経済・経済学に関するメモ。

清野一治
最適関税政策の問題は、日本が得る利益は米国の利益の犠牲により生み出されているという点にある。実際、輸入国にとって交易条件改善は、輸出国にとってみれば交易条件悪化を意味する。一般に他国の利益を犠牲にして自国の利益だけを増進するような政策は近隣窮乏化政策と呼ばれる。最適関税政策は近隣窮乏化政策なのである(石井安憲・清野一治・秋葉弘哉・須田美矢子・和気洋子・セルゲイ・ブラギンスキー 『入門・国際経済学』 有斐閣、1999年、67頁)。
中谷巌
自国の不況対策として為替レートを操作することがしばしば「失業の輸出」につながると考えられるからなのです。このような介入はしばしば「近隣窮乏化政策」(Beggar-Thy-Neighbor Policy)と呼ばれています(中谷巌 『入門マクロ経済学』 日本評論社・第5版、2007年、177頁)。
野口旭
この近隣窮乏化政策の問題点は、他国の報復を誘発する可能性が高く、それによって結局は自国の状況も悪化するケースが多いということです。実際、こうした政策の多くの国が先に争って行ったために、世界大恐慌の影響は貿易の縮小を通じてさらに増幅され、世界経済は文字どおり崩壊していくことになります(野口旭 『グローバル経済を学ぶ』 筑摩書房〈ちくま新書〉、2007年、133頁)。

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