経済・経済学に関するメモ。

田中秀臣
経済学ではミニョンのように合理的な人間は、「効率」という基準で一日二四時間と金を仕事や恋や遊びに割り振っていると考えているのである。経済学では費用(チェリンとのデートに振り向ける時間と金)と便益(チェリンとの恋愛から得られることができる満足)を比較して、後者の便益が費用よりも大きいときに、その恋は「効率」的であると表現するのである。なんと日常的な常識からは打算的に見えることだろうか!しかしこれが経済学の王道であり、基本的な思考である。いい方をかえると、費用と便益ですべての行為の評価をおこなっているともいえるのである(田中秀臣 『最後の『冬ソナ』論』 太田出版、2005年、126頁)。
ウォルター・ブロック
恋愛から学問にいたるまで、人間同士の自発的な関係はすべて取引だということだ。ロマンティックな恋愛や結婚においては、取引は愛情や思いやり、やさしさなどを介して行われる。その取引は幸せなものであろうし、互いに与え合うことに喜びを見出すであろう。しかし、それでもやはりこれは取引なのである(ウォルター・ブロック 『不道徳な経済学: 転売屋は社会に役立つ』 橘玲訳、早川書房〈ハヤカワ文庫NF〉、2020年、72頁)。
ロバート・フランク
そして愛が合理的な計算(費用と便益を比較すること)にそぐわない側面があることを指摘している(田中秀臣 『最後の『冬ソナ』論』 太田出版、2005年、130頁)。
ロバート・フランク
フランクは、17世紀フランスの哲学者のパスカルの言葉を引用しながら、「費用と便益を合理的に計算する人間には人を愛することはできない」と、自らの“愛の経済学”を披露している(田中秀臣 『不謹慎な経済学』 講談社〈講談社biz〉、2008年、46頁)
デニス・H・ロバートソン
われわれ経済学者がきちんと仕事をすれば、この世で最も貴重なもの、すなわち<愛>というあの希少資源の……節約に大きく貢献できると思います(マイケル・サンデル 『それをお金で買いますか--市場主義の限界』 鬼澤忍訳、早川書房、2012年、180-181頁)
マイケル・サンデル
われわれの愛や善意の容量は、使ったからといって減るものではなく、実践することによって拡大するという可能性は無視されているのだ(マイケル・サンデル 『それをお金で買いますか--市場主義の限界』 鬼澤忍訳、早川書房、2012年、181頁)。

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