なんだかんだでよく使われるエアームドの個別分析を書いてみた。
と言っても既存のサイトで色々書かれているので、現在の対戦環境を踏まえた補足のみすることにした。
2001年頃にカビゴン受けとして注目された型。
その後もエアームドの主要な型として使われ続け、カビガラポリ登場直後(2004年〜2005年頃)までは使用されることが多かった型。
(それ以降も使用されることはあった。2012年頃でもクソカビが鈍いエアに圧殺されるシーンはあった。)
鈍いを持っているエアームドは55捨て身カビゴンも安定して受けることができるが、眠っているエアームドを後出しで出した場合、以下の立ち回りをされると急所絡みで倒れることがある。
50エアームドへ交代、55カビゴン鈍い
→50エアームドぐう、55カビゴン捨て身
→50エアームドぐう、55カビゴン捨て身
→50エアームド鈍い、55カビゴン捨て身
(50エアームドはここで鈍いの回数の差を埋める必要がある)
→50エアームド眠る、55カビゴン鈍い
→50エアームドぐう、55カビゴン捨て身
→50エアームドぐう、55カビゴン捨て身
→50エアームド鈍い、55カビゴン捨て身
→50エアームド眠る、55カビゴン鈍い
→50エアームドぐう、55カビゴン捨て身
→50エアームドぐう、55カビゴン捨て身
→50エアームド鈍い、55カビゴン捨て身
→50エアームド眠る、55カビゴン鈍い
→50エアームドぐう、55カビゴン捨て身
→50エアームドぐう、55カビゴン捨て身
→50エアームド鈍い、55カビゴン捨て身
→50エアームド眠る、エアームド流しへ交代
カビゴン鈍い1回・エアームド鈍い0回の時の捨て身は51〜61/171、カビゴン鈍い1回・エアームド鈍い0回の時の捨て身急所は102〜121/171、カビゴン鈍い1回・エアームド鈍い1回の時の捨て身は34〜41/171となり、最初の捨て身2回中1回が急所に入ると50エアームドは確実に倒れる計算になる(187〜223/171)。
カビゴン鈍い2回・エアームド鈍い1回の時の捨て身は45〜54/171、カビゴン鈍い2回・エアームド鈍い1回の時の捨て身急所は91〜108/171、カビゴン鈍い2回・エアームド鈍い2回の時の捨て身は34〜41/171となり、もう一度眠った後の捨て身2回中1回が急所に入っても50エアームドはほぼ確実に倒せる(170〜203/171)。
カビゴン鈍い3回・エアームド鈍い2回の時の捨て身は43〜51/171、カビゴン鈍い3回・エアームド鈍い2回の時の捨て身急所は85〜100/171、カビゴン鈍い3回・エアームド鈍い3回の時の捨て身は34〜41/171となり、更にもう一度眠った後の捨て身2回中1回が急所に入っても50エアームドは高確率で倒せる(162〜192/171)。
カビゴン鈍い4回・エアームド鈍い3回の時の捨て身は40〜48/171、カビゴン鈍い4回・エアームド鈍い3回の時の捨て身急所は81〜96/171、カビゴン鈍い4回・エアームド鈍い4回の時の捨て身は34〜41/171となり、更に更にもう一度眠った後の捨て身2回中1回が急所に入っても50エアームドは中くらいの乱数で倒せる(155〜185/171)。
流石にこれ以上は厳しいため、ここらでカビゴン側はエアームド流しに交代してエアームドを交代させることになる。
このように、エアームドは素眠りになってしまうと55捨て身カビゴンに突破される可能性があるため、素眠りを遠ざける薄荷や奇跡を持たせることが多い。理想は素眠りが遠ざかる上に捨て身急所に耐える可能性が高まる残飯であり、残飯が持たされることもあった。
また、吹き飛ばしは後出しによる負担を肩代わりする技であり、この技を持つことでエアームドではタイマンで勝てないようなポケモンも流すことが可能になる。
例えば、文字持ちの遺伝子ケンタロスを吹き飛ばすことで遺伝子を解除することができる。他のポケモンが光線1発で倒れることを防ぐことで、他のポケモンによる対策を容易にすることができる。
また、剣ガラを吹き飛ばすことでガラガラの攻撃ランクを解除した上で場からどかすことができる。スターミーのようなガラガラに後出しできないようなポケモンと組ませることで、ガラガラ対策を行うことができる。
鈍いカビゴンに対しても、鈍いカビゴン側のエアームド流しが水ポケモン等の怪しい流しであれば、鈍い飛ばしにより決定力を出したり高い強制交代力を持ったりすることができる。
その他、吹き飛ばしはバトン対策する上でも重宝する。
後出し可能な耐久がありながら流し役割を遂行することが難しい(ぬるすぎて対面で勝つことが難しい)エアームドにとって吹き飛ばしは重要技であり、今後十年以上に渡って吹き飛ばしはドリ口並みの必須技として使われ続けることになる。
しかし、このエアームドは相手の交代先のポケモンに対してほとんど圧力をかけられず、ド起点になる問題がある。
役割理論がしていた時代は交代先のポケモンに圧力がかからなくても別のポケモンで受ければ良かったが、昆布サンダー、特殊カビ、文字ガラ…といった受けにくいポケモンが次々と使われるようになったカビガラポリ以降は厳しくなった。
また、55捨て身鈍い残飯カビゴンと完全タイマンをすると判定負けするという問題もある。
カビゴンの捨て身はエアームドに20〜24%のダメージとなり、エアームドのドリ口はカビゴンに16〜20%のダメージとなるため、単純に殴り合うとエアームドが不利になってしまう。
捨て身反動は2〜3%程度のダメージになるためこれを足しこめばエアームドが勝つ可能性も出てくるが、カビゴンが残飯持ちでエアームドが残飯非所持だとその望みも潰える。
ただし、問題なのは完全タイマン時のみであり、カビゴン1体残しに対してはカビゴンを受け切ることで判定勝ちに持って行くことができる。
また、カビゴンは反動ダメージで自ら眠ることができないため、72ターンの余裕があるのであればカビゴンを悪あがきまで追い込み、完全タイマンで判定勝ちすることができる。急所反動(17〜20)で残飯回復の18を上回る可能性はあるが、それを考慮しても74ターンもあれば十分だろう。
鈍い飛ばしエアとほぼ同時期か少し遅れて注目された型。
大ヒットこそはしなかったが、サンダータンクが注目される2015〜2016年頃まで細々と生き残り続けた型。
息の長い型なので、2018年現在でも採用例があるかもしれない。
交代先の相手のポケモンに対して毒々で釘付けできるのが最大の特徴。
毒々(+飛ばし)だけとは言え、眠る無し昆布エースにとっては致命傷となり、それ以外のポケモンにとってもダメージの蓄積で全抜きが難しくなったり眠りに追い込まれたり再生回復で粘るのが難しくなったりする技である。
耐性で一部無効化するポケモンはいるものの、毒々の搭載により広く釘付けが可能となった。
鈍いカビゴンを受け切ることができないという問題はあるものの、鈍いカビゴンに対しても毒々+飛ばしで鈍いを解除しつつ眠りまで追い込むことは可能である。
このように、吹き飛ばしの特徴を活かすことにより、対カビゴンでも最低限の性能を確保することができる。
ただし、エアームド単独ではカビゴン1体残しに対応できなくなり、カビゴン1体残しに対応するためには他のポケモンの助け(滅び、爆破、カイリキー、音等)を借りる必要が出てしまった。
毒々を搭載することで、眠る無しパルシェンにも強くなるのが特徴。
受けの役割理論が主流であった2004年頃まではパルシェンに眠るを持たされていることが多かったため実質的なメリットとはならなかったが、カビガラポリが注目された以降は眠る無し黄金パルが主流となったため、このメリットが活きるようになった。
55カイリキー・55ナッシーに先手が取れる範囲で素早さ調整されることもあり、パルシェンよりも遅くすることで眠るタイミングが安定し、後出しパルにはまず負けることがなくなる。
(エアームドとのミラーに関しても、眠るがあれば泥仕合になる上、後攻飛ばしを決めることもできるようになるため、素早さを調整しても弱くならない)
対パルの詳しい計算結果は下記の記事に記載した。
https://seesaawiki.jp/pbs-thread/d/%c6%c7%a5%a8%a5...
対パルを意識するなら、薄荷よりも冷凍ビーム凍結という最悪の事態を回避できる奇跡の方が良い。しかし、凍結を奇跡で回避できたとしても眠る一発回復はできなくなるため、50パル突破は困難になる。そう考えると奇跡も薄荷も大差はないため、実際には余った方を持たせれば良いだろう。
なお、当時はあまり問題にならなかったが、現代(2019年)だと50カビ鈍い自爆で1対1交換を決められやすいという問題もある。鈍い1回からの自爆で142〜168/171のダメージが入ってしまうため、少しでも削りが入ると50カビに後出しした時に1対1交換を決められてしまう(50カビ圧しでも20〜24のダメージになるので削りには十分)。この問題に対しては、鈍いは勿論だが、後述の守るでも対応できる。
カビブラ全盛期(2006年〜2008年頃)に注目された型。
大抵の物理はカビブラで対処できたが、対55剣ガラは課題として残った。
しかし、ドリ口泥棒飛ばし眠るにしてしまうと広範囲の釘付けができなくなってしまう。
そこで、眠るを抜いて泥棒を入れる型が使われ始めた。
55剣ガラに関しては剣岩雪崩で確2となってしまい、例え眠るを持っていても流し回数を増やすことができない。岩雪崩怯みで1回も流せないこともある。
そこで、黄金を持たせて岩雪崩2耐えするようにしたり、泥棒でガラガラに対する強制交代力を持たせるようにした、というのがこの型である。
泥棒でガラガラのホネを奪ってしまえば、仮にエアームドが倒されたとしても、スターミー等を出して交代に追い込んでホネ無し攻撃ランク上昇無しガラにすることができる。一旦ホネ無しガラにしてしまえば、スターミーで流すことが可能になるし、カビゴンでも対面で勝てるようになる。
眠るを抜くことにより他の物理ポケモンに対する流し回数は減少するが、エアームドは眠る無し飛ばしだけでもほとんどの物理ポケモンを1〜2回は流すことができ、またカビブラが苦手とするヘラクロスに対してはメガホーン1/4耐性持ちであるため、少なくともカビブラ全盛期では大きな問題にならなかった。
なお、51+黄金で55めざ虫ガラの剣岩雪崩で2発で倒れる確率を急所率・命中率未考慮で18.54%にまで抑えられるが、50+黄金だと61.47%までしか持って行けない。
カビブラ全盛期はバランス編成が多かったため51+黄金が多かったが、現代は55エース編成が基本のため、今使うなら50+持ち物無しが良いだろう。
ちなみに、持ち物無し泥棒を狙いに行く場合は、ガラ流しの確度は落ちるが、選出段階で持ち物無しがバレないようにするために破壊の遺伝子を持たせて即消費させる方法もある。
遺伝子ドリ口の火力も、50スターミーや50ハピナスをワンチャン突破できる可能性がある程度にはある。
(50スターミーや50ハピナスを遺伝子ドリ口で確2で倒すことができ、50スターミーのハイドロや50ハピナスの雷は遺伝子混乱自滅していたとしても確定で耐える)
初出はカビガラポリの頃(2005年)だが、カビブラ末期(2008年)に高性能ぶりが判明し、速攻が多かったとされるマリオTAの時代(2013年頃)まで使われ続けた型。
毒守るエアの最大の特徴は、眠る無し速攻に対する強さである。
眠る無しポケモンは毒々のダメージを6ターン蓄積させれば倒すことができ、ドリ口でつつけば4〜5ターンに縮めることも可能である。
また、守る残飯を持つエアームドにとっては、4〜5ターン耐えられるケースは少なくない。
この特徴により、55遺伝子文字ケンタ、55剣岩雪崩ガラ、50パル(毒消し(奇跡)等を所持していない場合)といったポケモンに対しても対面有利を取ることが可能である。
複数戦でも強さを発揮し、守ると飛ばしで毒&残飯のターンを稼ぐことにより通常の毒エアよりも高い釘付け性能を持っている。眠る持ちが少ない速攻パーティに対しては決定力にもなり得る。
生半可な削りに対しては特に強い。例えば、カビブラに搭載されることがあった低レベル岩雪崩太鼓ガラ(岩雪崩を1回当て逃げしてからの太鼓岩雪崩で50エアを確定で倒せる)は岩雪崩当て逃げを残飯でほぼ全快されてしまうため、いつまで経っても守る残飯エアを倒せなかった。
しかし、エア単独でカビゴン1体残しに対応できないという弱点は相変わらず。その影響で、カビブラ末期にはカビゴン一体残し対策が開拓された。
また、残飯を使ってしまうというコスト的な問題もあった。カビブラ末期はミラーマッチ対策で薄荷カビが増えており自然と残飯を回すことができた、その後はキチカビの登場(2014年)までカビゴンエース自体が下火であった、という時代的背景は考慮する必要がある。
大胆にも飛ばしを抜き、鈍いカビゴン受け・鈍いミルタンク受けを実現しつつ、毒々で釘付けも可能とした型。
2017年のキチカビ3で使われた型である。
カビの鈍い捨て身急所で倒れることがある問題については、カビに毒を入れて捨て身急所待ちが困難にすることで改善を図っている。
また、対鈍いカビの判定負け問題についても毒々で改善を図っている。
毒のダメージを回復しつつ上手く捨て身を当てるのは難しい。また、カビゴンの捨て身のダメージ比率よりもエアの毒+ドリ口のダメージ比率の方が高い。
多くの場合は、80ターン目にお互いに眠って引き分けに持ち込めるようになるだろう。
(ただし、2021年現在では、鈍い毒エアは鈍いカビとの判定で経験上不利とされている。それが、プレイヤーの立ち回りの問題なのか、理想的に立ち回ったとしても不利なのかは定かではない。ターン制限無しの情報とターン制限有りの情報が混在している可能性もある(Wikiはターン制限有り前提、ターン制限無しならPPの関係上明らかにエアが不利)。)
対鈍いミルタンクであれば、毒を入れることで明らかにタイマンで有利になる。
仮に交代により普通の毒にされていたとしても、80ターン目にお互いに回復技を使えば、ミルタンクだけが一方的に毒のダメージを食らうことになりエアームドが判定勝ちできる。
吹き飛ばしがないため、タイマンで勝てないポケモンを強引に流すことはできない。
しかし、それでも毒で釘付けすることは可能である。
そもそも、吹き飛ばしで流しを行うという発想は2018年に提唱されたモジュールの原則(http://seesaawiki.jp/pbs-thread/d/%a5%e2%a5%b8%a5%...)に反しており、横に必ずタイマンで勝てるポケモンを入れる必要があるという点で選出制限を引き起こしやすい弱点があった。
鈍い毒エアは、モジュール化を図った現代版エアームドという見方ができる。
鈍いカビや鈍いタンクを流せる(特に2019年時点で頻出の50文字無し太鼓無し自爆カビを流せるのが貴重)、三銃士に強い(対ナシは言わずもがな、対パルは毒飛ばしエアの項で前述した通り、対バナは眠り粉宿り木光合成で強引に粘られる可能性はあるが少なくとも眠り続けていれば負けることは無い)、ノーマル耐性持ちとしては珍しくカイリキーに強い(対面有利を取れる上、クロス急所がなければ50カイリキーを2回前後流せる)、毒々による釘付けで交代先のポケモンとの連携が可能(交代先のポケモンへの負担を減らすことが可能、相手が回復技無しなら長期戦に持ち込めば決定力になるし回復技有りなら総じてぬるいので泥試合に持ち込みやすい)という特徴を持ったモジュールとして、2019年現在でも有力なポケモンの1匹として数えられるだろう。
と言っても既存のサイトで色々書かれているので、現在の対戦環境を踏まえた補足のみすることにした。
エアームドは役割理論が浸透した2001年頃から今まで使われ続けているポケモンである。
やることは昔も今も大きく変わらず、物理耐久と物理弱点無し・豊富な耐性を活かした総合物理流しである。
しかし、時代の変遷と共に、主要な型は変わり続けている。
多くのポケモンは、テンプレが5年も10年も変わらなかったり、ある時を境にやることがガラリと変わったりする。その中で、時代に合わせて型を変え続けながらある役割を遂行し続けているポケモンは意外と稀有な存在である。
詳細の個別分析としては、そんなエアームドの型の変遷を見ていきたいと思う。
時代の背景を見ていくことで、エアームドのそれぞれの技・持ち物が持つ意味も自ずと理解することができる。
やることは昔も今も大きく変わらず、物理耐久と物理弱点無し・豊富な耐性を活かした総合物理流しである。
しかし、時代の変遷と共に、主要な型は変わり続けている。
多くのポケモンは、テンプレが5年も10年も変わらなかったり、ある時を境にやることがガラリと変わったりする。その中で、時代に合わせて型を変え続けながらある役割を遂行し続けているポケモンは意外と稀有な存在である。
詳細の個別分析としては、そんなエアームドの型の変遷を見ていきたいと思う。
時代の背景を見ていくことで、エアームドのそれぞれの技・持ち物が持つ意味も自ずと理解することができる。
50 | エアームド | ドリルくちばし | のろい | ふきとばし | ねむる | はっかのみ or きせきのみ or たべのこし | FFFF | 63-63-63-63-63 |
2001年頃にカビゴン受けとして注目された型。
その後もエアームドの主要な型として使われ続け、カビガラポリ登場直後(2004年〜2005年頃)までは使用されることが多かった型。
(それ以降も使用されることはあった。2012年頃でもクソカビが鈍いエアに圧殺されるシーンはあった。)
鈍いを持っているエアームドは55捨て身カビゴンも安定して受けることができるが、眠っているエアームドを後出しで出した場合、以下の立ち回りをされると急所絡みで倒れることがある。
50エアームドへ交代、55カビゴン鈍い
→50エアームドぐう、55カビゴン捨て身
→50エアームドぐう、55カビゴン捨て身
→50エアームド鈍い、55カビゴン捨て身
(50エアームドはここで鈍いの回数の差を埋める必要がある)
→50エアームド眠る、55カビゴン鈍い
→50エアームドぐう、55カビゴン捨て身
→50エアームドぐう、55カビゴン捨て身
→50エアームド鈍い、55カビゴン捨て身
→50エアームド眠る、55カビゴン鈍い
→50エアームドぐう、55カビゴン捨て身
→50エアームドぐう、55カビゴン捨て身
→50エアームド鈍い、55カビゴン捨て身
→50エアームド眠る、55カビゴン鈍い
→50エアームドぐう、55カビゴン捨て身
→50エアームドぐう、55カビゴン捨て身
→50エアームド鈍い、55カビゴン捨て身
→50エアームド眠る、エアームド流しへ交代
カビゴン鈍い1回・エアームド鈍い0回の時の捨て身は51〜61/171、カビゴン鈍い1回・エアームド鈍い0回の時の捨て身急所は102〜121/171、カビゴン鈍い1回・エアームド鈍い1回の時の捨て身は34〜41/171となり、最初の捨て身2回中1回が急所に入ると50エアームドは確実に倒れる計算になる(187〜223/171)。
カビゴン鈍い2回・エアームド鈍い1回の時の捨て身は45〜54/171、カビゴン鈍い2回・エアームド鈍い1回の時の捨て身急所は91〜108/171、カビゴン鈍い2回・エアームド鈍い2回の時の捨て身は34〜41/171となり、もう一度眠った後の捨て身2回中1回が急所に入っても50エアームドはほぼ確実に倒せる(170〜203/171)。
カビゴン鈍い3回・エアームド鈍い2回の時の捨て身は43〜51/171、カビゴン鈍い3回・エアームド鈍い2回の時の捨て身急所は85〜100/171、カビゴン鈍い3回・エアームド鈍い3回の時の捨て身は34〜41/171となり、更にもう一度眠った後の捨て身2回中1回が急所に入っても50エアームドは高確率で倒せる(162〜192/171)。
カビゴン鈍い4回・エアームド鈍い3回の時の捨て身は40〜48/171、カビゴン鈍い4回・エアームド鈍い3回の時の捨て身急所は81〜96/171、カビゴン鈍い4回・エアームド鈍い4回の時の捨て身は34〜41/171となり、更に更にもう一度眠った後の捨て身2回中1回が急所に入っても50エアームドは中くらいの乱数で倒せる(155〜185/171)。
流石にこれ以上は厳しいため、ここらでカビゴン側はエアームド流しに交代してエアームドを交代させることになる。
このように、エアームドは素眠りになってしまうと55捨て身カビゴンに突破される可能性があるため、素眠りを遠ざける薄荷や奇跡を持たせることが多い。理想は素眠りが遠ざかる上に捨て身急所に耐える可能性が高まる残飯であり、残飯が持たされることもあった。
また、吹き飛ばしは後出しによる負担を肩代わりする技であり、この技を持つことでエアームドではタイマンで勝てないようなポケモンも流すことが可能になる。
例えば、文字持ちの遺伝子ケンタロスを吹き飛ばすことで遺伝子を解除することができる。他のポケモンが光線1発で倒れることを防ぐことで、他のポケモンによる対策を容易にすることができる。
また、剣ガラを吹き飛ばすことでガラガラの攻撃ランクを解除した上で場からどかすことができる。スターミーのようなガラガラに後出しできないようなポケモンと組ませることで、ガラガラ対策を行うことができる。
鈍いカビゴンに対しても、鈍いカビゴン側のエアームド流しが水ポケモン等の怪しい流しであれば、鈍い飛ばしにより決定力を出したり高い強制交代力を持ったりすることができる。
その他、吹き飛ばしはバトン対策する上でも重宝する。
後出し可能な耐久がありながら流し役割を遂行することが難しい(ぬるすぎて対面で勝つことが難しい)エアームドにとって吹き飛ばしは重要技であり、今後十年以上に渡って吹き飛ばしはドリ口並みの必須技として使われ続けることになる。
しかし、このエアームドは相手の交代先のポケモンに対してほとんど圧力をかけられず、ド起点になる問題がある。
役割理論がしていた時代は交代先のポケモンに圧力がかからなくても別のポケモンで受ければ良かったが、昆布サンダー、特殊カビ、文字ガラ…といった受けにくいポケモンが次々と使われるようになったカビガラポリ以降は厳しくなった。
また、55捨て身鈍い残飯カビゴンと完全タイマンをすると判定負けするという問題もある。
カビゴンの捨て身はエアームドに20〜24%のダメージとなり、エアームドのドリ口はカビゴンに16〜20%のダメージとなるため、単純に殴り合うとエアームドが不利になってしまう。
捨て身反動は2〜3%程度のダメージになるためこれを足しこめばエアームドが勝つ可能性も出てくるが、カビゴンが残飯持ちでエアームドが残飯非所持だとその望みも潰える。
ただし、問題なのは完全タイマン時のみであり、カビゴン1体残しに対してはカビゴンを受け切ることで判定勝ちに持って行くことができる。
また、カビゴンは反動ダメージで自ら眠ることができないため、72ターンの余裕があるのであればカビゴンを悪あがきまで追い込み、完全タイマンで判定勝ちすることができる。急所反動(17〜20)で残飯回復の18を上回る可能性はあるが、それを考慮しても74ターンもあれば十分だろう。
50 | エアームド | ドリルくちばし | どくどく | ふきとばし | ねむる | きせきのみ or はっかのみ | FFFF | 63-63-63-55〜63-63 |
鈍い飛ばしエアとほぼ同時期か少し遅れて注目された型。
大ヒットこそはしなかったが、サンダータンクが注目される2015〜2016年頃まで細々と生き残り続けた型。
息の長い型なので、2018年現在でも採用例があるかもしれない。
交代先の相手のポケモンに対して毒々で釘付けできるのが最大の特徴。
毒々(+飛ばし)だけとは言え、眠る無し昆布エースにとっては致命傷となり、それ以外のポケモンにとってもダメージの蓄積で全抜きが難しくなったり眠りに追い込まれたり再生回復で粘るのが難しくなったりする技である。
耐性で一部無効化するポケモンはいるものの、毒々の搭載により広く釘付けが可能となった。
鈍いカビゴンを受け切ることができないという問題はあるものの、鈍いカビゴンに対しても毒々+飛ばしで鈍いを解除しつつ眠りまで追い込むことは可能である。
このように、吹き飛ばしの特徴を活かすことにより、対カビゴンでも最低限の性能を確保することができる。
ただし、エアームド単独ではカビゴン1体残しに対応できなくなり、カビゴン1体残しに対応するためには他のポケモンの助け(滅び、爆破、カイリキー、音等)を借りる必要が出てしまった。
毒々を搭載することで、眠る無しパルシェンにも強くなるのが特徴。
受けの役割理論が主流であった2004年頃まではパルシェンに眠るを持たされていることが多かったため実質的なメリットとはならなかったが、カビガラポリが注目された以降は眠る無し黄金パルが主流となったため、このメリットが活きるようになった。
55カイリキー・55ナッシーに先手が取れる範囲で素早さ調整されることもあり、パルシェンよりも遅くすることで眠るタイミングが安定し、後出しパルにはまず負けることがなくなる。
(エアームドとのミラーに関しても、眠るがあれば泥仕合になる上、後攻飛ばしを決めることもできるようになるため、素早さを調整しても弱くならない)
対パルの詳しい計算結果は下記の記事に記載した。
https://seesaawiki.jp/pbs-thread/d/%c6%c7%a5%a8%a5...
対パルを意識するなら、薄荷よりも冷凍ビーム凍結という最悪の事態を回避できる奇跡の方が良い。しかし、凍結を奇跡で回避できたとしても眠る一発回復はできなくなるため、50パル突破は困難になる。そう考えると奇跡も薄荷も大差はないため、実際には余った方を持たせれば良いだろう。
なお、当時はあまり問題にならなかったが、現代(2019年)だと50カビ鈍い自爆で1対1交換を決められやすいという問題もある。鈍い1回からの自爆で142〜168/171のダメージが入ってしまうため、少しでも削りが入ると50カビに後出しした時に1対1交換を決められてしまう(50カビ圧しでも20〜24のダメージになるので削りには十分)。この問題に対しては、鈍いは勿論だが、後述の守るでも対応できる。
50 or 51 | エアームド | ドリルくちばし | どくどく | どろぼう | ふきとばし | おうごんのみ or 持ち物無し or はかいのいでんし | FFFF | 63-63-63-63-63 |
カビブラ全盛期(2006年〜2008年頃)に注目された型。
大抵の物理はカビブラで対処できたが、対55剣ガラは課題として残った。
しかし、ドリ口泥棒飛ばし眠るにしてしまうと広範囲の釘付けができなくなってしまう。
そこで、眠るを抜いて泥棒を入れる型が使われ始めた。
55剣ガラに関しては剣岩雪崩で確2となってしまい、例え眠るを持っていても流し回数を増やすことができない。岩雪崩怯みで1回も流せないこともある。
そこで、黄金を持たせて岩雪崩2耐えするようにしたり、泥棒でガラガラに対する強制交代力を持たせるようにした、というのがこの型である。
泥棒でガラガラのホネを奪ってしまえば、仮にエアームドが倒されたとしても、スターミー等を出して交代に追い込んでホネ無し攻撃ランク上昇無しガラにすることができる。一旦ホネ無しガラにしてしまえば、スターミーで流すことが可能になるし、カビゴンでも対面で勝てるようになる。
眠るを抜くことにより他の物理ポケモンに対する流し回数は減少するが、エアームドは眠る無し飛ばしだけでもほとんどの物理ポケモンを1〜2回は流すことができ、またカビブラが苦手とするヘラクロスに対してはメガホーン1/4耐性持ちであるため、少なくともカビブラ全盛期では大きな問題にならなかった。
なお、51+黄金で55めざ虫ガラの剣岩雪崩で2発で倒れる確率を急所率・命中率未考慮で18.54%にまで抑えられるが、50+黄金だと61.47%までしか持って行けない。
カビブラ全盛期はバランス編成が多かったため51+黄金が多かったが、現代は55エース編成が基本のため、今使うなら50+持ち物無しが良いだろう。
ちなみに、持ち物無し泥棒を狙いに行く場合は、ガラ流しの確度は落ちるが、選出段階で持ち物無しがバレないようにするために破壊の遺伝子を持たせて即消費させる方法もある。
遺伝子ドリ口の火力も、50スターミーや50ハピナスをワンチャン突破できる可能性がある程度にはある。
(50スターミーや50ハピナスを遺伝子ドリ口で確2で倒すことができ、50スターミーのハイドロや50ハピナスの雷は遺伝子混乱自滅していたとしても確定で耐える)
50 | エアームド | ドリルくちばし | どくどく | まもる | ふきとばし | たべのこし | FFFF | 63-63-63-63-63 |
初出はカビガラポリの頃(2005年)だが、カビブラ末期(2008年)に高性能ぶりが判明し、速攻が多かったとされるマリオTAの時代(2013年頃)まで使われ続けた型。
毒守るエアの最大の特徴は、眠る無し速攻に対する強さである。
眠る無しポケモンは毒々のダメージを6ターン蓄積させれば倒すことができ、ドリ口でつつけば4〜5ターンに縮めることも可能である。
また、守る残飯を持つエアームドにとっては、4〜5ターン耐えられるケースは少なくない。
この特徴により、55遺伝子文字ケンタ、55剣岩雪崩ガラ、50パル(毒消し(奇跡)等を所持していない場合)といったポケモンに対しても対面有利を取ることが可能である。
複数戦でも強さを発揮し、守ると飛ばしで毒&残飯のターンを稼ぐことにより通常の毒エアよりも高い釘付け性能を持っている。眠る持ちが少ない速攻パーティに対しては決定力にもなり得る。
生半可な削りに対しては特に強い。例えば、カビブラに搭載されることがあった低レベル岩雪崩太鼓ガラ(岩雪崩を1回当て逃げしてからの太鼓岩雪崩で50エアを確定で倒せる)は岩雪崩当て逃げを残飯でほぼ全快されてしまうため、いつまで経っても守る残飯エアを倒せなかった。
しかし、エア単独でカビゴン1体残しに対応できないという弱点は相変わらず。その影響で、カビブラ末期にはカビゴン一体残し対策が開拓された。
また、残飯を使ってしまうというコスト的な問題もあった。カビブラ末期はミラーマッチ対策で薄荷カビが増えており自然と残飯を回すことができた、その後はキチカビの登場(2014年)までカビゴンエース自体が下火であった、という時代的背景は考慮する必要がある。
50 | エアームド | ドリルくちばし | のろい | どくどく | ねむる | きせきのみ or はっかのみ | FFFF | 63-63-63-55〜63-63 |
大胆にも飛ばしを抜き、鈍いカビゴン受け・鈍いミルタンク受けを実現しつつ、毒々で釘付けも可能とした型。
2017年のキチカビ3で使われた型である。
カビの鈍い捨て身急所で倒れることがある問題については、カビに毒を入れて捨て身急所待ちが困難にすることで改善を図っている。
また、対鈍いカビの判定負け問題についても毒々で改善を図っている。
毒のダメージを回復しつつ上手く捨て身を当てるのは難しい。また、カビゴンの捨て身のダメージ比率よりもエアの毒+ドリ口のダメージ比率の方が高い。
多くの場合は、80ターン目にお互いに眠って引き分けに持ち込めるようになるだろう。
(ただし、2021年現在では、鈍い毒エアは鈍いカビとの判定で経験上不利とされている。それが、プレイヤーの立ち回りの問題なのか、理想的に立ち回ったとしても不利なのかは定かではない。ターン制限無しの情報とターン制限有りの情報が混在している可能性もある(Wikiはターン制限有り前提、ターン制限無しならPPの関係上明らかにエアが不利)。)
対鈍いミルタンクであれば、毒を入れることで明らかにタイマンで有利になる。
仮に交代により普通の毒にされていたとしても、80ターン目にお互いに回復技を使えば、ミルタンクだけが一方的に毒のダメージを食らうことになりエアームドが判定勝ちできる。
吹き飛ばしがないため、タイマンで勝てないポケモンを強引に流すことはできない。
しかし、それでも毒で釘付けすることは可能である。
そもそも、吹き飛ばしで流しを行うという発想は2018年に提唱されたモジュールの原則(http://seesaawiki.jp/pbs-thread/d/%a5%e2%a5%b8%a5%...)に反しており、横に必ずタイマンで勝てるポケモンを入れる必要があるという点で選出制限を引き起こしやすい弱点があった。
鈍い毒エアは、モジュール化を図った現代版エアームドという見方ができる。
鈍いカビや鈍いタンクを流せる(特に2019年時点で頻出の50文字無し太鼓無し自爆カビを流せるのが貴重)、三銃士に強い(対ナシは言わずもがな、対パルは毒飛ばしエアの項で前述した通り、対バナは眠り粉宿り木光合成で強引に粘られる可能性はあるが少なくとも眠り続けていれば負けることは無い)、ノーマル耐性持ちとしては珍しくカイリキーに強い(対面有利を取れる上、クロス急所がなければ50カイリキーを2回前後流せる)、毒々による釘付けで交代先のポケモンとの連携が可能(交代先のポケモンへの負担を減らすことが可能、相手が回復技無しなら長期戦に持ち込めば決定力になるし回復技有りなら総じてぬるいので泥試合に持ち込みやすい)という特徴を持ったモジュールとして、2019年現在でも有力なポケモンの1匹として数えられるだろう。
このページへのコメント
>鈍い毒エア
>鈍い毒エアは鈍いカビとの判定で経験上不利とされている。
>ターン制限無しならPPの関係上明らかにエアが不利
これはOUでも発生することがあるPP戦であり、自分のOUでの経験上はエア側が有利に感じていたので、検証しました。
https://seesaawiki.jp/pbs-thread/d/%a1%daGSC%20OU%a1%db%a5%c9%a5%ea%b8%fd%c6%c7%c6%df%a4%a4%cc%b2%a4%eb%a5%a8%a5%a2%20VS%20%bc%ce%a4%c6%bf%c8%c6%df%a4%a4%bf%b2%b8%c0%cc%b2%a4%eb%a5%ab%a5%d3%a4%ce%a5%bf%a5%a4%a5%de%a5%f3
確かに、1対1ではカビゴンが有利でした。
現在の通説(Wikiの記述含む)は誤っていませんでした。
ただし、PP換算で4程度の差です。
6匹で戦うOUでは複数戦の様相が強いため、実戦では簡単にひっくり返る程度の差でもありました。
6対6と3対3の違い、ダメージ計算の違い(レベルの違い)、そして持ち物の違いはあるので、2000では微妙に事情が異なってきますが、根本は同じなので参考までに。
鈍い飛ばしエアについて、72ターン(74ターン)あれば55捨て身鈍いねむねご残飯カビを悪あがきに追い込んで判定勝ちできると追記しました。
毒泥棒エアについて、遺伝子を追記しました。
(選出時点で持ち物無しがバレないようにする)
遺伝子ドリ口の火力についても一応追記しました。
毒守るエアの初出に関する情報を更新しました。
参考
https://twitter.com/tedukurinoyumi/status/1315946491681234944
ちょっと気になった点いくつか。
>鈍い飛ばし
2005年頃までってのはちょっと切り取りすぎかも。
全盛期はそうかも知れませんがその後も3番目くらいには使われて来た型だと思うので。
(クソカビ絡みの選出が鈍いエアに圧殺されるシーンは2012年頃でもありました)
>毒鈍い
これ、カビにタイマン勝てないと思います。
PPでは明らかに負けるのでターン制限無しではPP戦で負けますし、
ターン制限ありではカビが最後に寝ればカビ側は五分はあっても不利はありえないと思います。
コメントありがとうございます。
>鈍い飛ばし
クソカビが鈍いエアに圧殺されるシーンなんてあったんですね。
当該の文章を直しておきました。
>毒鈍い
ターン制限無しはWikiの方針上考察していませんでした。
ターン制限有りに関しては、カビが80ターン目に眠れば引き分け、眠らず毒が入ったまま殴り合えばカビが負けるため、引き分けかエア有利としていました。
ただ、確かに普通に考えて80ターン目にカビ眠りますね…。引き分けに持ち込める、という文言に修正しました。