経済・経済学に関するメモ。

為替レートの影響

大和総研
内外価格差を比較する場合には、異なる通貨単位を統一させる必要があるため、為替レートの動向に大きく左右されます。日本の物価は長期間にわたる円高傾向が続いてきたため、他国と比べて相対的にが高い状態が続いています。(中略)内外価格差を発生させる要因としては、まず為替レートと物価の変動の速度が違うことが挙げられます(大和総研 『最新版 入門の入門 経済のしくみ-見る・読む・わかる』 日本実業出版社・第4版、2002年、98頁)。
円居総一
貨幣という名目価値で、それぞれの国の通貨で表示した絶対価格を直接比較して、日本の物価は高く、それは国際的価格に収斂していかなければならない、あるいは、高コスト体質を改めなければならないなどと議論しても、まったく意味はない。異なる通貨の交換比率である為替相場(名目相場)によって、高いか、低いか、が決まる。それでは、果たして日本のモノや賃金が米国のそれらより実質的に(相対価格として)高いのか、低いのか、はまったくわからないからだ(円居総一 『原発に頼らなくても日本は成長できる』 ダイヤモンド社、2011年、148頁)。

物価と生活水準

岩田規久男
日本の消費者物価が高いこと自体は、消費者の生活が苦しいことを何ら意味しません。私たちの生活水準を決めるのは、物価ではなく、所得物価比率です(岩田規久男 『日本経済にいま何が起きているのか』 東洋経済新報社、2005年、39頁)。
岩田規久男
物価そのものには意味がなく、名目所得と物価の比率に意味があることが理解できたと思います。当り前のことですが、物価が下がっても、失業してしまい、所得がなくなれば、実質所得はゼロになってしまい、生活は楽になるどころか、苦しくなるばかりです(岩田規久男 『日本経済にいま何が起きているのか』 東洋経済新報社、2005年、40頁)。

貿易財と非貿易財

大和総研
内外価格差を生み出した大きな要因は、貿易財と非貿易財との間における価格動向の格差であるということになるでしょう(大和総研 『最新版 入門の入門 経済のしくみ-見る・読む・わかる』 日本実業出版社・第4版、2002年、99頁)。
飯田泰之
経済学的に考えていくと、日本で非貿易財が高いのは、貿易財産業の企業が圧倒的努力によって達成した技術進歩が原因だということがわかります(早稲田公務員セミナー・笠崎泰之 『3時間でわかる経済学入門 (Wの入門シリーズ)』 早稲田経営出版、2000年、57頁)。
伊藤修
日本の物価の割高・割安は品目ごとにばらばらである。(中略)製造業は世界で鍛えられて、サービス業はぬくぬくと甘えている、というように一律にはいえない(伊藤修 『日本の経済-歴史・現状・論点』 中央公論新社〈中公新書〉、2007年、184頁)。
田中秀臣
これを個別価格の水準で見てみると、サービス産業の価格は、90年代から今日までほぼ高止まりしたままです。それに対して、デフレ不況下にある製造業の価格は下落トレンドにあり、特にリーマンショックのような強い危機の後には減少しています。サービス産業の価格の構成要素を見ると、その大半は人件費であり、これはサービス財の価格同様に、下方硬直性という性格を持っています。そして、この性格こそが、高止まりの原因となっているのです(田中秀臣 『日本経済復活が引き起こすAKB48の終焉』 主婦の友社、2013年、158頁)。

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