まとめサイトです。

修司 6/22(月) 22:15:40 No.20090622221540 削除
里美と別れて自暴自棄になっている時に妻が現れ動揺したのを覚えています。
スレンダーな長身で、脚が綺麗で足首が細い事。顔は当然、可愛いか目鼻立ちがくっきりしている。
それらは人の価値に何の関係もないのですが、若かった私は女性の価値をそう決めつけていました。
里美がそうだったように由梨絵も私の欲求を満たす容姿なのでした。
数人で会って食事をしたり飲みに行ったりするうちに、本格的な交際が始まって今に至っています。
その間、私は絶えず妻に里美を重ねていたのではないだろうか?
単身赴任中に再会し愛が再燃してしまいましたが、その時は妻の元に戻ったのは家庭を守ったからだと言い聞かせていました。
でも、あの時に里美を追っていれば私は此処にいなかったはずです。
本当は、そうしたかったのが一般常識に縛られ出来なかっただけで、本心は違っていたのかもと思ったりもします。
あの時、私が情けなくも流した涙がそれを物語っていたのでしょう。
里美からメールが来ても答えなかったのも同じ理由で、連絡を取ってしまえばもう戻れなくなる。
私は別れた時から、彼女に心を残したままなのです。
しかし、妻と作り上げてきた歴史も無視出来るほど冷酷になれはしない。
そんな優柔不断さも今回の事件に繋がっているはずです。

「貴方に分らせようなんて、これっぽっちも思っていなかった。貴方の性格だもの。こんな事を知られたら離婚されると思ってたわ」

「じゃぁ、何故こんなに続いた?一緒に旅行をするくらいの間柄じゃないか。現実逃避のつもりでいても実は違うんじゃないか?
逢いたいと思うから実行したんだろう?」

「違うの。貴方に電話したって聞いて、もう終わりにしなければと思った。
それを彼に言ったら別れないって。私は離婚する気はないって言ったら、最後に旅行してくれたら考えるって言われて・・・」

「甘いな。まぁ、それはいい。それで石川と別れられるのか?俺は難しいだろうと思ってる。
残念だが、このところ俺よりも石川とセックスが多い。身体を合わせていれば心も通う。
泊まり掛けで出掛けて、気持の整理が出来たか?もっと逢いたくなったんじゃないのか?
別れられないと思っただろう?」

「そんな事ない。あれで終わりにしたつもりよ」

「あいつは、そう思っていないな。ますます絆を深めたつもりでいるよ。お前だって分ってるはずだ。
俺も素直になるから、お前も素直になれよ。この期に及んで隠し事はなしにしようぜ」

「私は正直に話してるつもりよ」

こんな時は、誰だってそう思い込みたいものです。
妻も今は本当に正直な気持ちなのだと思うのですが、核心のところまでは分かっていないはずです。
ですから私はぶつけなければなりません。私の本当の気持ちを。

「実はな、好きな人がいる。。昔、話した相手だよ。単身赴任の時に来ていたのも彼女なんだ。
また会ってるんだ。忘れられない人っているもんだよな。彼女は俺にとって、そうなんだよ。お前にとって石川は、そうならないか?」

私の話に弱い立場でいるはずの妻が反応したのです。

「酷いわね・・・人の弱みに付け込んで、そんな事するんだ・・・・貴方もちゃんと復讐してるんじゃないの」

「勝手な言い草だな」

「勝手だっていいじゃないっ!私も石川と別れたんだから、貴方も別れてっ!」

すんなり私の言葉を受け入れると思ってはいませんでしたが、こんなに激情するとも思っていなかった。
私への愛の深さからなのか?女の我儘さなのか?
愛してる人に気持を動かす人間が現れれば許せないのは男も女も同じです。
昔、里美がそうだったように妻も昂る感情を抑えられないのでしょうか?
自分の行動を棚に上げて激情をあらわにするのは、私を一番の男と思っているのですかね?

「好きな相手が出来たら、そんなに腹が立つか?俺は石川が渡したDVDを見てしまったんだ。
あんなものを見て、お前と暮らす気になれると思ってるのかよ。何が【何でもしてあげる】だ。
所詮、お前は俺から聞いた言葉に逆上してるだけじゃないか。どっちの傷が深いと思うんだっ!
勝手な事ばかり言ってるんじゃないっ!」

私も声が大きくなってしまいます。

「わあぁぁーーーーー」

しゃがんで号泣しだした妻との話は、これ以上無理です。
感情的になった女は手を付けられません。

「見ないでって言ったのに・・・だから見ないでって言ったのに」

「見られて困る事をしたのは由梨絵、お前だろう。あんなものを撮らせたのも、お前だ。
俺も立派な夫じゃないから、お互い様でいいんじゃないか?」

「嫌っ!嫌あぁぁぁーーーー」

「如何でもいいが冷静になれ。それから話の続きをしよう」

頷いて、ゆっくりと立ち上がった妻は浴室に入っていきました。
短時間で出てきて私の前に座った時には、幾分冷静さを取り戻していたのでしょう。

「取り乱してごめんなさい。もう大丈夫」

「そうか。お前は何を考えていた?」

「私の結論は出てるの。それは一緒に暮らしてもらいたい。別れるのは何時だって出来るでしょう?
私、何だってするわ。それを見てから決めてほしい・・・・」

見据える眼差しに意志の強さが伺えます。これ以上の進展は期待出来ないと思いました。

「・・・・困ったなぁ・・・確かに別居は金が掛かるしな・・・一つ条件を出す。
何だってするって言ったんだから了解してくれるだろう?
俺の条件は完全家庭内別居だ。お互いの生活に干渉しない。それを認めるなら此処にいよう」

じっと私を見詰めて、それから視線を外して頷くのでした。

「・・・・分ったわ」

「勝手な事を言って悪いが、飯の用意はいいが、洗濯は頼むな」

妻が少し微笑んで首を縦に振ったのは、絆が全て切れたのではないと思ったからなのでしょう。

「それから聞きたい事がある。お前の着けていた派手な下着。何処にある?」

「それは・・・」

「何処だ?」

「・・・石川君の部屋に置いてあります」

「あの部屋は石川のところか?」

「えぇ・・」

「それで如何するんだ?置きっぱなしにしておくつもりか?」

「処分してもらいます」

「甘いな。好きな恋人の残り香を捨てたりはしないさ。撮られた映像だって捨てたりしない。
これから面倒臭い思いをするだろうな」

「私の責任で遣らせる。石川君だって分かってくれると思うの」

「信頼が厚いんだな。俺の前で、あんな態度を取る男を信用してるんだ?
お前、俺があんちゃんに舐められてるのに
自分の立場しか考えていなかったものな。
あの時の俺はピエロだったよ。結局、そんなものだったのかな。
俺は石川にではなく、俺を庇わないお前に腹が立ったんだ。
それは今も変わらない。何でもするって言うけど、こじれた気持ちを解すのは大変だよ。まぁ、いいや。洗濯だけは頼むな」

「・・・そうだったね・・・私、貴方に知られたくない気持ちでいっぱいだった・・・自分の事しか思っていなかったわ・・・ごめんなさい・・・」

「ごめんなさいは聞き飽きた・・・俺の気持ちも察してくれ」

妻は、また泣きました。



18へ
タグ

コメントをかく


「http://」を含む投稿は禁止されています。

利用規約をご確認のうえご記入下さい

Menu

体験談募集










下着訪販のお客様…(完結)

管理人/副管理人のみ編集できます