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和君 5/27(水) 20:49:56 No.20090527204956 削除

「和君?」

携帯の向こうから懐かしい声が聞こえて来た。
離婚した加奈の声である。私たちは妻の不倫が原因で二月に離婚した。

「まだ携帯変えてなかったんだ。良かった連絡が取れて。
笹森さんから明後日出発するって聞いたから。
どうしても,加奈に別れた本当の事を知って欲しかったのと,会わせたい人がいるから
明日会えないかな?」

「本当のこと?ひょっとして和君,私にまだ未練があったりして」

明るい加奈の声を聞いているうちに,涙が出てきて話し声は涙声となった。
本当は別れたくは無かった,未練たっぷりの私は涙を抑えられなかった。

「和君泣いてる,初めて和君の泣き声を聞いた,ラッキー!
和君が頭下げたら加奈戻っても良いよ。今なら間に合うよなんちゃって。
どうする?」

「茶化すなよ。会わせたい人もいるし」

「知ってる人?」

「知っているといえば知っているし。話では知っていると思う」

私は答えを曖昧にはぐらかした。ここで合わせたい人の名前を言うと,きつい加奈のことである。
会わないと言うだろうし,そうなると離婚に至る本当の理由も伝えられなくなる。
離婚の理由が加奈の不倫ではないことを言うチャンスは今しかないのである。

「変な和君。解った。で,どこに行けばいい」

「・・・ホテルでフロントで聞けば解るようにしておく。時間が長くなりそうだしあまり人に聞かれたくないから」

「加奈期待しちゃおうかな、襲わないでね」

「馬鹿言うな,じゃ明日。おやすみ」

「おやすみ,私の和君」

携帯を切ってから大きくため息をついて頭を抱え込んだ。
明日の事を考えると非常に気が重い。どうやって説明すれば良いのかを考えている内に眠れずに朝を迎えた。



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