経済・経済学に関するメモ。

飯田泰之
海外から直接投資を増やすためには、その国の制度が海外の企業に魅力的なものである必要がある((飯田泰之 『世界一わかりやすい 経済の教室』 中経出版〈中経の文庫〉、2013年、131頁)。

有用性

原田泰、大和総研
新興国が投資主導型成長を持続するのに、外資(外国企業、銀行、投資家)が果たしてきた役割は軽視しがたい。最もわかりやすい例が、生産拠点の移転を伴う先進国企業による直接投資であるが、新興国のインフラ建設などにおいても、部分的であれ、今では外資を含む民間資金を導入するのが普通である。また、近年の新興国の株式市場の活況は、外国人投資家の活発な市場参入を伴ってきたが、これも新興国企業の資金のアベイラビリティー(調達しやすさ)の向上を通じ、設備投資の活性化を後押ししてきたはずである(原田泰・大和総研 『新社会人に効く日本経済入門』 毎日新聞社〈毎日ビジネスブックス〉、2009年、93-94頁)。
円居総一
高い投資は高い貯蓄を生むから、その結果を踏まえて、東アジアやかつての日本の高成長の源は、高貯蓄が高い資本形成(投資)を実現してきたこととする見解も根強く、誤解を生んできた。国内の貯蓄が不足する発展途上の経済が、外国からの資金<資本>借入れで成長を遂げてきた事実、典型的には、東アジアがそれを輸出産業の育成に充てて輸出主導の急速な経済発展を成し遂げてきた事実に照らしても、それは明らかだろう(円居総一 『原発に頼らなくても日本は成長できる』 ダイヤモンド社、2011年、182頁)。

為替レートの影響

岩田規久男
円高は海外の賃金を日本に比べて低下させるという経路を通じても、対外直接投資を増加させる要因になります(岩田規久男 『景気ってなんだろう』 筑摩書房〈ちくまプリマー新書〉、2008年、101頁)。

問題点

岩田規久男
対外直接投資の増加の結果、地域から製造業を中心とする産業がなくなってしまうことを産業空洞化といいます(岩田規久男 『景気ってなんだろう』 筑摩書房〈ちくまプリマー新書〉、2008年、103-104頁)。
岩田規久男
対外直接投資は日本で生み出されたはずの生産と雇用が生み出されない、という意味で、生産減と雇用減をもたらします(岩田規久男 『景気ってなんだろう』 筑摩書房〈ちくまプリマー新書〉、2008年、103頁)。
岩田規久男
対外直接投資の増加は輸入の増加とともに、日本の熟練度の低い労働者の賃金を抑制する要因になります(岩田規久男 『景気ってなんだろう』 筑摩書房〈ちくまプリマー新書〉、2008年、110頁)。
松原聡
日本の金融機関が資金不足でアジアの国々などにお金を貸せなくなると、アジアの国々の経済も悪化してしまいます(松原聡 『日本の経済 (図解雑学-絵と文章でわかりやすい!)』 ナツメ社、2000年、230頁)。

動向

国連
国連の調べでは、世界の直接投資受け入れ総額は、二〇〇六-〇八年の平均で一九九〇-九二年平均の一〇倍以上に拡大した(麻木久仁子・田村秀男・田中秀臣 『日本建替論 〔100兆円の余剰資金を動員せよ!〕』 藤原書店、2012年、222頁)。
原田泰、大和総研
2007年末時点の外資系企業による中国への直接投資額は7754億ドル(約81兆4170億円)(原田泰・大和総研 『新社会人に効く日本経済入門』 毎日新聞社〈毎日ビジネスブックス〉、2009年、108頁)。

アメリカ

大和総研
たとえばアメリカから外国への直接投資額をみると、1980年には192億ドルであったものが、2000年には1524億ドルにも拡大しています(大和総研 『最新版 入門の入門 経済のしくみ-見る・読む・わかる』 日本実業出版社・第4版、2002年、220頁)。

日本

日本貿易振興会
日本貿易振興会によると、日本企業買収や現地法人設立などが目的の対日直接投資は二〇〇〇年度、二百八十三億ドルと、九五年度の七倍に拡大した(日本経済新聞社編著 『そうか、わかった!いまどき日本経済-エコノ探偵団デフレの街を行く』 日本経済新聞社〈日経ビジネス人文庫〉、2002年、20頁)。
財務省
財務省の統計では、買収など日本への直接投資は、九五年度は三七〇〇億円程度だったが、九八年度から急増、昨年度は約二兆一八〇〇億円に達した(日本経済新聞社編著 『エコノ探偵団がゆく!路地裏ニッポン経済』 日本経済新聞社〈日経ビジネス人文庫〉、2003年、233頁)。
日本経済新聞社
対日投資の額は九九年以降増えている。それまで一兆円に満たなかったのが、毎年二兆円を上回る水準になっている。日本企業の買収が増えてきたことが背景。ただ、名目国内総生産に対する対日直接投資の残高を見ると、日本は一・二%にとどまる。これは米国の二五%、ドイツの二四%、英国の三八%をはるかに下回る水準だ(日本経済新聞社編著 『いやでもわかる日本経済』 日本経済新聞社〈日経ビジネス人文庫〉、2003年、174頁)。
小峰隆夫
日中関係を見れば、08年の日中貿易は総額で2,664億ドルで日米総額を2年連続で上回っています。また対中直接投資は08年で36.5億ドルで、日本は第二の投資国です(小峰隆夫 『ビジュアル 日本経済の基本』 日本経済新聞社・第4版〈日経文庫ビジュアル〉、2010年、156頁)。
榊原栄資
今や中国は日本の最大の輸出先である。又、対中直接投資でも日本は香港・台湾・シンガポールに次いで第四位、年間四二億ドルとアメリカの四一億ドルを若干上回っている(二〇一〇年)(田中秀臣編著 『日本経済は復活するか』 藤原書店、2013年、238-239頁)。
日本経済新聞出版社
日本から中国への直接投資は08年に6000億円程度だったが11-12年には1兆円を突破(日本経済新聞出版社編著 『中国バブル崩壊』日本経済新聞出版、2015年、152頁)。
財務省
財務省の統計によれば、14年の日本から中国への対外直接投資額が67億4100万ドル(約8100億円)だったのに対し、東南アジア諸国連合(ASEAN)への合計投資額は204億ドルと3倍に達した(日本経済新聞出版社編著 『中国バブル崩壊』日本経済新聞出版、2015年、174頁)。

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