ポケモン第二世代対戦シミュレータ「ジムリーダーの城」の対戦考察Wikiです。各所に散らばった考察をまとめ上げ、より考察を深めます。

はじめに

似たような話は以前から出ていましたが、2020年6〜7月現在でまとまっている文章がなかった(消失?埋もれた?)ので、二番煎じですが書きます。

決定力・受け・速攻の定義

パーティには、大まかに分けて「決定力重視」「受け重視」「速攻重視」の3つに分類できる。
それぞれの分類を定義すると以下のようになる。

決定力重視

起点を作り強力な攻めを仕掛けることで、回復技で受け切られないようにすることを重視する。
代表例
  • 雷カビゴン+セミフル剣ガラ
  • 昆布(撒きびし+吠える・吹き飛ばし)

受け重視

回復技(+守りを固めるための補助技)を用いて、相手のポケモンの攻撃で倒されないようにすることを重視する。
代表例
  • ライコウエア(ライコウもエアームドも眠る持ち)
  • ハピエアスイクン(ハピナスはタマゴ産み、エアームドは眠る、スイクンはねむねごを持つ)

速攻重視

お互いに攻め合う状況で、相手に倒されるよりも先に倒しに行くことを重視する。
代表例
  • キルパ(高速バトン+セミフル剣ガラ)
  • 遺伝子ケンタロス

理論から見る決定力・受け・速攻の3すくみ

「決定力重視」「受け重視」「速攻重視」の3種類のパーティは、大まかに言うと以下のような強弱関係があると考えられる。

「受け重視」は「速攻重視」に強い

  • 速攻重視のパーティは回復技を入れるスペースがないことが多いため、長期戦に持ち込まれてしまうとジリ貧になってしまう。
  • 速攻戦術は、高耐久のポケモンにより、リフレクターや対面からの鈍い、吠える・吹き飛ばし等を使用されることで止まることが多い。例えば、キルパや遺伝子ケンタロスはリフレクターや飛ばしエアームドで止められてしまうことが多く、一度止められて長期戦を強いられると回復技が無いことが災いしジリ貧になってしまう。

「決定力重視」は「受け重視」に強い

  • 受け重視のパーティは回復技を持つポケモンを突破するためのギミックを入れるスペースを確保することが難しいため、毒やぬるい攻撃技を受けるための眠るを持たれるだけで受け切られてしまうことが多い。
  • 受け重視のパーティと言えども、雷カビゴンで起点を作られてからのセミフル剣ガラや、撒き爆破パル+飛ばしサンダーによる昆布を止めることは困難を極める。

「速攻重視」は「決定力重視」に強い

  • 決定力重視のパーティは受けに徹する相手を崩すことに主眼を置いているため、素早さで上を取られての速攻を仕掛けられた時に凌ぎきれない場合が多い。
  • 例えばキルパについては、飛ばしエアームド(や高レベルパルシェン)がいない限りは、守りを固める補助技無しに高速バトンでサポートされた55セミフル剣ガラガラを流すことができない。遺伝子ケンタロスも、サンダー昆布の主要ポケモンは軒並み先手55遺伝子光線で先手で1発で倒れてしまう(50撒きパルも、サポートとして併用されることが多いマルマインに弱い)。

歴史から見る決定力・受け・速攻の3すくみ

金銀対戦の歴史を紐解いていくと、「受け」という概念が浸透する前の2000年から、「マリオTA」により速攻戦術が煮詰められパーティが複雑化し始める2013年の間にかけて、3すくみが一巡する大きなループが形成されていたと考えられる。
(金銀対戦の歴史については、詳しくは第二世代の戦術の変遷(https://seesaawiki.jp/pbs-thread/d/%c2%e8%c6%f3%c0...)を参照のこと)

「速攻重視」から「受け重視」への変遷(2000年〜2002年)

黎明期の金銀対戦では、「受け」という概念は存在しなかった。
そのため、受けを突破するための「決定力」というのも意識されることがなく、結果としてパーティは「速攻重視」の傾向が強かった。
その対戦の歴史を変えたのが、「役割理論」と共に広まった「受け」という概念である。

「受け重視」から「決定力重視」への変遷(2002年〜2005年)

「受け」が浸透するにつれて、その「受け」を突破する「決定力」も徐々に意識されていった。
「役割理論」が浸透し始めた当時から「受け」を突破する手段の研究が始まり、2003年〜2004年にかけて流行した昆布、そして2005年に登場した「カビガラポリ(文字カビと電磁波ポリ2でセミフル剣ガラの起点を作る)」により、「決定力重視」の傾向が強いパーティが広まった。

「決定力重視」から「速攻重視」への変遷(2005年〜2013年)

「カビガラポリ」が台頭し、受け切って勝つことが困難になって以降、如何にして相手に崩されるよりも相手を崩すかということが意識されるようになった。
電磁波サポや薄荷カビでカビゴンミラーで対面有利を取って先に攻めることが重視された時代(2005年〜2008年)、カビゴンエースブームが終了しガラガラやサンダー等による速攻が研究された時代(2008年〜2012年)を経て、2013年の「マリオTA(遺伝子ケンタロス+セミフル剣ガラ+サンダー昆布)」により一度廃れた「速攻重視」のパーティは再びトップメタに返り咲いた。

現代における決定力・受け・速攻の3すくみ

2013年以降はパーティの構造が複雑化し、「決定力重視」「受け重視」「速攻重視」と大まかに分類することが難しくなったが、それでも2020年6〜7月までの流れを見ると、緩やかに「受け重視」へ変遷してる可能性がある。

2018年9月時点では「ケンタロス」の減少、及び「速攻重視」の限界が掲示板で言及されるようになった。
(ちょうど「カビゴン」「サンダー」「バンギラス」「ライコウ」「ミルタンク」を「エース5強」と呼ぶことが浸透し始めた時期)
そして、2020年1月から2020年6〜7月現在にかけて毎週開催しているプチドラサマ杯では、更に「受け重視」の傾向が強まっていると考えられる。
例えば、第26回(2020年6月27日)と第27回(2020年7月4日)の優勝パーティは以下のようなパーティとなっている。

第26回優勝パーティ

カビゴンファイヤーWA(https://seesaawiki.jp/pbs-thread/d/%a5%ab%a5%d3%a5...
  • 6匹中4匹が高耐久かつ回復技持ち、残りの2匹中1匹も耐久重視の撒きポケであるフォレトス
  • 5戦中3戦で40ターン以上の長期戦を展開

第27回優勝パーティ

ラッキーハッピー酢昆布WA(https://meikaizerogin6y.hatenablog.com/entry/2020/...
  • ラッキースイクンWA・ハピナス・フォレトス(眠る持ち)の時点で「受け重視」の傾向が強いのはもはや自明
  • パーティの使用は4戦中1戦のみであったが、他のパーティも「受け重視」の傾向が強いパーティが多く、例えば同ブログに掲載されている「バランスパスタンダード」や「バランスダブルロック」は6匹中5〜6匹が回復技持ちである

第26〜27回が特異な例とも言い切れない。例えば、プチドラサマ杯に関して以下のようなデータもある。
  • 直前の第21〜25回でも、5回中3回でカビゴンファイヤーWAと同一コンセプトのパーティが優勝している
 (使用者及びパーティの細部は異なる)
  • 「速攻重視」の代表格と言えるポケモンである「マルマイン」「ケンタロス」の平均使用率は、第27回終了時点でそれぞれ約5.3%・約2.6%に留まる
 (参考までに、2015年7月の蟹杯4での使用率は、それぞれ21.4%・14.3%となる)

2020年6〜7月現在までの流れを見ると、理論的及び歴史的に見て、今後「決定力重視」の傾向が強まる可能性がある。
(ミラーマッチが極まり更に「受け重視」の傾向が強まる可能性もある)
歴史的な変換点はすぐそこかもしれない。今後の傾向の変遷に注目である。

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