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津島正義 4/19(日) 20:26:05 No.20090419202605 削除
店には既に3組のお客が座っていました。店の一番奥に個室風の席があり、そこが妻たちの予約席となっていました。窓から夜景が一望できる特別席のような感じです。コース料理が既に予約されているようで、飲み物を注文しました。先ずビールで乾杯し、ワインに切り替える段取りとなっています。

ビールで乾杯した後、食事をしながら仕事のこと、静岡のこと、それぞれの家族のこと、趣味のことなどを話しました。山口という姓の静岡所長は父親が病気で入院しており、下着を届けることになっています。山口所長の話によると、面会時間が通常は午後8時までなのだが、今晩だけは特別に午後9時まで延長していただいたとのことで、急いでいるのです。

自宅への帰り道に病院があり、風邪を引いている母親から、病院に寄るよう頼まれているというのだ。病院へ行くのは3日連続とのことです。

 「病院は実家からだと遠いので手伝わないと……。新しい替え下着は自分が運び、汚れ物は私が持って帰ってきて妻が洗います。」山口所長は言い訳を言っています。

「家族なんだからそのくらいは協力しなさい。私たちのことは気にせず病院へ行きなさい!」村澤本部長が当然だという顔をして言いました。

デザート、紅茶が運ばれてきました。時計を見ると8時が過ぎ、所長がソワソワして席を立った。「津島君、店の出口まで見送ってあげなさい!」村澤本部長が妻に指示しています。

「はい、明日もお手伝いに上がりますので宜しくお願いします。」と言いながら席を立ち、所長の荷物を持って出口へ進みました。
その時村澤本部長が妻の紅茶に小瓶に入った錠剤を入れたのを誰も見ていませんでした。

村澤の奥さんが後日告白したところによると、村澤は15、16年ほど前に自分の男性機能を強く、太く、長く、そして持続力を増強するため、医者に掛かったり男性用精力剤を愛用してきました。本部長の奥さんによると、見違えるような逞しい肉棒を手にしたとのことです。今でも時々その種の薬剤を口にするそうです。

 しかし逆に夫婦関係は良くなくなったといいます。村澤が以前にも増して女性にだらしなくなってしまったからだといいます。いろいろな女性をつまみ食いするようになったのです。それが理由で夜の夫婦生活も遠のいていったといいます。だから奥さんは昔の彼の方が誠実でよかったと言っています。

その夜8時半頃お開きにしてレストランを出ました。「話があるので、ちょっと俺の部屋に立ち寄ってくれないか?」村澤本部長は妻に言いました。
上司からの命令であり、妻はもちろんそれに従い、「はい、分かりました」と返事をしました。

レストランに入る前に受け取っていたカードキーを持って10階に上りました。まず本部長が部屋に入り、妻がその後に続きました。部屋はスイートルームで、部屋の隣に応接セットのある部屋がついていました。窓からは静岡の街の夜景が広がっています。

応接ソファーに座り、妻は本部長の話を待ちました。実はこの時妻は少し目眩がするなど、身体の変調を自覚しおかしいなと思っていたのです。



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