストを下げることができる。
ある対策のついでに他のポケモン・戦術の対策を行えるのであれば、新たにレベル・種族・技・持ち物を振らなくても対策を追加でき、対策コスト低下を図ることができる。
例えば55カビゴン対策の55ミルタンクは、55ケンタロスの対策もついでに行うことができる。
また、対バンギ用のカイリキーと対カイリキー用の50サンダーのリフを併用すれば、ついでに55カビを釘付けで対策できる体勢を整えることができる。
ついでの対策を行うことができるということは、言い換えれば汎用性が高いということなので、汎用性が高い効率的なパーティの組み方を模索することが対策コストの低下を図る上で重要になる。
例えば55カビゴン対策の55ミルタンクは、55ケンタロスの対策もついでに行うことができる。
また、対バンギ用のカイリキーと対カイリキー用の50サンダーのリフを併用すれば、ついでに55カビを釘付けで対策できる体勢を整えることができる。
ついでの対策を行うことができるということは、言い換えれば汎用性が高いということなので、汎用性が高い効率的なパーティの組み方を模索することが対策コストの低下を図る上で重要になる。
対策コストを語る上で避けることができない話として、「対策の確度」という概念がある。
「対策の確度」とは、どれだけ高い確率で対策を遂行できるのかを示す指標である。
対策の確度が高まれば高まるほど、対策コストも高まる。
以下のような方法により、対策の確度を高めることができる。
「対策の確度」とは、どれだけ高い確率で対策を遂行できるのかを示す指標である。
対策の確度が高まれば高まるほど、対策コストも高まる。
以下のような方法により、対策の確度を高めることができる。
55カビゴンを倒す方法として、50パル大爆発+55サンダー雷では、雷を外すと55カビゴンを倒せずに眠るで復帰されてしまう。
しかし、50パルリボン大爆発+55サンダー10万の場合は、技を外す心配がないためより高い確率で対策を遂行できる。
(パルの持ち物が確定してしまうため、確度が高まる代わりに対策コストも高まる)
しかし、50パルリボン大爆発+55サンダー10万の場合は、技を外す心配がないためより高い確率で対策を遂行できる。
(パルの持ち物が確定してしまうため、確度が高まる代わりに対策コストも高まる)
前述の50パル大爆発を用いた方法では、大爆発を読まれてカビゴン以外のポケモンで受けられた場合に対策にならなくなってしまう可能性が高い。
しかし、55タンクや50爆パンサイドン等の対カビゴン用のポケモンを別に用意すれば、より確実にカビゴンを倒すことができるようになる。
(昆布のパーツであるパル+サンダーの他にポケモンを用意することになるので、確度が高まる代わりに対策コストも高まる)
一貫性がある場合は、相手のポケモンの交代を読む必要が無くなるため、対策の確度が高まる。
例えば、こちらが55サンダーを使用していて、相手の目の前のポケモンが51スターミー、相手の控えが51ハガネールの場合、雷だとハガネールに交代された場合に無効化され、めざ氷だと交代されなかった場合にほとんどダメージを与えられない。しかし、めざ草を搭載している場合、スターミーにもハガネールにも有効なため、相手の交代を読む必要がなくなり、対策の確度が増す。
逆に、相手に交代読みを強いるようにポケモンを用意することを「一貫性を切る」と表現し、これも相手の対策の確度を低下させるためのテクニックとして確立している。
前述のスターミー+ハガネールは雷めざ氷サンダーの一貫性を切る配置である。
しかし、55タンクや50爆パンサイドン等の対カビゴン用のポケモンを別に用意すれば、より確実にカビゴンを倒すことができるようになる。
(昆布のパーツであるパル+サンダーの他にポケモンを用意することになるので、確度が高まる代わりに対策コストも高まる)
- 関連する概念:一貫性
一貫性がある場合は、相手のポケモンの交代を読む必要が無くなるため、対策の確度が高まる。
例えば、こちらが55サンダーを使用していて、相手の目の前のポケモンが51スターミー、相手の控えが51ハガネールの場合、雷だとハガネールに交代された場合に無効化され、めざ氷だと交代されなかった場合にほとんどダメージを与えられない。しかし、めざ草を搭載している場合、スターミーにもハガネールにも有効なため、相手の交代を読む必要がなくなり、対策の確度が増す。
逆に、相手に交代読みを強いるようにポケモンを用意することを「一貫性を切る」と表現し、これも相手の対策の確度を低下させるためのテクニックとして確立している。
前述のスターミー+ハガネールは雷めざ氷サンダーの一貫性を切る配置である。
サイクル戦を行う中で相手を流せる回数が相手と拮抗していると、どうしても運や読みに左右されやすい展開になる。
しかし、相手を流せる回数が多い型にすることで、運や読みに左右されにくい対策を実現できる。
例えば、55ライコウの磁石雷を流す際、50カビだと確3のためライコウを交代読み交代で無償で出させてしまうと突破される可能性が高くなるが、55カビだとほぼ確4のため、寝言持ちであれば無償降臨されても安定して流すことができる。
(レベルを振っているため、確度が高まる代わりに対策コストも高まる)
しかし、相手を流せる回数が多い型にすることで、運や読みに左右されにくい対策を実現できる。
例えば、55ライコウの磁石雷を流す際、50カビだと確3のためライコウを交代読み交代で無償で出させてしまうと突破される可能性が高くなるが、55カビだとほぼ確4のため、寝言持ちであれば無償降臨されても安定して流すことができる。
(レベルを振っているため、確度が高まる代わりに対策コストも高まる)
型に左右されない手段であれば、メタ読みや型読みに失敗して対策として機能しなくなるリスクを避けることができる。
例えば、追い打ちブラキは耐久型ムウマやあやみがスターミーに返り討ちに会う可能性が高いが、黒まなバトンを併用すればこれらのポケモンも狩ることができるようになる。
(多くの技を使うため、確度が高まる代わりに対策コストも高まる)
例えば、追い打ちブラキは耐久型ムウマやあやみがスターミーに返り討ちに会う可能性が高いが、黒まなバトンを併用すればこれらのポケモンも狩ることができるようになる。
(多くの技を使うため、確度が高まる代わりに対策コストも高まる)
いかに対策コストの効率を高めたとしても、あらゆるポケモン・戦術に対して高い確度で対策することはできない。
確度については、ある程度妥協せざるを得ないのが実情である。
そこで、メタ読みを行い、よく出るポケモン・戦術に対して確度の高い対策を行う、という考え方が有効になる。
どのポケモン・戦術に対して確度の高い対策を行うのか、その対策をどのようにして実現するのか、ということは、上級者のパーティ構築を語る上での大きな見どころとなる。
メタ読みに関しては、以下のような戦略・考え方がある。
参考までに、はまっちゃった人氏は、有利不利が逆転する敷居値に着目し、以下のように対策コストを配分すると勝率を最大限に高めることができると論じている。
出典(画像):http://poke-float.com/upbbs/source/0132
どのような戦略・考え方を採用するかは、各々のプレイヤーの性格や得意分野、価値観によるところも大きい。
こうしたことにも目を配れるようになると、よりポケモン対戦を楽しめるし、より強くなるだろう。
確度については、ある程度妥協せざるを得ないのが実情である。
そこで、メタ読みを行い、よく出るポケモン・戦術に対して確度の高い対策を行う、という考え方が有効になる。
どのポケモン・戦術に対して確度の高い対策を行うのか、その対策をどのようにして実現するのか、ということは、上級者のパーティ構築を語る上での大きな見どころとなる。
メタ読みに関しては、以下のような戦略・考え方がある。
- よく使われるポケモン・戦術を調査して、どのポケモン・戦術に確度の高い対策を盛り込むのかを考える
- 汎用性が高いポケモン・戦術を使用率の高いポケモン・戦術と見込み、それらのポケモン・戦術に対して確度の高い対策を盛り込む
- 一番強いパーティが活躍できるメタに持ち込むために、様々なパーティを使用してメタをかき回す
- あえてメタ読みを避けて、どのポケモン・戦術に対しても同程度の確度の対策を盛り込む
参考までに、はまっちゃった人氏は、有利不利が逆転する敷居値に着目し、以下のように対策コストを配分すると勝率を最大限に高めることができると論じている。
一般論として、下記のパーティ構築を心がけると、少ない対策コストで勝率を最大限に高めることができる。 ・敷居値付近の相手に対して対策コストをかける ・敷居値を上回る相手には不確定要素を小さく、下回る相手には不確定要素を大きくする手段を取り入れる出典(文章):http://poke-float.com/upbbs/source/0131.txt
出典(画像):http://poke-float.com/upbbs/source/0132
どのような戦略・考え方を採用するかは、各々のプレイヤーの性格や得意分野、価値観によるところも大きい。
こうしたことにも目を配れるようになると、よりポケモン対戦を楽しめるし、より強くなるだろう。
このページへのコメント
下記を追記しました。
参考までに、はまっちゃった人氏は、有利不利が逆転する敷居値に着目し、以下のように対策コストを配分すると勝率を最大限に高めることができると論じている。
一般論として、下記のパーティ構築を心がけると、少ない対策コストで勝率を最大限に高めることができる。
・敷居値付近の相手に対して対策コストをかける
・敷居値を上回る相手には不確定要素を小さく、下回る相手には不確定要素を大きくする手段を取り入れる
「一貫性」がどこにも説明されてないから書こうと思ったけど、わざわざ1ページ作る程の概念でもないからここに突っ込んでみた。