経済・経済学に関するメモ。

ニューズウィーク日本版編集部
環太平洋地域の国々における経済自由化をめざした協定(ニューズウィーク日本版編集部編著 『経済超入門 ゼロからわかる経済学&世界経済の未来』 CCCメディアハウス、2017年、127頁)。
ニューズウィーク日本版編集部
アジア・太平洋地域における貿易や投資の自由化を進め、知的財産、電子商取引、国有企業、環境など幅広い分野で新たなルールを構築するための法的枠組み(ニューズウィーク日本版編集部編著 『経済超入門 ゼロからわかる経済学&世界経済の未来』 CCCメディアハウス、2017年、129頁)。
若田部昌澄
TPPそのものは、関税撤廃という貿易の自由化と、共通のルールづくりの2点に尽きる。どちらも市場の拡大を目的としている(若田部昌澄・栗原裕一郎 『本当の経済の話をしよう』 筑摩書房〈ちくま新書〉、2012年、123頁)。

注意点

田中秀臣
だってもう日本はアメリカなんかと比べても、貿易の自由化度高いですからね。これはもう、国際的な統計でも出ていることです。だから当然とっくに「開国」していて、戦後ずっとその恩恵を受けている国なんですよ。それはもう間違いないんです(麻木久仁子・田村秀男・田中秀臣 『日本建替論 〔100兆円の余剰資金を動員せよ!〕』 藤原書店、2012年、140頁)。

批判

若田部昌澄
反TPP論の要点は煎じ詰めれば三つくらいなんだよね。(1)貿易自由化への誤解、(2)アメリカに対する反感、(3)政治への不信、の三つだ(若田部昌澄・栗原裕一郎 『本当の経済の話をしよう』 筑摩書房〈ちくま新書〉、2012年、123頁)。
若田部昌澄
TPPに反対する人たちの主張はだいたいこんな具合だ。TPPの主導権を握っているのはアメリカで、そのターゲットはGDP比率からしても明らかに日本の市場である。したがって、TPPは実質的には日米FTA(自由貿易協定)であり、TPPに参加したら日本の市場はアメリカの食い物にされるのだ!(若田部昌澄・栗原裕一郎 『本当の経済の話をしよう』 筑摩書房〈ちくま新書〉、2012年、124頁)。

反論

若田部昌澄
このロジックも完全にゼロサム的世界観に基づいている。アメリカがトクをするから日本がソンする、というもの。比較優位説によれば、トレードは双方にトクがあるはずで、プラスサムであるはずなんだよね(若田部昌澄・栗原裕一郎 『本当の経済の話をしよう』 筑摩書房〈ちくま新書〉、2012年、124頁)。
若田部昌澄
複数の主権国家が協定を結んで貿易に関するルールづくりをするのがTPPなんだからさ、アメリカがいくら大国で発言力が強いといっても、その他の国だって自国の利益を追求している以上、唯々諾々と従うわけがないじゃない(若田部昌澄・栗原裕一郎 『本当の経済の話をしよう』 筑摩書房〈ちくま新書〉、2012年、131頁)。

デフレーション懸念

中野剛志
(3)自国がデフレ下にあるときの貿易自由化は避けるべきだ。貿易が自由化されると安価な製品が流入し、地銀は下落し国内雇用も失われてデフレがさらに進行する。グルーバル化は賃金引き下げを進めるので輸出もデフレの原因となる。TPPよりもデフレ脱却が先決である(若田部昌澄・栗原裕一郎 『本当の経済の話をしよう』 筑摩書房〈ちくま新書〉、2012年、161頁)。
反論
若田部昌澄
TPPでデフレになる、というのは怪しいけど、TPPを普通に行うと食料品などの価格が下がるのは確実だ(若田部昌澄・栗原裕一郎 『本当の経済の話をしよう』 筑摩書房〈ちくま新書〉、2012年、155頁)。
若田部昌澄
デフレおよび円高とTPPは別の問題でトレード・オフはないから、それぞれに政策割り当てをしてそれぞれにかいけつしていけばいい話にすぎない。自由貿易がデフレを進行させるというのは端的に間違い。自由貿易化すれば輸入するモノの値段は総じて下がるけれど、それは原則として物価が下落するデフレとは異なる現象だ。平たく言うと、おカネの価値はそのままで、モノの値段が下がる。浮いたおカネはべつのところに使えるから懐は暖かくなる。実際には、輸入するモノの価格が安くなると物価もそれに引きずられて安くなるという関係が見られないわけではないが、それは短期的にしか起きない(若田部昌澄・栗原裕一郎 『本当の経済の話をしよう』 筑摩書房〈ちくま新書〉、2012年、167頁)。

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