経済・経済学に関するメモ。

内田勝晴
通貨による現象であるインフレやデフレを避け、安定的に成長する経済運営を行うのが経済政策の根本であり、それは通貨をコントロールする各国の中央銀行の責任だ。こういう考えで、通貨供給量を経済政策の最重要課題だとする経済学者のグループがいる。マネー(通貨)を重視するから、マネタリストと呼ばれる。ノーベル経済学賞を受賞したミルトン・フリードマン博士はその中心人物である(内田勝晴 『家康くんの経済学入門-おカネと貯蓄の神秘をさぐる』 筑摩書房〈ちくま新書〉、2001年、88-89頁)。
ミルトン・フリードマン
中央銀行は、その国が中期的に期待できる成長率に合わせて通貨供給率を定率にしてしまえといっている(内田勝晴 『家康くんの経済学入門-おカネと貯蓄の神秘をさぐる』 筑摩書房〈ちくま新書〉、2001年、90頁)。
岩田規久男
名目金利を景気判断の材料とするよりも、むしろ貨幣供給の増加率を安定的に保ちながら、予想実質金利の自動調整機能を活用して景気の安定化を図った方が、結果的に、景気の変動をならすことができるといえる。右のように、景気の安定をはかる上で、貨幣供給の増加率を安定的に保つことを重視する立場を、マネタリズムという(岩田規久男 『マクロ経済学を学ぶ』 筑摩書房〈ちくま新書〉、1996年、171頁)。

批判

内田勝晴
これに対するケインズ側からの反論もある。フリードマンは通貨供給量の伸び率が大きくなると、三年から五年後に物価が上昇すると言っている。それは統計的に明らかだというのだが、論理的に明らかにしたものではない。三年から五年も時間的経過があれば、その間にさまざまな外的インパクトが経済に作用する。だから、因果関係を一義的に特定するのはおかしいというのである。また、通貨供給量と結びつく物価指標には、土地や株式などのストック分の価格指標が入っていないから、物価と通貨供給量の関係を直接に結びつけるのは誤りだという批判もある(内田勝晴 『家康くんの経済学入門-おカネと貯蓄の神秘をさぐる』 筑摩書房〈ちくま新書〉、2001年、211頁)。

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