経済・経済学に関するメモ。

小室直樹
経済学は「近代資本主義」だけを研究対象とし、近代資本主義における価格決定のメカニズムを解明する事を最大の目的としている(小室直樹 『経済学をめぐる巨匠たち』 ダイヤモンド社〈Kei BOOKS〉、2003年、188頁)。
池田信夫
お金も時間もモノも限られている。何をどれだけ選ぶか。経済学は、そうした選択に関する学問だ(ニューズウィーク日本版編集部編著 『経済超入門 ゼロからわかる経済学&世界経済の未来』 CCCメディアハウス、2017年、30頁)。
ライオネル・ロビンズ
かつて著名な経済学者のライオネル・ロビンズは経済学とは限られた資源を代替可能な諸目的のあいだにいかに配分するかを究明する学問である、と書いた(田中秀臣 『最後の『冬ソナ』論』 太田出版、2005年、125頁)。
竹内健蔵
経済学の重要な目的の1つは、この世に存在する資源をいかにうまく経済主体(消費者や企業)の間に配分して、社会全体の幸せを最大にするかを考えることである(竹内健蔵 『あなたの人生は「選ばなかったこと」で決まる 不選択の経済学』 日本経済新聞出版社〈日経ビジネス人文庫〉、2017年、30頁)。
スティーヴン・レヴィット、スティーヴン・ダブナー
経済学は、他にも増して、計測の学問である(スティーヴン・レヴィット、スティーヴン・ダブナー 『ヤバい経済学 [増補改訂版]』 望月衛訳、東洋経済新報社、2007年、14頁)。
竹内健蔵
経済学では、限られた資源をどのように配分したら社会全体がもっと幸せになれるか、を研究することが主な目的の1つである。その目的達成のためには、それぞれの限られた資源(天然資源だけではなく、時間や環境なども立派な資源である)がどれだけの価値を持っているかを確定しておかなくては、社会全体を最も幸せにするような配分方法を見つけ出すことはできない。つまり、すべての資源の価値を何らかの方法で測っておかなければ、そもそも幸せな社会を作りたい経済学の目的は達成されないことになる(竹内健蔵 『あなたの人生は「選ばなかったこと」で決まる 不選択の経済学』 日本経済新聞出版社〈日経ビジネス人文庫〉、2017年、85頁)。
竹中平蔵
経済の問題には絶対的に正しい答えはないということです。ある解答が100点満点で、別の解答が0点ということはないんです(竹中平蔵 『竹中平蔵の特別授業-きょうからあなたは「経済担当補佐官」』 集英社インターナショナル、2005年、96頁)。
スティーヴン・レヴィット、スティーヴン・ダブナー
なんでもそろう完全な世界なら、経済学者も物理学者や生物学者みたいに統制の効いた環境で実験をするだろう。つまり、サンプルを2つ用意して、1つをでえたらめに動かし、その効果を測るというやり方ができる。でも、そんな純粋な実験ができるほど経済学者が恵まれていることはあんまりない(スティーヴン・レヴィット、スティーヴン・ダブナー 『ヤバい経済学 [増補改訂版]』 望月衛訳、東洋経済新報社、2007年、192-193頁)。
飯田泰之
経済学の学習は、主に「言葉」「図」「数字」の3つの方法によって行われます。(中略)経済学の本質はその論理であり、図・数学はそれを補助する道具にすぎません(早稲田公務員セミナー・笠崎泰之 『3時間でわかる経済学入門 (Wの入門シリーズ)』 早稲田経営出版、2000年、7頁)。
グレゴリー・マンキュー
マンキューによれば、「エコノミストの意見の不一致」には主に三つの理由がある。第一に、経済的現実をどう科学的に判断するかということについての相違である。第二に、現実認識がたとえ共有できたとしてもそれにどのような評価を与えるかという、主に価値観の相違をめぐるものである。経済的な現実を客観的にどう分析するかは、実証的な問題であるのに対して、この価値観の相違は解消が困難な場合が一般的だろう。そして、マンキューは最後に、「エセ・エコノミスト」が流行に便乗し、政治家や世論に影響をもつ場合をあげている(田中秀臣・安達誠司 『平成大停滞と昭和恐慌〜プラクティカル経済学入門』NHK出版〈NHKブックス〉、2003年、9-10頁)。
松尾匡
経済学的発想の典型構造 経済は人間の意図を離れて自律的に動く。それを力で左右しようとすると、かえって正反対の結果になったりする。取引をすると当事者がともにトクをする。他人との優劣よりも、自分がどのくらい良いかが大事。 反経済学的発想の典型構造 世の中はその人の力の強弱に応じてコントロール可能である。誰かがトクをするとその裏では別の誰かがソンをしている。多少ソンをしてでも、他人よりも優越することが大事である(若田部昌澄・栗原裕一郎 『本当の経済の話をしよう』 筑摩書房〈ちくま新書〉、2012年、143頁)。
竹中平蔵
政治と経済の問題はやはり違うんです。ひとことでいうと、政治や軍事は「ゼロサム」です。つまり、たとえばいま同じ軍事力を持っているとして、相手がいまよりも強くなってことらが何もしなければ、相対的にこちらが必ず弱くなります。これが「ゼロサム」(合計がゼロ)という考え方です。しかし、経済は「プラスサム」(合計が増える)です。つまり、相手が強くなって、こちらも強くなるという世界です。そこがまず重要な基本だと思います(竹中平蔵 『竹中平蔵の特別授業-きょうからあなたは「経済担当補佐官」』 集英社インターナショナル、2005年、79-80頁)。
マイケル・サンデル
ほとんどの経済学者は、少なくとも経済学者としての役割において道徳的問題に取り組むのを好まない。自分たちの仕事は人々の行動を説明することであり、判断することではないというのだ。この行動やあの行動を律すべき規範は何か、この善やあの善をいかに評価すべきかといったことを教えるのは、自分たちのすることではないと彼らは主張する(マイケル・サンデル 『それをお金で買いますか--市場主義の限界』 鬼澤忍訳、早川書房、2012年、72頁)。
デニス・H・ロバートソン
経済学は、現状では獲得の欲望に関する学問なので、崇高な人間的動機は扱わない。利他主義、博愛、寛容、連帯、市民の義務といった高級な美徳を説くのは「俗人であれ聖職者であれ説教者の役割です」「説教者の仕事を扱いやすい規模に縮小するのをできるかぎり助けるのが、経済学者に与えられた、より地味で、往々にして不愉快な役目なのです」(マイケル・サンデル 『それをお金で買いますか--市場主義の限界』 鬼澤忍訳、早川書房、2012年、180頁)

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