経済・経済学に関するメモ。

三和総合研究所
この貿易摩擦を解消するには二通りの方法がある。一つは輸出数量を自主的に抑える方法で、繊維製品や鉄鋼製品はこの輸出の自主規制により摩擦を回避した。もう一つは、輸出から現地での直接生産に切り替える方法である。カラーテレビやVTR箱の現地生産への切り替えで対処し、自動車は両者の手法を並行して摩擦を回避した(三和総合研究所編著 『30語でわかる日本経済』 日本経済新聞社〈日経ビジネス人文庫〉、2000年、76頁)。
野口旭
貿易不均衡とは基本的に一国全体の貯蓄と投資の不均衡の現れにすぎません。しかしながら、経済学の専門家以外の人々は、通常はそのようには考えていません。貿易赤字は基本的に「悪い」ことであり、その原因は外国に比べた自国の国際競争力の弱さや、貿易相手国の市場の閉鎖性にあると考えています。実は、この考え方は、経済学的には完全な誤りです。しかし、現実においては、この誤謬こそが、貿易赤字・黒字に関する圧倒的な通説になってしまっています。(中略)貿易赤字を「悪」と考え、その原因を国際競争力の弱さや貿易相手国の市場閉鎖性に求める国際競争力の考え方は、これまで常に、有害かつ危険な対外経済政策に結びついてきました。それは、貿易摩擦を生み、各国間の貿易戦争をもたらしてきました(野口旭 『グローバル経済を学ぶ』 筑摩書房〈ちくま新書〉、2007年、24-25頁)。

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