ポケモン第二世代対戦シミュレータ「ジムリーダーの城」の対戦考察Wikiです。各所に散らばった考察をまとめ上げ、より考察を深めます。

読みに関する抽象論は、はまっちゃった人氏が下記の文章で詳しく解説している。

読みの概念 - ポケモン対戦基礎理論
http://o-s.sub.jp/pokemon_riron/index.php?%C6%C9%A...

不確定要素の考慮
http://poke-float.com/upbbs/source/0122.txt

ここでは、はまっちゃった人氏の抽象論をベースにしつつ、ジムリーダーの城向けに肉付けしたいと思う。

読みの場面

話の前提となるため改めて定義するが、ジムリーダーの城の対戦では以下の読みが必要となる。

パーティ選択

選択肢
  • 用意しているパーティの中から一つのパーティを選択する
必要な読み
  • パーティ選択読み
メタゲームやプレイヤーの好みを考慮し、相手がどのようなパーティを用意してくるか推測する

ポケモン選択

選択肢
  • 6匹のポケモンの中から3匹を選出する
  • 選出した3匹のポケモンの内、先発を1匹選択する
必要な読み
  • ポケモンの型読み
相手の各々のポケモンがどのような型なのかを推測する
  • 選出読み
自分の6匹に対して相手がどのような3匹を選出し、どのポケモンを先発に置くのかを推測する

ターン毎の選択

選択肢
  • 何れかの技(4通り)若しくは何れかの控えへの交代(2通り)の中から1つを選択する
(ターンが進行し、アンコールや金縛り等の特殊な技を使われた場合、及びポケモンが倒れた場合は、選択不能な選択肢が出てくる)
必要な読み
  • ポケモンの型読み
相手の各々のポケモンがどのような型なのかを推測する
ターンが進行するにつれ、型は徐々に明らかになる
  • 選出読み
相手がどのような控えを選出しているのかを推測する
ターンが進行するにつれ、控えは徐々に明らかになる
  • 交代読み・技読み
自分の選択肢に対して相手がどのような選択肢を選ぶのか(どのポケモンへ交代するのか、どの技を使うのか)を推測する

個々の読みに関する詳細

以下では、個々の読みについて詳細を記載する。

メタゲーム

「メタゲーム」とは元はTCGの用語であり、ざっくり言うと「流行」のことである。
どのようなパーティが流行っているのかを正しく把握し、流行っているパーティに対して強いパーティを作ることで、パーティ選択読みを優位に進めることができる。

ジムリーダーの城におけるパーティの流行については、下記の記事にてまとめている。

一撃無し2000環境考察
http://seesaawiki.jp/pbs-thread/d/%b0%ec%b7%e2%cc%...

プレイヤーのパーティの好みについて

ジムリーダーの城は数十人の固定ハンドルネームのプレイヤーで環境を回しているため、プレイヤー毎のパーティの好みやプレイスタイルを把握することが可能であり、プレイヤー毎に対策を考えることも可能である。
(俗に言う「個人メタ」)

プレイヤーの好みを知るためには、ジムリーダーの城で対戦し、プレイヤーのブログやTwitterを読み、プレイヤーと交流するのが一番である。
プレイヤーのパーティの好みやプレイスタイルについて公に語られた例としては、下記のstoic氏の記事がある。

ロビーカップ3の環境総評&ベスト4パーティをレビュー
https://stoic4486.hatenablog.com/entry/20180824/15...

なお、特定のプレイヤーの特定のパーティの対策に特化したパーティのことを、ジムリーダーの城では「キラパ」と呼んでいる。
キラパは、事前に情報を集めて用意するだけでなく、大会当日に他のプレイヤーとの試合を見て作る・持ち出すことも可能である。
キラパの作成テクニックについては、下記の記事にてまとめている。

キラパの作り方
http://seesaawiki.jp/pbs-thread/d/%a5%ad%a5%e9%a5%...

ポケモンの型読み

選出やターン毎の選択にて効果的な立ち回りを行うためには、相手のポケモンの型を正しく読むことが欠かせない。
相手のポケモンの型次第で、効果的な立ち回りも変わってくるからである。
(例えば、相手のカビゴンが鈍い寝言であればゲンガーでカビゴンを受ける立ち回りは効果的だが、相手のカビゴンが地震を持っている場合はこの立ち回りが効果的ではなくなる)

ポケモンの型読みは、下記の情報を参考にして行う。
  • メタゲーム
  • プレイヤー毎の好み
  • パーティ全体のシナジー
 例:55サンダー流しになるポケモンが50カビゴンしかいないパーティでは、55サンダーは高確率でミラーマッチ重視の威張る持ちである。
  • ターンが進むにつれ明かされる情報
 例:相手の55サンダーにダメージを与え残飯回復しなければ、相手の55サンダーは眠る奇跡である可能性が高い。

この中でも具体的にポケモンの持ち物を読むことに関しては、下記CH氏の記事で触れられている。

道具の予測によって型を予測する
https://undead-princess.hatenadiary.org/entries/20...

実際にプレイヤーがどのような読みを働かせているかは、解説付きのログを見るとよくわかるだろう。
(ポケモンの型読みに限らず、選出読みや交代読み、技読みについても理解することができる)
特に、CH氏の解説は質が高い。

パーティ・ログ軍団(CH氏)
http://majinjima.ma-jide.com/party/index.htm

選出読み

選出読みに関しては、相手がどのような3匹を出してきたとしても戦える(何れのポケモンも流すことができ、かつ崩すこともできる)3匹を出すのが基本となり、これがローリスクな選択肢となる。
特に、キラパの場合は相手がどのような3匹を出してきたとしても特定の3匹で戦えるようにする必要がある。

また、先発はサイクルの開始時点となり、かつ1ターン目から明らかになる情報となるため、一般論としては以下のポケモンを先発として出すべきである。
  • 役割対象に対する流しの回数が少ないポケモン
(後出しはなるべく後の場面に持って行きたいポケモン)
  • 相手に流されにくいポケモン
(相手のポケモンが持つ流しの回数をいち早く0回に持って行けるポケモン)
  • 選出していることを隠す必要がないポケモン
(3匹目に意外なポケモンを隠し持つ戦術(通称ファントム戦術)を使う時の爆破ポケモン等)

ただし、上記の選択肢は基本である代わりに読まれやすい。
ハイリスクにはなるが、相手がこれらの選択肢を読んでくると予想し更に深読みするという手が正解になることもある。

なお、あらかじめ選出を読んでおくことで、相手の選出が明らかになる前に交代読みを当てることができる。
例えば、1ターン目でカイリキー対バンギラスになった場合に、相手がフシギバナを選出しておりかつフシギバナに交代すると読むことができれば、フシギバナを起点にできるポケモン(例えばいばみがサンダー)を交代読みで出して序盤から有利に試合を運ぶことができる。

選出時の読みについてはCH氏やyasu氏がより具体的・実戦的に述べているので、そちらも参照されたい。

金銀 見せ合い画面で考えること(CH氏)
https://plaza.rakuten.co.jp/majinjima/diary/202103...

【金銀】モーダルバンギタンク 対戦ログ集(yasu氏)
http://yasupoke.hatenablog.com/entry/2017/08/11/19...

交代読み

相手の交代を読んで交代したりサブ技を打ったりすることで、アドバンテージを得られる。
交代読み交代をした場合は交代で出したポケモンが後出しになるのを防ぐことができ、交代読みサブ技を打った場合は相手の後出しの負担を高めることができる。

これについては、はまっちゃった人氏の文章で以下のように書かれており、(サブ技次第ではあるが)一般的に交代読み交代よりも交代読みサブ技の方がリスクは少ないとされている。
(ただし、交代読みサブ技で優位に立つためには、そのサブ技に技枠を割く必要があることに注意が必要である)


 お互いにお互いの控えのポケモンやポケモンの型を把握している、かつ攻撃技のみを考慮した場合は、下記の読みが発生する。
 なお、ここでは選択肢を選んだ結果得られる利得について以下の5段階で記述する。
  ・利益大 …大きなアドバンテージを得られる。1回の読み勝ちで勝利が決定することが多い。
  ・利益小 …小さなアドバンテージを得られる。拮抗している状況や何度も読み勝つ状況で勝敗が逆転することが多い。
  ・イーブン…読みを使わずにサイクルを回した場合と同等の利得を得られる。
  ・損失小 …小さなディスアドバンテージとなる。拮抗している状況や何度も読み負ける状況で勝敗が逆転することが多い。
  ・損失大 …大きなディスアドバンテージとなる。1回の読み負けで敗北が決定することが多い。

 (1)交代読み交代
   自分の各々のポケモンの流しの回数の差を平準化し、流しの回数の概念上で優位に立つための読みである。
   交代読み交代は1回1回の利益が少ない割にリスクが高いが、サブ技を持たずに形勢逆転の可能性を持たせることができる。
   また、相手の交代読み交代読み技を誘発することができれば、有利なはずの相手にリスクの高い立ち回りをさせることができる。
    ・自分:交代読み交代   相手:サイクルに従い交代…利益小
    ・自分:交代読み交代   相手:交代読み交代読み技…損失大
    ・自分:サイクルに従い技 相手:サイクルに従い交代…イーブン
    ・自分:サイクルに従い技 相手:交代読み交代読み技…利益大
 
 (2)交代読みサブ技
   交代先のポケモンに有効なサブ技を打つことにより、積極的にサポートを行い、控えのポケモンの負担を軽減させる読みである。
   交代読み交代と比較し、相手の場にいるポケモンに対して不利なポケモンに交代しなくて良い分、リスクは少ない。
   また、サブ技によっては、交代読み交代よりも高い効果が得られる。
   (55サンダーへの50カイリキー岩雪崩は交代読み交代と大差ないが、ナッシーへのガラガラめざめるパワー虫は効果が大きい)
   ただし、サブ技に命中不安や効果の小ささがある場合は、交代読み交代の方が有効な場合もある。
    ・自分:交代読みサブ技  相手:サイクルに従い交代 …利益小〜利益大
    ・自分:交代読みサブ技  相手:交代読みサブ技読み技…損失小
    ・自分:サイクルに従い技 相手:サイクルに従い交代 …イーブン
    ・自分:サイクルに従い技 相手:交代読みサブ技読み技…利益大

技読み

補助技が絡む複雑な状況では、交代が絡まなくても読みが発生することがある。
例えば、地震剣ガラと滅び道連れゲンガーの対面(ガラへの交代際にゲンガーは黒まなを使っている前提)では、以下のような読みが発生する。
  • ゲンガーが滅びを使うと予想する場合
ガラは地震で殴るのが正しい。
剣を選んでしまうと滅び+道連れ3連で1対1交換されてしまう。
  • ゲンガーが道連れを使うと予想する場合
ガラは剣を選ぶのが正しい。
地震で殴ってしまうと道連れで1対1交換されてしまう。

読みにおける戦術

読みの回避

そもそも、極力読まずとも勝てるような戦略を練ることが望ましい。
undead_princess氏の下記の文章では、読まないことの重要性が述べられている。

旧日記記事 2009-07-22 読まない立ち回りと読む立ち回り
http://d.hatena.ne.jp/undead_princess/20140914#141...

読みを回避するための具体的な方策としては、以下のようなものがある。
汎用パ、メタパ・キラパ
汎用パ(どのような相手にもある程度強くしたパーティ)とメタパ(流行のパーティに強くしたパーティ)・キラパはコンセプトとしては真逆のもののように思えるが、どちらも読み合いを回避するためのパーティである。
ただし、どの場面の読みを回避できるかが変わる。

汎用パは、パーティ選択読みを回避するためのパーティである。
パーティ選択読みで大きなアドバンテージを得ることもできないため、ポケモン選出以降の場面では読み合いとなる可能性が高くなるが、実力差があったり相手がミスしたりすれば最後まで読み合いになることなく勝ちきることができる。

メタパ・キラパは、パーティ選択読みさえ成功すれば、以降は読まずに手筈通りに立ち回れば勝てるパーティである。
パーティ選択読みを当てる自信がある場合に使用し、自分の方が実力が高い場合はより確実に勝つための手段になり、そうではない場合は実力差を埋めるための手段になる。
型に左右されにくい流し
流しには、型に左右される流しとそうではない流しが存在する。
型に左右されない流しを用いれば、型読みを回避することができる。
例えば、カビゴンを流す場合、エアームド+ゲンガーのように耐性受けに頼った流しだと、カビゴンのサブ技を読み間違えた際に流しができなくなってしまう。
(例えば、エアームドは文字、ゲンガーは地震で役割破壊されてしまう)
エアームドとゲンガーを両方選出するという考え方もあるが、相手の残りのポケモン次第ではカビゴンに対して2匹でマークすることが難しい場合があり、その場合はカビゴンのサブ技読みが不可避になる。
しかし、リフサポ+カイリキーによる流しの場合は、カビゴンのサブ技によらずに流しとして通用するため、サブ技読みをする必要がなくなる。
(正確に言うと、これでもカウンターカビに負ける可能性はある)
一貫性
目の前のポケモンに対して有効な技が交代先のポケモンに対しても有効である場合は、その技に「一貫性がある」という表現を用いる。
一貫性がある場合は、交代読みを回避できる。
例えば、こちらが55サンダーを使用していて、相手の目の前のポケモンが51スターミー、相手の控えが51ハガネールの場合、雷だとハガネールに交代された場合に無効化され、めざ氷だと交代されなかった場合にほとんどダメージを与えられない。しかし、めざ草を搭載している場合、スターミーにもハガネールにも有効なため、相手の交代を読む必要がなくなる。

なお、逆に、相手に交代読みを強いるようにポケモンを用意することを「一貫性を切る」と表現し、一貫性を切ることができれば相手に読みを回避されるのを防ぐことができる。
前述のスターミー+ハガネールは雷めざ氷サンダーの一貫性を切る配置である。

ローリスクな選択肢とハイリスクな選択肢の選択比率

選択肢には、読みを外しても大きく不利になりにくい(読みの当たり外れで大きな違いが無い)ローリスクな選択肢と、読みを外すと大きく不利になる(読みの当たり外れが大きな違いになる)ハイリスクな選択肢が存在する。
読み合いになる場面ではなるべくローリスクな選択肢を選びたいところだが、ローリスクな選択肢しか選ばないと相手に読まれてしまうためそうもいかない。

しかし、読み合いで大きく勝率を落とすことは避けたい。
そこで、「ローリスクな選択肢をハイリスクな選択肢よりも高い頻度で選択する」という方策が有効になる。
この方策の理論的な説明は、はまっちゃった人氏の下記の文章を参照されたい。

選択のランダム化 - ポケモン対戦基礎理論
http://o-s.sub.jp/pokemon_riron/index.php?%C1%AA%C...

例えば、パーティ選択読みで、汎用パを選択するのがローリスクな選択肢、キラパを選択するのがハイリスクな選択肢とする。
汎用パを選択すればパーティ選択読みで大きく勝率を落とすことはなくなるが、汎用パばかり使っていると相手に読まれて(メタられて)しまい、少し勝率を落とすことになる。
キラパを選択すれば読みが当たった場合に高い勝率を得ることができるが、読みを外すと大きく勝率を落とすことになる。
そこで、基本的に汎用パを使用し、たまにキラパを織り交ぜることで、汎用パを選択し続けることによる勝率の低下をメタパの高勝率で補うことができ、メタパの大幅な勝率低下はメタパの使用頻度を抑えめにすることで回避することができる。

参考情報(第五世代向けポケモン選出AI)

奇襲

見えていない相手の選択肢(主にポケモンの型)を読む際は、メタゲームやパーティのシナジーを参考にあたりをつけることになる。
この「あたり」を意図的に外して優位に立つ戦略が、「奇襲」である。

奇襲に関しては、CH氏が下記のような記事で実戦的なテクニックを解説しているので、参照されたい。

奇襲について
http://d.hatena.ne.jp/undead_princess/20120310#133...

「詰み」に直面した際の合理的ヤケクソ
https://plaza.rakuten.co.jp/majinjima/diary/201806...

パーティ変更アリの大会で有効な戦術
http://d.hatena.ne.jp/undead_princess/20140726#140...

このページへのコメント

「ローリスクな選択肢とハイリスクな選択肢の選択比率」について、第五世代向けポケモン選出AIでの事例を追記しました。

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Posted by  nanashi_a nanashi_a 2021年04月11日(日) 22:55:39 返信

直近の更新で記事がデグレードしていることに気付いたので、修正しました。

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Posted by  nanashi_a nanashi_a 2021年03月21日(日) 11:55:34 返信

「選出読み」の項に、蟹さんのブログ記事(今日投稿されたもの)へのリンクを追加しました。

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Posted by  nanashi_a nanashi_a 2021年03月03日(水) 08:03:43 返信

道具読みの記事のリンクを追加

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Posted by 名無し(ID:nroQiC87Aw) 2018年10月28日(日) 05:40:10 返信

一部リンクのミスがあったので修正

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Posted by 名無し(ID:nroQiC87Aw) 2018年10月26日(金) 02:50:04 返信

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