経済・経済学に関するメモ。

中谷巌
実質金利とは名目金利から予想される物価上昇率を差し引いたものと定義されます(中谷巌 『痛快!経済学』 集英社〈集英社文庫〉、2002年、100頁)。

解説

中谷巌
金利には「名目金利」と「実質金利」があります。このことを明確に理解しているのと、そうでないのとでは、経済現象の理解に大きな差が出ます。(中略)ある名目金利が高いか低いかを判断するときには、常にインフレーションのことを考えなければなりません(中谷巌 『痛快!経済学』 集英社〈集英社文庫〉、2002年、99頁)。
中谷巌
実質金利=名目金利-予期される物価上昇率(中谷巌 『痛快!経済学』 集英社〈集英社文庫〉、2002年、100頁)
野口旭
「名目金利-期待インフレ率=実質金利」の関係を解いたのは、アメリカの経済学者アービング・フィッシャーであることから、この式は“フィッシャー方程式”といいます。そして、フィッシャー方程式であらわされた期待インフレ率が引き上げられた分だけ名目金利が上がることを“フィッシャー効果”と呼びます(野口旭 『「経済のしくみ」がすんなりわかる講座』 ナツメ社、2003年、144頁)。
野口旭
例えば、好景気でインフレ傾向にあるときに、名目金利3%で1年間でインフレが3%進んだとします。このケースでは実質金利は0%ということになります。これは、預けた場合の金利は0%だったことになり、借りていた場合は金利を払わなくていいということになります(野口旭 『「経済のしくみ」がすんなりわかる講座』 ナツメ社、2003年、145頁)。
中谷巌
インフレーションがまったくない場合には、実質金利と名目金利は一致します。あるいは、デフレーションの場合には、物価が下落していますので、実質金利は名目金利よりも高くなります(中谷巌 『痛快!経済学』 集英社〈集英社文庫〉、2002年、100頁)。
岩田規久男
名目金利を景気判断の材料とするよりも、むしろ貨幣供給の増加率を安定的に保ちながら、予想実質金利の自動調整機能を活用して景気の安定化を図った方が、結果的に、景気の変動をならすことができるといえる(岩田規久男 『マクロ経済学を学ぶ』 筑摩書房〈ちくま新書〉、1996年、171頁)。
岩田規久男
人々は利益や費用を名目的な貨幣の価値ではなく、その貨幣でどれだけのモノが買えるか、という実質で考えるであろう。(中略)企業が在庫投資や設備投資を実施するか否か決定するときに、投資から得られる利益と比較する金利は、名目金利ではなく、在庫投資の場合は、短期予想実質金利に、設備投資の場合は、長期予想実質金利を参考になる(岩田規久男 『マクロ経済学を学ぶ』 筑摩書房〈ちくま新書〉、1996年、107頁)。
飯田泰之
企業は(実は個人も)、実質金利って言葉を知らなくても、きちんと実質金利を考慮に入れて投資額を決定しているということなんだ(飯田泰之 『世界一わかりやすい 経済の教室』 中経出版〈中経の文庫〉、2013年、199頁)。

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