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修司 5/13(水) 19:37:35 No.20090513193735 削除
居間に戻ると先ほどと同じ姿勢でソファーに座っている妻がいます。

「大した楽しみようだな。信ちゃんのサービスは凄いじゃないか。
お前も色っぽい下着を穿いてAV女優顔負けだ。
感動ものだったよ。しかし由梨絵は案外、淫乱だったんだな。
いっぱい出してなんて普通言わないぜ」

自然と私の声は冷たくなってしまうのは当然の事でした。
頭の回路が今見た映像を処理出来ないからなのか、激情するでもなく何故だか冷静でいられました。
そう言うと気取った感じがするでしょうが、本当はショックでパニックだったのだと思うのです。
しかし、この時は心の中まで知る余裕もありませんでした。

「・・・・言わないで・・・ごめんなさい・・・・ごめんなさい・・・・・・」

かぼそい声が聞こえました。

「・・・ごめんなさいか・・・」

向かい合って座り、煙草に火を点け何を言うべきか巡らせても次の言葉が出てきません。
感情が昂ってさえいれば暴れでも出来るのでしょうが、そんな気分にならないのです。
そんな態度が妻の不安を煽るのか、ますます小さくなっていくのでした。

「・・・ごめんなさい・・・」

同じ言葉の繰り返しです。妻にしてみれば、そんな言葉しか出てこないのかもしれません。

「ごめんなさい・・・かぁ・・・はぁ〜〜」

漠然と言い返し、出るのは溜息だけです。こんな時に何を言ったら恰好がつくのか。
男の置いていったプレゼントは潜在意識に大きな傷をつけたのだと思います。
妻を寝取られて激情出来ないのは自分を無意識に守っているからなのでしょうが、
その時は気づいてはいませんでした。
思いもしない妻の不倫で情けない男になってしまい、心が崩壊してしまうのを自己防衛していたのだと今は理解しています。

「・・・嫌いになったでしょう?別れたいと思うでしょう?・・・でもね・・・でもね・・・・・」

「そうかもな。嫌いになったと言うより、俺、呆れてしまってパニックになってるよ」

精一杯に嫌味を含めて言った言葉に俯いていた顔を上げました。

「私が遣った事だから弁解は出来ません。でも、こんな事は二度としない・・・
本当に・・ごめんなさい・・・」

「また、されたら堪ったもんじゃない。と、言うより、もう終わりかな」

「・・・そんな・・・」

「当り前だろう。てめぇのかみさんのエロビデオを見せられて喜ぶ男が何処にいるんだ?いるんなら探してこい!
隣のオヤジにでも、お前の会社の男にでもいいから聞いてみろ!
そんな馬鹿いるもんか!」

怒鳴っているのではないのですが、自然とドスの利いた言い方になっていました。

「・・・もう、しないから」

「もう逢わないってか?」

「・・・はい・・・」

「会社を辞めるのか?」

「・・・・・それは・・・」

「お前の覚悟は、そんなもんかい。同じ職場にいるんだから逢わない訳にはいかないよな」

「二人っきりでは会わない」

「馬鹿か!そんなに簡単じゃないぜ。仕事なら二人っきりになる事だってあるだろう。
そんな時は無視するってか?俺が見ていなければ何とでも言えるわな。
だいたい会うと逢うじゃ違うんだ。お前は会わないつもりでも、あいつは逢いたいと思うだろう?
避妊もしないで入れさせた相手に言われれば、お前だって心が動くんじゃないのか?何れ縒りが戻ってセックス三昧だろうよ。
それに不倫相手と毎日顔を会わせてるのは、俺にしてみれば気分がいいものじゃないさ。逆の立場なら如何思う?」

「・・・そうね・・・・」

「だけど、仕事を辞めたら今後の生活に困らないか?別れた後は援助なんかするつもりはないぞ。
それでも辞めるって言うなら勝手だが後は責任は持てない。覚悟して決めろ。
だがな、そのくらいの誠意をみせてみろよ。
それなら、その時考える・・・何の約束も出来ないがな」

そうしたからって許せないだろうと思っていますが整理が付いていないから、こんな言葉で曖昧に濁してしまいました。
逢わないからって、これ迄の行為を【はい、そうですか】とはいかないでしょうし。

「辞めたら考えてくれるの?」

気持ちを見透かしたような言葉です。

「だから分からないって。とにかく今は落胆している。最低な女だと思ってるよ」

「・・・・・・・・・・・・」

ビンタの一発くらい食らわしても罰が当たらないのにしなかったのは、映像が余りにも現実離れしていたからなのでしょうか?

「少し距離を置こうか。長く暮して、お互いに大切さを見失ったようだ。改めて自分たちを考え直す必要があるのかもしれない」

自由な行動を取れるのは悪くはありませんし、妻の浮気をいい事に私だって好きにしても誰にも文句は言わせません。
生殺しにするのも一つの方法です。その時どんな顔をするのか見てみたい。

「別居するって事?」

「そうだな。即、離婚だって言われるよりはいいだろう。お前も考えてみな。
奴と遊びのつもりだと思っていたのが、案外本気だったのかもしれないしさ。
また抱かれたくなっても都合がいいぞ。
そうなら、俺と一緒にいるのは苦痛になってしまうからな」

「・・・そんな・・・そんな事ない・・・許してくれないかもしれないけど・・・・」

はっきりとした言い方に本当の気持ちなのかなと思ってしまうのは、私の気持ちにもそんな部分があるからなのでしょうか?
単身赴任している訳でもないのに、この年で一人暮らしは辛い。気持は揺れ動いているのでした。
それでも天邪鬼なので受け入れる気持になれません。

「毎日、顔を会わせるのは辛いぜ」

「・・・・ごめんね・・・・ごめんね・・・・」

それだけの言葉を繰り返すだけでしたが、それ以上言えないのでしょう。
私も本当の気持ちが浮かび上がってくるまで、何をしても演技になってしまうと思うのです。



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